こんにちは、ちゃむです。
「残された余命を楽しんでいただけなのに」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

39話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- お金が答え②
ラーちゃんの頭の上には「!」マークが数十個浮かんでいた。
人間の目には見えない、龍の言葉で形成された魔法の文字だった。
[?!]
[!!!]
[!!!!!!!]
[?!?????????!]
疑問符と感嘆符で構成された無数の文字が、光のような速さで生まれては消えていった。
ラーちゃんは大きな悟りを得たようだった。
さっき、窓の向こうに見えたイザベルの顔は、本当に幸せそうだった。
ラーちゃんは「ブツブツ」と呟きながら、より高次元的な思考にふけった。
【イザベルの喜び=お金】
その苦しい悟りを得たラーちゃんは、さらに一層覚醒し、本能に従って龍の巣へ戻っていった。
アルンの姿に戻った彼は、素早い足取りで巣の奥へと向かった。
「アルン、来たの?」
黒炎龍カデルリナは、何度もアルンの名前を呼んだ。
アルンは何度か頭を振った。
龍としての自我を目覚めさせた彼は、何かを思い浮かべた。
「ママ、質問があります。」
「何?」
「お金持ちになるにはどうすればいいの?」
「お金持ち?」
龍にとっては、あまりにも愚かな質問だ。
龍はその気になれば、この世で最も裕福な存在になれる生き物だった。
「ただ、適切な対話と交渉を通じて、強奪を……」
ゴホン。
彼女は咳払いをした。
「人間の基準で、金持ちになるには強くなればいいのでは?」
「強くなればいいの?」
「うん、それなら大丈夫だよ。結局、なんでも戦いに勝つのが最強だから。」
「ちょっと変じゃない?」
「いや、お母さんの言うことが正しい。」
実のところ、カデリナは「強くなる」以外の方法をよく知らなかった。
だから、他の手段を説明することができなかったのだ。
もともと竜たちは、お金持ちになるために努力することはなかった。
「それで、どうしてそんなことを考えたの?」
アルンはカデルリナと目を合わせた。
同時に、何かを感じた。
『なんだか正直に言ってはいけない気がする。』
竜としての自我が目覚めた今、ラーちゃんの記憶がぼんやりと残っていた。
完全な記憶はないが、太陽のように明るく笑う誰かの表情が、記憶の中にはっきりと残っていた。
「うーん、不思議なことに、そういう欲求が湧いてくるんです。手に入れたくて、奪いたくて、そんな気持ちになります。」
「それを『欲望』と呼ぶのよ。少し和らげて『欲心』とも言うわね。ごく自然な感情よ。」
「私たちは、そんなもの感じませんよね?」
「だからこそ学ぶのよ。さまざまな人生を経験して。」
「うん、龍はお金持ちになる必要がないでしょ?」
「そうだね。それに、私たちにとって何の意味があるの?」
そんな会話をしながらも、周囲にはあらゆる財宝が散らばっていたが、カデリナはただ微笑んだ。
「そう。そうやっていろんな感情を間接的に感じたり経験したりすれば、立派な大人になれるわ。」
「わかりました。これからも頑張ってみます。」
カデリナの目が少し細くなった。
「ところでアルン、何か他に覚えていることはない?」
「さあ……。」
記憶が残ってはいけない。
龍としての自我が揺らいでしまうかもしれないからだ。
大雑把な感情のイメージだけを持っていればいい。
時々、通り過ぎた激しい経験を記憶していることがあったが、そのような場合、母竜たちはその記憶を消してくれた。
アルンは考えた。
『あまりに正直すぎてもダメだし、かといって嘘をつきすぎてもいけないよね?』
母を騙すことに少し後ろめたさを感じたが、それでも仕方がなかった。
アルンはラーちゃんの記憶を失いたくなかった。
ぼんやりと浮かぶその記憶は、まぶしすぎて、見ているだけでも幸せだった。
「うーん、とても太陽のように輝いている人がいる気がします。」
「そう? 具体的にはどんな感じ?」
「うーん……わかりません。」
アルンは頭を軽く抱え、一生懸命考えようとした。
「わからない!」
アルンは心配そうな表情でカデリナを見つめた。
「僕は未熟な龍なの?記憶もない、愚か者なの?」
「違うわ。」
カデリナはようやく安心した。
彼女は息子をぎゅっと抱きしめた。
「それはね、とても素晴らしい経験をしている証拠なのよ。だから、あまり自分を責めずに、幸せに過ごしなさい。」
「うん、お母さん。」
「記憶がなくなるのは当然のことだから、気にしすぎないでね。わかった?」
「はい。」
カデリナの腕の中に抱かれたアルンは微笑んでいた。
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一方、大陸最高の感情術士であるマルコは、不思議な現象を発見した。
「おお!」
研究への意欲が燃え上がった。
ある夜、突然、青魂石から赤い光が放たれ、それと同時に花が満開になったのだった。
「まさか、伝説が本当だったとは?」
彼は特殊な魔道眼鏡を使って青魂石を詳しく調べた。
正確には分からなかったが、何らかの魔法的な作用が発生しているようだ。
彼は家門の秘伝書の中から、関連する記述を一つ見つけることができた。
「結婚契約が成功裏に完了すれば、こんな奇跡が起こるなんて……。」
もちろん、結婚契約のようなものが本当に成立するはずはない。
この青婚石(せいこんせき)に結婚を誓った者などいるはずもない。
伝説はあくまで伝説であり、この青婚石という宝石に物語と歴史を与えるための一種の装飾に過ぎない。
「ふふ、でも面白いわ。」
デイルサ侍従長に与えられた1億ルデンが、まったく惜しくない日だ。
「さて……。お互いに真心を込めて誓いを立て、互いに犠牲を払えば、青婚石からダイヤモンドが降り注ぐ。まさか本当に?……とはいえ、なかなか興味深い話だね。」
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ラーちゃんに戻る前に、アルンは深く息を吸った。
『覚えていよう。全部は無理でも、覚えていよう。私はアルンだ。』
すべてを覚えていられなくてもよかった。
それでも「本当の自分」としてイザベルを覚えていたかった。
だから、何度も何度も決意した。
『どうせ記憶は失われるだろうけど。』
それでも構わない。
意識の奥底に、ほんのわずかでも記憶が残ればいいと願った。
やがて、彼の姿は次第に小さくなり、ラーちゃんの姿へと変わっていった。
アルンだった彼は、ついにラーちゃんになった。
ラーちゃんは以前よりも、より抽象的な思考を持つようになった。
『私は何者なのか?』
ラーちゃんの姿でありながら、龍の自我を思い出そうとしていた。
ラーちゃんとして存在するには、竜はあまりにも巨大すぎた。
あまりに巨大すぎるものは、目の前にあっても見えなくなるものだ。
しかし、一つだけは確かだった。
『イザベルに会いたい。』
太陽のように輝くその姿を見たかった。
ラーちゃんはイザベルの寝室に忍び込み、慎重に彼女の唇の間に潜り込んだ。
イザベルは穏やかに眠っていた。
ラーちゃんはそっと身を寄せ、イザベルの胸元にすっぽりと収まる。
『何か……覚えておくべきことがあったはず。』
何かとても大切なものを失ってしまったような気がした。
そのとき、甘い声が聞こえてきた。
「うん、ラーちゃんが来たの?」
イザベルはまだ眠ったままだったが、無意識のうちにラーちゃんをぎゅっと抱きしめた。
ラーちゃんは極限の忍耐力を発揮しなければならなかった。
『耐えろ。』
意思とは関係なく、しっぽが勝手に動いてしまう。
ここで激しく動けば、イザベルが目を覚ましてしまうのは明らかだった。
『止まれ、しっぽ。』
彼はついに、しっぽさえも意識的に制御できる「忍耐のラーちゃん」になった。









