乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する

乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する【152話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。

今回は152をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

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152話 ネタバレ

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登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 最も恐ろしい記憶

アセラスは皇宮に設けられた自身の寝室へと入った。

長い廊下を歩む途中、彼は宮殿の至る所で自分に向けられる監視の視線を感じた。

侍従たちはすべて密偵として配置されているようだ。

しかし、今の新聖帝国とフレデリック帝国の関係を考えれば、それもおかしな話ではない。

(いや、それにしても度が過ぎている。)

やがて彼を迎えに来たのは皇帝ではなく、ルウェイン・ブルーポート公爵だった。

自分を迎えに来た彼の意図は、自分の母親に対する警戒心を持てということだろうか?

そうだとするなら・・・。

部屋へと案内するルウェインの表情は、淡々としていた。

「お母様はお元気ですか?」

アセラスが軽く声をかけたとき、「はい、健康でいらっしゃいます。」予想通りの返事が返ってきただけだ。

表情も変化がなく、何の感情も込められていなかった。

(つまらないな。)

アセラスは寝室の安楽椅子に無造作に腰を下ろし、彼を追って入ってきた灰色の髪の青年が部屋の隅々の窓枠を調べて破壊する様子を観察していた。

ほとんどが盗聴器だ。

独特なものはなく、プロの工作員にしては手抜きだと言わんばかりのもので、ただの形式的な設置に見える。

青年は一息ついた後、微笑みながら言った。

「全部片付けましたよ。」

「よくやりました。」

アセラスは興味なさそうに答えながら、腕を組みソファーにもたれかかった。

名高い先代アルトスがこの程度しか成し遂げられず、秘密を抱えたまま死んでいったことがふと頭をよぎる。

やはり限界のある資質は選び直してもどうにもならない。

(今回も大して変わりはなさそうだが)

彼は後を追ってきた灰髪の青年をちらりと見た。

青年はその視線に気づくと、嬉しそうに彼を見て微笑んだ。

アセラスはもうこの男の名前すら覚えていなかったが、青年は彼に注目されたことに喜び、そわそわと身体を揺らし始めた。

「殿下、早くケルシオンとアーゲルを探して殺しましょう。そしてここに神の贈り物を全部撒き散らすんです。いつ指示を出されますか?」

「・・・。」

アセラスは答える気力を失った。

ただ虚空を見つめた。

(故郷に戻った気分はどうだ?)

彼は自分自身に問いかける。

しかし何の感情も浮かばなかった。

ただひとつの衝動だけが心を埋め尽くしていた。

それはダリアのことだ。

彼女に会いたかった。

彼女が舞踏会場で自分と出会ったとき、どんな表情を見せるのか、何を最初に話すのか知りたかった。

それ以外のことは何も考えられなかった。

アセラスは堅く閉じられた扉を見つめる。

その外に潜んでいる無数の敵たち。

彼らを全員排除して、ダリアを早く新聖帝国に連れて帰りたかった。

(……。)

アセラスは神聖力を虚空に放ち、回復する身体の反応を通して周囲の人数を数え始めた。

しばらくして、アセラスは何かがおかしいことに気づく。

単純な感謝の言葉には、妙に重々しい雰囲気が漂っていた。

(さっきからずっとおかしいと思っていたけど・・・)

彼の直感が彼に何らかの仮説を囁いていた。

彼は振り返り、青年に向かって言った。

「全部捨てなさい。」

「え?」

「持ってきた道具類、神の贈り物、そういうものは全部捨てなさい。」

青年は困惑する。

アセラスは彼をじっと見つめ続けた。

彼は扉を振り返り、しっかりと見つめた。

「感謝がやけに誇張されていますね。彼らは私たちが何をしようとしているのかすべて知っているかのようです。」

(奇妙だ。この皇宮の超越者たちを神聖力で満たすことができるなんて、普通なら考えられない。)

アセラスは、むしろうまくいったと考えた。

彼の目が鋭く光る。

そのとき、ダリアと話しているセドリックを見た後、アセラスは彼を殺したいという衝動に駆られた。

これからどうなろうと構わない。

ただダリアを無事に連れて帰れればそれでよかった。

 



 

ルウェインは同じ時間帯を延々と繰り返し生きていた。

そのたびに、彼は取り返しのつかない崩壊を見ることになる。

彼は自分が見てきた無数の破滅的な結果をすべて記憶していた。

その過酷な時間の蓄積の中で、彼は未来の予知に近い感覚を身に付けていた。

そういった予知は、彼が疲れ果てた夢に沈んでいるとき、最終的に浮かび上がるものであった。

セドリックがダリアに愛を告げていたその瞬間、ルウェインは汗でびっしょりになりながら寝台から跳ね起きる。

セドリックに吸収された緑色の物質、そしてダリアの能力、許されざる罪を犯したアセラス。

それらすべてが彼に一つの未来の可能性を見せていた。

それがすべて幸せな結末になるかはわからない。

しかし誰も後悔しない最善の結末であるべきだと願った。

彼は急いで立ち上がり、外套を羽織り扉を開けた。

そして満足げに祈りの言葉を唱えながら、焦燥した面持ちでその言葉を口にした。

「ダリア・ペステローズ嬢を会いに行く。」

言葉の背を押されるようにして、彼は暗闇の中を突き進み、走り始めた。

 



 

セドリックを見送り、ダリアはそのまま寝台に横たわる。

だが、当然眠れるはずもなかった。

セドリックのせいで胸がドキドキしすぎて、そのまま死んでしまいそうだった。

しかし眠れないのは彼女一人ではなかったようだ。

眠気が完全に飛んだ誰かが、彼女の部屋のドアをそっと開けて入ってきた。

そして、まだ眠っていないダリアを見て驚いたように顔色を変えた。

「お嬢様、まだお休みになられていないのですか。遅く寝たら明日疲れてしまいますよ。」

「そういうことがすごく好きみたいですね?」

ダリアは少しからかうように冗談めかして言った。

「実は、この時間にお嬢様のお客さまがお見えになっています。まったく礼儀知らずな人です。怒って追い返したいところですが、どうしても断れない方で・・・。」

「誰ですか?」

「ルウェイン・ブルーポート公爵閣下です。」

ダリアは驚いてショールとスリッパを急いで身に着け、応接室へ向かった。

本当にルウェインだった。

彼は蒼白い顔で、全身汗にまみれて立っていた。

彼のきちんと整えられていた金色の髪がすでに額の上に乱れ落ちている。

軍人のように広く鍛えられた肩と背中が震えていた。

状況が深刻だと感じたダリアは慌てて手袋を外し、彼の手を取った。

以前、彼はこういった行為が無意味だと言ったが、それでも少しでも彼を安心させたかったのだ。

幸いにも、微弱な効果があったのかもしれない。

しばらくして彼は落ち着きを取り戻した。

彼はぼんやりとした目でダリアを見上げた。

「ルウェイン様、一体どうしたんですか?」

「夢を見ました。」

「どんな夢だったんですか?」

「私は・・・。」

彼は一度目を閉じてから再び開いた。

その瞳に決然とした輝きが宿った。

「あなたの助けが必要です。」

「・・・。」

「目が覚めました。最後の最後の希望まで全て明らかにしなければ、未来を変えることは不可能だということを。あなたを傷つけないために話さないわけにはいきません。この内容が結果的にあなたにとってより大きな傷になる可能性があるということを。」

ダリアは言葉を失った。

ルウェインはしばらく黙った後、話し始めた。

「ダリアさん、今回の舞踏会で本当に何が起きるのか、あなたはまだ知りませんね。しかし、あなたがそのことを知らずにはいけないと思いました。」

「・・・。」

「まず、なぜアセラスルートではセドリック皇太子が死を迎えなければならなかったのか、その理由をもっと詳しく説明します。」

ルウェインは冷静な口調で話を続けた。

まだアセラスが他の超越者によって排除されておらず生き残っているため、ここで彼に残されたルートは二つだけ。

ルウェインが戦争の渦中に陥り混乱する様子は、かつて『ウロボロスの迷宮』で示されなかったもう一つのルート。

成功すれば、彼は他の超越者たちを全て殺し、ユースティアを強制的に手中に収めた。

しかし失敗した場合、彼の中で膨れ上がる激しい精神の動揺を抑えることができず、破滅を迎える。

神聖力の爆発は、魔力の爆発よりもはるかに恐ろしいものだった。

神聖力が一度爆発すると、その影響下にある人々は永遠に死ぬことができなくなる。

呪詛ではないため解く方法もない。

爆発が収束するまでの間、彼らは死を迎えるまで魔力を削り取られ続ける。

そのため、従来の超越者の爆発への対処方法、つまり攻撃を通じて魔力を消し去る方法はアセラスには通じなかった。

彼の神聖力がその肉体を無限に回復させ続けるためだ。

それだけでなく、彼が死んだ後も不滅の祝福は永遠に終わらなかった。

ルウェインはその時、王宮の傍で彼を倒すため何度も挑戦しなければならなかった。

それは終わりのない試みの中で、最も恐ろしい記憶だ。

しかし、一度だけ彼が爆発したにもかかわらず、誰も破滅しなかったことがある。

それはある超越者がアセラスと共に自滅したためだった。

 



 

 

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