こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は27話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
27話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 本当の気持ち②
「失敗したようです、お嬢様」
一方、客室に泊まっていたアセラは、悪い知らせを持ってきた自分の下女を鋭く睨んだ。
「あの女はまだ公爵様に何も申し上げていないというの?」
「はい、あのピンクの髪の子供が公爵の執務室で遊んでいます」
「いったいあの子は何!?ああ、ムカつく・・・。天気までとても寒くて凍え死にそうなのにこれは何!ねえ、薪をもっと入れて」
女中はシェリデンのシェフが用意してくれたおやつをアセラの前に置いて、素早く薪を追加した。
一時的に火がかさを増したが、客室の冷たさは消えない。
「さっきは村にもちょろちょろついていったのに。あの子は一体何なの?公爵の親戚にでもなるの?
「ここの使用人たちが言っているんですが、滅亡したグレゼカイアの王女だそうです」
「え?じゃあ戦争捕虜なの?」
「はい、囚人だそうです」
「はあ、呆れた」
もっともらしい服を着ているので、公爵が大事にしている遠い親戚の子供でもいると思った。
「それも知らずにプレゼントでも買って、よく見せるべきか悩んだじゃない」
もしそうしていたら大変な恥をかいただろう。
伯爵家の令嬢が、囚人なんかによく見せようとしていたなんて。
「本当に不気味な邸宅だよ。こんな所に嫁に来たくなかったのに。ああ、本当にむかつく !」
アセラはメイドが持ってきたサンドイッチをーロかじった。
冬に手に入れにくい新鮮なキュウリを入れて作ったものだったが、そのさわやかな香りが口いっぱいに広がる瞬間、アセラは素早くこれを吐き出した。
「キュウリの匂いを嗅いだら吐きそうだって何度言えば!ううっ・・・」
「すみません、お嬢様!ここのシェフに話して、酸味のある果物のおやつに変えてもらいます」
「あなた、おかしくなったの?そうするつもりなら、最初から私がつわりだってドアの前に大きく書いて貼ればいいじゃないか!?」
アセラは部屋が鳴るまで大声で叫んだ。
<よくできました!>
翌朝、内壁の賞賛にクラリスは赤くなった顔でくすくす笑ってしまった。
<あの不機嫌な女がこの屋敷の主人になるのは我慢できないことです。何より悪毒な心で公爵様を騙そうとするなんて・・・!>
クラリスはゆっくりとうなずいた。
「だけど、一方では残念ね」
<全然そんなことないですよ>
「もしかすると、あの方も他に行く所がなくて困っているのなら、どうしよう?」
<ふん、そうだとしてもシェリデンの公爵夫人の座を明け渡すことはできませんよ>
「本当におかしい」
クラリスは首をかしげた。
「私だったら率直に言って助けを求めたはずよ。公爵夫人は優しい方だから、その要請を断らなかったはずなのに」
<はあ、そんなに優しくてどうするんですか>
「いい子じゃないよ。私はただ・・・本当に残念だからだよ」
自分にいつも優しくしてくれた公爵夫人が嘘をつかなければならない苦しい状況だということも。
そこに他の嘘で嘘を覆おうとするのも。
「今からでもすべてを正す良い方法があると思うけど」
たとえば、正直にすべてを打ち明けるとか。
クラリスが見るには、シェリデン公爵は夫人の話に耳を傾け、最も良い解決策を一緒に考えてくれそうだった。
ところで、なぜそうしないのだろうか?
「大人はおかしい」
<年を取ればクラリスも多くのことを理解するようになるでしょう>
それがまさに「素敵な18歳」なのだろうか?
クラリスは今になって初めて自分の目標が本当に曖昧だという気がした。
「とにかくこれから公爵夫人に昨日描いた公爵様の絵をお見せしに行くよ」
<そうしてください。どうか公爵様夫婦が二人きりにしてはいけません>
「うん!」
クラリスは壁から手を引き離し、ベッドにあったモチを持ち上げてポケットに突っ込んだ。
「一緒に行くよね?」
「コー」
「私はおせっかいじゃない。ただ恩返しをするだけだよ」
クラリスは分厚いスケッチブックを抱き、ドアを開けたまま廊下を見回した。
公爵家の生活が慣れたとはいえ、クラリスは一度も自分の本分を忘れたことがない。
彼女は囚人で、この部屋は独房だった。
部屋を出る時は廊下を守る騎士や兵士に必ず知らせて移動するのが道理だった。
「あれ・・・?」
しかし今はなぜ廊下に立っている兵士が一人もいなかった。
「公爵様や奥様に呼ばれて席を外したのかな?」
クラリスはスケッチブックを抱きかかえて両足をバタバタさせる。
気が急くなった。
「早く奥様のところに行くべきなのに・・・遅れてはいけないのに・・・」
「ああ、やっばり」
その時、門のすぐそばから皮肉な声が聞こえてきた。
「・・・?」
クラリスはドアをもう少し開けて、音がした場所を見る。
「・・・・」
そこには昨日見た嘘つきのお客さんが立っていた。
「おかしいなと思ったわ」
長い銀髪をなでおろしながら近づいてきた彼女は、クラリスを鋭い目で見つめた。
「あなた、何か知ってるね。それで、決心して私の邪魔をするの?」
クラリスは驚いて持っていたスケッチブックをぎゅっと抱きしめる。
彼女の鋭い声を聞いた瞬間、シェリデンで平和に暮らし、ほとんど忘れていた記憶が思い浮かんだ。
それもとても鮮明に・・・。
『汚い雑種のくせに』
今、クラリスを見つめる目つきは、グレゼカイアの王妃様によく似ていた。
「汚い囚人のくせに。ただでさえ憂鬱な邸宅にあなたのせいで汚水の匂いが漂っているようではないか?」
クラリスはひどく怯えた。
しかし、その言葉にうなずくことはできなかった。
「私は・・・汚くないです」
「え?」
「汚いと病気になります。病気になると法律を破ることができるので、私はいつも綺麗です。今日も洗いました」
「はあ、呆れた。あなたが何も知らないようなので、あなたは早く死んでくれるのが役に立つのよ。まだ知らないの?この税金泥棒」
クラリスは首を横に振る。
「私が早く死んだら、シェリデンの迷惑になるでしょう。私は18歳まで生きなければならないと王が命令し、公爵様はこれを受け入れました」
「ふん、あなたは私が公爵夫人になる日には、すぐに死刑だと思っているわ」
クラリスは注意深く顔を上げ、再び客を見た。
公爵夫人と同じ銀髪に青い瞳であるにもかかわらず、二人は少しも似ていない。
妖精のようだった奥様と違って、こちらは.陰鬱な洞窟から飛び出した幽霊のようだった。
おそらく恐ろしい表情のためだろう。
(でも、お客さんのお腹の中には、私の手のひらより小さい赤ちゃんがいると言ってた)
こんなに恐ろしい人の体にそんな愛らしい存在がいるということがとても不思議だった。
(この体の中に小さな赤ちゃんがいるなんて)
クラリスはなぜか彼女のお腹をじっと見るようになった。
(不思議、本当に魔法みたい)
ところが、お客さんはその覗線が不便だったようだ。
「あなた・・・なんでしきりに私のお腹を見るの?」
「え?それは・・・」
そこにかわいい赤ちゃんがいますから。
クラリスはそう答えるところだったが、すぐに口をつぐんだ。
一生体得してきた顔色が彼女にここでは口を閉じるように言った。
「とにかく気持ち悪い子なんだから!」
彼女はクラリスが抱えていたスケッチブックをさっと手に取る。
「とにかくブリエルは昔からだらしないところがあったんだよ。こんな幼い囚人にも全部見つかるなんて・・・」
紙をめくった彼女は、クラリスの絵を見てニヤリと笑う。
「考えてみると,なかなかよく似合うね.詐欺を働いて公爵夫人の席に座った女と戦争捕虜。二人で仲良く監獄に座って醜い絵でも描けばいいのよ」
「公爵夫人は・・・詐欺師ではありません」
「そんなことないよ」
彼女はパチパチと音がするようにスケッチブックをたたんだ。
「公爵はあの女の名前も知らないはず。それが詐欺じゃないって?」
「名前は知らないですが、それよりもっと重要なことを知っています!」
クラリスは少し勇気を出して前に進み,裾をしっかりとつかんだ。
「お二人はお互いのことが好きです!」
「はあ!?」
クラリスの言葉はどうも怒りっぽくなったようだった。
彼女は持っていたスケッチブックを高く持ち上げる。
「・・・」
おそらく頭を殴ろうとしているのだろう。
グレゼカイアでもこのようなやり方でよく殴られ、クラリスは体が記憶する通りに両腕を上げて自然に頭を抱える。
そして、全身をすくめた。
しかし、予感した痛みは感じられなかった。
クラリスが注意深く頭を上げると、息を切らす公爵夫人が彼らのそばにいた。
それも女の腕を強く握ったまま。
「ちょっと!あなた、おかしくなったの?あなたが今誰を捕まえたか知ってる?」
ブリエルはおびえるような叫び声にもかかわらず、彼女の手を離さなかった。
その上、断固たる声で警告を送ったりもする。
「子供には触らないでください!」
「はあ?笑わせているね」
彼女は神経質に腕を振り払い、クラリスのスケッチブックを床に投げ捨ててしまった。
「・・・」
公爵夫人はやっと彼女を離して、直接スケッチブックを拾ってクラリスに渡す。
「ごめんなさい、クラリス。びっくりしましたよね?ここは大丈夫だから、部屋に入っていてください」
「・・・けれど」
クラリスはスケッチブックをもらっても、どうしても足を離さなかった。
このままだとあの悪いおばさんが公爵夫人を殴ったりいじめたりしそうで。
案の定。
「面白くてたまらない。詐欺師と囚人だから気が合うようだねか?公爵様がご存知でしたら、どのように反応されるか分からないね」
また皮肉な声が聞こえてきた。
「やめてください」
「なんで?あなたが詐欺を働いたことがばれるのではないかと心配しているの?」
クラリスは心配そうな顔で、公爵夫人を見上げる。
彼女はクラリスのピンク色の髪を悲しそうな笑みで撫でて、すぐに席から立ち上がってくるっと体を向けた。
「そんな言動は胎教によくないですよ、お嬢様」
「・・・何?」
「おっしゃったとおり私は詐欺師同然の人ではありますが・・・」
公爵夫人はまっすぐに体を張った。
クラリスは彼女が自分の邪魔をして保護しているような気がした。
「今、この屋敷の女主人は私です」
「お前!」
「だから、多くの使用人の目と耳が私につながっているという事実くらいは、ご存知だと信じています。"
今まで意気揚々としていた女の顔が真っ青になり始めた。
「お、お前は・・・今まで全部知ってて、あえて私を騙したの?」
「私も今朝やっと確信しました。昨日、公爵様と会話する機会がなかったのが幸いでした」
公爵夫人は再びクラリスを振り返る。
「大丈夫だから、早く入っていてください。すぐに口ザリーを送ってあげます」
その深い懸念を知らん振りすることはできなかった。
それに、今はなぜか公爵夫人がとても頼もしいように見えたので、クラリスはためらわずに部屋に入ることにした。
アセラのお腹には赤ちゃんがいるのですね。
おそらく、それが公爵邸に来た理由でしょう。
公爵はどこまで知っているのでしょうか?