こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は315話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
315話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 王子の帰還
「ネルゲンと連合軍の戦争はどうなっていますか?」
円卓には妖精たちがぎっしりと座っていた。
音を聞かなければ童話的な風景だったはずだが、会議室には殺伐とした雰囲気が漂っているだけだ。
ドビンの質問に、その代わりにこの紙を取り上げた。
今朝戦場から到着した、鉄の生臭い匂いがする伝書だ。
「まだネルゲン側が有利な状況です。もっと性能の良い武器を販売したほうがいいでしょうか?」
ドビンは、さすが強大国だと思った。
そのほうがよかった。
彼はにっこり笑って両手をテーブルの上に置く。
「いいえ、これくらいが適当です。他の方向にも手を入れておいたので、これ以上連合軍側にもっと力を入れれば戦争はすぐに終わるでしょう」
ドビンの命令に他の妖精たちは沈黙で肯定した。.
そんな中、会議に参加したある王子が怪謗そうに尋ねる。
「ドビン様、連合軍側が不利ならもっと援助すべきではないですか?私たちとしては連合軍が勝つのが良いことではないですか」
その鈍い質問に何人かの大臣が眉をひそめたが、ドビンは怒らなかった。
間抜けなライバルほどいい味方もいないから。
ドビンは子供に教えるように慈愛に満ちた声で話した。
「私たちとしては戦争が長引くのが一番いい」
「どうしてですか?」
「戦争が長引けば長引くほど、武器をたくさん売ることができるからだ」
ここ数十年間はまさに平和の時代だ。
細々としとた抗戦は起きても、国家間の大規模な戦争は起きなかった。
「平和」という言葉に大多数の人々は居心地がよいだろうが、ドビンはそれを好まなかった。
平和はお金にならない。
城が崩れてこそ資材が売れ、人が怪我をしてこそ医薬品が売れる。
そのため、ドビンは人間の間で戦争が起きるように誘導し、その結果は成功的だった。
ネルゲンを除く他の国々はぎりぎりの均衡を保っている。
欲はあるが、一歩前に出るには恐れがある状況。
多くの国の中でドビンはクローネンバーグを選んだ。
彼らの両手に凶暴な武器を握らせたまま背中を押し、戦争を煽った。
人より強い力を持つようになれば、人間は欲を持つようになる。
クローネンバーグも同様だ。
「思ったよりクローネンバーグがよくやってくれています。このまま数年くらいは戦争を引っ張ってくれればいいんですけどね」
ドビンは満足そうな声で話した。
人々が流す血が多くなるほど、スレビエンの貯蔵庫は豊かになるはず。
質問をした王子はやっとドビンの意図を理解したようなのか、それとも彼の残忍さを止める気がしないようなのか沈黙していた。
別の大臣が口を開く。
「連合軍側から魔弾の弾丸を追加でお願いしていますが、どうしましょうか?代金を全部用意することはできなかったそうですが」
「代金は後でもらうことにして、好きなだけ出してください」
しかも、魔弾の最も素晴らしい点は消耗品だという点だ。
足りない弾丸を購入するため、クローネンバーグは躊躇なく国庫を開いた。
今はお金を少し少なく受け取っても、何ヶ月も何年も長く戦争を続けた方が何倍も得なのだ。
また、金銭的な理由以外にもメリットもある。
「できるだけネルゲンが打撃を受けるようにしなければなりません。人間たちが彼ら同士で戦って自滅するように誘導しなければなりません」
妖精たちは優れた魔力と魔導工学技術を持っているが、致命的な弱点も存在した。
それは頭の少ない体と弱い体。
人間たちが力を合わせて頭数で圧迫してきたら、いろいろ面倒になるだろう。
「戦争が数年ほど進行して人間王国が弱体化すれば、我々が征服に乗り出しても勝算があるでしょう。妖精が帝国を統ーすることも可能性があります」
ドビンは子供っぽい顔でにっこりと微笑んだ。
最も気になる頭数さえ減らせば、その後から人間たちは大したことない相手だった。
たかが魔弾程度でも戦争の形勢が変わっていた。
連合軍側に見せなかった魔導兵器のうち、魔弾を凌駕する兵器が数十個ある。
帝国統ーという言葉に会議室がざわめくのを感じた。
ゼルダさえも聞き取れなかったせいで驚いた様子だ。
ひげがぼうぼうと生えた大臣は感激で目が潤んでいた。
彼は少し重苦しい声で話す。
「病床にある殿下もこの話を聞いて泣かないといけないのに。きっと大喜びするでしょう」
「そうです、ドビン王子様。妖精の帝国なんて。歴史に永遠に残るでしょう」
大臣たちの好意的な反応にドビンはただ笑う。
その時、ドアが開いた。
その反応に妖精たちが思わず門を眺める。
ドビンもやはりそこに視線を送り、驚いた顔になった。
妖精王が老衰した体で会議室に入ってきていたのだ。
ドビンとゼルダが慌てて父のもとへ駆けつける。
「お父様!具合が悪いのにどうしてここまで・・・」
「私の代わりに国政を見るのに忙しいという話を聞いて、一度見に来た」
いつも病色がはっきりしている妖精王だったが、今日はいつもより目つきが生き生きしていた。
彼はゼルダに向かって言った。
「民をよく見ていると聞いた。国王代理の仕事を立派にこなしているな」
「当然すべきことだったんです」
最初の称賛がゼルダに落ちると、ドビンは表情が硬くなるのを我慢しようと努める。
このような中でも、最初は自分ではないというのか。
そんな不満を飲み込んでいたところ、ドビンは自分の手に触れる感触にびっくりして顔を上げた。
妖精王がドビンの手を強く握っていたのだ。
その視線と手の動きが普段とは少し違っていた。
「ドビン、君の話はいろいろな大臣からよく聞いたよ。大きな取引を成功させ、また帝国を統一する計画まで立てておいたんだね」
「褒めすぎです。まだ足りませんよ」
謙虚な息子に向かって妖精王は優しい視線を送る。
それから、静かに話を続けた。
「これまで後継者問題で悩みが多かった。私はまだ末っ子が生きていて、いつかは戻ってくると信じている。でも、そろそろ決心しなければならないようだね」
その言葉にドビンは胸がむかむかするのを感じた。
自分が今までやってきたことがついに光を見る瞬間であることが分かったのだ。
「私はもう余命いくばくもなく、これ以上後継者の座を空席にすることができないからだ」
寂しい声だった。
ドビンは快哉を叫ぶのを我慢するために全力を尽くさなければならなかった。
「お父様、そんなこと言わないでください」
「いや、これからは準備をしないと。「あなた」と「ゼルダ」のどちらを後継者にすべきかと思ったが、最近の「あなた」の功績を見ると、お前が適任のようだ」
ドビンの手がぶるぶる震えてきた。
喜びのためだ。
弟を追い出し、戦争を起こして国庫を増やし、帝国統一を準備しようとしたのは、結局この瞬間のためだった。
数年間の夢がかなえられた。
ドビンが感激して口を開けようとした瞬間、会議室の外が騒がしくなる。
「一体何事だ?」
妖精王もその騒ぎを感じ、ドビンの手を離す。
白昼夢の時間を邪魔されると、ドビンは水に打たれた猫のように鋭くなった。
侍従が何が起こったのか調べようと出て行く刹那。
小さなシルエットがぽちゃぽちゃ会議室に入ってきた。
その姿に皆の視線が凍りつく。
特にドビンは寒波の中で投げ出された人のように硬く固まったままだった。
「お兄さん、お久しぶりですね。元気だった?」
憎らしいほど平然とした声が聞こえてくると、ドビンは平静を保つことができなかった。
空色の髪に銀色の瞳。
3年という歳月が経って大きく成長したが、忘れようとしても忘れられない顔だった。
ついにヴェリテが登場!
これで戦争の状況を変えることはできるのでしょうか?