こんにちは、ちゃむです。
「できるメイド様」を紹介させていただきます。
今回は60話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
特技が一つもない冴えない侍女マリ。
いつもいじめられるばかりだった彼女に、ある日信じられないことが起きた。
「君のために最後にお祈りをしてあげよう、君の願いは何だい?」
死んでいった囚人を看病していたマリに訪れた奇跡。
「万能な人になりたいです」
その日からとても神秘的な夢を見始めることに。
完璧な侍女!最高の彫刻家!天才音楽家!
夢を通して夢の中の人物の能力を得て、何でも完璧な侍女マリの物語がいま始まる!
マリ:本作の主人公。クローヤン王国の元王女。身分を隠して侍女として働いている。本名は、モリナ・ド・ブランデン・ラ・クローヤン。
ラエル:皇太子。血の皇太子と呼ばれ恐れられている。
キエル:皇室親衛隊団長。キエルハーン・ド・セイトン。
オルン:公爵で宰相。ラエルとは昔からの親友。
ヨハネフ三世:西帝国の皇帝。
オスカー:第十皇子殿下。
アリエル:皇太子妃候補。シュレーアン家。
レイチェル:皇太子妃候補。イーストバーン家。
60話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- オスカーの勇気
「だ、第十皇子オスカーがお兄様にご挨拶申し上げます」
幼いオスカーが世界で最も恐れていたのは皇太子だった。
同じ船から出た兄である第一皇子も皇太子によって亡くなり、他の兄弟たちも皆死に、自分もいつか皇太子の手によって粛清される運命であることを知っていたからだ。
しかし、そのように恐れていたにもかかわらず、小さな皇子は拳を握りしめて頭を下げる。
「マ、マリがあんな罪を犯したはずがありません!も、もし本当に罪を犯したとしたら、代わりに私を罰してください!以前マリが私の罪に代わって罰を受けたので、今度は私が代わりに罰を受けます!」
その言葉に皇太子は妙な目でオスカーを眺めた。
第十皇子オスカーは皇后の血統。
すなわち、正当性を受け継いだ皇子で長城すればラエルの位置を脅かす恐れがあるため、常に命の脅威を受けていた。
本人もその事実をよく知っているはずなのに、あえて危険を冒して出てくるなんて。
その時だった。
低い声が彼らの間を分かれる。
「私も一言言いたいですね、殿下」
「侯爵閣下!」
皆がビックリして頭を下げる。
そこには銀髪の男性が彫刻のような顔に冷たい怒りを込めたまま立っていた。
キエルハーンだ。
「言ってみろ、侯爵」
「無闇にマリちゃんの潔白を主張することはしません。今の状況で何の根拠もなく話しても無駄でしょうから」
「じゃあ?」
キエルは青い瞳を冷たく輝かせながら口を開く。
「少しだけ時間をください。セイトン家の名をかけて、何があっても地獄の果てまで追ってでも真犯人を捕まえます。ですから、その犯人の首を殿下に捧げますので、その時までお待ちください」
キエルがそこまで話したとき。
皇太子ラエルが突然笑い出した。
「・・・?」
人々は「血の皇太子」が鉄仮面の下で笑いを流すと、怪しげな表情を浮かべた。
特に、皇太子の恐ろしい噂だけを知っている数人の人物は、酷く怯えてしまう。
皇太子が怒っていると思ったのだ。
しかし、笑いを止めた皇太子が言ったことは。
「あなたたちは、一体私がマリのことをどう考えていると思っている?」
「・・・」
「この場でマリについて一番よく知っている人は私だ。私も彼女の潔白を信じている」
その言葉に誰かが注意深く尋ねる。
先ほど門の外で皇太子とオルンの口論を盗み聞きした人物だ。
「で、でもさっき気分を害されたのは?」
「それはこの状況自体の気分が悪かったからだ」
「じゃあ宰相様は・・・」
オルンは眉を顰めて言った。
「それは真犯人を早く捕まえなければならないという話だ」
「あ・・・」
「もちろん私はヒルデルンのことを君たちのように信じているわけではない。ただ、彼女が本当に犯人だったら、自分の部屋に盗んだものを置く馬鹿なことはしていないだろう」
人々は互いに見つめ合う。
そして、自分たちが勘違いしていたことに気づいた。
「マリへの君たちの気持ちはよく分かったから退出してくれ」
「申し訳ありません!」
そのようにキエルを除いた皆が素早く消える。
ラエルは首を横に振った。
あの姿を見ると、マリが皇居生活を無駄にしたようではなかった。
周辺が整理された後、皇太子はキエルに語る。
「私も今回だけはあなたの意見に同意する。地獄の果てまで行っても真犯人を見つけなければならない」
キエルは固い表情で頷いた。
「これはマリちゃんを罠にかけるための陰謀に違いない」
「非常に悪辣な陰謀だ。もし真犯人を見つけられなかったら、マリは死ぬだろうから」
真犯人が見つからないと聖杯を盗んだ犯人に追い込まれる。
それでも単純に死ぬことでは終わらない。
あらゆる拷問にかけられ処刑されるだろう。
「すごく腹が立つけど、それでも一つ幸いなことがある」
「何ですか?」
ラエルはニヤリと笑う。
「ついに手がかりが一つできたということだ。犯人はマリと悪縁がある人物に違いない」
「・・・!」
「犯人が誰なのか分からないが、もし聖杯が本当の目的だったとしたら、大きな間違いを犯した。聖杯を盗むついでにマリも陰謀に陥れるつもりだったのだろうが、こんなにも大きな手がかりを与えてくれたのだから」
キエルも頷く。
犯人は自分の策略に自身の足首を打たれたわけだ。
「問題は、これだけでは犯人を確定できないということだ。もう少し手がかりが必要だ。聖杯の捜索はどうなっている?」
「まだこれといった成果はありません」
「なるほど、やはりこんな無差別的な捜査では見つけにくいのだろう。決定的な手がかりが必要だ」
うなずいた皇太子が席を立つ。
どこかに行く準備をしている彼を見て、護衛騎士のアルモンドが尋ねた。
「どちらへ行かれるのですか?」
「マリに会ってみようと思う。賢明な彼女のことだ、もしかしたら今回のことについて何か考えがあるかもしれない」
皇太子はキエルに顔を向け言った。
「先ほどのあなたの言葉にほとんど同意するが、一つ許せないことがある」
「どういうことですか?」
「さっき犯人を見つけたら首を私に捧げると言っただろう?それは許せない」
訝しげな表情をするキエルに皇太子が低く告げる。
「犯人を見つけたら、その犯人を処理するのは君ではなく私だ」
「・・・!」
「今度のことは、私も本気で腹が立っている」
皇太子は抑揚のない声で話した。
「犯人は生まれたことを後悔するだろう」
オスカーの勇気に感動しました!
自分と引き換えにマリの命を救ってほしいと言うなんて。
オスカーの将来の妻がマリだったら嬉しいですね。
ラエルもキエルも今回の一件には激しく怒っています。
何とかして解決してほしいです。