こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は45話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
45話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 仮面の奥
同じ日、遅い午後。
クラリスとノアは一組になって邸宅の蔵書室でかくれんぼをしていた。
蔵書室は丸い壁に沿って2階ほどの高さの巨大な本棚がある場所で、その中央には細長い色ガラスの窓が一つある。
ここで彼らと鬼ごっこを競う相手はまさに「本」だった。
それもグレゼカイアに関して少しでも書かれた歴史書なら、すべて彼らが求める対象になる。
「分かった?言ったらダメだよ。口にボタンをつけたようにね」
重い本を置きながらクラリスが渡した頼みに、はしごの上に立ったノアは肩をすくめた。
「なぜ公爵に率直に話してはいけないということですか?それはいたずらに事を複雑にする仕業だから」
「コー!」
カートで本の間をあちこち避けたモチが久しぶりにノアの意見に賛成する。
ノアはモチとは普段あまり仲が良くなかった。
今はなんだか意気投合しているようだけど。
「私は先生をむやみに評価したくない。そうする資格もないし」
「学生にはその資格があります」
クラリスはそっと首を横に振り、キーキーと音のする荷車を本棚の間に引きずった。
「壁が話してくれたんだもの」
クラリスはノアがはしごの上から取り出した本をもらって荷車で降ろした。
「先生は弟をとても愛していたそうよ」
「それが何の関係があるの?」
「その方は戦争で死亡した。それも・・・」
私のお兄さんの手で。
クラリスが憂鬱そうにつぶやいている時、はしごの上に腰を下ろしたノアが不満そうに答えた。
「それこそ、少女と関係のないことだ」
「どうしてそんなことができるの!だって、家族や出身は私が住んでいる土地だから・・・」
「そうだ、土地だ」
ノアは彼女の言葉に割り込み、珍しく声を上げる。
「足かせじゃなくて」
「・・・」
「誰でも自分が生まれた土地から抜け出すことができる。一人で進む意志さえ持っていれば」
「でも・・・」
クラリスはいつの間にか5冊も集まった分厚い本を残念そうに見下ろした。
もう消えたとはいえ、彼女にとっては始まりだった国、グレゼカイア。
クラリスはそこにいた多くの苦しみに背を向けるべきではないと思った。
「少なくとも私は生きている」
「だから、一日も早くその地から抜け出して、少女の道へ行きなさい。私ならそうしたはずです。この足かせさえなければ」
彼は仮面を軽くいじる。
面倒くさそうに。
しかし、クラリスは彼が足かせと思っているのが猫の仮面ではないという事実を知った。
いつか話したじゃないか、仮面はクラリスが靴下を履くように楽なものだと。
(それならノアが足かせと呼ぶのはおそらく・・・)
仮面の向こうにある自分の顔。
それ自体ではないだろうか。
彼女は先ほど自分の部屋で見たロックハート先生の反応を思い出した。
『怪物・・・!?』
おそらく彼が胸ぐらを握って振る過程で仮面が少しでも剥がれて素顔を見るようになったのではないか。
(だからといって人に怪物なんて・・・酷い)
クラリスはやっとその時のノアが非常に傷を負ったのではないかと心配になった。
「あのね、ノア。少し前に先生が・・・」
「大丈夫。私が怪物であることは確かだから」
クラリスの意図が分かったのか、ノアが快く先に答えた。
「そんなことないよ!」
クラリスはこれに負けまいと、すぐに反論する。
「ノアは怪物じゃない」
「私の顔も知らないくせに?」
「そう答えるのはずるい!」
「それは・・・」
ノアはしばらくあごを抱えて考え込み、すぐにうなずいた。
「それは確かにそうだね」
そしてしばらく沈黙が漂う。
「コー」
視線だけが行き来する静かな沈黙を一番先に破ったのはモチだった。
カートに入った傾いた本の間から滑り落ちていた小さなゴーレムが伝えた言葉を解釈すると、次のようだった。
<猫の子の言葉を訳してみると、今、仮面を脱いでほしいとお願いしてほしいという意味だと思うんだけど>
「とんでもない!」
思いもよらない話にクラリスは驚いて悲鳴を上げる。
ここでそれでも幸いなことがあるとすれば、ノアがモチの言語を少しも解釈できないという点だ。
「少女の砂利がまた変なことを言ったようだね」
「こう! (でもあいつの顔なんか見ないことをおすすめするよ。不細工だから胃もたれするよ!)」
「今度はひどいことを言っただろう。口調で意味を把握するのは簡単なことだ」
「コー!」
「そんなに休まず走り回っていると、すぐに砂利に戻ることになるだろうね」
ノアの予測は間違っておらず、何度もぴょんぴょんと飛び上がったモチは、再び砂利の形に落ちてしまった。
蔵書室はようやく静まり返った。
クラリスはすぐにモチを集めてポケットに入れる。
ノアははしごの残りをびょんと飛び降りてきた。
「本はもうそれくらいでいいか?」
「うん」
「よかった、それはこちらへ」
彼はカートの取っ手を渡されて先に進み始めた。
クラリスの部屋まで移そうとしているようだった。
「ノア」
クラリスはすぐに彼の後ろについて行き、裾をつかんだ。
足を止めた彼が振り返った。
「まだ必要な本があるの?」
「いや、そうじゃなくて」
クラリスはしばらくためらった後、慎重に話をする。
「ねえ、ちょっと前に足かせについて話してたじゃないか。それは・・・」
「その足かせがまさに私の顔なのか聞きたいのなら・・・その通りだ」
「あ・・・」
クラリスは答えを見つけることができず、ただ悲しいうめき声だけを上げた。
自分の顔そのものが足かせだなんて。
どんなにつらいか想像すらできない。
「これは私の母が残した呪いだ」
一方、ノアは怖い話をしながらも、何ともないような様子だった。
「・・・呪い?」
「他に呼ぶ言葉が見つからなかっただけ。今日になって足かせという新しい単語が追加されたわけだね」
「・・・ノア」
「実は理解できないわけではない。魔法使いは好奇心の動物だから、お腹の中の子供をどのように実験しようが、それは母の自由ではないだろうか?」
「それは違う!もし本当にお母さんがそんな目的でノアを苦しめたとしたら・・・」
クラリスは続けるのに適当な言葉を見つけられず、もじもじした。
その間にもノアはクラリスに対する視線を離さない。
彼女が渡す答えを待ちわびているように見えたりもした。
「とても悪い人だ!」
「プッ」
彼が考えていた答えと少し違ったのだろうか。
緊張が解けた笑い声で答える彼に、クラリスはたくさん泣きべそをかいた。
「私は最善を尽くして考えたのに・・・」
「知っている。いや、私は、ククク・・・」
彼はもう少し笑った後、やっと答えを聞かせてくれた。
「私の母をそう言う人は初めて見ただけだ。みんな崇拝するのに忙しいんだ」
「・・・」
「そんなにすごい人だったの?」とクラリスの顔が思索にふける。
「ありがとう、少女」
「う、うん?」
「最善を尽くして私の味方になろうとしたんじゃないの?」
「ノアは私の友逹なんだ。大事なんだよ」
「えーと、もしかして見たい?」
「お母さんを?」
瞬間的に渡した答えにノアはそっと首を横に振る。
それだけだったのにクラリスは彼が何を聞いているのかちゃんと理解するようになった。
「仮面の下の顔を見たいのか」と話したのだろう。
「怖ければやめてもいい」
クラリスがためらうのが恐怖のためだと判断したのか、彼はこっそりと後ろに下がりながら答えた。
「私は怖くない!」
これにクラリスは一歩近づく。
お互いに足先が届くほど。
「むしろノアが怖がっているようで心配していたんだ」
「・・・うん」
ノアは否定しなかった。
「約束するよ、私は絶対に怖がらない」
「私の顔も知らないくせに?」
「だから、そう答えるのはずるいよ!」
「その約束」
ノアは少しかがんで私の顔を出した。
「心から守られることを願う」
彼は仮面越しに目を閉じたようだ。
いつも少しずつのぞいていた瞳が見えなかった。
「私は約束を守るよ」
クラリスは彼の仮面の上に手を置く。
ノアの仮面に奥に見えるものとは?
クラリスの反応が気になりますね。