こんにちは、ちゃむです。
「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

147話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 神を討ちに向かう足取り②
ラルクが神界へ旅立って一日が過ぎた。
皇帝の遺体は棺に納められ、宮殿内の礼拝堂に運ばれて弔問客を迎え始めた。
宮殿は人々で溢れ、毎日市場のような賑わいを見せている。
「天倫を犯した皇后と皇子を広場に立たせ、その罪を償わせよ!」
「皇女殿下の葬儀を早急に執り行い、混乱を沈めなければなりません。」
「反乱者どもを一網打尽にせねば・・・!」
このような喧噪で高まる声が、まるで市場で聞こえる怒号と似通っていた。
ナビアは、最も騒がしい本宮から離れた僻地の別棟を利用しており、比較的限られた場所で最も鋭利な剣を用意していた。
人々はエセルレッドの娘がいつ別棟を出るのかと興味津々で待っている。
彼女が新たな皇帝を立てることに最も貢献した人物であるという事実を無視することはできなかったが、その日、宴会場で彼女が百王の力を感じたならば、当然その娘がどのような行動をとるのか気にせずにはいられなかった。
憶測と噂はすぐさま広まった。
既に司教会の後方ではナビアを「聖女」と呼ぶことに反対する動きがあった。
ただし、彼女の力を正確に理解していない関係者たちは、推測によって口を閉ざすことはなかった。
もしナビアが誰かを癒し、浄化する力の他に、『応報』に特化した力も持っているとしたら?
貴族たちはその『応報』の最初の標的が自分たちではないかと恐れた。
これが実現するのではないかと、最大限の警戒心を抱いた。
しかし、それでも貴族たちだけでなく、多少なりとも影響力を持つ者であれば、ナビアの驚異的な能力について耳にしなかった者はいなかった。
そのような余波が皇室全体に静かな緊張をもたらしていた。
ナビアが静かであればあるほど、さらに慎重に観察されている家門がもう一つあった。
それがアグニスとルチアである。
現在、最も注目を浴びる三大勢力であるエセルレッド、アグニス、ルチアの三家が同じように静寂を保ちながら、それを続けていた。
それが嵐の前触れのようだった。
「皇女殿下は、これまで以上に威厳あるお姿をお見せにならなければならない。」
ナビアはテーブルに座り、素早い手の動きでミネルバとハートブティックのデザインをスケッチしていた。
「我々は繁栄する国だ。このような時だからこそ、こういった出来事はただの出来事に過ぎないという、強い姿勢を民衆に示さなければならない。」
「かしこまりました。」
彼らはモニカの葬儀用と追悼式用の衣装を用意するために皇室を訪れていた。
ナビアは彼らに、モニカがどのような姿で見られるべきかを細かく指示した後、総力を尽くして持参したドレスを黒の生地と一緒に整えさせた。
「閣下が試着される予定のドレスはこちらにございます。お手伝いさせていただきましょうか?」
ナビアは真剣そのものの表情で頷きながら指示を続けた。
「そうね。」
口を動かして返事をしたものの、彼女の頭の中には、この状況をどうやって整理し、進めていくべきかという思いがいっぱいだった。
『ルチア公爵家は皇后の親族だから、最初に挨拶を受けることになるだろう。』
ナビアは礼装を整え、黒いレースの装飾を確認しながら、そばに立っていた侍女に尋ねた。
「サラ・ルチア公女はいつ頃宮廷に到着する予定かしら?」
すると、背後から返事が聞こえてきた。
「ちょうど正午前に到着すると伝えられています。」
エセルレッド公爵邸にいるべきサルレットが、ナビアを支援するために皇室を訪れたのだった。
「サルレット。」
ナビアは、堂々としたアグンの登場に一瞬だけ厳格な表情を崩し、にっこりと笑みを浮かべて歓迎した。
しかし、今は仕事が優先だった。
「サラが到着次第、すぐに皇女殿下と共に会う場を準備してくれる?」
「既にそのように進めています。」
サルレットはナビアが何を必要としているのかをよく理解していた。
「ありがとう。」
「とんでもないことです。ご主人様が戻られたと聞いておりますが、お姿を拝見しておりませんね?」
エセルレッドの人々は、ラルクが沈黙を守る間に神界へと移動していることを既に知っている。
そのため、彼が姿を現した場所が公爵邸ではなく皇室であることに対しても、全く疑問を抱かなかった。
ラルクならそれも可能だろうと考えたのだ。
「お父様は少し用事があって外出されたの。」
そう話すナビアの表情には、明らかに以前とは異なる余裕が感じられた。
サルレットは静かに微笑みながら安堵する。
『我らの公爵様は、困難な時にも十分に強く立ち向かわれるお方だけど、それでも今のご様子はずっと良いね。』
ラルクが眠りについた後、ナビアはいつ降り出すかわからない曇天を背負う空のように、どこか不安定で脆く見えていた。
しかし今は違う。
彼女にはこれまでにない完璧な安定感が漂っていた。
『もう我らの公爵様の前に立ちはだかれるものなど何もない!』
もしそんなことが起これば、ラルクが真っ先に無駄に暴れて崩れ落ちるに違いない。
『それがまさにアグニスだ。』
礼服を身にまとったナビアは、机の上に置かれた時計を確認した。
『もうすぐエルキン叔父が到着する時間ね。』
ナビアは部屋を出ながら侍女に言った。
「私は一族が集まっている会議室に向かうわ。皇女殿下がいらっしゃるまでは入れないように伝えてちょうだい。」
「はい、公女様。」
ナビアは別館を離れ、本館へと向かった。
周囲の視線が瞬く間に彼女に集まり始めた。
注目を浴びることは予想していた。
ナビアは自分の進む道を堂々と進んでいく。
だが、どこにでも無謀なほど勇気のある者は必ずいるものだ。
「公女様!」
遠くから彼女を親しげに呼びながら近づいてくる男性がいた。
ナビアは落ち着いた表情でその男性をじっと見つめ、騎士たちに視線を送る。
それは接近を阻むよう命じる意味だった。
男性一人の接近を妨げるのは難しくなかった。
ただ、彼が大声を上げてナビアに関心を見せた後、貴族たちの視線が変わったことが問題だった。
この場でナビアを見過ごせば、影響力を持つ話題を逃す機会がなくなるという直感が彼らを動かしたのだ。
ナビアはすぐに一族が集まる会議室に行かなければならなかったため、少し困惑していた。
彼らを力で制圧することもできるが、無駄に反感を買う行動はできるだけ避ける方が良かった。
『相手をするのが面倒だな。』
その時、向こう側で人々が道を次々と開けるのが見えた。
『誰が来るんだ?』
少し疑問に思っていると、見覚えのある金髪の髪を持つ侍従が見えてきた。
ネロが黒い礼服姿でナビアに向かって近づいてきた。
貴族たちはネロを一目見て驚き、ざわついていた。
かなりの時間が経っていたが、ネロに関する悪意ある噂が以前から流れており、それがいまだに彼の反社会的な性格を示す証拠として語り継がれていたようだ。
すでにナビアが素早くサイラルス家の名誉を守り、ネロに関する噂がこれ以上広まらないように抑えたことで、その件は終息した。
根拠のない宣言を覆す過激な手段を使うまでもなく、ネロが最近まで戦場にいたという事実が効を奏したのだ。
実際、ネロは今やそのような悪意のある噂には全く動じなくなっていた。
「お守りするために参りました、公女様」
ナビアは冗談めかして尋ねた。
「私じゃなくて、父に会いに来たんじゃないの?」
それに対し、ネロは照れたように微笑んだ。
十数年前、自分がナビアをどれだけ幼稚で嫉妬深く扱ったかを思い返すと、まだ恥ずかしさが残っているようだった。
「私は公女様の忠実な騎士ですから。」
「分かったから、そんな無表情はやめて。私があなたをいじめてるみたいじゃない。」
ネロはナビアのそばに立ち、わずかに顔を赤らめた。
その外見は相変わらず少年のような雰囲気を漂わせており、恥ずかしそうに少し笑みを浮かべるその顔は、見る者を虜にするほどの愛らしさだった。
人々は皆、ネロを一目見ようと視線を向けていた。
「聞いていた話とは違うようですね・・・。」
「異母兄弟たちを殺した」とされる冷酷な噂とは異なり、ネロの態度ははるかに穏やかで落ち着いており、次第に安らかな印象を与え始めた。
特に、自分よりもずっと小柄なナビアを見守るその姿は、彼女に気を配りながらも控えめで丁寧な態度を示し、まるで穏やかな年上の兄のようにも見えた。
ナビアは周囲の空気が変わったことを敏感に察知した。
ネロを見つめる視線は、どこか和らいだようだった。
「良かった。」
噂を打ち消し、ネロのイメージを改善する方法は多くあったが、もしこれで彼がもともと持つ穏やかな人柄が自然に評価されるようになればと願っていた。
「よく来たわ、ネロ。」
「・・・? はい。」
ネロは突然の歓迎に少し戸惑ったが、丁寧にお辞儀をした。
彼はナビアの目に映る感情の波をじっと感じ取り、彼女の内なる関心や期待に気づいていたが、そうした細かいことに対して一切神経を使わず、静かにその場に佇んでいた。
こうしてナビアは、周囲の人々が自然と集まりつつある中で、彼と共に進んでいった。
ネロを伴い、ナビアは家族たちが争論を繰り広げている会議室に到着した。








