こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は267話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
<鏡よ 鏡 この世で一番美しいのは誰?>
子供服のデザイナーとして生きていた私は過労死ししてしまい、気がつくと童話に入り込んでしまった。
しかも、美しい連れ子に嫉妬し、毒殺して夫に処刑される残忍な悪女になっていた!
可愛くて愛らしい我が娘ブランシュと仲良くなって愛情を注ぎたいのに…。
「君がブランシュの心配をするとは面白いな」
クズみたいな夫がいつも私の邪魔をしてくる!
「私もブランシュの親です。私を疑ったことを謝ってください」
「謝らなかったら?」
「今夜、殿下の寝所へ伺います」
アビゲール・プリドキン:本作の主人公。白雪姫ブランシュの継母。転生前はデザイナーで、ブランシュのことを気に入っている。
ブランシュ・プリドキン:アビゲールの義理の娘。自分を虐げてきたアビゲールの突然の変貌に困惑している。
セイブリアン・プリドキン:ネルゲン王国の国王。ブランシュの父で、アビゲールの夫。
クララ:新人侍女。
ミラード:セイブリアンの側近。
ジェレミー夫人:ブランシュの家庭教師でありシッター。
ストーク:公爵。セイブリアンに側室を迎えるように何度も勧めてくる。
ヴェリテ:真実を告げる鏡。
ミリアム:前王妃。ブランシュを産んで間もなくこの世を去った。
267話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 真実の愛
「とても後悔しています」
葬儀場に向かう途中、私はそう呟く。
ミラードに自分の罪を告げ、非難されたかったのかもしれない。
「こんな風に別れると知っていたら、彼の頼みを断るべきではなかったのに」
愛しているという言葉でもキスでも、なんでもしてあげればよかった。
ミラードが静かに口を開いた。
「私もあれが殿下との最後の対話になると知っていたら・・・。もっと優しく申し上げたことを後悔しています」
「どんな話をされたのですか?」
「ブランシュ王女が私のリンゴをくださったのですが、殿下がそれを欲しいと言ったのです」
「・・・リンゴですか?」
その平凡な果物が、この瞬間だけはとても私は奇異な存在に感じられた。
「はい。それで少し言い争いました。お姫様からいただいたリンゴなので差し上げるのが嫌だったのですが、本当に美味しく召し上がっていましたよ」
セーブルが死ぬ前にリンゴを食べた?
「こうなると分かっていたら快く差し上げればよかったのに・・・。あれ・・・?王妃様?王妃様!」
気がつくと、私は走っていた。
何度も倒れそうになったのを辛うじて耐えながら走り、また走った。
閉めておいたダムが爆発し、水が降り注ぐように、きらめく何かが頭の中に流れ込んでくるようだった。
ただ、心証だけがある可能性に過ぎない。
しかし、私には切実な可能性だった。
セーブル、セイブリアン、私のセイブリアン。
葬儀場の扉を勢いよく開けて入る。
前もって到着していた弔問客たちが驚いて私の方を振り返った。
「セーブル!」
黒い服を着た人たちを通り過ぎ、棺桶に駆けつける。
私は顔にかかっていたベールを乱暴に剥がした。
セーブルは棺桶の中に横たわっていた。
数百輪の百合に埋もれたまま、長い眠りに落ちた人のように目を閉じている。
彼は雪より白い刺繍を着ていた。
しかし、両目に魔力を集中すると、微かに黒い光が漂っているのが見えた。
私は彼の手を握る。
海に落ちた人が板を抱きしめるように、自分の命綱を握るように、いいや、自分の命よりも切実に彼の手を握った。
お願い、お願い。
百合の香りの間から彼にキスをする。
唇は冷たくて、悲しいほど甘かった。
セイブリアン、どうか離れないで。
どうか私のところに戻ってきて。
私はまだあなたを行かせない。
まだあなたに言えなかったことがある。
まだあなたに愛しているって言えなかった。
この唇が離れたら息が止まる人のように彼にしがみつく。
お願い、お願い。
私はこの世の全ての神の前に跪きたかった。
誰でもいいから、どうか、彼を私に返して。
熱い涙が頬を伝ってとめどなく流れ落ちる。
依然として冷たい彼の手を握っていたその時、向かい合っていた唇が甘かった。
私は慌てて頭を上げてセーブルを眺める。
彼が咳き込むと、リンゴの破片が口から飛び出した。
「セーブル?大丈夫ですか?」
セーブルはあえぎながら私を見つめた。
彼はまるで長い眠りから覚めた人のように見える。
「ビビ」
とても聞きたかった声。
どんな色にも変えられない愛らしい瞳の中に私が映っていた。
やっと息ができるようだった。
私は震えの少ない手で彼の頬を覆う。
「ごめんなさい。ごめんなさい、セーブル。私が馬鹿でした。私がとても愚かでした。あなたをこんなに愛しているのに・・・」
あまりに言いたかったことが涙とともに溢れ出た。
毎晩我慢していた告白。
幾多の夜、私の胸を照らした光だった。
「愛しています、セイブリアン。ずっと前から、あなたを愛していました」
私の不安と自壊感さえも、この愛に勝つことはできなかった。
セーブルは信じられないように、ぼんやりとした目で私を見上げて上半身を起こした。
「アビゲール」
彼は震える手で私を抱きしめる。
まるで私がここに実在する人であることを確認しようとするかのように。
彼の全身が壊れそうに震えていた。
「アビゲール、これは夢ですか?あなたが私を愛しているなんて・・・」
「夢じゃありません」
私は笑おうとしてセーブルにキスをした。
生のキスはとても暖かくて甘い。
「あなたを愛しています、セイブリアン」
私はこれまで我慢してきた分だけ彼の唇にキスをした。
セーブルが私をギュッと抱きしめるのが感じられる。
こんなに甘いと知っていたら、とっくにキスをしていたのに。
セーブルがこんなに喜ぶと知っていたら、もっと早く愛していると言っていたのに。
もっと早く自分の恐怖を振り払っていたのに。
こんなに勇気がなくてブサイクな私の元にセーブルが帰ってきてくれた。
それがとてもありがたく、申し訳なく、愛らしくてキスを止めることができない。
百合に埋もれたまま私たちは限りなくキスをし、話せる言葉が一つしかない人々のように愛の告白を囁いた。
遠くから鐘の音が聞こえてきていた。
葬式ではなく、結婚式を知らせる鐘の音のようだった。
キスで生き返る。
まさに白雪姫ですね!
セイブリアンが生き返ってよかったです。