こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は26話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
26話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 本当の気持ち
クラリスは部屋に戻り。内壁に話しかけた。
「こんにちは、私の留守の間に、お屋敷には何もなかった?」
<ああっ、クラリス、いらっしゃいませ!どうか助けてください!邸宅にサツマイモがどんどん増殖しています!>
サツマイモは内壁が助けを求めるときに使う言葉だったので、クラリスはくすくす笑う。
「今回も私が活躍する番だということだよね?」
<もちろんです。クラリスはシェリデン邸のサツマイモ撲滅団ですから>
内壁は口数が多いだけに、褒め言葉も特によく、いつもクラリスの肩をすくめた。
「どうすればいいの?」
<この家にお客さんがいらっしゃったのはご存知ですか?>
クラリスはうなずいた。
公爵夫人と同じ髪の毛の色を持った人に会って不思議に思っていた。
<その女、悪い人です!?
「うん?」
<意地悪な人です!>
「そうは見えなかったけど。公爵夫人の友逹がそんな人であるはずがないじゃない」
<それは私たちの内壁ー同もそう思って、最初は公爵夫人のお客様を温かく迎えてくださいました>
とうやら内壁は積もった話が多かったようだ。
クラリスが何も反応しないうちに話し続ける。
<涙で公爵夫人を騙して、客間に戻って自分の女中に何と言ったか分かりますか?・・・ごほん。「とにかくあの馬鹿は少しでもいい人のふりをしてあげればみんな騒されるんだから。オホホホ!」>
内壁のモノマネは実に見事だった。
<こう話すのです!公爵夫人の前ではあんなにあらゆる優しいふりをしていたのか・・・!その変化に内壁が皆驚いて邸宅全体が揺れそうになりました>
「さっきは・・・確かに近い友逹だと言っていたのに」
玄関で見た2人の親しい姿を思い出すと、クラリスは怒りが湧いてきた。
「奥様のことをそんなふうに言うなんて、本当にひどい!」
<本当です!>
「とても悪い人だ」
<そうですとも!>
「優しい公爵夫人を騙すなんて___うん?」
怒ったクラリスは重要な話を聞いていないことに気づいた。
「ところで、何をどうやって騙したの?」
<それは・・・>
「それを知ってこそ、私が奥様を助ける方法を考えることができるじゃないか」
<それはそれはそうですね。ところでこれがすごい秘密で・・・>
「何?」
うごめいていた内壁は結局、クラリスに公爵夫人の部屋であった会話の内容をすべて聞かせた。
なぜ急にアセラが心を変えたのかは疑問だが、ブリエルは考えれば考えるほどアセラの言葉が正しく感じられた。
「どうせいつまでもここで過ごしたいというわけではなかったじゃない」
伯爵はブリエルが子供を産んだらダーリントンの娘として養子縁組をしてあげると約束した。
そのように話す時、彼は自分がすごい恩恵でも与えるようにふるまったが、ブリエルはただの一度もダーリントン家の一員になりたいとは思わなかった。
「何よりお嬢様は、お母さんの治療が続けられるように言ったじゃない」
それに加えて、もうマクシミリアンに嘘をつかなくてもいいという点も良かった。
真実を知った彼がひとく怒ることは容易に予想できる。
「彼の反応はアセラ嬢の予想とは少し違うだろう」
彼に真実を話せば、ブリエルは母親と楽に暮らせるだろうということだ。
公正な公爵様は自分にも罰を下すだろう。
代理新婦としてシェリデンに来ても、その事実をまともに告げなかったからだ。
しばらくは刑務所の世話になるだろう。
主人のための詐称だったので、死刑までは行かないというのが唯一の希望だった。
もちろんブリエルはそれが不当だとか、ひどいと思っていない。
かえってそうなれば少しでも心が楽になりそうだった。
「そして罪の償いを終えたら・・・」
それからは本当に故郷に帰って母と一緒に平和に暮らせるようになるだろう。
「よかった・・・」
そのように結論を下しながらも心のどこかが不便なのは、ブリエルがあえて高貴な公爵様に苦い心を抱いたためだろう。
「勘違いはやめて、ブリエル・ウッズ」
公爵が少しでも自分に親切にしたのは、自分が伯爵の娘であり妻である「アセラ・シェリデン」だと思ったためだ。
メイドの娘であるブリエル・ウッズを特別に思っていたわけではない。
「できるだけ早く公爵様に事実を申し上げよう。いつまでも私がブリエルだとは言えないことじゃないか」
最後にアセラが残した頼みを思い出し、ブリエルは頭を上げる。
「そうだね、そうしよう」
できれば一日も早く事実を明かして罪の償いをしてこそ、母の元に帰る日ももっと近くなるだろう。
彼女は立ち上がって厚毛のコートを身にまとう。
少し前に一緒に町に行くことにしたので、いい機会だった。
「二人きりでいると、はるかに話しやすいだろうから」
ブリエルが邸宅から村に向かう途中ですべての事実を告白するという計画は打ち砕かれた。
どういうことなのか、ちょうどクラリスが「村探訪」をしたいと言ってブリエルを訪ねてきたのだ。
両手を合わせて慎重にお願いをする子供の顔には「断られたらどうしよう」という恐怖が
文字で書かれているようだった。
その切実さを知らぬふりをすることができなかった。
ただでさえクラリスは大人の様子をうかがう子だったから。
ブリエルは公爵にクラリスが同行してもいいか尋ね、幸い彼は特に反対しなかった。
3人は一緒に村に下りることに。
居住区域を過ぎて小さな商業地区に行ってみると、外地から到着した山車から果物や特産品などの物が次々と出てきていた。
マクシミリアンは商人たちと一緒に品物の目録と状態を調べている。
クラリスは時々初めて見るものを指差して何かと尋ねたりしたが、マクシミリアンは少しも面倒くさがらずに子供の好奇心を解決してくれた。
ブリエルはマクシミリアンが本当に優しい人だという事実を改めて実感する。
ずっと根掘り葉掘り聞く子供を面倒くさがるはずなのに、表情の変化一つなく説明を続けるほどだったから。
「奥様、あそこをご覧ください」
今度はクラリスがブリエルの手を引っ張った。
自分も知らないことを聞かれたらどうする?と心配しながら子供が指さすところを眺めると、そこには雪だるまがいた。
「誰かが立派な雪だるまを2つも作りましたね。お似合いですね」
ブリエルは微笑んで答える。
それぞれ帽子とリボンをつけた雲だるまは本当に可愛かった。
「そうですよね?まるで公爵と公爵夫人みたいじゃないですか?」
「・・・」
全くそうではなかった。
ブリエルは反射的にそう思った。
もしマクシミリアンが素敵な雪だるまなら、自分は雪が溶けてぬかるみになった底同然の人間だ。
しかし、両目を輝かせるクラリろにそう答えることはできず、仕方なくうなずいてしまう。
「そ、そうですね。まず・・・公爵様は帽子をかぶっていて、私はリボンをつけていますから!」
「それにお二人がとてもよく似合っています。そうですよね、公爵様?」
ああ、お願い。
ブリエルは公爵がこのような恥ずべき話を聞くことがないことを望んでいた。
いや、たとえ聞いたとしても、早くクラリスの話に「雪だるまと私たちは少し違うな」と正しい答えを聞かせてほしかった。
あんなに親しく向かい合う雪だるまと彼らが似ているなんて、まったく認められないことだから。
「そうだね」
ブリエルは予想外の答えにびっくりして彼を振り返った。
さらに、マクシミリアンは普段と変わらない表情と声で、あえて次のように付け加えた。
「結構似ている」
ブリエルは何かと反論したかったが、「そのように答えてくれると思いました!」と話すクラリスがとても幸せそうで何も言えなかった。
いや、本当は。
ブリエル自身が誰よりも喜んでいるようだった。
「どうすればいいの・・・」
村から邸宅に戻った後、ブリエルは自分の部屋で頭を抱える。
「嘘を告白することにしたのに、楽しい思い出をまた作っちゃった!」
再び気を引き締めたブリエルは、クエンティンが退勤する時間を待って公爵の執務室に訪れた。
この時間ならいつも彼が一人で仕事をするものだから、静かに対話ができると期待したのだ。
小さくノックすると、すぐ入ってきてもいいという答えが聞こえてきた。
ブリエルはこっそりドアを開けて中をのぞき込む。
「公爵夫人!」
すると、かわいい足音とともに走ってきたクラリスが彼女を歓迎してくれた。
「クラリス、ここに・・・いたのですね」
「はい!公爵様の肖像画を描いていました」
クラリスはまるでうまくいったかのように小さく手をたたいた。
「ええと、公爵夫人も描きたいのですが。お二人が並んでお座りになっていただけないでしょうか?」
「わ、私は後で」
ブリエルはぎこちなく微笑み、そっと両手を振る。
クラリスが描くべき「公爵夫人」は自分ではなかったから。
「何のご用件でいらっしゃいましたか?」
まもなく執務室の奥からマクシミリアンの声が聞こえてきた。
彼女が入ってくることはなく、ドアのそばをうろついているので、気になったようだ。
「あ・・・あの・・・」
ブリエルはクラリスにしばらく席を外してもらうつもりだった。
「あのね、クラリス」
「はい、奥様」
しかし、なぜか口が開かなかったのだ。
ブリエルはしばらくためらった後、頭を下げる。
「ここにいたなんて幸いです。クラリスが部屋に.いなくて心配だったんです。絵を完成したら私にも必ず見せてください。楽しみにしていますね」
辛うじて言い訳を作ったが、なぜか自分を眺めるクラリスの顔には疑問が満ちていた。
まるで他の言葉を予想したかのように。
「では、私は帰ります。失礼しました」
ブリエルはマクシミリアンにも軽く挨拶し、すぐにドアを閉める。
「・・・ふぅ」
自然にため息が出たが、このためブリエルは少し驚いてしまった。
それはしきりに遅々として進まない状況のために出たため息ではない。
むしろ彼女はほっとしていた。
この無駄な嘘が続くのがどうしてこんなにも・・・嬉しいのだろうか。
『もしかして・・・ここにもっといたいの?』
突然アセラの質問が浮かんだ。
「・・・」
ブリエルはでこぼこした内壁の石を優しく撫でる。
深い愛情を込めて。
「いたいけど・・・ダメだよね。公爵様をこれ以上騙すことはできないわ」
ブリエルはなんだか気分が悪くなり、すぐに首を横に振り、急いで1階に足を運んだ。
とにかく、今はこの屋敷の女主人として、今日ー日、屋敷のあちこちで苦労した使用人の世話をし、統率することが優先だった。
やっぱりアセラの言葉は嘘だったのですね。
クラリスがずっと公爵と一緒にいるのは、彼女に何か秘策があるからでしょうか?
ブリエルのためにも一刻も早く解決してほしいです!