こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
今回は142話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
142話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 後悔のない選択を
ダリアは直感した。
今回がセドリックに能力も明らかにし、彼を浄化する唯一の機会だと。
そのため、これ以上考えることもなく指輪を外す。
「セドリック様、最近疲れたり、頭が痛くなったりしたことはありませんか?」
セドリックはまだ戦闘の後遺症が完全に消えていないようで、不釣り合いにあごをついてソファーにもたれかかっていた。
魔法の影響で乱れた髪と前足も目に入る。
彼は目を長く瞬きしながら微笑んだ。
「最近、朝がちょっと大変だけど・・・」
やっぱり今がちょうと適期だったんだ。
ダリアがすぐに手を動かすと、セドリックが笑って彼女を捕まえた。
そしてそっと目尻を折ってダリアを眺める。
「それで指輪はどうして外したの?」
「それが・・・」
やっと本論を述べる時間だ。
ダリアは胸がドキドキした。
「セドリック様、あの・・・セドリック様が私とあの・・・そんな仲になるのはどうかとおっしゃったじゃないですか?」
「うん、そうだね」
「そのためには、まずは私についてよく知らなければならないじゃないですか?」
「・・・うん、そうだね」
「実は秘密が一つあります」
実は一つではないけど、とりあえず一歩から始めないといけないから。
セドリックは首をかしげた。
「何?」
ダリアは言葉の代わりに行動で見せるつもりだった。
彼女はセドリックが座っていた長いソファのそばに腰を下ろす。
セドリックは目に見えてぎくりとした。
彼はあごをついていた手を下ろし、体をひねってダリアを見る。
走っている時を逃さず、彼の両手を自分の膝の上に引き寄せて置いた。
セドリックはダリアの膝をじっと見つめながら、以前よりも静かな声で話す。
「ダリア、こんなに積極的に出ると私がまだ心の準備が・・・」
ダリアは気にせずに手を伸ばしてセドリックの両手をしっかりと掴んだ。
二人の間にしばらく沈黙が流れる。
以前、メルデンを浄化する時も感じたが、浄化というのが数値で現れるわけでもなく、うまくいっているのかも分かりにくかった。
でも・・・。
(・・・なんで反応がないんだろう?うまくいかないのかな?)
ダリアはちらりと視線を上げ、セドリックの表情を見る。
彼は恐ろしいほど冷たい目でダリアが捕まえた自分の手を見ていた。
しかし、それもつかの間、セドリックはダリアの片方の手を取り直して引き寄せる。
そしてダリアが止める暇もなく自分の頬に当てた。
彼の長いまつげは目をぎゅっと閉じて揺れる。
彼は苦しそうなうめき声を上げながら彼女の手に頬をこすりつけた。
ダリアはまた変な気分になる。
セドリックの今の雰囲気は本当に危険すぎた。
「・・・」
そうするうちに彼が小さなため息を吐きながらダリアの手を離した。
彼は長いため息をつき、両手で自分の目を指差す。
そして、彼女に離れろという手振りをした。
予想外の反応にダリアは慌てて瞬きをする。
「効果がないんですか?」
「・・・いや。もう少ししたら口を合わせたくなると思うから」
ダリアはどのように反応すればいいのか分からず、ぼんやりとしていたが、顔が赤くなったまま、セドリックの言葉通り少しずつ体を後ろに引いて退いた。
そうするうちにぎこちなく腕を広げる。
セドリックはまるで意味がないかのようにダリアを見た。
彼女はどもりながら言った。
「口を合わせるのはまだ早いですが、ハグくらいは・・・」
「あ」
すぐにセドリックの目つきが変わる。
彼はダリアが何かを言う暇もなく彼女の腰を巻き上げ、彼女を膝の上に座らせた。
そして現われた彼女の首に頭を埋めては息を吐く。
せいぜい皇帝と交わす抱擁程度を考えていたダリアは慌てて頭が真っ白になった。
しかし、セドリックが通り過ぎるほど切実に彼女にしがみつく様子に、ひとまずは浄化しなければならないという考えで彼の背中の上に手を置いているだけだった。
セドリックはしばらくして、落ち着きのある真っ赤な顔をしたダリアを脇に座らせる。
そして、再び両手に顔を付けた。
いつもより低い声が両手の間から出た。
「・・・そう、それが君の能力なんだ」
「・・・」
「なんだかお父さんがしきりにあなたと繋げようとしていたのが・・・」
「・・・知らなかったんですか?」
この前、自分の手を握るから知っていると思った。
「当然、初めて知ったよ」
「でも、この前・・・」
「ああ、あの時」
セドリックは彼女の言っていることをすぐに理解した。
「それはただ君が落ちつかせようとしているようだから・・・」
彼は再び息を長く吐き出した。
徐々に熱気が去り、ダリアは少し落ち込んでいく。
彼が思ったほど好きではないようだから。
彼女は指輪を探して、またはめてぎこちなく話した。
「私が余計なことをしたんですか?」
「・・・いや、ごめん。ただ心が乱れてた。今も君を狙う人がこんなに多いのに・・・」
セドリックはしばらく乾いた顔をした後、ダリアを見つめる。
彼の目つきはこれまでにないほど真剣だった。
「ダリア、一つだけお願いしたいんだけど、聞いてくれ:
もともとこんな頼みは絶対に聞く前に受諾しないものだったが、セドリックの表情があまりにも深刻だったわけで仕方がなかった。
ダリアはうなずいた。
「・・・はい」
「君がもし気が変わって。。そうでなければ決定が難しくて私と恋人にならないことにしても、ずっと君を守れるようにしてくれ」
「あ・・・」
「君がとても危険そうに見えて言ってるんだよ。断ったら仕方ないんだけど・・・」
「・・・」
これ以上躊躇う理由はなかった。
ダリアは慌ててうなずいてセドリックの手を握る。
セドリックは再び当惑して手を抜こうとしたが、伝わってくる気力がなくなるとすぐに落ち着いた。
その時になってようやく彼は笑いながら、ダリアが期待していた言葉を言ってくれた。
「ありがとう、ダリア。素晴らしい能力だね。一瞬だけど、私には想像もできないような世界だったよ」
ダリアもほっとした。
セドリックも再び余裕を取り戻す。
彼女は彼を見て思った。
(そうじゃなくても、元々そろそろ答えようと思っていたから)
恋人の話を聞いて、まだ彼女がしていない一つの答えを思い出す。
いざ話をすると、まだ迷いがあった。
本当にこれが後悔のない選択だろうか?
取り返しのつかない川一つを超えてしまうのでは?
セドリックは彼女をじっと見ていた。
そうするうちに微笑んだ。
「ダリア、この前の話に答えてあげようとしてるんでしょ?」
ダリアは心の中を見つけられ、セドリックをじっと見つめる。
「訳もなく無理して答える必要はない」
「それは・・・」
「私は君が確信ができた時に話してほしい」
あんなにスムーズに話を変えるのに、これ以上話せなかった。
ダリアも知っていた。
まだ彼女自身が完全に準備されていないということを。
彼女は注意深くうなずいた。
「できるだけ近いうちに・・・」
「うん」
セドリックはいたずらっぽくさりげなく言った。
「ところで、ちょっと悔しいね。私はこのために惚れたわけでもないのに、このために惚れた人たちまでいちいち気を使わなければならないなんて」
「・・・」
「アセラスがあなたに変に執着するのも、君の能力を知っていたからだね。特に会議中に私にだけーつずつ隠すことがあるようだから・・・」
セドリックは眉間にしわを寄せ、荒々しく頭を振った。
「・・・そういえばセドリック様は私の能力も知らずにどうして今まで・・・?」
ダリアは慎重に質問する。
「それでは、アセラスがなぜ私にそうすると思ったのですか?」
「ただ一目ぼれしたと思った。私みたいに」
「・・・」
「あなたなら十分にあり得るから」
ダリアに執着する他の理由があるとは全く疑わなかったようだ。
彼女は訳もなく恥ずかしくなって笑う。
「セドリック様は特別です」
できればセドリックのように一目惚れはしないという意味だったが、話してみると変に聞こえてしまう。
セドリックもそうだったのかにっこり笑った。
「それはよかった」
「・・・あ」
「秘密を言ってくれてありがとう。重要な問題だったはずなのに」
ダリアはうなずいた。
そして続いて皇帝から聞いた話をしてあげた。
自分の能力は自分が浄化相手に持つ好感度に影響を受けると。
セドリックは真剣な表情で話を間き、すぐに要点を述べる。
「それなら、アセラスに君の力が通じないね」
「ええ、おそらくは」
「その事実を彼が知れば、今までで唯一の走ってきた列が崩れた気分だろう。困ったな」
「・・・」
「そうでなくても彼が今君を狙って・・・帝国を滅ぼそうと神聖力爆撃を準備しているというのに」
ダリアはケルシオンから聞いた言葉を思い出し、目眩を感じた。
彼女はケルシオンがなぜ最後までこの問題について口を閉ざしていたのか理解する。
過度に大きな罪悪感のためだ。
原作のアセラスルートの最後は戦争が起きるとだけなっており、正確に何の事件が起きるのかは叙述されなかった。
その空白を埋めるのが今ケルシオンが言った「神聖カテロ」のようだ。
(いったい、そのエンディング以降にフレデリック帝国はどうなったんだろう・・・?)
考えただけでもぞっとした。
戦争なんて、あまりにも現実感がないね。
(今回がどうか彼との最後になるといいんだけど)
セドリックの目は少しおさまった。
ケルシオンの言葉が事実なら、これは今回の皇室の歴史になかった大変なことになるだろう。
「父の参謀陣を借りてきて、父とも話をしてみなければならない」
ダリアはしばらくためらった後、言った。
「・・・もう一人必要な人がいます」
彼女はセドリックに向かって真剣に話す。
セドリックは長い間その目つきを維持することができず、すぐに陥落した。
「誰なの?」
「今回のことに関しては、今のブルーポート公爵が一番大きな鍵になるでしょう。あの方の言葉を信じてほしいです」
(今度の戦争を防ぐには、ルウェイン様の助けが必要だ)
ケルシオンの話を聞いて、ダリアは直感した。
未来を知っているルウェインがいなければ、今回の戦いには莫大な犠牲が伴うということを。
ダリアの能力を知ってもセドリックの態度が全く変わらなくて安心しました。
アセラスの陰謀を防ぐことはできるのでしょうか?