こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は318話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
318話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 妖精との交流②
ベリテは純朴な笑みを浮かべる。
「だからベリテって呼んで。その方が嬉しいから」
「・・・うん、ベリテ」
ブランシュはいつの間にか涙を止め、にっこり笑う。
自分のせいで泣いて、微笑む少女がとても愛らしかった。
ベリテは手をぎゅっと握ったまま、はにかんだ顔で小さく囁く。
「私はブランシュにとても会いたかった」
「うん、私もベリテが帰ってくるのを待っていた」
ブランシュもベリテの手をもぞもぞと触る。
普段も手をよく握る方だが、今日はなぜか違う気がした。
久しぶりに会ったからだろうか。
ベリテは手を抜かず、こわばっていた。
その時、溌剌とした声が聞こえてくる。
「あら、こんにちは。私が邪魔をしたでしょうか?」
門口を見てみると、ゼルダが入ってきていた。
彼女を見るとブランシュの顔に喜びが花のように咲く。
ベリテの家族だなんて、喜ばしくないはずがなかった。
「そんなはずがありません。お会いできて嬉しいです、ゼルダお姫様」
「私こそですね。私たちのオベロンを3年間保護してくださった方についにお会いできて、ただ感謝するだけです」
ゼルダは教養たっぷりに笑ってベリテを眺める。
その瞳に妖精特有の茶目っ気が滲み出ていた。
「ところで、3年間でずいぶん親しくなったようですね」
彼女の視線はそっと下に落ちる。
二人の子供はまだ手を繋いでいた。
その事実を後になって自覚したブランシュが驚いて手を放す。
顔が戸惑いと恥ずかしさでリンゴのように火照った。
「二人がこんなに熱い仲だとは思いませんでした」
「そんなことないですよ!熱くないです!」
「ふむ。そうですか?じゃあ、仲良くないんですか?」
「仲はいいけど・・・」
ゼルダは楽しそうにブランシュの反応を見ていた。
ブランシュがどうしようもなくすると、ベリテがかっとなってその前に立ちはだかる。
「と、ところで姉さんはどうして来たの?」
「話があって来たんだけと。邪魔だった?」
「わ、私はこれで失礼します!お気軽にお話しください!」
ブランシュは顔を赤らめ、さっさと部屋を出ていく。
その姿がまるで驚いたリスのようで、ゼルダは無言で笑った。
そんな中、ベリテは不機嫌そうな顔をしていた。
久しぶりに会ったブランシュと一晩中話しても足りないのに、姉に邪魔されるなんて。
唇が突き出たベリテを見ながらも、ゼルダはニコっと笑う。
何だか楽しそうにさえ見えた。
「可愛いお姫様だね」
通りかかった人間が見れば、子供が子供を可愛がると思っただろうが、ゼルダは実際にアビゲイルと似た年齢。
ゼルダの目にはベリテとブランシュはただの子供に過ぎなかった。
ベリテは胸いっぱいの口調で話した。
「うん。可愛いし、素敵だよね」
「愛してると言っていた人があのお姫様なの?」
奇襲的に入ってきた質問にベリテの耳がぴんと立つ。
顔に戸惑いが浮かんでいた。
「ど、どうして分かったの?」
「あなたはこんな時は嘘がつけないんだ」
久しぶりに会っても姉弟の関係は変わらなかった。
ゼルダは自分の弟をじっと見つめる。
少しおほろげで、感心するのも同じ視線だった。
ずるずると笑みを浮かべたまま口を開いた。
「お父さんは喜ぶでしょうね。あのお姫様を連れて行って王妃にすればいいから」
「え?」
反問する声には驚愕さえあった。
変な顔をしてしやがんで首をかしげる。
「どうして驚くの?好きなんじゃなかったの?」
「・・・指摘するところが多すぎる。まず、ブランシュと私はそんな仲じゃない」
皆の前で「愛する人がいる」と堂々と話したが、まだ一方的な片思いだ。
「それが重要なの?どうせネルゲンも私たちと同盟国になりたいんじゃないの?」
「ネルゲンは政略結婚させない。ブランシュの意志が一番重要だよ。そして王妃って?」
ベリテが驚愕した点がもう一ヶ所あったが、まさに「王妃」という表現だった。
まさか父の後妻にするという話ではないだろう。
ベリテが疑いの目を向けると、ゼルダは自然に言った。
「あなたが王になるから」
あれだけ重い単語を口にしながらも、声はさっぱりしている。
ベリテは顔を歪めたまま口を開いた。
「お父さんは?」
「あなたが王国を離れている間、父はかなり病弱になったよ。すぐお亡くなりになるだろう」
ゼルダは淡々としている。
数年間、父親の死に備えてきたからだ。
これまで後継問題でどれだけ多くの妖精たちの頭を悩ませたのか。
そして、その問題の答えが目の前にあった。
彼女は表情を引き締めたまま、ベリテに向かって言った。
「私たちには新しい王が必要だよ、オベロン。君が王にならなければならない」
王になってほしいという言葉。
ほとんどの人々は喜ぶようなその言葉にもベリテは沈黙していた。
驚くほどの話ではない。
鏡に閉じ込められる前、すでに第1継承者として教育を受けてきたベリテだった。
その当時は王という地位に大きな感想はなかった。
王子に生まれた以上、当然王になると思っていたので、別に拒否感はなかった。
ところが、今は何の言葉も出てこない。
返事がないと、ゼルダは淡々と言葉を続けた。
「私は君が王になって、ブランシュが王妃ができたらいいな。私が来たのは結婚同盟を推進するためでもある」
「お父さんは?ブランシュが人間であることを知りながらも許可したの?」
妖精と人間は商取引を通じて交流を維持していたが、その関係が冷たいということは難しかった。
互いに無視し合う局面だ。
人間たちは身体的に矮小な妖精たちを嘲弄し、妖精たちは魔力が少ない人間たちをあざ笑った。
「私たちはあなたが間違いなく死んだと思っていた。しかし、ネルゲンがあなたを生かしてくれて、保護してくれたじゃない。私たちとしては恩人だよ」
これまで積もってきた種族間の反目を洗う契機としては十分だ。
ゼルダは少し意地悪そうに笑いながら続ける。
「それに、お父さんは大賛成だよ。このままあなたを見ないまま死ぬかと思ったが、見ないうちに恋愛までしていたとは」
「れ、恋愛じゃない!」
「とにかく、お父さんはあなたができるだけ早く結婚してほしい。死ぬ前に、あなたの結婚式を見るのがお父さんの最後の願いだよ」
「・・・」
最後の願いという言葉にベリテは沈黙する。
「どんな人なのか気になってたけど、いい子みたいでよかった。お父さんもきっと喜ぶだろう」
ゼルダはすでに新しい家族ができたかのように浮かれていた。
しかし、ベリテの表情はただ暗いだけ。
「早く婚約してスレビイェンに帰ろう」
「・・・今すぐ結論を下すことはできない。時間をちょっとくれ」
「時間?なんで?」
ゼルダは不思議そうにベリテを見た。
きっとブランシュが好きなのが目に見えているのに、なぜあんな表情をしているのだろうか。
しかし、その顔があまりにも冷たく固まっていて、これ以上催促することができなかった。
彼女は肩をすくめた。
「まあ、わかった。でも、早く決めて。お父さんがいつ亡くなるか分からないから」
一人残されたベリテは、しばらくぼんやりと立っていた。
ゼルダの言葉は目まぐるしかった。
王位継承式、父の死、それにブランシュとの結婚なんて。
ブランシュは自分を愛するのだろうか?
もしブランシュの心が自分と同じなら、それなら・・・。
ベリテは王座に立った自分を、そして妖精王国の王妃になるブランシュを想像してみた。
少年は無言で乾いた顔を浮かべる。
手に隠された顔がどんな表情をしているのかは誰にも分からなかった。
ブランシュがヴェリテを恋愛感情として好きなのかは分からないですね。
そして、ブランシュが結婚を受け入れるかどうか。
彼女はネルゲンの王となるために頑張っていますから。