こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
今回は120話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
120話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 洗脳
ダリアの言うことは正しかった。
ケルシオンは失敗した洗脳の後遺症で果てしない地獄に落ちていた。
彼は床を転がってうめき声を上げる。
何もかもが酷いものだった。
洗脳は解き放たれた瞬間、完全に自分に戻ってきた。
その酷い後遺症は永遠に消えず、タールのように彼の脳のしわ一つ一つにくっついて燃え上がる。
酷い苦痛だった。
夢にも想像できなかった痛みだ。
魂が燃え再び生成される過程を直接体験するようだった。
(予見していたことじゃないか?一人の人間を地獄に落とそうとした時から)
いまさら後悔する自分が憎い。
アセラスが毎日人の命を救った後、頭痛に苦しんでいた姿が思い浮かんだ。
彼はその全てをどうやって耐えたというのか?
「私は、私はどうすればいいというのか?」
「ケルシオン」
窓から外を眺めていたアセラスが床を掻く彼に近づく。
彼はケルシオンの額に触れ、彼の方へ頭をもたげた。
短い時間、痛みが止まる。
「ほ、法王様・・・」
「とても苦しいですか?」
「私は限界です。ここは私たちにとって地獄です」
「祖国に戻りたいですか?」
「はい、帰りたいです」
「行けません」
ケルシオンの目が大きくなる。
アセラスはまだ額に手を当てて彼を見下ろしていた。
彼の後ろから日差しが降り注ぐ。
ケルシオンの愛する神性がそこにあった。
その神聖さは信じられないほど残酷なことを言っても、依然として感情のないがらんとした
目をしていた。
「あなたの兄弟がまだここにいるから」
「・・・兄弟」
「私たちは彼を救うまで離れることはできません」
「ほ、法王様」
「どうぞ」
「彼を殺すつもりですか?」
「・・・」
アセラスは沈黙する。
その沈黙から、ケルシオンはこれまで否定していた答えを得た。
長い時間が経ち、アセラスが口を開いた。
「時には死が自由になることもあります。死は恐ろしいことではありません。私たちは皆、神のもとに行きます」
「聖国で死ななかった者も、神のもとへ行くことができますか?」
「もちろんです」
「それなら、ほ、法王様」
ケルシオンはどもりながら言った。
「もう使い物にならなくなった私もここで死ぬように放っておくつもりですか?」
ケルシオンは知っていた。
もう自分は二度とこの力を使うことができない。
もはや神聖帝国の助けにはならない。
それでは、聖なる自分を捨てるのか?
アセラスの表情は、相変わらず前と同じ。
ケルシオンはいつも彼の表情から何も読めなかったので,すべての判断を自分の想像に任せるしかなかったなかった。
「私たちは聖国に戻ります、ケルシオン。そこでこの帝国が燃えるのを見なければなりません」
だがケルシオンは、たった一度も燃えるフレドリックを望んだことがなかった。
彼の望みはひたすら神に届くものだった。
しかし、今はすべてが混乱しているだけだった。
(聖なる私たちを捨てるだろう)
ケルシオンは絶望する。
その絶望のどん底が一番深いところから、一つの疑問が芽生えた。
法王が聖なる私たちを愛してくださる。
だから彼は私たちがここで死ぬように放っておかないだろう。
かつての彼が自分に延々と言い返した言葉だ。
しかし、法王が彼らを本当に愛しているなら、なぜ彼は彼らを捨てるのか?
私たちは戻らなければならない。
誰かが、彼の頭の中で言った。
私たちは聖国に戻らなければならない。
それがアルゲルが自分に語る言葉のように感じられた。
その夜、ケルシオンは一人でどこかへ向かう。
「ケルシオンが動きました」
皇居の秘密会議室、誰かが言った。
この席には、家臣数人と皇室の魔法使い、皇帝の参謀たち、そしてアドリーシャとヒーカン、皇帝がいた。
セドリックは、「自分がいるが、いないが意味がなさそうだ」と言って来なかった。
ダリアはこのような場に自分がいることがとてもぎこちなく感じられた。
「・・・本当に私の考えが役に立つでしょうか?」
「ダリアちゃん、不安に思わないで。ここに集まったすべての人間のすべての考えをすべて集めたものより、ダリアちゃんの提案が10倍は役に立つから」
皇帝は親切に笑いながら他の人たちに短剣を刺す。
すると、参謀陣の表情が妙に変わった。
しかし、これといって反論する言葉もないのか、皆目を伏せる。
皇后宮でヒーカンがダリアの話を伝えると、すぐに皇帝は彼女を呼んで詳しく話してほしいと催促した。
結局、ダリアは話す予定になかったことまで打ち明けることに。
ケルシオンの洗脳は、解けた瞬間、2倍の負担を抱えて本人に戻る仕組みだ。
では逆に、彼が持っているトラウマでそのすべてのエネルギーを集中させたらどうだろうか?
『おそらく彼は、聖国のやり方に懐疑心を持っているのでしょう。しかし、仕方なく服従しなければならないから・・・その弱点を利用して彼を私たちの味方にすることはできないでしょうか?『
今言った言葉は原作のケルシオンがアドリーシャの洗脳に失敗して廃人になった時、彼がアドリーシャに向かって吐き出した言葉を通じてダリアが類推したものだった。
他の人たちと違って、『アセラス』は原作と大きく変わっていないので、周りの人たちもそうだろうと思ったのだ。
それで彼を最初から抱き込んで必要な情報を突き止めることができるかもしれない。
多少とりとめはなかったが,ダリアはできる限り自分の意見を述べた。
話が終わった時、皇帝は心から感嘆した表情だった。
『ダリアちゃん、どうしてそんなことを知ったの?』
『・・・アセラスと出くわしたとき、彼とケルシオンが話しているのを聞いたことがあるのです』
実は嘘なんだけど。
嘘をついたような気がしたはずなのに、皇帝は幸いそのまま見過ごす寛大さを施した。
彼は迅速に塔と参謀陣会議を招集し、具体的な計画を立てた。
その計画が今この場で実現しようとしている。
ダリアが多少上気した表情で胸を押さえて待っている間、皇帝はヒーカンが不安な目つきで彼女を見つめるのを見た。
(ダリアちゃんは、これがこんなに残酷なやり方だとは思わなかっただろう)
たとえその計画の枠組みがダリアによって誕生したとしても、具体的な状況を構想したのは皇帝の参謀陣だ。
彼らは常に皇室の敵を最も効率的にで処理する計画を練った。
そのやり方が残酷かどうかは彼らにとって全く重要ではない。
さらにもう一人、彼らの計画に不可欠な者がいた。
しかし、彼はこの場ではなく、別の場所にいる。
「メリダ・アルトゥスがちょうどケルシオンと接触しました」
信号を受け取った魔法使いが言った。
アセラスの考えに疑問を抱いているケルシオン。
彼がメリダと接触した理由は?
皇帝の残酷な計画も気になりますね。