こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は161話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
161話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- クローヤン地方④
人脈が多いというウィンター伯爵の言葉は虚言ではなかったのか、救愉食糧はあっという間に用意された。
すぐに食料を積んだワゴン車が王国のあちこちに走って行く。
「あれは何だ?」
度重なる災難で、うつろな瞳の人たちは突然現れた馬車を警戒した目つきで眺めて、すぐに目を丸くする。
車に積まれている食糧を見たのだ。
「あ、あれは?なんだ?」
飢えが長かったせいでみんな唾をごくりと飲み込んだ。
その時、総督府から出てきた官吏が大声で叫ぶ。
「みんな並んでください!救愉食糧が出ましたので、人数に合わせて配給を始めます!」
「・・・」
王国民はびっくりしてお互いを見つめた。
急に救愉食糧だって?
「どうして?」
いずれにせよ、人々は是非を問わず急いで列に並んだ。
あれこれを問い詰めるには、お腹の痛みが長すぎた。
「ところで、どうして急に救愉食糧を与えるの?」
「新任総督が来たと聞いたが、その総督が与えるのか?」
「いや、まさか・・・」
人々は配給を待って首をかしげる。
思いもよらなかった救愉なので、皆が食糧の出所を知りたがっていた。
度重なる凶作により、クローヤン地方ではこのような食糧を調逹する余力がなかった。
誰かが勇気を出して尋ねる。
「あの、官司様」
「どうしましたか?」
「この食料はどのようにして用意されたのですか?」
その問いに役人は驚くべき答えを出した。
「総督閣下、個人の私費で用意したものです」
みんなの顔に驚きが浮かぶ。
この多くの食糧が、総督閣下個人の財産で用意したものだと?
人々は信じられないという顔でざわめいた。
その時、誰かが違う質問をする。
「それでは、この救愉米はどのくらいの利率で、いつ返さなければならないのですか?」
人々が最も気になる内容だ。
世の中にただの食糧はない。
いくら救愉でも、後日収穫が終われば返さなければならなかった。
時にはこの過程で暴利をむさぼる悪徳な君主もいる。
その問いにも官吏は親切な態度で答えた。
民に高圧的な態度を見せないように、マリが事前にしっかりと注意を与えたおかげだ。
「返さなくてもいいです」
「・・・え?」
「この救愉は全面的にヒルデルン総督閣下の私費をかけて配給するものです。だから余裕があれば返してくれますが、そうでなければ返さなくてもいいです」
大洪水に見舞われたのだから、収穫期の作農も良くないことは明らかだ。
マリが判断するには冬を過ごすのも足りないことが明らかで、無償配給を決めたのだ。
信じられない王国民はお互いを見つめ合った。
世の中に生きていて無償配給だなんて。
聞いたことも見たこともないことだ。
「今回の新総督は想像もつかない金持ちなのか」
「そうだね。お金があまりにもたくさん残っていて、到底持て余す金持ちのようだ」
十分もっともらしい誤解だった。
お金が本当に溢れていて、どうしようもない限り、こんなことをすることはできないものだから。
「お金があるから、こんなこともできるんだ」
「そうだね。新任総督はどれだけ金持ちなのか見当もつかないね」
しかし、誤解はすぐに明らかになる。
もともとマリが有名人だったので、クローヤン地方でも彼女の話を間いて知っている人が多かったのだ。
「侍女出身だったって?それも下級侍女?」
「そう、それだけでなく戦争捕虜出身なので、ほとんど給料ももらえなかったそうだけど?」
「ところで、どうしてこんなお金を?」
「以前、大きな功績を立ててもらった褒賞金で払ったそうだよ。全財産をボロボロにしたと言っていたが?」
それを聞いた王国民の表情が妙になった。
「持っている全財産をはたいて救愉食糧を用意しただって?」
彼らは自分たちの手に握られた食料を見つめる。
そのような王国民の頭の中に浮かんだ考えは皆同じだった。
「どうしてこんなことを?」
疑問に思うのは王国民だけではない。
本土に住む帝国人、特にいくつかの貴族の中には、怪謗さを超えて強い声で彼女を非難する人もいた。
「そんな大金を浪費するなんて。もっと価値のあるものを使えることも多かったはずなのに」
「そうですよ。帝国本土にもお金が必要なことが多いのだから・・・」
しかし、マリは彼らの非難を一言で一蹴する。
「どうせ私の個人のお金だから、どう使うかは全て私の権限です」
もちろんマリも知っている。
1千万ペナならできる他のことが多いということを。
しかし、直ちに飢え死にする危機に直面した人々を救うことより急がれることはないと思った。
(それでもお金もかなり残っている。ウィンター伯爵様が安く食料を手に入れてくれたから)
一体どんな人脈を動員したのか,ウィンター伯爵は相場より安い値段で食糧を求めてきた。
それも普通の安いものではなく、信じられないほど驚くべき価格で買ってきたのだ。
(不法な手段を使ったのではないよね?正常な取引では絶対に不可能な価格なのに)
まるで刃物を突きつけて脅迫でもしたかのような値段に、マリは面食らった。
「とにかく急な飢えは解決したから、次は復旧作業をしなけれはならない。まだ水害がまともに復旧されていないから」
やはり今回も問題は復旧作業に必要なお金だ。
クローヤンには被害を復旧するだけの資金がなかった。
「本当に財政がぎりぎりだね。確かに、これはどこの国も同じだろう」
マリはラエルの苦悩を改めて理解する。
彼が最も悩んだのも財政問題だった。
「とりあえず、救憧食糧を求め、残ったお金で急復旧でもしないと」
マリは知事官邸から空を見上げる。
「空からお金でも落ちてほしい。神様、助けてください」
ところが、それから数日後、とんでもない奇跡が起きた。
「何ですって?」
マリは目を見開いた。
「デンティルソン鉱山で金剛石が発見されたんですって?」
「はい、子爵様。おめでとうございます!」
急いで駆けつけた鉱山の管理人が嬉しそうな表情で叫んだ。
デンティルソン鉱山。
彼女が伝染病を解決したことでラエルから受け取った鉱山だった。
それなりに粒状の鉱山ではあったが、金銀は採取されず2級の鉱山だったが、ダイヤモンドの原石である金剛石が発見されたということだ。
「埋蔵量は?」
「まだ正確にはわかりませんが、それでも少なくないようです」
マリは嬉しそうな顔をした。
ただでさえ手に負えなかったのに、財政問題で一息つくことができるようになったのだ。
当分はお金の心配を大きくしなくてもいいだろう。
「すごいですね。閣下には神のご加護があるようです」
リン男爵が言った。
こんなにぴったり合わせて好材料が出るなんて。
彼はやや当惑した様子だ。
しかし、それもつかの間で、リン男爵はきれいな顔で微笑みながら言った。
「とにかくよかったです。これからは復旧作業がずっとスムーズに進められるようになりましたね」
「はい、よかったです」
「それでは私は関連書類をもう一度整理します」
「お願いします」
リン男爵は頭を下げてマリの執務室から出てきた。
こうしてクローヤン地方は大規模な復旧作業を始め、活気を帯びるようになっていく。
「よいしょ!」
「そこ気をつけろ!」
人々の顔に久しぶりに明るい気配が漂う。
良いことが続くと、自然に明るい表情になるしかなかった。
「それでもよかった。ただでさえ耕作地と水路をきちんと整備できず、秋の作柄が心配だったから」
「このままにしておけば、もうすぐ来る夏に伝染病もひどかったはずなのに、本当によかった」
復旧作業をする人々の対話が、自然に新任総督に流れていく。
「今回のことも、新任総督が助けてくれたと言うだろう?」
「そうらしいね」
人々は分からないという表情をした。
「どうして私たちをここまで助けてくれるの?」
人々は共通して疑問を示す。
もちろん、善良な総督が来たことは嬉しいことだ。
しかし、これは単に善良なだけではないのではないか?
「これくらいなら普通大金がかかるものでもなかったはずなのに・・・」
「それとなく総督府で働く親戚から聞いたところ、持っている財産を全部打ち明けているそうだ」
「だから、いったいどうして?」
気の毒に思った誰かがこう言った。
「我々を惑わせようとしているのではないか?お金で目が見えなくなるんだよ」
その考えに多くの人が同意する。
帝国の軍馬に踏みにじられ、家族を失ったのが5年も経ってIいない。
したがって、彼らはまだ帝国をきれいに眺めることができなかった。
しかし、その時、こう言う人たちがいた。
「でも・・・、私たちを惑わせようとする目的でも私はありがたいという気持ちになる。このように私費を払って私たちを助けることは容易なことではなかったはずだから」
その言葉に人々は口をつぐんだ。
「モリナ王女だけを切実に待っているし、これからもそうだけど。それでも、新任総督の方も悪い方ではないようだね」
「赴任して間もない。まだ分からない」
「そうだね。それでも帝国内でも「帝国の聖女」と呼ばれるんじゃない?どうなのか一度見守ろう」
人々は黙ってうなずいた。
そのような人々の反応から分かるように、マリが今回したことが、クローヤン王国民の心を変えたわけではなかった。
王国民は依然として帝国を憎み、モリナ王女を望んでいる。
しかし、きっかけが生まれた。
王国民がもう一度考え直すきっかけが。
投資した資源に比べるとわずかな成果かもしれないが、マリはそれだけで満足していた。
これからが始まりに過ぎず、何よりも苦しんでいたクローヤン王の国民が初めて笑い始めたからだ。
だから十分だった。
とにかく確実なことは、王国民の皆に鮮明に「マリ」という名前が鮮明に刻まれたということだ。
一方、総督府官邸の静かな部屋で妙な表情をしている人物がいた。
「来たとたんに変化が起きるんだね」
女よりも美しい顔。
低い声でつぶやいた男の名前はリン男爵だった。
「ヨハネフ陛下のお言葉のように、彼女のそばには本当に神のご加護があるのか」
そんなリン男爵の顔は、マリに見せていたのとは違って冷ややかだった。
「神の加護・・・」
リン・・・、いや、西帝国の悪名高い陰謀家、ラキッド・ストールン伯爵は窓から高い空を眺めた。
「笑わせているね」
ひとまず金銭面の問題は解決!
ラキの暗躍も気になりますが、マリは次に何をする計画なのでしょうか?