こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

173話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- エピローグ
ダリアは三日間眠り続けていた。
目を覚ましたとき、彼女は自分の手をしっかりと握りしめているヒーカンを見つけた。
隣に座っていたアドリシャは、泣きすぎて目が腫れていた。
それ以外にも多くの人が彼女を訪れていた。
何が起こったのか知っている者も、知らない者もいた。
だが、誰もが彼女を心配していた。
目を開けたとき、すでに多くのことが終わっていた。
多くの人が死に、さらに多くの人が傷ついた。
聖国は公式な謝罪と賠償を約束し、皇宮では大規模な修復工事が始まった。
至るところに噂や報道が飛び交っていた。
混乱の余波はまだ続いていた。
アセラスは聖国に戻ることはできなかった。
彼は依然として監獄に収監されており、爆発の直前に戻ってきた衝撃のためか、まだ意識を取り戻していなかった。
爆発直前に回復魔法を過度に使ったせいで、もともと残り少なかった寿命が半減していた。
ルウェインは話した。
「もし彼が目を覚ましても、おそらく都で処刑されるだろう」と。
ダリアは彼については何も尋ねなかった。
可能なら、考えすらしたくないと思っていた。
代わりに、彼女は目の前の人に集中した。
ダリアを訪ねてきたルウェインは、以前よりも青白く痩せ細っていたが、その表情は彼女が今まで見たどんなときよりも安らいでいた。
「ベットニーにはいつ行くのがいいでしょう?」
ルウェインが優しく尋ねた。
ダリアは微笑みながら「いつでも」と答えた。
ルウェインはダリアの額に手を当て、祝福の言葉をささやいた後、去っていった。
そしてダリアが目覚めて五日目。
彼女は、無事にすべてが終わった記念として、小さなパーティーを開くことにした。
表向きには、ちょうど半年前のヒーカンの誕生日をちゃんと祝えなかったことが心に引っかかっていたからだ。
その日、数日前からダリアはこっそりと、もともと身近な使用人たちとパーティーを計画していた。
多くの人を招待し、「本当にもう大丈夫」ということを見せたかったのだ。
そして、パーティーが始まった。
「アドリシャはプレゼントに何を用意したの?」
「やはり、何も渡さないのが最高のプレゼントじゃないですか?」
ダリアの髪を撫でながら、アドリシャはにっこりと笑った。
『でも、半年も遅れて誕生日プレゼントを渡すのも妙な感じね』
ダリアは無理に笑いながらも、内心ひそかに冷や汗をかいた。
どれだけ時間が経っても、ヒーカンとアドリシャの関係は改善されなかった。
ルウェインも、メルドンも、誰とも。
「……これは、記憶がはっきりと戻ってはいないのに、なぜかぼんやりとした感覚だけが残っているみたい……」
理由を尋ねると、アドリシャは曖昧に口ごもった。
ダリアは、《ウロボロスの迷宮》に登場する未成年観覧禁止レベルの場面を思い出し、それ以上深く追及するのをやめた。
あの場面も、過去の記憶の中では確かに過去に起こった出来事だ。
もしそれがアドリシャの記憶の中で少しずつ蘇っていたなら……
『私だって顔を合わせたくないだろうな。』
残りの人々も大して変わらないようで、メルドンはアドリシャを見るたびに目を逸らし、背を向けた。
過去の罪に対する償いの意味で、彼はアドリシャにアルトゥス家の島の一つを丸ごと譲ったという。
彼女はそれを拒まずに受け取り、その後メルドンを寛大な心で許した。
ヒーカンとアドリシャも再び敬語を使う関係に戻った。
ルウェインと彼女はもともと何の関係もなかったので、それなりに円滑だったが……。
ともあれ、原作のヒロインと男性キャラクターたちの関係が微妙になった一方で、ダリアを取り巻く状況はほとんど変わらなかった。
元々お互いに嫌い合っていたのが、ただ不便な関係になっただけだった。
ベオルドは髪をさらに短く刈って登場し、今回行った善行のリストを手に持ちながら。
「早く認めてくれよ。」
「……今さら善行を褒められたくなったの?どうしてこんなに頑張って来たんですか?」
ダリアが驚いて彼女を見つめると、彼女はカッコつけるように後ろ髪をかきあげた。
「さあ……私もそろそろ大人になりたいのよ。いつまでもこういう生き方はできない。」
ベオルドもようやく大人になったのだろうか?
毎回そう思いながらも、結局はまた騙されると分かっていても、彼女は黙ってそのリストを受け取った。
「あとで読んで、手紙で返事するわね。」
「そうして。」
ベオルドは薄く笑いながら、また彼女の髪を好き勝手にかき乱した。
「お前ももう大人だな、ダリア。もう“小さなペステローズ”なんて呼べないな。」
「……あの時は助けてくださってありがとうございました。」
ベオルドは返事の代わりにただ魚をかじった。
皇帝夫妻も親しく現れた。
以前、ダリアの誕生日の時のように。
しかし、今回は以前のように冗談めかした様子ではなく、少し悲しそうな表情を浮かべていた。
「……あの時はありがとう、ダリアちゃん。」
皇帝は彼女の手の甲に軽く口づけをした。
「ごめんなさい、ダリアちゃんのそばにいてあげられなくて。」
皇后が最後にそう言った。
ダリアはただ静かに頭を下げた。
二人がなぜそんなに悲しそうな表情をしているのか、ダリアには分かっていた。
まだ解決していない問題が一つ残っていた。
目覚めていないのは、アセラスだけではなく、セドリックも同じだった。
ダリアは黄昏の皇宮の一角を訪れ、彼の手を握り続けた。
しかし、彼は目を覚まさなかった。
まるで深い眠りに落ちた人のように。
それでも諦めることなく、彼女は何度も彼の元を訪れた。
彼が目覚めた時に、すぐそばにいたかったから。
身体に異常があるわけではなかった。
皇宮の医師は「おそらく一週間ほどで目覚めるでしょう」と言っていた。
けれども、こうして彼の寝顔を見つめていると、不安な気持ちが少しずつ込み上げてくる。
ダリアがこんな気持ちになるなら、彼の両親はどれほどの不安を抱えているのだろう?
ダリアは微笑みを作り、二人に丁寧に挨拶をした。
ちょうどその時、メルデンがメリダとともに到着した。
「今回、俺も一応手伝ったんだけど、俺には何もくれないの?」
「私の気持ちをお渡ししますね。」
ダリアがそっけなく答えながら高潔を手にすると、メルデンはくすっと笑った。
「セドリック様が目覚めたら、ちゃんと渡さないとね。」
「わっ、やめてください!」
ルウェインは別の仕事で来られなかったが、代わりにメアリー・ブルーポートが現れた。
彼女はダリアの両頬をしっかりとつかみ、左右にキスをした。
「愛する私たちのダリア。」
突然のスキンシップに驚いたダリアは、目を大きく見開いて言った。
「公爵様って、ますます愛情表現が強くなってますよね。」
「それで? 嫌なの?」
「そんなわけないじゃないですか。」
ダリアはメアリー・ブルーポートの腰にしっかりと腕を回した。
そして、パーティーが始まった——。
「お兄様、お誕生日おめでとうございます!」
人々が集まり、爆竹が鳴り響く賑やかな応接室の一角で、ダリアは夏の花で飾られた大きな花束をヒーカンに差し出した。
ヒーカンは一度その花束を受け取るか迷ったが、最終的に手に取った。
「……ありがとう。」
短い口付けがダリアの額に落とされた。
彼女は一瞬、自分の髪を覆い隠し、子供のような困惑した表情で彼を見上げた。
「ち、ちょっと、私の髪に……!」
ヒーカンは口を閉ざし、耳を赤く染めながら視線を逸らした。
「そうか、嫌だったかもしれないな。もうお前も大人だし……。」
嫌ではないが、ただただ戸惑うばかりだった。
ダリアがぽかんと彼を見つめていると、ヒーカンは今すぐにでも窓から飛び降りたいような表情を浮かべていた。
しかし、この言葉だけはどうしても伝えなければならないと思ったのか、意を決して口を開いた。
「……ダリア、俺の妹よ……俺はお前が本当に……好きだ。」
「……」
「お祝いしてくれて、ありがとう。」
後になって、アドリシャは少しだけ耳を赤らめた。
ヒーカンはダリアが眠っている間、一晩中一睡もせずに、目を見開いたまま彼女のそばにいたという。
彼女が眠っている間、彼は何を考えていたのだろうか?
何を思ったからこそ、あのように大勢の人が集まる場で、むしろ「彼」がどんな気持ちであの言葉を口にしたのだろう?
その想像だけで、ダリアは少し切なくも、穏やかな気持ちになった。
すべてが解決し、残る問題はセドリックが目を覚ますかどうかだけだった。
後片付けが終わり、遅れて開かれたパーティーも幕を閉じた。
最初に医者が言った「一週間」が過ぎたが、セドリックは目を覚まさなかった。
むしろ、さらに三日間も眠り続けていた。
十日目の朝。
ダリアは根気強く彼のそばに座り、熱心に布を絞っていた。
最近、アドリシャが夢中になっている趣味だったが、
今回はダリアも一緒にできるものを選んだらしく、断る理由はなかった。
春が来る前に、大切な人たちにマフラーを贈ることが目標だった。
ダリアは、その頃にはセドリックが初めて目を覚ますときに、どんな言葉を最初にかけるべきか悩んでいた。
彼が意識を失う前に言った言葉が、とても感動的で素敵だったので、それに見合う言葉をかけてあげたかった。
だが、そんな言葉はそう簡単には思い浮かばない。
「何がいいかな?」
しかし、どんなことも事前にしっかり準備してこそ、万全の態勢で臨めるものだ。
ダリアが考え込んでいる間に、マフラーの編み目を五つも間違えてしまい、ほどき直している最中、セドリックの指先が微かに動いた。
最初はダリアも見逃してしまったが、二度目に動いたときは、無視するわけにはいかなかった。
彼女は驚いて飛び上がり、手にしていたマフラーを放り出し、セドリックのそばへ駆け寄った。
「まだ心の準備ができていないのに。」
何を言えばいいのかわからなかった。
結局、ダリアは彼がかつて口にした言葉を少し真似することにした。
しかも、少し誇張して。
彼女は思わずこみ上げそうになる口角を必死に押さえ、慎重にセドリックの耳元で、そっと優しく囁いた。
「起きてください、私が一番愛しているセドリック様。」
朝日を浴びて輝くセドリックの金色のまつ毛が、ゆっくりと上がる。
重たげな瞼の下、透き通るルビー色の瞳がまっすぐにダリアを見つめた。
その眼差しが、愛しさを込めて静かに揺れる。
何も言わず、彼の手がダリアの首元を掴み、彼女の額を自分の額へと引き寄せた。
そして、ダリアの耳元にそっと優しく、愛おしさを込めた声で囁いた。
「こんにちは、私が一番愛している我がダリア。」
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