こんにちは、ちゃむです。
「あなたの主治医はもう辞めます!」を紹介させていただきます。
今回は95話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
95話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 瓦礫の下で②
かすかな月明かりだけが照らす間の中で、お互いの息遣いはあまりにも近くにあった。
絡まった指からは熱気が上がり、エルアンの目に切実さと同時に仕方のない欲望が溢れている。
頬に残った血痕は、彼の彫刻のような顔にさらに目眩がするほどの美しさを加えていた。
「あなたを愛してるよ、リチェ・エステル」
エルアンの切実なささやきに私の産毛がびしゃりと立った。
彼の真っ黒な目を避けることができなかった。
彼はもう一度力を入れて繰り返した。
「愛してるよ」
しばらく沈黙が流れ、私たちはお互いの息づかいだけをそのまま感じていた。
「いつまでもそうだと思う」
ふと心臓が絞られるように締め付けられる。
「こうしたら・・・こうしたら、私が気が狂いそうなのに・・・」
私がつぶやくのを聞いたかのように、エルアンは慌てて話し続けた。
「それなら私がずっと気が気でないようにしてあげる。いつも君がこんな表情をすることができるように」
「・・・」
永劫のような時が流れる。
私は彼の欲望に襲われたかのようにゆっくりとうなずいた。
実際、私も彼に惹かれることを否定できない。
「ところで私は平民ですが、いったいどうやって後始末をするつもりなんですか」
しかし、頭の片隅には現実的な悩みが残っていた。
「平和な方法から暴力的な方法まで、非常に多様だよ」
エルアンは、それくらいのことは当然考えておいたというように素早く答えた。
暴力的な方法を選んだら、また反逆という言葉が出てくると思って、私は素早く選択した。
「一番平和な方法でお願いします」
「一番簡単なのは、あなたがどこかの貴族家の養女に入ればいいことだ」
エルアンぐらいなら、誰かの家を選んで捕まえて、無理やり私を養女に押し込める人だった。
私はやっと彼がイザベル夫人が私を養女にしたいと言った時、飛び跳ねながら反対した理由が分かった。
彼はイルビアから来たときからこれらの計画をすべて立てていたのかもしれない。
「・・・フェレルマン子爵の協力がなければならないだろう。まさか邪魔しないといけない?」
「あ、ただ戸籍にあるだけだから・・・」
一瞬、そこまでしなければならないのかと思って軽く躊躇ったのが気づいたのか、エルアンが素早くささやいた。
「嫌ならすぐにキャンセルすればいい。別に難しいことでもない」
どうせ「エステル」という姓にあまり意味があるわけでもない。
文書上で、貴族の姓でも付けたいなら、平民の私としては失うものはなかった。
私が分かるように瞬きをするとエルアンがにやりと笑った。
「これから私たちは恋人。だよね?」
「はい」
「結婚を前提とした恋人」
「まあ・・・はい」
「あ・・・」
弧を描く赤い唇が綺麗だった。
どれだけ体の具合が悪くても、どれだけ怪我をしても、彼はただ私と2人でいるということだけでも天国にいるようだという表情だ。
私といえば・・・ただでさえ男の外見に弱いのに、無惨にハンサムな顔が目の前にあるから理性がかすんでしまった。
改めて閉じ込められたところに二人があまりにも近くにくっついているという気がして恥ずかしくなってきた。
お互いの心臓がドキドキするのが赤裸々に感じられる。
わずかこの前までは死にそうになった危機を乗り越えたが、その全てが遠くに感じられた。
騒々しかった建国制度、乱闘場になった花火も思い出せない。
両目がじっと出会う間、静かな時間が流れた。
向き合っている肌一つ一つが意識されながら、世の中に私たち二人だけいるような気分だった。
「もう本当にキスしたいけど動けない」
彼は小さくささやいた。
「リチェ、私は本当に長い間我慢した。だから、よかったら・・・」
私は乾いた唾を飲み込んだ。
「・・・君がしてくれる?」
私は彼の目を一度、首を一度見て深呼吸をした。
体を覆った傷にもかかわらず染み出る特有の香りと触れ合った体温、優しく指を組んでくる手のために精神が混夢する。
外に飛び出しそうな心臓をどうしようもできないまま、私は取り憑かれたように自分の唇を持っていく。
生まれて初めて感じる柔らかい感覚に稲妻が走るように全身が締め付けられた。
少し触れただけなのに、誰が先だと言うまでもなく、私たち2人の体が硬くなった。
今は赤裸々に感じられる彼の息遣いが荒くなる時だった。
「リチェ!リチェ!」
私はびっくりして、素早く向き合った唇を離した。
外で必死に私を探しているディエルの声だ。
「公爵様!どこにいらっしゃいますか!?」
思い切り大声で叫ぶジケルの声まで聞こえた。
「きっとこの辺にいらっしゃると思うんだけど・・・」
やむを得ず救助要請をしなければならない時だ。
今この機会を逃せば、いつまで閉じ込められているか分からないことだった。
「ここにいます!」
私はがっかりしたエルアンの覗線を無覗しようと大声で叫んだ。
「ここに公爵と私が一緒に閉じ込められています!」
私たちの周りの破片が一つ一つ取り除かれ始め、外部の騒音が次第に鮮明になっていく。
「お待ちください!すぐに救助します!」
しばらくしてやっとお互いの顔だけ確認できる隙間ができた。
ジケルが顔を突き出して尋ねる。
「どこか怪我はありませんか?」
「私は大丈夫です、公爵様は今応急処置をしておいた状態です」
私は親切に答えたが、エルアンは何も言わずにジケルを見つめた。
「一度タイミングを・・・」と小さくつぶやくのも耳を貸さないふりをした。
しかし、薄氷のような目つきにジケルさえも気づいたようだ。
「それでも負傷が手強いので、動くのは難しいです」
彼に抱かれているようだった私があえて立ち上がりながら話すと、ジケルがエルアンの目を避けてつぶやいた。
「わあ、それはよかった・・・。いいえ、言い間違えました」
騎士団の人たちが一生懸命私たちの上に積もって破片を片づけている間に、ディエルも入ってきてのぞき込んだ。
「ジェイド皇太子様は幸いにも元気です」
エルアンはもっと苛立たしそうにうめき声を上げる。
「こんな事故が起きてとても驚いたよ。責任者だったフリート侯爵も思索されている」
事故だなんて、こんな風に追い込む様子だった。
偶然の事故なら、エシアンが私に警告するはずがない。
フリート侯爵はエシアンが私に話しかけたことを知っていた。
私がジェイド皇太子に本当のことを言ったら、エシアンはかなり困るだろう。
そのおかげで命を救ったのと同じなのに、そんな状況を作りたくはなかったので、私はもどかしさにため息をついた。
私のため息の意味に気づいたエルアンは首を横に振る。
「とりあえず、後で考えよう。今はあなたも私も休みが必要だ」
「休憩ですか?」
「うん、怪我したじゃん」
「私は怪我をしていません」
「いや、精神的に驚いたと思う。早く公爵城に戻って、長い間安静にしなければならない」
複雑な皇室のことにもうこれ以上加えず、公爵領で2人だけよく食べてよく暮らしてイチャイチャしようという意図が多分な言葉だ。
とにかくエルアンの負傷が深刻で、私もやはり死ぬところだったのは事実だったので一応公爵領に戻ろうという彼の言葉は、受け入れる価値があった。
私はエルアンの主治医であり、ジェイド皇太子の側近ではなかったからだ。
「分かりました」
私がニヤリと笑いながら答えると、エルアンの目は微笑ましいように細くなった。
「そもそも建国祭にやってきた目的も逹成しましたからね」
セルイヤーズ公爵領でじっと待っていれば、満身創痩になったイシドール男爵が自然に這い込むからだ。
手形も手に入っただろう、
無事に抜け出せばすぐにジェンシー公妃に送るものがあった。
ついに結ばれた二人。
まずはアルガを説得することからでしょうか?