大公家に転がり込んできた聖女様

大公家に転がり込んできた聖女様【64話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。

今回は64をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【大公家に転がり込んできた聖女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

64話 ネタバレ

大公家に転がり込んできた聖女様【63話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 今回は63話をまとめ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 双子の誕生日会②

「もうすぐ村です」

ベンの声に外を見ると、すでに村の入り口に人々が集まっている姿が見えた。

エスターの胸がドキドキし始める。

今はある程度克服されたが、人々の視線が心配になった。

神殿で拒否された目つきを思い出しながら、心を鬼にする。

今はその目つきに勝つほど、自らが強くなったような気がした。

「お嬢さん、これをどうぞ」

ベンが渡したのは木を編んで作ったかごだった。

「花びらですね?」

エスターは多様な色の花びらが入ったかごをのぞき込みながら首をかしげる。

「はい。祝福の意味が込められたラキュラスです。行進をしながら人々の頭の上に撒いてくだされば良いです」

「私が祝福をですか?」

エスターは当惑して何度も瞬きをする。

祝福の意味だというから、花かごが負担になった。

かごをベンに返そうとすると、ドフィンが黙ってエスターの手を握って行動を止めた。

「みんな喜ぶだろう」

「・・・はい」

エスターはドフィンの目つきから自分を応援する気持ちを読み取る。

避けるなと思いながらこぶしをぐっと握った。

ただ花びらをまくだけだと思うことにしよう。

いよいよ行進が始まった。

歓迎されないかと心配したのが顔負けするほど行進しながら見た人たちは皆笑っていた。

エスターは双子が手を振るのを見て、後を追ってぎこちなく振りながら花びらを空中に撒く。

すると、エスターが花びらを撒いて通り過ぎた場所に人々が集まる。

みんな何とかしてエスターの祝福を受けようと大騒ぎだった。

エスターが意図したものではなかったが、自分でも知らない間にエスターが撒く花びらに聖力が込められた。

花びらの近くにいるだけでも人々の精神が清らかになり、行列が通った場所にいた人々は心が温かくなる気持ちを感じた。

「どうして・・・この胸いっぱいの気持ちは何だ?」

「本当に祝福を受けたような・・・」

「私もそうだ。どんな方が来たのか気になったが、私はもうお嬢さんに恋に落ちたようだ」

花雨に打たれた人々の心の中では、エスターに対する好意がすくすくと育った。

エスターが熱心に花びらをまく間、領地民の間でエスターの人気は一層高まっていった。

「みんな君のことが好きみたいだね」

ドフィンは馬車の外を見て不思議そうに言った。

これほど熱狂する姿はドフィンも見たことがない。

エスターはこの状況に困惑しただけだった。

こんなに大きなもてなしを受けるとは思わなかったのでびっくりした。

「花びらをもっとたくさん用意すればよかったです。すぐに終わりそうですね」

かごがほとんど空いていくのを見てベンが残念がると、「行って、もっと用意してくればいいじゃないか」とドフィンが一言言った。

「え?あ・・・わかりました!」

行進中に花びらをさらに用意したことはこれまでなかった。

ベンはそれで当然思いもよらなかったが、「ああ」と言って急いで花びらを取りに行列を離れる。

おかげでエスターは安心して花びらをたっぷりまくことができた。

「きれいだ」

指先から広がり風になびきながら四方に散らばる花びらを眺めながら微笑む。

ひっくり返った自分の人生が不思議でありながらも、まだ夢を見る気分だった。

(夢なら覚めないでほしい)

一度目覚めたらこんなに幸せな夢は二度と見られないようだ。

 



 

行進が終わって帰ってきた後は、パーティーの準備で忙しかった。

エスターの部屋から帰ってくるのを待っていた人たちもいっぱいだ。

「時間があまりありません。すぐに装いを始めます」

今回のパーティーでエスターの装いまで引き受けたドロレスが悲壮な表情で目を見開いて話した。

「まだ2時にもなってないんですけど?」

パーティーの始まりが5時だから、あと3時間は残っているはずだ。

どうして時間がないというのか理解できなかった。

「ああ、お嬢さん!リールストリートにあるショップは午前から賑わっていました。こんなパーティーがあるたびに、みんなどれだけ力を入れるか」

ドロレスはパーティーで最も目立つためには、精魂込めて着飾らなけれはならないと情熱的に説明した。

「お嬢さんが公式的に初めて参加されるパーティーじゃないですか」

「分かりました」

エスターは静かにドロレスと侍女たちに身を任せた。

オーダーメイドの水色のドレスは、もう一度見ても綺麗だ。

エスターが着たらすぐに周りから感嘆の声が上がる。

「どうしてこんなによく似合いますか?まるで天から降りてきた聖女のようです」

「え?アハハ。ありがとう」

聖女という言葉にドキッとするエスターがぎこちなく笑う。

それでも、相次ぐ褒め言葉に気分は良くなった。

鏡に映し出したドレスの裾がひらひらするのも、レースを重ねたのも全部気に入った。

その後、3時間にわたる長い装いが始まる。

ドロレスが言ったように、3時間は余裕のある時間ではなかった。

ドレスを着用してプロのデザイナーに髪を任せて、また化粧にアクセサリー選びまで。

経なけれはならない段階が多すぎた。

「まだまだですか?」

パーティーに参加する前だが、初めて体験する長い装いに疲れてしまったエスターの目の下が丸くなる。

「もう全部できました。鏡をご覧になりますか?」

ドロレスがこれ以上満足することはできないという表情で目を輝かせた。

エスターは何の期待もなく鏡を見て眠気がばっと覚めるのを感じた。

「うわぁ・・・」

年齢に合わせて透明な化粧だが、確かに専門家の手は違った。

微妙な違いで別人のように変わっている。

昔の姿が思い出せないほど洗練された人形のように見えて、自らを見ながらも信じられなかった。

「みんなびっくりすると思いますよ。お嬢さんが出て行く瞬間大騒ぎになると思いますよ?」

ドロレスの言葉には誇張があったが、それでも嫌ではなかった。

鏡から目を離すことができずにいるが、しばらく出て入ってきたドロシーが大きな箱を持ってきた。

「お嬢さん、先ほど執事がプレゼントが来たと渡して行きました」

赤いリボンが大きく結ばれた箱。

「私に?誰かが送ったの?」

「それはわかりません」

エスターは兄たちに行くべきことが間違ってきたのではないか、悩んだ末にひとまず包装を解いてみることに。

するすると、リボンをほどいて包装紙を剥くと、アクセサリー箱が明らかになった。

注意深く蓋を開けてびっくりした。

「ダイヤのネックレス?」

エスターの独り言はドロレスとドロシーの大騒ぎに覆われてしまった。

「なんと・・・あの卵を見てください!」

「こんなネックレスならすごく高いと思うけど。誰が送ったのでしょうか?」

突然のダイヤのネックレスのプレゼントに同じように驚いていたエスターの頭の中に思い浮かぶ人がいた。

(ノアだ)

一緒に鉱山に行ってダイヤを採った日、彼が「ダイヤを持って行ってもいいのか」と意味深長に聞いていたことが思い浮かんだ

「見当がつく方はいらっしゃいますか?もしかして、彼氏?」

ドロレスは良い情報を得ることができるだろうと思って目に火をつけた。

「いいえ、ただの友逹です」

しかし、エスターは誰なのかは言わず、そっとネックレスを撫でる。

原石だったダイヤをいつ加工してネックレスで製作したのか。

ノアのことを考えると、なんだか胸がドキドキした。

「ドレスに似合いそうですが、ネックレスをこれに変えましょうか?」

結局、元のネックレスを外してダイヤのネックレスに変えた。

ドレスとセットのようによく似合っていた。

エスターはにっこり笑いながら、鏡にダイヤのネックレスを照らしてみる。

(見せてあげたいな)

今の姿をノアに見せたいと思っていたが、びっくりして首をブンブンと振った。

 



 

トントン。

ちょうどノックと共にビクターが部屋に入ってきた。

そろそろ準備して外に出る時間だという合図だ。

「お嬢さん・・・?」

エスターを見つけたビクターは、歩いてくる途中で立ち止まった。

一目惚れした人のようにぼんやりと眺めている。

恥ずかしくなったエスターが先にビクターと出くわした目を避けた。

するとビクターもはっと気がつく。

「今日は誰でもお嬢さんを愛さずにはいられないでしょう」

彼は心を込めてエスターを誉めた。

元々も愛らしかったが、今日はビクターの胸がドキドキするほど、その程度が度を過ぎた。

「ありがとう」

エスターは照れくさそうに笑いながら、最後に鏡をのぞき込み、身なりを点検する。

ウェーブを太くして垂らした髪とそれに似合う綺麗なドレス。

かつての自分とは信じられないほと綺麗になった姿。

もうこれが私だよ。

鏡にゆっくりと手のひらを当てた。

冷たい手触りが手に乗って骨の奥まで染み込んだ。

人を怖がっていたエスターが新しい人々の前で評価を受けなければならないということは緊張することだ。

しかし、もう全部うまくできそうな気がした。

「準備はいいよ」

エスターは鏡の中で自分と目を合わせ、うなずきながら立ち上がる。

パーティーに出る時間だった。

「いってらっしゃい」

「うん。また後でね、ドロシー」

直接ドアを開けて出て行くエスターの歩みは、いつにも増して堂々としていた。

 



 

エスターの聖女としての力がどんどん披露されていきますね。

綺麗に着飾った彼女を見た会場の反応が気になります!

 

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