こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
今回は49話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
49話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- かくれんぼ②
「近いですね」
「あ」
細かい銀色のまつげがゆっくりとまばたきした。
ルイーゼはエドワードの赤い目を見つめながらゆっくりと笑う。
「そうですね」
お互いに近いという事実を知っていながらも、ルイーゼはもう生半可に彼から遠ざかっていない。
二人の視線がお互いを探索するように視野に入った顔を辿った。
「私がどちらに来るかどうやって分かったんですか?」
「香りがするので。エドワードが使うバラの香りの香水です。今日に限ってたくさんかけたのか、鬼ごっこをしている間、いつもより濃く漂わせていたので、すぐに気がつきました」
「・・・香水?」
エドワードが不審そうな顔をすると、ルイーズはうなずく。
「私は香水を使わないんですが」
「え?そんなはずが。バラの香りがするんだけど」
「まったく感じられません。もしかして、この森の他の場所から飛んでいるのでは?」
「いいえ、手を貸してもらえますか?」
エドワードは木の根についていた手をルイーゼに差し出した。
ルイーゼは彼の腕をつかんで手首に顔を押し込んだ。
「おかしいな。ここじゃないのかな」
首をかしげた彼女は、いい考えが浮かんだという表情でエドワードに近づく。
「どうやらこちらのようです」
ルイーゼはエドワードの首筋に顔を突っ込み、ぎょっとした。
彼の体がこわばっているのを感じ、ルイーゼは自分が近すぎたことに気づく。
彼女もその姿勢で固まって息を吐いた。
時間が過ぎたのにエドワードは何も言わなかった。
目の前で彼の脈拍が走るのが見えるほど近い距離だ。
ルイーゼの鼓動も彼にそのまま伝わる。
彼女がそっと体を離すと、肩から感じていた温もりが消えた。
エドワードが彼女の体を包んでいた腕をやっと解いたのだ。
「まあ、体から直接出る香りではないようですね。おかしいな、香りはまた濃くなったのに」
「・・・そうですか」
「嘘ではありません。以前にも時々エドワードからバラの香りがしたんですよ。ああ、毎回わざと匂いを嗅ごうとしたわけではありませんでした。どうしてそんな香りがするのか分からないですが・・・」
ルイーゼは上気した顔で言葉尻を伸ばした。
エドワードはじっと彼女を見て口を開いた。
「ルイーゼさん、今日以外にいつその香りがしたか覚えていますか?」
「ええ。今回の出征の時はずっと治りました。初めて会った時もそうだったし、前にラベンダ一畑で花が咲く直前にもしていたと思います」
「・・・」
「何か関連性があるのでしょうか?」
「何の関係もないと思います」
「やっばり?」
「はい」
エドワードはルイーゼに微笑み、話し続けた。
「ちょっと失礼してもよろしいですか?」
「何の失礼ですか?」
「鬼ごっこはこのまま終わらせてもよさそうだし。久しぶりに私たちが恋人のように見せたらいいと思います」
「え?」
「最近、騎士団員たちが私たちの仲がよそよそしいのではないかと疑っています。恋人というにはとても淡白に見えたはずですから」
「あぁ、そうですね。それはそうですね」
ルイーゼはうなずいた。
確かに、最近の二人は本当に恋人とは思えないほど適当な距離を維持しているところだった。
団員たちと親しくなり、ルイーゼが彼やマキシオンではない他の人たちと一緒に過ごす時間が長くなったためだ。
「もちろん」
エドワードはルイーゼの膝の後ろと背中に抱きついて席から立ち上がる。
ルイーゼはエドワードの両肩を両手で握った。
「か、必ずこのように聞かなければならないのですか?」
「仲が良さそうに見えるじゃないですか」
「それはそうだけど・・・」
「ルイーゼさん、普通こういう姿勢では首に腕を回します」
ルイーゼは姿勢を正し、エドワードの首を両腕で抱きしめる。
「そうなんだ。ああ、でもエドワード」
「はい」
「もうそろそろ私たちが本当の恋人ではないという事実を明らかにしてもいいのではないでしょうか?最初はみんなそう思っていて、恋人だから紹介しようと言っていましたが、今では団員の方々ともかなり親しくなっていて、本当は友達だったと言えば、みんな理解してくれると思います」
「・・・」
彼は口を開き、キャンプ場に向かって歩き続けた。
「嫌です」
「・・・はい?」
「嫌だと答えたんです」
「なぜですか?」
ルイーゼは理解できないという顔で聞いた。
「それは、ルイーゼ嬢の恋人の席が、私はかなり気に入っているんです」
「本当にそんな理由で?」
「説明しなければならない話があまりにも多いのも問題です。みんな事情が気になると思いますが、その話をしていると、自然に団員たちはルイーゼさんの前夫のことから王女のことまで全て知ることになるでしょう。それでもよろしいのですか?」
「・・・それは嫌ですね」
「時がくればお別れしますので、もう少し我慢してください」
ルイーゼは彼の首筋をより強く抱きしめる。
「エドワードはまた私を離そうと思案だけやってるみたいですね」
「それより他の頼みを準備しているという方が正しいですね。今回の出征が終わったら、ルイーゼさんに提案したい席があります」
「席ですか?」
「南部の海辺に私が管理していた騎士養成アカデミーがあります。かつては優秀な魔法使いや剣士を多数養成していた場所ですが、現在は放置され、平凡なアカデミーに近い場所です。私がそこに剣術教師として推薦書を書いてあげようと思います」
「海・・・一度も行ったことがないです。面白そうですね。エドワードが私をまた遠くに行かせようとしているようで少し気になるけど」
エドワードは低い声で笑う。
触れ合う部位から感じられる震えにルイーゼが恥ずかしくて顔を赤らめた。
話してみると彼女の言葉がエドワードには不安に苦しむ子供のぐずぐずのように聞こえるような気もした。
「そんなところなら心配しなくてもいいです。私はもうルイーゼさんを遠くに行かせないことにしたんですよ」
「本当ですか?」
ルイーゼは明るい顔で彼を見る。
「はい」
エドワードは美しい笑顔で彼女と覗線を合わせた。
こんなに近くで見ても欠点は一つもない顔だ。
特に、あの妙な異彩が漂う瞳は、一度出会うと残像が長く残ってしまう。
赤い虹彩は漆黒の闇の中でも唯一カを失わない光のように孤高な色であるため、簡単に視線を奪った。
「私ももうルイーゼさんと離れたくありません」
ルイーゼが目を丸くした瞬間、二人はキャンプ場に到着した。
その間、本来の姿を備えたキャンプ地には人員に合う数の兵舎が建てられており、団員たちは中央に焚いた火を利用して食事を準備していた。
2人を発見した人たちが面白いという顔で笑って口笛を吹く。
エドワードに抱かれたまま団員たちと目が合ったルイーゼが恥ずかしそうに顔を赤らめた。
食事の準備を終えて慌ただしく動いていたマクシオンがその姿を見てそのまま席に凍りついた。
「ルイーゼちゃん。私はこれから点検に行かなければならないので、マクシオンとロビンを呼んでいただけますか?」
「あ、はい」
エドワードは上半身をかがめて彼女を地面にそっと下ろす。
再び起き上がる彼の眉は小さくうごめいていた。
ルイーゼが見たことのない彼の背中の中央が赤く染まっていた。
そういえば二人は恋人同士の設定でしたね。
エドワードが反乱を起こす間だけ、ルイーゼを遠い場所に向かわせるつもりなのでしょうか?
そして、エドワードの背中は大丈夫?