乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する

乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する【121話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。

今回は121をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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121話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 洗脳②

ケルシオンがアルゲルの声を聞いた夜、彼が向かったところはアルトゥス公爵邸だった。

果てしない苦しみの中で、彼をここに来させた思考回路は極めて単純だった。

「アルゲルを救わなければならない。私が彼を連れて国に戻らなければならない」

そのためには助けが必要だ。

地下監獄の最後の扉を開くには、4大家門または皇室の許可が必要だった。

彼らの中で彼が助けを求めることができるのはここだけだった。

頭痛のせいで、ずっと涙が流れる。

ケルシオンは邸宅の前に着いたとき、涙でびしょぬれになっていた。

彼は果てしなく星湖を引きながら祈りを捧げる。

「ここで何をしているんですか?」

その時、声が聞こえた。

ケルシオンは体をひねった。

アルトゥス公爵の長女だった。

ケルシオンはあえぎながら言った。

「助けてください、私を。アルトゥス公爵家の助けがあってこそ、地下牢から私の仲間を救うことができます」

しばらくして、メリダはうなずく。

「そうでなくても父があなたを助けてくれと言いました」

「・・・」

「分かりました。私がお手伝いします。ついて来てください」

何か変な気がしたが、ケルシオンは唯一、彼の前に現れた救援者に背を向けることはできなかった。

彼はよろめきながら彼女の後ろ姿を追う。

地下牢の入り口をいつも守っていた近衛隊長はいなかった。

彼は異常を感じる代わりに、一歩、一歩下に降りていく。

彼の頭を虜にした頭痛は、彼に理性的な判断を下すことを妨げた。

すべてが混乱し、白い霧の中を一人で歩き回っているような。

一番下でメリダは止まり、ケルシオンもそれに続いて止まる。

「もうこれだけ超えれば、あなたの同僚がいるでしょうね」

「はい、そのとおりです。私は・・・」

メリダは彼の言うことを聞かなかった。

代わりに、彼女は腰から何かを取り出す。

そしてケルシオンに渡した。

ケルシオンは頭を下げてそれを見る。

短剣だった。

曲がりくねった日の、神聖帝国の紋様のある。

「必要なのではないですか?」

ケルシオンはぼんやりとメリダを見つめ、再び短剣を見た。

彼はそれを受け取った。

「これをどうして私にくださるんですか?」

「お父様がそうおっしゃらなかったんですか?彼を殺せと」

「・・・はい?」

「うちの屋敷に来たのはあなたじゃなかったんですか?」

「・・・あの人は私が・・・」

「彼は言いました。これで、あの中の人を楽にしてくれと」

ケルシオンはメリダを見る。

彼女は何がおかしいのかというように彼を見ていた。

「聖なる死を願う・・・」

いや、そうじゃない。

聖なる彼らを見捨てないだろう。

ケルシオンは自分の昔の故郷が水害に襲われたことを思い出す。

そこには古い土手が一つあった。

村が水に浸かった夜、5歳の彼は寝ている間に水の音と粘土が固まるような音を聞く。

振り返ってみると、それが堤防が崩れる音だった。

彼は村人の誰にもその事実を言えなかった。

ずいぶん長い年月を経て、ケルシオンの耳元に再びその音がはっきりと聞こえていた。

心が崩れる音が。

 



 

「メリダちゃんの役はここまでだよ。お疲れ様」

「はい、陛下」

誰かが階段を下りてきて微笑んだ。

彼の声は曇った頭の中を通り抜けて妙にはっきりと間こえた。

「ケルシオン、君の主人は君をこの地に捨てない」

「・・・でもあの方は・・・」

「彼はあなたを神聖帝国に帰すだろう」

「・・・」

「君が言うことをよく聞くなら」

「やっばりそうなんだ・・・」

その時になって、すべてが話になるようだった。

当然だ、あの方が自分を捨てるはずがないから。

自分の主人は、決して自分に背を向けなかった。

彼は額に手を置く。

ケルシオンの記憶はそこで終わる。

 



 

地下牢、一番奥の扉が開く。

そこで半年以上も閉じ込められていたアルゲルにとって、そのドアはいつも絶対に開かないドアだった。

開かれても彼にさらなる苦痛を与えるドアだった。

しかし、今回は違う。

ドアが開いた。

そしてケルシオンが入ってきたのだ。

彼は涙にぬれた顔で言った。

「アルゲル、あの方が君を生かすことにした」

アルゲルの胸にも感激が込み上げてきた。

本当に神聖帝国、法王様が自分を助けに来たのだ。

アルゲルはその事実が信じられず口を開く。

近づいてきたケルシオンの顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

彼は神聖力を利用してアルゲルを封印するすべての監禁装置を解いた。

こんなにも簡単にやめられることに、どれだけ長い間苦しめられたのだろうか・・・?

半年間使えなかった筋肉は、最初から力が入らなかった。

ケルシオンは彼をおんぶする。

兄弟の背中におんぶされているので、アルゲルは心強かった。

これ以上惜しいことはない。

体は動かなくても口は動いた。

彼はどもりながら言った。

「い、犬のような帝国人。法王様のために皆殺しにして、ダリア・ペステローズを連れて行かなければならないのに・・・私は失敗した」

「・・・」

「フレデリック帝国を火の海にする。私は失敗したが、ケルシオンはできるはずだ。法王様を補佐して・・・」

「いや、生きていれば何でもできる」

ケルシオンはきっばりと言った。

アルゲルはその言葉に慰められる。

階段は地下の牢屋の一番下の階から正門まで遠すぎた。

しかし、誰も来なかった。

ただ二人だけがその長い階段を上っていく。

「アルゲル」

「うん」

「猊下がついにあの薬を他人の手を借りて、この帝国の超越者に使った」

アルゲルはその言葉を信じられなかった。

「それは本当か?」

「うん」

「それで、成功したのか?」

「いや、失敗に終わった。彼らはすでにその薬の抜け穴を知っていたんだ」

「何だって?」

アルゲルは信じられなかった。

「彼らがそれをどうやって知るというのか?」

「分からない。ただの偶然だったのかもしれない」

「そんな偶然があるものか!」

神聖力は魔力と最も極と極にある属性。

二つの衝突は巨大なエネルギーを起こす。

安定した超越者をあっという間に狂わせるほど。

しかし、神聖力に触れたからといって、すべての超越者がすぐに及ぶわけではない。

人体で最も脆弱な粘膜を通じて染み込む神聖力。

それでメアリー・ブルーポート公爵が飲んだシャンパンが彼女に毒になり、アルトゥス公爵に与えた薬が誕生したのだ。

しかし逆に、あらかじめ精巧に粘膜の表面に魔力を重ねてしまうと、神聖力が入ってきても表面で衝突するだけで、内部に入り込まない。

魔法具を食べるということは単純化した表現に過ぎず、実際には高度な魔法技術が必要だった。

理論上の最も巨大な欠陥、だからこそ神聖帝国内でもごく一部の人間だけが知っていた事実。

(ケルシーもそれを知っているはずなのに、なぜ・・・?)

その瞬間、アルゲルは何かおかしいことに気づく。

アルゲルがその言葉を突きつけた瞬間、ケルシオンが足を踏み入れている席で風が吹いた。

「・・・そうだよ。でも確認が必要だったんだ」

ケルシオンは答えを間いたその場から動かなかった。

そして、とても大切なことを扱うように、アルゲルを床に置いて止まった階の監獄のドアを開ける。

「な、何をやっているんだ?なんでもっと上がらないの?」

「聖なる私たちをこの地で死ぬように放っておかない」

「・・・」

「神は私たちを死なせてくれない」

「・・・」

「あの方は私たちを助けてくれるとおっしゃった。そして、時を約束できないその日、私たちを再び聖国に送ってくださるとおっしゃった」

「何を言っているんだ!ケルシオン、法王様を裏切ったのか!?」

「私の神は私を異国の地で死なせない」

同時に、監獄の漆黒の闇の中から一人の男が歩いて出てきた。

ケルシオンは彼の前にひざまずいて従う。

男はまるで動物を扱うようにケルシオンの頭を撫でた。

アルゲルは憎悪を込めて叫んだ。

「アレクサンドロ・・・!」

「他人が私をそんなに不敬に呼ぶのは久しぶりだね」

「皇帝」アレクサンドロは愉快な笑みを浮かべた。

そして言った。

「帝国の子羊に触れた対価がどうなのか、今になって分かったのか?」

「・・・」

「アルゲル、もう君には用事がないから、自殺してもいいよ。一般の監獄に移してあげよう」

アルゲルは怒りで歯ぎしりをした。

しかし、半年以上監禁されていた体は、指一本動かす力さえ残っていない。

彼が床を這う姿を愉快に見守っていた皇帝は、ケルシオンの頭を再び撫でた。

「さて、これからケルシオンは私の妻を危険に陥れた責任を果たさなければならない」

「私の意思がすなわち神の意思です」

「ああ、神聖帝国の人間たちは本当に、同じ言葉も汚くねじって言うんだから」

非難にも青く変色したケルシオンの目つきは戻ってこなかった。

アレサンドロは穏やかな羊になった彼を見下ろして思った。

(ダリアちゃんは本当に・・・すごいね。逆洗脳という発想なんて)

彼は皇后に触れた者を決して許すつもりはなかった。

どんな内的葛藤の末にしたことであれ、そのことで皇后は精神が壊れる直前まで行った。

その罪は決して黙過することができない。

しかし、ダリアがこの姿を見たら、何と言うだろうか?

幸い、彼の参謀陣は、ここの状況まで本部に渡さないほどの知性は備えている。

皇帝はケルシオンをちらっと見て、とてもほろ苦い気持ちになった。

彼はできるだけダリアの純粋さを守りたかった。

後ろでどんな汚いことが起きても、ひたすら彼女だけは永遠にそのきらめく目つきを持っていることを願った。

ヒーカンも、アドリーシャも、このことに関連した皆がそのような感情を共有している。

(ダリアだけは守らなければならない)

しかし、皮肉にも彼らを守って助けてくれるのは、いつもダリアだった。

今回の事件も皇后をあの地獄から救済したのは誰でもないダリア本人だった。

また、神聖帝国が持っている唯一のカードを封鎖する方法を見つけたのも、ダリアのアイデアのおかげ。

みんなが彼女に大変お世話になっている。

別の言い方をすれば、私たちは皆彼女に頼りすぎているのだ。

彼は自分の手をじっと見つめた。

あの手で伝わる柔らかく平和な浄化の力。

しかし、彼女はそれ以上に彼らに多くのものをプレゼントした。

だからこそ、彼はダリアを神聖帝国に失わないように願う。

(あとはアルトゥス公爵だけが残ってるのかな?)

あえてフレドリックを裏切った代価を払わせないと。

彼のための最後の舞台がまだ残っている。

皇帝は歯をむき出しにして笑った。

 



 

逆洗脳という恐ろしい発想・・・。

アルトス公爵はどのように断罪されるのでしょうか?

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