こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
今回は54話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
54話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- セルベニアでの出会い③
「悩む時間が必要だろう。あなたにとって私は初めて見る叔母だから、人より見慣れないだろうし。しかし、ルイーゼ。君の両親があなたをあんな危険な場所で密かに育てたのには、確かに理由があるだろう。皇室と絡んでいいことはない。ペリルスはあなたを守るのに良いところだよ。この叔母はあなたの両親がそれであなたをそこで育てたのだと思う」
「・・・お母さんは外の世界と首都、エドワードに対して良くないことばかり言いました」
「それごらん」
「しかし、私はそこで愛らしいものに本当にたくさん出会いました。季節によって変わる光も、咲き散る花も、人の活気も、そしてマキシオンと・・・エドワードも」
うん。
だからルイーゼは彼らのそばに留まることに決めた。
たとえ彼らがルイーゼに内緒で何かを企んでいて、それによって彼女を去ろうとしたとしても、その理由が彼女を大切にする心から起因したという信頼がある。
今までずっとそうしてきた人たちだから。
ロレインは小さなため息をついた。
彼女は敵わない顔でルイーゼを見た。
「あなたはあなたのお父さんによく似ている。優しく笑うその姿まで。ブローチを出す君を見るのにあいつと重なってどんなに驚いたか」
彼女は小さく笑う。
「認めたくないけど、あの子は賢かった。どんな嘘をついても、その中で本当の答えを見つけるやつだった。もしかしたら、あなたはそのような点まであの子に似ているのかも知れない」
「叔母さんはお父さんと親しかったようですね」
「親しい?私が?」
ロレインは尋ね、大声で笑った。
彼女は再び足を踏み入れた。
「そう、否定したいけど、振り返ってみるとアカデミー時代に友逹と言えるやつがあの子だけではある。だから休みの時に課題を一緒にしようという話に素直にこの邸宅に足を踏み入れた。その時、あなたのお父さんの弟であり夫に会って、このようにセルベニアに鼻を通して暮らしているが」
ルイーゼの口角が浅く曲がる。
「お父さんは叔母さんのことが好きだったようですね。私がマクシオンを大切にしているように」
「私を?」
「だから叔母さんにだけ私が生まれたという事実を知らせたのではないでしょうか?」
「それもそうだろうが、それはおそらく私の性格のためだろう」
ルイーゼは不思議そうな目でロレインを見る。
彼女は視線をそらしてルイーゼと目を合わせた。
「この叔母さんが一つの性格なんだ。遺体がなければ死んだという事実を信じず、遺体を持ってきても死因を素直に信じないほど。セルヴェニアはしつこくあなたのお父さんを探した。捜索を止めたのはその手紙を受け取った後だったという。私の性格を知っているからそうしたのだろう」
「そうかもしれませんね。お父さんらしい」
ルイーゼは独り言のように答え、小さく笑った。
「髪の色はお母さんから譲り受けたの?」
「はい、そうです」
「やっとはっきり分かったわ。なぜ妻が誰なのか隠したのか」
「え?」
「お母さんがレンシアでしょ?」
「どうして分かったんですか?」
ロレインはルイーズが驚いた顔をすると首を横に振った。
「そんな銀髪は珍しくない。しかも、あなたのお父さんが皇城で皇帝を見に来たというその人を見て一目惚れした後、ちょろちょろついて行ってから出征までついて行ったの。漠然と推測はしたが本当だったとは」
「お父さんがお母さんを?お二人が出征中に恋に落ちたという話は知っていましたが、これは初めて聞く話です」
「美しい話だけを教えたかったのだろう」
ロレインは少し間をおいて話し続ける。
「あなたのお母さんは皇家の側近なので、先皇帝のことをよく知っていた。君が皇室と縁ができたら、間違いなく足を引っ張られるという事実を予測し、そもそもお互いに接点を設けないようにしようとしたようだ。セルベニアの当主とレンシアの娘なら、皇室ではよだれを垂らすほどの条件だから」
「先代や現皇帝陛下についてはよく分かりません。しかし、私はエドワードだけは良い人だと思います」
ルイーゼは慎重に答えた。
ロレインの瞳に映った闇が濃くなる。
「皇室が・・・セルベニアの二つの当主を奪ったと思った時は目に見えるものがなかったという。帝国民がそのように取り巻いている皇太子が悪魔のように見えたよ」
「お父さんは生きていたじゃないですか」
ロレインは苦々しい顔で視線を落とす。
「そうだね。結局は原因不明の病気で死んだけど。あんなに元気だったあなたのお母さんも同じ病気にかかったと聞いたよ。ということは、出征中にできた病気だった可能性が高いだろう」
「・・・それでもそれがエドワードの過ちではないはずです。出征に合流したのは父の医者でしたから」
「殿下が悪い人ではないということは私も知っている。知っているのに彼を責めるしかなかった」
「なぜですか?」
「言ったじゃないか。身近な人を失った人たちは、責める人が必要だと」
ルイーゼは驚いた顔でロレインを見る。
いつの間にか笑いが消えた彼女の顔に、悔恨がちらついた。
「私もまた責める人が必要だったんだ」
ルイーゼは答える代わりにゆっくりと視線を落とした。
愛する人を失う苦痛がどれほど大きいかは彼女も知っている。
ペリルスに一人残って無意味な時間を過ごした時は、先に去った人たちが懐かしくてたくさん泣いた。
ある日は彼女にだけ悪いと言って神を責めたりもし、またある日には理由もなく森がとても憎かった。
ロレインもそんな気持ちだったのだろうか。
ロレインの足取りは大きな門の前で止まる。
「私はあいつに君を頼まれたの。だから、ルイーゼ。どこか具合が悪かったり、何かあったらセルヴェニアを訪ねてって」
「・・・お父さんが私をですか?」
「そうだよ、彼が君に残したペンダント。それがその証拠だよ。君がそれを世の中に見せれば、私たちは必然的に会うことになるから。手紙の最後に残した言葉も「元気でね」ではなく「よろしくね」だったし。憎たらしいやつ」
ロレインの目は赤く染まった。
彼女は眉間にしわを寄せる。
ロレインはアレンの話を持ち出すたびにぶっきらぼうになった。
それが涙をこらえているようで、ルイーゼは彼女が父親をとても恋しがっていたことに容易に気づくことができた。
「そうだったんだ」
「年をとると、口数が多くなるね。ここがカッセルがいるところよ。たいてい主治医と一緒にいる。私もセラピストだけど、最近は家の世話で忙しくて」
ロレインがドアを開ける。
当主の部屋らしく広い空間だった。
昼間は日差しがよく当たるように片面は全て窓になっており、内部はリベンの木で作った家具が随所に置かれている。
カッセルの主治医と見られる人がロレインに頭を下げて挨拶した。
二人の足取りが一番奥に置かれているベッドに向かう。
そこには青白い顔の男が眠っていた。
「叔母さんに似た白金髪ですね」
「目を覚ますと、あなたのような紫色の瞳が見えるだろう」
カッセルは母親に似ているようだった。
目を閉じていても彼の顔からロレインが感じられた。
彼女の従兄弟は背が高く、首都なら社交界でかなりの話が出るほどの外見をしていた。
なんとなく厳しい母親の下で育ったにもかかわらず、硬い性格ではなさそうなのが目鼻立ちで感じられる。
「長い間眠っているせいか、顔色が悪いですね」
「それでも眠る前の方が酷かった。誰かが治療士の血筋ではないかと思って、治療術に夢中になっていた子だったんだ。そういえばルイーゼ。あなたがアレンの治療術をすべて受け継いだと言ったでしょう?」
「はい」
「カッセルは代々受け継がれてきた治療法が見つからず、かなり傷心した状態だった。それは当主が次の当主に教えるやり方で伝授されていたので、私も知らないんだ。よりによって私の夫に伝授しないままお前のお父さんが姿を消して・・・秘術を失ったとし、本人は家主として資格がないと残念がった。治療術の名前が何の「去った者の声を聞く方法」だったのか」
ルイーゼは目を丸くして瞬きをする。
「あれ、私それ知ってるのですが」
「知ってる?」
ロレインは目を見開いてルイーゼに尋ねた。
「はい。万能でもない上に、何でもないことを秘密のふりをすると言って、父が最初から消息誌や新聞に載せようかと悩んでいました。私がお教えします」
「カッセルが目覚めたら本当に喜ぶだろうね!ああ、ルイーゼ。もしあなたがアレンの後を継ぎたければ、当主の教育を受けさせてくれるかもしれない。たとえ結婚することになったら、当主はあなたの夫になるが、それが正当な継承構造だから。カッセルも理解するだろう」
「はい?そんな席は必要ありません。領主の教育も受けていないし、受けたくもありません」
ロレインはルイーゼが線を引くと複雑な顔でつぶやいた。
「他の家門はお互いに領主になると血が出るというが、セルヴェニアは領主の席を爆弾にでもなるように振る舞うんだね。カッセルも最初は「領主にならない」と、そのようにもがいた。これに先立って、相次いで二人が短命ではあったが」
「それを直接経験していたら、私でも怖かったでしょう」
カッセルは目覚めることができるのでしょうか?