こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は306話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
306話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 妖精の国
人間に異種族の国を想像してみろと言えば、彼らはそれぞれ違う答えを出すだろう。
人魚なら比較的想像しやすかった。
人魚は森や空で暮らすのではないので、海の下の都市を想像すればいい。
妖精の場合は少し難しい。
妖精の国を直接行ってみた人間がただの一度もなかったためだ。
妖精と取引をする人間商人たちもやはり訪問をしたことがなかった。
取引場所はいつも見慣れない場所。
妖精たちが指定した森に来てくるくる回っていると、いつのまにか奇異な平原が現れていたりした。
なので妖精たちは人間と一番近く、最も神秘的な存在だった。
人々は妖精が湖や森の中に小さな村を建てて暮らすのではないかと想像したりもする。
妖精王国が森の中にあることまでは合っていた。
しかし、人間が想像するほど田園的な風景ではない。
トントンという音が軽快に聞こえてきた。
おもちゃのように可愛らしい大きさの木槌から出る音。
子供くらいの体格の妖精たちが作業に追われているように見えた。
みんな手には小さな工具を持ったままだ。
数百人の妖精が忙しく行き来しながら魔導具を製作しているここは、工房という名前より鉄工所に近いように見えた。
人間が見ると、魂が抜けるほど複雑で精密な機械。
数十個のぜんまい車輪がかみ合って回り、蒸気機関から熱くて白い湯気が噴き出した。
「クローネンパーグに送る品物はどれくらいですか?」
「7割ほど製作されました!」
小さな妖精たちが荷物を蓮びながら大声を張り上げる。
そして、一番上の階である妖精がじっと作業場を眺めていた。
高級な礼服を着た妖精は、輝く銀色の瞳と薄いような光の髪の毛を持っていた。
彼の顔にはかすかな笑みが浮かんでいる。
「この10年間、これほど大きな取引はつかまったことがなかった。骨の太い元老たちでさえ驚くほどだったからね」
クローネンパーグでもらうお金はどれくらいあるだろうか。
彼がそろばんを頭の中で計算している間、慎重な声が聞こえた。
「ドビン王子様」
ドピンが後ろを振り向くと、ひげがぼうぼうと生えた妖精が立っていた。
彼の顔は憂患に満ちていた。
「殿下の病状が悪化したそうです。早く行ってみなければならないようです」
「お父さんが?分かりました。すぐに行きます」
ドビンは慌てて足を運んだ。
妖精王の病室に入ると、すでに到着していた5人の姉妹兄弟たちが見えた。
孤部屋の中には薬の匂いがぷんぷんと漂っている。
寝たきりの老人は他の妖精と同じようにとても小柄だ。
「妖精王」という威風堂々とした呼称とは違って、老人はただ弱そうに見えた。
妖精王を取り囲む妖精たちの表情は深刻だ。
「殿下、大変でも全部召し上がらなければなりません」
主治医が水薬が入ったスプーンを慎重に妖精王の口元に近づける。
彼はかろうじて一口飲んで、またベッドに横になった。
「残りは後で食べる。ドビンはいるか?」
咳き込むようなクスクスという音に、後ろに立っていた妖精が前に出てきた。
ドビンの双子のゼルダ王女も同じ薄暗い髪を持っている。
「お父さん、私はここにいます」
「まだ末っ子は見つかってないの?」
「はい。人間の王国に妖精たちを派遣しましたが、まだ連絡がありませんね」
妖精王の末息子がいなくなってから、すでに3年が経った。
人間王国に家出したようで捜索隊を送ったが、今のところ消息はない。
あんなに強力な魔力を持つ子だから、大丈夫だろう。
そのように自分を慰めたが、日に日に妖精たちは不安になった。
いくらお茶目で好奇心旺盛な王子様だとしても、ここまで連絡が取れないのは不思議だった。
「すぐ戻ってきます。だから、とりあえず休んでください、お父さん」
「ああ、少し休むよ」
妖精王が疲れたように目を閉じ、妖精たちは静かに部屋を抜け出した。
妖精王の子供たちが不安な顔でささやく中で、ドビンは言葉がなかった。
彼も表情が固いままだ。
他の人が見ると、父親の病気を心配しているように見えるだろう。
「まだ末っ子を待っているのか。そばにずっといたのは私なのに」
末っ子が消えて父親が病床に横になると、残りの6人の皇太子の中で最も魔力が優れたゼルダとドビンが国政を調べていた。
3年。
その間、ドビンは仕事をうまく処理してきたと思った。
上手に取引を導き、国庫を築き、国を豊かにしてきた。
「それでも、お父さんは末っ子を・・・」
ドビンは歯を食いしばる。
その時、部屋から主治医が出てきた。
彼の表情がよくない。
ドビンは静かな顔で尋ねた。
「お父さんの調子はどうだ?」
「それが・・・」
主治医はためらう様子だ。
そのためらいが何を意味するのか皆が気づく。
王が病床に伏してから長い日が過ぎた。
若人にしても振り切れない重病。
「次の季節を越すのは・・・ちょっと難しそうです」
ゼルダは唇をかみしめる。
予想していたにもかかわらず衝撃が大きかった。
彼女は少し怒ったような声で言った。
「末っ子は一体何をしているのよ」
下手をすると、父親の葬儀の席を守ることもできない。
沈黙を維持していたドビンが大臣たちをちらりと見ながら言った。
「お父さんが次期継承者の件については、覆していませんか?」
「はい。まだ末っ子の王子様が第1継承者ですが・・・近いうちに議会を招集しなければならないようです」
ドビンは黙ってうなずいてその場を立ち去る。
その時、後ろから切羽詰った足音が聞こえた。
「ドビン!」
ゼルダだった。
ドビンは無関心な顔で彼女を見る。
同じ顔であるにもかかわらず、流れる雰囲気は全く違っていた。
「どうしたんですか、ゼルダさん」
「クローネンバーグの取引問題で。大きな取引だからいいことなんだけど、ちょっと気になって」
「あまり気にしないでください、姉さん。国庫が増えれば色々といいことじゃないですか」
今回の取引がうまくいけは莫大な量の金を得て、人間の王国も牽制できるはずだ。
そのような偉業を積み重ねれば、父親も自分を認めてくれるだろう。
そのような中でも、ゼルダが弱い姿を見せることが神経を逆なでした。
(やはり鏡に閉じ込めるのではなく、殺したほうが良かったのだろうか。死体を見せたなら父も姉さんも諦めたはずなのに)
終盤に心が弱くなり、弟の記憶を消して鏡に封印することで満足した過去を後悔する。
ゼルダはまだ未練が残っていた。
彼女はためらいながら口を開いた。
「クローネンバーグとの取引に集中するより末っ子を先に探すのが良いのではないか。もし人間王国にいるのに巻き込まれたりしたら・・・」
「ゼルダさん」
ドビンは静かにささやくように言った。
彼の銀色の瞳が悲しく輝いた。
「私たちはもう認めなければなりません。末っ子が死んだ可能性を」
「死」という言葉にゼルダの肩が震える。
彼女もその可能性を考えていなかったわけではない。
ただ認めたくなかった。
彼女はやや青ざめた顔色でドビンの言葉を否定する。
「末っ子は誰よりも強力な魔力を持っている。百年に一度出るか出ないかの天才がそんなに簡単に死んだと思う?」
「しかし世の中に一人で出るには幼い年だったじゃないですか」
末っ子の王子が行方不明になった時の年齢が12歳だ。
他の聖人より物知りだったが、それでも一人で世の中を切り抜けることはできなかったはず。
妖精たちが人間王国に密かに潜入し、王子の跡を探したのが数年間。
何の手がかりも見つけられなかったことを思い出すと、ゼルダは結局口をつぐんでしまった。
ドビンはそっと彼女をなだめる。
「大臣たちも、父も現実を見なければなりません。王位継承者も新たに選ばなければなりません。お姉さんやあの中で」
妖精たちは性別や年齢で王を選ばない。
彼らが最も重要視しているのは魔力。
実力の優れた者が王位を継承するのだ。
そのため、しばらく幼い末っ子が王位継承者に決定された時、誰も反対しなかった。
ドビンは心の中で他のことを考えていたが。
「末っ子は諦めましょう。生きているとしても、3年も自分の座を放り投げた無責任な者を王に立たせることはできません」
「・・・」
ゼルダは答えなかった。
その態度が気に入らず、ドビンは席から飛び起きる。
ゼルダには目もくれないまま。
「それでは、私はこれで失礼します。クローネンパーグと約束した日付を合わせるにはかなり差し迫っていると思って」
「・・・分かったわ」
ゼルダは無情に立ち去るドビンの背中を眺める。
彼女は肩を落としたまま小さくつぶやいた。
「・・・いったいどこにいるの、末っ子よ」
ついに登場した妖精の国。
末っ子の正体は、おそらくヴェリテでしょう。
そして彼を鏡に閉じ込めた犯人も判明。
ヴェリテは記憶を取り戻すことができるのでしょうか?