こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は329話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
329話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 平和な日常
「あなた、お元気ですか。私は明日頃にはそろそろ西部に到着すると思います]
あまりにも懐かしい声。
数日ぶりに聞く声から陽射しの香りがするようだった。
セーブルは鏡の中で私を見つめ、切ない目つきで話を続けていた。
「[西部へ行く道がこんなに遠いのか、驚くくらいです。早く協定を結んで、あなたに会いに駆けつけたいです]
「私もそうですよ、あなた」
彼が聞こえないことを知りながら、私はうなずきながら答える。
セーブルに会いたくて狂いそうだ。
「あなたのいない時間は本当に遅いのに、世の中はあなたでいっぱいの気分です。街角に挟まった紫色の花はあなたの瞳の色で、空を切って飛んでいく鳥の羽はあなたの髪の毛を思い出させました。昨日は星を見ながらあなたのことを考えました。あの星をあなたと見たらどんなに良いだろうか・・・]
「予備お義父さんさん、もう時間だ。魔力が尽きていく]
「[もう?いや、ちょっと待って。もう少し耐えてみろ、ベリテ。私がどれだけ彼女を愛しているのか言えていない・・・!]
言葉が途切れると同時に鏡の中からセーブルが消え、ベリテが現れた。
「もう一度かけて!」
「あれで全部だよ。また見ても、同じ内容だって」
「同じ内容でもまた見る!」
ああ、なんで自動再生機能がないんだよ!
私はまるで壊れたテレビを直すように鏡を激しく振った。
セーブルはまだ戦場から帰って来られずにいる。
息詰まる日々が続く中、ベリテが伝えるニュースだけが唯一の希望だった。
ベリテの魔力が込められた鏡のおかげだ。
ベリテはセーブルが記録した映像を2日おきに私に伝えてくれた。
セーブルが直接私に連絡が取れないのが残念だったが、それでもこのようにでも顔を見ることができて幸いだった。
それでも残念だけど!
「セーブルの声がもっと聞きたいのに」
「魔力不足でだめだ。私がネルゲンに開いたロックを取るのも魔力をたくさん消耗するんだよ。婿の顔は見たくないの?」
ベリテがすねたふりをして唇をとがらした。
私は慌てて手を振る。
「そんなはずが!もちろんベリテも見たいよ。いつ帰ってくるの?」
「仕事もほぼ終わったから、今週中には帰るよ」
「早く帰ってきてほしい。ブランシュもあなたに会いたがっているわ」
最近になって、呆然としたり、ため息をつくことが多くなったブランシュだ。
きっとベリテを見たがっているのだろう。
鏡がなかったら、私もブランシュも恋煩いになっていただろう。
ベリテはうつろな顔をして言った。
「うん、私もシューに早く会いたい。できるだけ早く帰るよ。私よりお義父さんが先に到着するかも知れないけど」
セーブルが持っていった鏡には通信だけでなく移動魔法もかかっていた。
距離が遠すぎて一回しか使えないけど。
それでも協定が終われば、すぐに宮殿に戻ることができるので、ただただありがたかった。
「あ、私はそろそろブランシュと話しに行くね。いいでしょ?」
「もちろん。早く行ってみて!セーブルのニュースを伝えてくれてありがとう」
「じゃあ、二日後にまた連絡するね。元気でいてね、お義母さん!」
その言葉と共にベリテが消えた。
気持ちとしてはブランシュとだけ話したいのに、義母として面倒を見てくれるんだね。
私は先ほど聞いたセーブルの言葉を思い出し、安堵のため息をつく。
もうすぐ西部に到着するという言葉だけでも慰めになった。
協定が無事に終わって、早く帰っくるといいんだけど。
うまくいけば3日以内にも帰ってくるんじゃないかな?
少しだけ我慢すればいいのにセーブルにすごく会いたい。
ベリテを通じて連絡を聞いてはいるが、それでも直接声を聞いて、顔を見て、体温を感じたい。
「ランジェリーも用意しておいたのに・・・」
クララにこっそり頼むと、彼女は興奮してランジェリーをいろいろ買ってきた。
セーブルが見たら喜ぶかな。
ごほん、まだ春なのにどうしてこんなに暑いんだろう。
私は手を扇ぎながら時計をちらっと見た。
今日はブランシュの新しい服が完成して試着することにした日だ。
今はベリテと話をしているよね?
二人でどんな話をしているのか本当に気になるが、盗み聞きすることはできないので我慢した。
約30分後に行けばいいだろう。
その間、衣装をもう一度チェックしようとしていたところ、ノックの音が聞こえてきた。
「王妃様、大臣たちが謁見を要請しています」
おっと、今日はまたどうしたんだろう。
大臣逹の訪問に満足していなかったが、私は声を整えて話した。
「どうぞ」
許しとともに二人が中に入ってくる。
彼らは軽く頭を下げた。
「王妃様、お元気でしたか」
安否を尋ねる割には、かなり鋭い声だ。
なんだか嫌な感じがするんだけぢ。
「そうだね。おかげさまで。君たちは何の用事で来たのか?」
「ほかでもなく、スレビイェンとの交流を再考していただきたいという思いでやってきました」
「王妃様、どうして由緒あるこの王国にこの種族を入れようとするのですか。一日も早く彼らを自分の故国に返してください」
ああ、またこれかな。
最近、大臣たちが私を訪ねてくる理由は、ほとんどが妖精との関係のためだった。
昨日も一昨日も来て同じ話ばかりして帰っていく。
時代劇で「ご勘弁ください」と叫ぶ声が聞こえているようだった。
私は頭痛を感じながら口を開く。
「君たちが心配する理由はよく知っている。妖精たちが見慣れない種族だから不安がる気持ちは理解できる。しかし、彼らとの交流が大きな利盆をもたらすのではないか」
不満を持った大臣たちは、経済的な利盆を指摘すれば、ほとんどが退くことになる。
この二人は違うようだが。
「でも、彼らは妖精じゃないですか。妖精たちが気まぐれで邪悪な種族であることはよく知られている事実です」
これも昨日聞いた話だよ。
そばに立っていた大臣が待っていたかのように話を続けた。
「彼らは私たちを破滅させるために周辺の三国にだけ武器を売りました。そんな者たちが私たちを利用しないはずがありません」
「それはすべての外交関係に該当する言葉だ。永遠の敵も味方もないじゃないか」
「妖精は違います。また、彼らが宮にいると奇異なことが起きています」
「奇異なことといえば?」
これは初めて聞く話だね。
一体どこまでけちをつけるのか聞いてみよう。
大臣がこぶしを握り締めたまま話を続けた。
「最近、動物が死んでいくことがよく発生しています。そしてその頃、妖精たちが井戸端をのぞいているのを見たという話を聞きました」
動物たちの死。
さっきまでとは全く違う不吉さが私の襟元をかすめて通り過ぎる。
「・・・それで言いたいことは何か?」
「妖精たちが何かをしたのかもしれません。井戸に毒を入れたかも知れないことです」
彼らの目は輝いていた。
今まで見てきたよりいっそう強い嫌悪。
いつもの論理で説得しても引き下がれそうになかった。
動物たちが死んだのは事実だから。
彼らはにらむように私を見つめていた。
私は頭を冷やそうとして言った。
「確かな証拠はあるのか?井戸に毒を入れたかどうか確認した?」
「そんなことはないんですが・・・」
「証拠のない推測に過ぎないのではないか。また、彼らがなぜそんなことをするのか?その国の王子がもうすぐブランシュと結婚するだろうに」
「妖精たちはもともとそういう種族じゃないですか。中からネルゲンを崩して飲み込むかもしれない・・・」
「そこまで」
私はもうこれ以上話すなという意味で片手を上げる。
彼らの視線が反抗的に跳ね上がっているのが見えた。
「はっきりしないことで彼らを責め立てるな」
「殿下、どうしてしきりにこの種族をかばうんですか!」
「動物の死については別途調査してみるよ。この辺で」
これ以上話を交わしても現在としては進展がなさそうだった。
むしろ動物たちが死んだ原因を調べて客観的な証拠を持ってきた方がましだ。
大臣たちが息をつく音さえ聞こえるようだった。
結局、何も言わずに去っていったが、全身から不満があふれていた。
はあ、頭が痛い。
動物たちが死ぬなんて、一体これはどういうことだ。
妖精たちが犯人だとは思わない。
単なる事故ならいいけど、誰かが意図したことなら・・・。
まずは侍従を呼んで変死事件について詳しく調べるよう命令した。
「はい。分かりました。ブランシュお姫様との約束はどうしましょうか?」
「そのことは予定通りにやるね」
一応服を渡して、変死事件に関して書道で話したほうがよさそうだ。
調査するのにも時間がかなりかかるだろう。
ベリテと話は全部終わったのかな?
侍女たちを率いてブランシュの部屋に行ってみると、予想通りブランシュが一人で座っていた。
セイブリアンたちの帰還ももう少し。
大臣たちの妖精への不満が爆発しなければいいのですが・・・。