家族ごっこはもうやめます

家族ごっこはもうやめます【148話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【家族ごっこはもうやめます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

148話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 容赦のない決断

扉が開いた瞬間、鋭い声が響いた。

「皇権が交代したのに、宰相がそのままなんて話になりません!今すぐボナード宰相を解任し、新たな人選をすべきです!」

現在の議論のテーマは宰相の地位に関するものであるようだ。

ナビアは、彼ら全員の視線を浴びる位置に堂々と立った。

室内の騒音が次第に収まり、ナビアへと注目が集中した。

その中で、ヘラルドの後継者が小声で呟きながらナビアに問いかけた。

「・・・公女がここで何の用だ?ここは発言権を持つ家族だけが入れる場だぞ。」

彼はアレスを支持していた人物だった。

不正行為の数々や悪魔との取引などの事件には手を染めず、慎重に生き延びてきた人間だ。

しかし、だからといって何をするつもりだろう?

自分が支持していた後継者が今や命の危機にさらされ、立場が揺らいでいる。

宰相であっても、元々アレスを支持していた勢力から離れなければ、そのまま共に沈むのが目に見えていた。

そのような事情をナビアも側近たちも知っていた。

そして、自分に明確な不満を示しているその男性についてもよく分かっていた。

『アグニスの手先ね。』

「もちろん私も承知しています、ヘラルド後継様。」

「では、お引き取り願おうか?ここは公女のような幼い子供が口を挟む場ではない。」

「私はここに、あなた方の権利争いをするために来たのではありません。」

ナビアが微笑みながら言うと、その場の雰囲気が一瞬和らいだ。

ヘラルド後継者と同じく、ナビアのせいで地位を失ったと考えるある貴族が、不満げに口を開いた。

「公女様、私たちを敵に回そうとして、この場に現れたのですか?あなたには素晴らしい能力があるのは分かりますが・・・」

「素晴らしい能力ですって?」

ナビアは、何を言われているのか分からないといった表情を浮かべた。

「私にどんな素晴らしい能力があったとおっしゃるのですか?」

「・・・」

ナビアは会議の場で、自分の力について発言しないよう明確に警告した。

その事実を知った男性が、思わず気圧されて言葉を飲み込んだ。

ナビアは相変わらず穏やかな声で話した。

「私は皇女殿下のご意向を受けて任務を遂行するために参りました。」

モニカが全てを滅ぼせという命令を下したわけではないが、そう思われても仕方がなかった。

「ヘラルド侯爵が関税を操作したという疑惑を発見しました。」

「それはどういうことだ!」

「さらに、帝国内で流通が禁止されている薬物を扱った件についても急ぎますね。その部分についてもご説明いただけますか?」

「今、証拠もなく私を脅しているのか?」

ナビアは微笑を浮かべる。

証拠はすでにエルキンが一生懸命持ってきているだろう。

「それでは、無実だということを証明してみせてください。」

「それが何を言っているんだ・・・!」

「私が名指しで非難するのは、侯爵様だけではありません。」

ナビアは、まず疑いのある貴族たちを一人ひとり指摘し、その人たちが犯した罪を次々に暴き出した。

それらはすべてアグニス派の人々だ。

貴族たちは、この時点で自分たちの立場が危ういことに気づき、恐れおののくか、あるいは逃げ道を探し始めた。

ナビアは、その構図に潜むアグニスの影響を根こそぎ取り除こうとしていた。

これは明確な先制攻撃だった。

ヘラルド侯爵は、これに息を飲んだ。

「若さに任せて後先も考えず突っ走るのか! 国の存亡の危機に、みんなでこれを乗り越えるための考えをすべきではないのか。そんなつまらないことで人々の注意をそらすのか?」

ヘラルド侯爵の発言に同意する者たちは、次々とナビアに向かって非難の声を上げ始めた。

彼らが主張していたのは「大義」だった。

「確かに、多くの者たちが堕落した。それは明らかな事実だが、公職が空いたこともまた事実だ! 彼らが生み出している雇用の規模を知っているのか? 我々がみんなそこから手を引いたら、国家全体の民衆の生活はどうなると思っているのか!」

ヘラルド侯爵は自分の論理が完全だと思い、彼らが平民に雇用を提供していることは否定しようのない事実であると信じていた。

ナビアは、呆れた表情で侯爵をじっと見つめた。

「くだらない話はもう終わった?」

「な、なんだと?」

「あなたたちの事業はエセルレッド家が責任を持って代わりに運営します。費用もすべて私が負担します。それが嫌なら、破産してください。私が全部買い取ります。それで納得しましたか?」

「お嬢様!そんな無茶な・・・!」

ナビアは全く動じずにその言葉を遮った。

「エセルレッド家の資産がどれほどのものだと思っているんですか、侯爵?」

「・・・」

ヘラルド侯爵は言葉を失う。

「私の家門は資産が豊富ですから、心配せずにしっかりと調査を受けてください。」

ナビアの背後には、いつの間にか会議場に入ってきたエルキンがしっかりと立っていた。

彼の手には書類の束が握られており、それを広げて見せる。

「証拠はここにある。」

エルキンが王宮ですでに告発してきた帰り道だったのか、騎士たちが会議場に入ってきた。

ナビアは彼らが一人ずつ捕えられる様子を見届けると、ためらうことなく背を向けた。

「後はお任せします、叔父様。」

「心配するな。私が絶対に昨日の件を無駄にはしない。」

エルキンはアグニスを決して見逃さないという意志を込めてほほ笑んだ。

その穏やかな微笑みの中に鋭い雰囲気が漂っていた。

その時、侍女が近づいてきた。

「ルチア公女様が到着されました。」

「分かった、案内して。」

次に向かったのは、重い扉で閉ざされたモニカの個人的な応接室だった。

ナビアは扉の前で立ち止まり、少しの間深呼吸をして、平静を取り戻そうと努めた。

『・・・サラが私の友達であることは間違いなさそうね。』

友達の家門に降りかかる不幸と、これから自分がしなければならない決断を考えると、胸が締め付けられる思いだった。

それでも、不正義には立ち向かわねばならない。

それが小さなものでも、丁寧に対応しなければならないことは分かっていた。

ナビアは応接室の扉の前で待機していた侍女に声をかけた。

「中に伝えて。」

侍女は深く礼をして扉を開き、ナビアを室内へと案内した。

 



 

 

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