大公家に転がり込んできた聖女様

大公家に転がり込んできた聖女様【65話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。

今回は65をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【大公家に転がり込んできた聖女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

65話 ネタバレ

大公家に転がり込んできた聖女様【64話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 今回は64話をまとめ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 双子の誕生日会③

パーティーが開かれるルイスホールは、離れ一つを完全にパーティーのために改造した宴会場だ。

2階建ての建物だが階段がいくつもなく、中間の大きな階段一つで2階が繋がっている。

パーティーは舞台と食べ物が用意されている1階を中心に開かれ、2階はテルシア家の人々だけが利用した。

高い天井にはダイヤの入ったシャンデリアが付いていて、ホールの雰囲気を一層高級にしている。

その他にも階段や手すり、取っ手のような装飾まで金でできており、テルシアの財力を知る
ことができた。

公式的な宴会開始時間前から集まった人々は三々五々ペアを組んで会話をしている。

彼らの中にはあちこち忙しく動き回り、聞いた情報を転々とする人もいた。

「皆さん、お聞きになりましたよね?今日のパーティーでやるという、あの公式発表の話です」

「あの噂が本当だったとは。私は本当に衝撃を受けました」

軽い近況から始まった令嬢たちのおしゃべりは、すぐに今回のパーティーの熱い話題に移った。

「大公様が隠しておいた女性がいるのではないでしょうか?そうでなければ子供がぽたりと落ちるわけがないでしょう」

「そうですね。子供を養子にしたりする方ではないですから」

すでに新たに養子縁組した子供が、ドフィンの私生児かも知れないという噂が一番有力だ。

「残念ですね。長い間、前妻を忘れられないロマンチックさに大公殿下はハンサムでもあったじゃないですか」

「それはそうですが・・・いくらなんでも怖くてどうやって一緒に暮らしますか?」

どんな言葉が本気なのか分からない冗談が交わされ、キャハハと笑い声がホールに広がる。

「本当にどこから連れてきたのでしょうか?」

「気になって仕方がありません」

前代未間の事件と言っても過言ではないだけに、人々の関心が熱くあらゆる推測が飛び交った。

その時だった。

誰も注目せず、群れの中で静かに顔色だけを伺っていたエリシャが決心したように口を開く。

「これは本当に誰にも言っちゃいけないことなんだけど・・・」

あっという間にエリシャに視線が集まる。

田舎の領地から上京し、会話に参加できずエリシャの頬は赤くなった。

「何か知っていますか?」

「早く言ってください」

「そうですね。エリシャ令嬢ですよね?」

エリシャは不安そうにあたりをちらつかせながら声を低くした。

つられて周りにいたみんなが息を殺す。

「はい。私が親戚から直接聞いた話です」

「早く言ってみてください」

迷っていたエリシャは、令嬢たちの目つきが激しく変わると、目をぎゅっと閉じて秘密を打ち明けた。

「養子のお嬢さんをし、神殿から連れてきたそうです」

「え?それはどういう意味ですか?」

「とんでもない」

耳を傾けて聞いていた令嬢たちが一様に笑い出した。

それもそのはず、ドフィンと神殿の仲が良くないということは知らない人がいないほど有名な事実だからだ。

「本当です。うちのおじさんが・・・」

「いくら視線を引きたいと言っても、誤った情報はお断りです。言葉を作り出してももっともらしくなければなりません」

隣にいた令嬢がエリシャに冷たい視線を送る。

青ざめたエリシャは頭を下げて謝罪し続けた。

「すみません」

エリシャは群れから抜け出して、一人でとぼとぼと隅に向かう。

余計な話をしたと自責していると、突然誰かがエリシャの横に突然現れた。

「さっきの話、私にもう少し詳しく話してくれないか?」

「はい?どなたですか・・・えっ!」

誰かが会話を盗み聞きしたようだった。

エリシャは不愉快そうな顔をして首をかしげて、相手を確認してびっくりして息を止める。

「ブラオンズ公爵様?」

「しっ。静かにしろ。目を引きたくないんだって」

「す、すみません」

ブラオンズはエリシャを黙らせ、周囲を警戒した。

「さっきの話を続けてみなさい。親戚から聞いた話だって?」

「はい、それが・・・」

誰も信じてくれなかった話をブラオンズのように高い人が信じてくれると、嬉しい気持ちで欠かさず打ち明けた。

「うちのおじさんが神官なので聞いたんです。大公殿下が聖女候補生だった孤児を買って行ったと」

「聖女候補生だった孤児?孤児を連れて養子縁組にしたというのか?」

「そうみたいです」

ブラオンズは驚いた。

偶然聞くことになって確認しようとしただけなのに、内容が尋常ではなかった。

「その話の責任取れるのか?」

「はい?私もただ聞いただけですので」

エリシャは困惑して首を横に振る。

責任という言葉に瞳が不安そうに揺れていた。

「では、確認されていない話だから、むやみに話をしないように。君の顔を確かに覚えたよ」

「わ、わかりました」

公爵はエリシャの口止めまでしっかりしてから背を向ける。

エリシャには平気なふりをしたが、公爵の口元は硬くなっていた。

(確認してみる必要がある)

そうでなくても、ドフィンが子供を養子にしたという話に気に入らなかったところ、神殿という単語が彼を刺激した。

 



 

2階のアーチ型のホールのドアの外にはエスター、ジュディ、デニスが並んで立っていた。

大様に立っているエスターやデニスとは違って、むしろジュディがもっと緊張したように見える。

「ジュディさん、緊張してるみたいですけど?」

「そうだね。あなた、どうしてそんなに緊張しているの?」

デニスはジュディの肩を軽くたたいて、震えながら一度ずつ打った。

するとジュディは紙切れのようにはためいた。

「エスターを紹介すると思ったら緊張して・・・もう、知らない」

ジュディは頭を掻きながらその場で飛び跳ねる。

緊張をほぐすための特段の措置だ。

同じ時間、ドフィンは双子より先にホールに登場し、パーティーの始まりを告げた。

「忙しい中でも私の子供たちの誕生日を祝いに来てくれた貴賓たちに皆感謝します」

短い挨拶とともに子供たちの名前が呼ばれる。

待機していたドアがばっと開き、パーティー会場に照明があふれた。

(明るい)

エスターがその光をぼんやりと眺めることをしばらく、両側から双子が手を差し伸べながらエスターが捕まえるのを待った。

「行こう」

「一緒に行くんだよ」

エスターはうなずいて2つの手を同時に握る。

そしてパーティー会場の中にゆっくりと足を踏み入れた。

「どう?」

デニスは横で静かに尋ねた。

面倒を見てくれる温かい気持ちが分かるので、もっと元気にうなずいた。

「何ともないです」

にっこり笑って覗線を交わした後、もっと堂々と歩く。

エスコートする手をしっかりと握ったままだった。

カッカツ。

ガラス張りの靴が床にぶつかり、爽やかな音を立てる。

ホールに集まっていた人々の覗線が音に沿ってあっという間に集まった。

一緒に出てくる3人を見て、人々の目に好奇心が満ち始めた。

すべての視線の中心にはエスダーがいた。

パーティーの主人公は双子だが、エスターが初めて登場する席なので、皆静かな中でエスターだけを眺めている。

彼らの好奇心に満ちた覗線が感嘆と賛辞に変わるには長い時間がかからなかった。

「なんと、人形のようですね」

「そうですね。もともとテルシアの人だったように、似合うじゃないですか」

エスターを眺める人々の目つきには好意が込められていた。

「いらっしゃい。お誕生日おめでとう」

2階の広い壇上で待っていたドフィンが3人の子供を笑顔で迎える。

到着するとすぐにジュディとデニスに拡声器が届いた。

声を分かって増幅させてくれる物だ。

震えていた人とは信じられないほと明るくなったジュディが座中に挨拶する。

「こんにちは。お久しぶりですね?」

双子が一言ずつ話す度にあちこちで笑いが爆発した。

特に、若い貴族の令嬢たちがたくさん笑っている。

彼らがパーティーに来てくれた人たちに挨拶をしている間、エスターはパーティー会場の中をさっと見回した。

そうするうちに、特に自分をじっと見つめる一人の男の子と目が合った。

顔が真っ赤だ。

(どこかで見た気がするんだけど)

なぜか慣れて悩んで首を回してしまったエスターは、彼が痩せたセバスチャンだということに気づかなかった。

 



 

「それでは今からケーキカット式を執り行います」

次の式は、壇上に置いてあった巨大な3段ケーキを切ることだった。

大きさに合ったナイフも用意されている。

人々が大きな拍手をしながら期待感を表現した。

エスターもこれに拍手を加えた。

ジュディとデニスはナイフ一本を上下に分けて持ち、エスターに「何してんだ」と手招きする。

「エスター、あなたもこっちに来て掴んで」

デニスの言葉は拡声器を通して場内に響き渡った。

エスターは突然の呼び声に一瞬戸惑って口をとがらした。

「お兄さんたちの誕生日じゃないですか」

「それでも一緒にやろう。まあいいじゃないか」

ジュディも早く来いと催促した。

すると場内がざわめき始めた。

エスターは騒ぎが大きくなる前にさっさとケーキの横に席を移してナイフを分け合う。

ケーキに刺さったろうそくにも漏れなく灯りがついた。

ろうそくの火が赤く揺れ、雰囲気を盛り上げる。

「では、30秒間、願い事をして切ることにします」

ジュディは元気そうに話し、目を閉じた。

「願い」という言葉にエスターもひとまず目を閉じた。

(ところで私の願いは何?)

突然出会うことになった願いの前に、エスターの考えが止まる。

以前だったら悩みさえなくすぐに「死」が飛び出したはずだが、今はすべてがあまりにも多く変わった。

死にたい気持ちは消え、ラビエンヌと神殿に対する復讐心まで薄れた。

毎日の日常がとても大切になってしまったためだ。

(少しでも長く家族と幸せに過ごしたい)

今、エスターが望む願いはこれだけだった。

 



 

ついに始まった誕生日会。

ブラオンズ公爵が少し不穏です・・・。

セバスチャンにエスターは気づくのでしょうか?

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