こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
今回は137話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
137話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 回帰者③
ルウェインは最後までダリアに父親と呼んでほしいと哀願した。
結局、最後の最後にはダリアが降伏する。
彼女は目をぎゅっと閉じて叫んだ。
「パ、パパ!」
「・・・」
その時のルウェインの表情は・・・結婚式場で娘を見送る父親のように今にも涙を流すような顔だった。
もう考えたくない。
(一体どうして私の周りには正常がないの?)
ルウェインは彼女を屋敷の正門まで見送った。
「ダリアさんに一つお願いがあります」
さっきまで「お父さん」と呼んでみろと言っていたルウェインは、急に真剣になって言った。
「アセラスもやはり、私によって繰り返される運命の中に閉じ込められた哀れな魂です。できれば、あなたに彼の救いをお願いしたいと思います」
静かで淡々とした声だ。
ダリアはしばらく言い返す言葉を失った。
確かに、アセラスルートでルウェインは彼の手によって死んだから。
ダリアの疑問を読んだかのように、ルウェインは首を縦に振る。
「ええ、彼は私を殺しました。しかし、永遠に続く人生に感情という意味はありません。今はすべてが正しい方向に終わることを願うだけです」
「理解できません」
「理解を望んでいません」
彼は望まないと言ったが、ダリアは彼を理解しようと努めた。
熱心に悩んだ末、彼女は彼の気持ちを少し理解する。
彼が舞踏会でただの一度もアドリーシャを訪れたこともなく、眺めてもいなかったことを思い出したためだ。
アドリーシャは最初彼を回帰に導いた原動力だったなのに、もうその感情さえ忘れるほど疲れたのかな?
おそらくその間には彼女が想像すらできない長い歳月があったのだろう。
残ったものはすべてを元の位置に戻しておくという意志。
自分を殺した者さえ許し、彼の魂をもつれなく取り戻そうとする心。
ダリアとしては想像もできない偉大で高尚な心だった。
しかし、彼を理解した後も、彼女は首を横に振る。
「・・・アセラスを助けてくれというお願いはお受けできません」
「・・・」
「むしろ、彼を防ぐためにブルーポート公爵が私たちを助けてくれなければなりません」
やはり容赦はできない。
それがダリアが下した結論。
ブルーポート公爵の一件がなかったら許せたかもしれない。
そのこと一つだけやらかしたならまだ分からない。
しかし、その後あまりにも多くの時間が過ぎ、アセラスはあまりにも多くの罪を犯した。
ダリアの話を間いた瞬間、ルウェインの目元が再び赤くなり始める。
彼は他には泣くのを隠した息を合わせてこぶしで目元をこすったが、むしろもっと赤くなって逆効果だ。
「理解します。この世界に呼ばれただけのあなたには何の義務もないから」
それで泣くのはまた何で?
ダリアはあきれて言った。
「いやいや、どうしてこんなによく泣くんですか?」
「申し訳ありません。あまり長く住んだら感情調節がうまくできなくて・・・」
ダリアは一度も泣く男をなだめたことがない。
ルウェインはずっと目じりを盗んでいたが、このままだと泣き続けるようだった。
彼女はたじたじとなり、ついに言った。
「か、考えてみます!」
「分かりました」
やっとルウェインは真っ赤な目で涙を止める。
何だか騙された気分だ。
ダリアは彼を睨みつけた。
(涙を武器に使うなんて・・・卑怯なんだから)
しかし、睨みつけていると、なんだか彼の頭の包帯がしきりに気になってしまう。
包帯を巻いて泣く男だなんて、同情心を刺激しすぎじゃないか。
その上、回帰して応急処匿する方法も忘れたのか、すでに包帯がぶらぶらしている。
そういえば、あれもセドリックがしたことだった。
「・・・本当に、セドリック様は・・・」
セドリックの立場も理解できないわけではないが、ダリアは自分でもないのに、なぜか罪悪感を感じた。
「公爵様、こちらへどうぞ」
結局、屋敷の正門で彼女は我慢できず、彼を連れて屋敷の応接室に戻る。
そして、引き止める彼を何も言わせず、ブルーポート邸の執事に応急処置するものを持ってこさせた。
その後、ダリアは堂々と腕を組んだ。
「私の前で包帯をもう一度して行ってください」
「どうせそうするならダリアさんがまたしてくれたらと思います」
「はい?私がすれば今より2倍はむちゃくちゃな格好になるでしょう。方法も分からずに」
「執事、教えてあげて」
「・・・」
気持ちとしてはどういうことかと怒って離れたかったが、ダリアはいつも自分のペースが強い人に弱かった。
その上、ルウェインがあまりにも切実な表情をしていたことも一役買った。
ダリアはついにため息をつき、執事の指示通り包帯を取る。
ルウェインは自然に向きを変えてダリアの前の床に座り、後ろ手を彼女に見せた。
中の傷は酷くはなかったが、包帯を巻かなければならないほどだ。
消毒は執事が代わりにしてくれる。
ダリアはぶつぶつ言いながら、執事の言うとおりに包帯を巻いた。
「泣いてばかりいて。こんなに気が弱くて、この辛い世の中、どうやって生きるつもりですか?」
しかし、ルウェインは本当に幸せそうに見えた。
照れくさそうに見えたりもする。
「私は全部大丈夫です。ダリアちゃんがいるから」
「ああ、嬉しいですね」
「私の娘さんがここにいらっしゃるのに、何が心配なんですか・・・」
「ああ、まったく!」
ダリアは執事の顔色を伺いながら、慌ててルウェインの口を塞いだ。
しかし、ルウェインは依然として幸せそうだった。
「私が首都に来たので、しばらくして記念舞踏会を開くつもりです。その時にお越しいただければ幸いです」
断る理由もなく、ダリアは当然承諾する。
その夜、邸宅に戻ったダリアは自分の部屋のベッドから布団を首まで引き寄せてじっくりと考え込んだ。
部屋のいたるところに、まだほどけていないプレゼントの山があった。
この前の誕生日の名残だ。
彼女はギフトボックスの一つ一つを目に入れる。
すべて、彼女を愛する人々が彼女のために準備したものだ。
今回もダリアが泣くと、一様に彼女を心配してくれた人々。
彼らはダリアが実は別の世界から来たということを知ったらどんな反応を見せるだろうか?
ダリアは空中に両手を伸ばし、手の甲をぼんやりと見つめる。
「この力も・・・」
セドリックに告白まで受けたが、まだ自分にある力が何なのかも言えない。
その間、あまりにも多くのことを隠してきたという気がした。
「一つ一つ話してみよう」
彼女はそんな決心をして目を閉じる。
まず、ヒーカンとアドリーシャから始めるつもりだ。
「そしてアセラス」
布団を持った手に少し力が入った。
ルウェインが言ったように、彼は全くの惰性のために同じ罪を繰り返しても、彼の罪は決してそのような理由だけでは拭えなかった。
原作、いや、ルウェインが見せてくれたアセラスルートは、アセラスがアドリーシャを拉致し、二つの帝国の間で戦争が起きる地点でいつも終わる。
正確に戦争がなぜ起こるのかは大まかに記述されていてよく分からないが、今の状況を見れば多分ダービーガトラン条約の破棄がその原因のようだった戦争の結果もどうなるかは分からないが、その頃にセドリックが死ぬことだけは思い出した。
(もし、アセラスルートまで完全に解決してこそ、セドリックを生かすことができるのなら)
アセラスとの仕事がすべて終わってこそ、このすべての因果が終わり、セドリックを楔から取り除くことができるかもしれない。
本当にひどい仮説なので、考えたくもないのだけど。
ダリアはブルーポート公爵が大好きでしたから、アセラスを許すのは難しいでしょうね・・・。
秘密を打ち明けたとき、ヒーカンたちはどのような反応をするのでしょうか?