こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は172話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
172話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 綺麗に着飾って
一方、そのように皆がマリについて考えている時、遠く西帝国でも彼女を考えている人物がいた。
まさに西帝国の皇帝ヨハネフ3世だ。
「イレテ川上流のダム問題も解決したって?本当にすごいね、彼女は」
そう話すヨハネフ3世の顔色は青ざめていた。
以前、東帝国の首都を離れる時より一層健康が悪化したのだ。
ところが、ヨハネフ3世の声が少しおかしかった。
ダムに問題が発生したのは、まるで彼らと関係があるような様子だったのだ。
さすがに彼は顔をしかめてこう言った。
「ラキ、あいつは私が彼女を欲しがっていることを知っているのに、こんなに無慈悲なことをするなんて」
そばに立っていた側近情報部副部長のロイスもうなずく。
「人々を扇動して石を投げさせたのもそうだし、今回のダム事件もそうだし、ナ王女が命を失うこともあったことですから」
そしてロイスは言った。
「これから起こることも本当に危険千万なことです」
驚くべき話だ。
これまで起こったことはすべて、西帝国のラキッド・ストールン伯爵の陰謀だったということだ。
しかもまた危険千万なことが起きる予定だって?
「このままだと本当に彼女に何か問題が起こったらどうするつもりだ。これはうまくいけばいいし、間違って彼女が死んでもしょうがないし、そんな感じじゃないか」
ロイスはうなずいた。
「今回発生することは、いくら王女の能力が優れていても、本人の能力では解決できないことなので、危険ではあると思います」
「このままだと本当に命を落とすんじゃないかと思って、眠れないくらいだ。ゲホッ!」
ため息をついたヨハネフ3世は激しく咳をする。
しばらく咳をした後、ようやく安定を取り戻したヨハンは、再び分からない話をした。
「とにかく、今までは順調に進んでいる。このままなら私たちの計画は無理なく行われるだろう」
ロイスもヨハンの言葉に同意した。
「はい、今まではすべて順調に進んでいます。すべてモリナ王女のおかげですね」
「彼女がうまくいかないか不安だが、それでも彼女のおかげですべてうまくいっている。やっばりモリナ王女だね」
そしてため息をつきながらヨハネフ3世は窓の外を眺める。
まさにクローヤン地方、マリがいる方向だった。
「早く計画がまとまるといいね。また早く彼女に会いたい」
ヨハンの言葉には彼女への真心が込められていた。
それでロイスはしばらく躊躇った後、尋ねる。
「本当に彼女がほしいんですか?」
「当然だよ。彼女への気持ちは本気だ」
ヨハネフ3世は、ハエのような顔色でニヤリと笑う。
「もちろん私も知っている。私がしようとしていることが彼女の幸せには全く役に立たないということを。いや、彼女の幸せだけを考えるなら、彼女を手放すのが正しいだろう」
ヨハネフ3世はしばらく言葉を止めてから言った。
「しかし、どうすればいい?頭では分かっても、私の心は彼女を全く離したくないんだ」
一方、その時、ヨハネフ3世が自分のことを考えることは想像もできないマリは総督府官邸でうんうんしながら横になっていた。
「体は大丈夫かな?」
「つ、辛いです」
雨に降られながら作業したせいで風邪を引いたのだ。
彼女は暑い日でも熱が沸き上がり、布団を目の下まで引き上げていた。
「こうなると思ったよ。はあ・・・」
ラエルはマリの病気が気に障ったのか、ため息をつく。
彼が冷たく濡らした布を額に載せると、マリは辛い中でもにっこり笑う。
「なんで笑うんだろう?」
「ただ、ただ好きだからです」
「何が?」
「陛下が心配してくれるのが好きですから」
ラエルは眉をひそめた。
「そんなこと言うな。私は本当に悔しいから。ずっとこうすると、完全に閉じ込めておくことができる」
「閉じ込める?」
「そうだね、どこにも行けずに私だけを見つめるようにしっかり閉じ込めておく」
マリは笑った。
こんな話も気持ちよく聞こえるのを見ると、自分が本当に重症のようだ。
それとも彼のことが本当に好きか。
そんなに気持ちのいいひと時を過ごしているとき、ラエルは意外なことを言った。
「しばらくここを離れる」
「あ・・・」
マリの表情がこわばった。
「何かあったんですか?」
「直接解決しなければならないことができて。長くはかからないだろう」
マリはうなずいた。
このように自分のそばに来ているが、彼は皇帝だ。
ここに来ているにもかかわらず、彼は密かにオルンの報告を受けて国政を見ている。
(当然、行かないといけないのに。心が痛んでしまう)
当然のことであり、再び戻ってくるとまで言ったのに、残念な気持ちになった。
ただ胸の片隅が空いているようだった。
彼女はそんな自分の心に当惑する。
(しっかりしろ、マリ)
マリは首を横に振りながら聞いた。
「それでは、すぐに出発するのですか?」
「いや、明日のパーティーには出席しなければならないだろう。騎士たちの労苦を称えなければならないからね」
明日は前回のダム事件で危険を冒した騎士を称える非公式のパーティーが予定されていた。
「はい」
マリはうなずいた。
彼にしばらく会えないので、明日のパーティーでは彼と楽しく過ごさなけれはならないと思った。
一眠りして席を立った彼女は、政務を見てパーティーに参加する準備をする。
「いつものようにきちんと飾ればいいですか、閣下?」
総督府に雇われた幼い下女が尋ねた。
「ええ、どうせ非公式のパーティーだから、大げさに飾る必要ないからね・・・」
ところが、マリはふと一つのことを思い出して言葉を変える。
「いや、できるだけ綺麗に飾ってちょうだい」
「はい?分かりました」
女中は首をかしげたが、マリの言葉に従う。
そのようにしばらく着飾って部屋を出ると、エスコートのためにあらかじめ待っていたラエルが、驚いた表情をした。
「マリ?」
「変・・・ですか?」
マリは少し顔を赤らめる。
彼女が特別に凝った理由は、当然彼によく見せるためだ。
しばらく会えないと思うと、できるだけ綺麗に見せたかった。
「いや」
ラエルは優しく彼女を抱きしめながら首を横に振る。
「とても綺麗だね。懐に隠して誰にも見せたくないくらいだ。余計に雑な奴らが見るんじゃないかと思って、嫌だから適当に飾るように。私には全然飾らなくても綺麗に見えるから」
マリは彼の腕からひょっこりと頭を上げて、彼を見つめながら言った。
「陛下のために飾りました」
「え?」
マリの顔が赤く染まる。
「他の人ではなく陛下に見せようと。陛下に綺麗に見せるために飾ったんです」
そう言ったマリは、再び頭を下げた。
恥ずかしかったのだ。
「・・・」
そんな彼女を見るラエルの瞳が燃え上がる.ように熱くなる。
彼女が愛らしくて可愛くてたまらなかった。
ラエルはあごを指で持ち上げた。
「・・・」
彼女が驚いた表情で彼を見た瞬間、彼の唇が彼女の唇を荒々しく襲う。
ここまでの計画は、やはりラキの仕業だったのですね。
しかも更に恐ろしい計画が待っているという・・・。
このタイミングでラエルも戻りますし、少し不安です。