継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【332話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

今回は332をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

332話 ネタバレ

継母だけど娘が可愛すぎる【331話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 今回は331話をまとめまし...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 絶望の選択

壁にもたれたまま、ぼんやりと虚空を見つめていた。

ブランシュや他の人々の前では強がっていたが、正直なところ少し怖かった。

これまで一度も警察に捕まったことがなかったのに、こんな風に牢に閉じ込められるとは。

それでも、もうすぐここから出られるだろう。

ベリテと連絡がつけば、セーブルも戻ってきて、解決策も見つかるに違いない。

セーブルは元気にしているだろうか?

あの声がとても恋しかった。

ベリテと連絡がつけば、セーブルとも話すことができるだろう。

時間がどんどん過ぎていくように感じられた。

どれくらいの時間が経ったのだろうか?

雲が月を覆い、牢の中はさらに暗くなっていく。

そのとき、ガチャリと扉が開く音がした。

慌てて振り返ると、見覚えのある影がそこに立っていた。

「・・・お入りください」

意味深な敬意を込めた声が辺りに響いた。

看守は粗末な食器を私の前に置いて、外へ出て行く。

パンとチーズが一切れずつ、スープが少量盛られていただけだった。

特に食欲が湧かなかったので、食器をそっと脇に押しやる。

そんな中、何かがカタッと音を立てた。

よく見ると、スープ皿の下に紙と鍵が挟まっていた。

これは一体何だろうと、紙を手に取ると、その隙間から何かがポトリと落ちた。

それは指一本分くらいの短い黒髪の束で、ミント色のリボンで束ねられていた。

間違いない、私がブランシュにあげたリボンだ。

状況が一気に掴めた。

震える手でその紙を拾い上げ、中を読む。

そこにはこう書かれていた。

[ブランシュ姫を捕らえました。姫を助け出したければ、私が指定する場所まで自らお越しください。この事実を他人に漏らさないこと]

「私一人で来なければ、姫を殺す」

ブランシュを、殺す。

その一文が頭を離れなかった。

頭の中が真っ白になり、まともに思考を巡らせることができなかった。

誰が送ったのか?目的は?なぜ私なのか?なぜブランシュなのか?

混乱で頭が回らない中で、たった一つの事実だけが明確に浮かび上がった。

これは罠だ。

犯人は私が自ら脱獄するよう仕向けている。

脱獄することは、私が自分の有罪を認めるに等しいから。

そして、もしブランシュが囚われていないのだとしたら?

それこそ最悪だ。

犯人の思惑通りに罠にはまるだけだ。

もうすぐベリテとセーブルも戻ってくるはず。

ここを抜け出さなければ、自滅することになる。

この髪の毛が本当にブランシュのものかどうかも分からない。

姫がそんなに簡単に捕まるはずがない。

・・・しかし、もし本当にブランシュが捕らえられているとしたら?

罠だとしても行かざるを得ない。

たとえ一か八かでも、ブランシュが本当に危険な状況にあるのなら、助けに行かなければならない。

悠長に構えている時間はなかった。

この紙にどんな魔法的な細工が施されているのか、文字が微かに揺らめいている。

犯人が指定した場所は、王宮から少し離れた森の中。

馬車で行けばすぐに着くだろうが、そんな贅沢をする余裕はなかった。

歩いて行った場合、どれくらいの時間がかかるだろうか?

日没までにたどり着けるだろうか?

・・・考えるよりも先に動き始めた。

鍵穴に鍵を押し込み、重々しい扉がゆっくりと開く。

周囲に見張りの気配はなかった。

用意されていた脱出口を見て苦笑した。

誰がこんなことを仕組んだのだろう?

大貴族の仕業だろうか?

もしそうなら、ブランシュを十分に害することができる。

目的が王権にあるなら、王位継承者であるブランシュの存在は邪魔なだけだから。

牢獄を抜け出すと、指先ほどの細い月明かりが夜道をわずかに照らしていた。

「お願いだ、ブランシュ、無事でいてくれ」

そう祈りながら、悪路と夜風をかき分け、必死で走り続けた。

風は冷たく、孤独さが身に染みながら。

 



 

ブランシュは暗闇の中を見つめていた。

周囲には馴染みのない臭いが漂っていた。

木の香り、草の匂い、少し湿った土の香りが混ざり合っている。

どうやらここは宮殿ではないようだ。

暗闇に目が慣れてくると、彼女は慎重に周囲を観察し始めた。

小さな密室のようだ。

頭がぼんやりとして重く、意識を取り戻すのに数分かかる。

『ここはどこ?誰が私を・・・さらったの?』

口を塞いだ人物の顔を思い出そうとしたが、頭が痛むだけだった。

その人物がどこかに連れ去る際に、打たれたり縛られたりした形跡がないのは幸いだ。

とにかく、早くここから脱出しなければならないと考えていたところ、夜風とともに微かな明かりが差し込んできた。

扉が音もなく開き、誰かが入ってきたのだ。

暗闇の中、声が聞こえた。

「ブランシュ公主様。ご無事ですか?」

耳に馴染みのある声に驚きつつも、相手の顔を確認すると知った顔が見えた。

ブランシュは顔面蒼白となり、震える声で言葉を発する。

「あ・・・明らかに亡くなったはずなのに・・・」

「はい、死んだふりをしていました」

ギデオンは嬉しそうに話した。

敵意は感じられなかったが、ブランシュは体の震えを抑えることができなかった。

「で、あなたが私をここに連れ去ったのですか?」

「連れ去るだなんて。そんなことではありません」

ギデオンは驚いた表情を浮かべる。

一見して彼はかなり忠誠心の高い人物のように見えた。

「過激な方法で公主様をお連れしたことはお詫び申し上げます。説明する余裕がなく、そうするしかありませんでした。公主様の安全が何より重要でしたので」

「・・・私の安全?」

彼は歯を食いしばり、悲しげな目つきで続けた。

「私が死んだふりをしていたのは、王妃の陰謀を知ったからです。王妃はブランシュ公主様を殺し、その心臓を抜き取って魔術の材料として使おうとしていました」

『白雪姫』の物語の王妃が行ったように。

そう、狩人に公主の心臓を持ち帰るよう命じたように。

そしてその狩人が公主に情けをかけ、彼女を自由にしたように、ギデオンも慈悲深い狩人のような行動をしていた。

「その事実を知った王妃が私を殺そうとしたので、死んだふりをしていましたが、一瞬たりとも公主様の安否を心配しなかったことはありません」

嘘のようには聞こえなかった。

彼は素早く対応し、長い間この役割を果たす準備をしていたようだ。

彼はブランシュに向けて真摯に語る。

「陛下が席を外している間、王妃が公主様を殺そうとしていたため、私が先にお連れしました」

「そんなはずがない!」

「事実です。公主様も王妃の血を見たはずです、あの邪悪で黒い血を」

その言葉に、ブランシュの胸がどっと音を立てて崩れ落ちるような感覚が襲った。

確かにその色を見た。

インクのように黒く濁る血。

黒い魔力を持つ者たちが多くの人間を害し、国を滅ぼしたという文字が脳裏をかすめて通り過ぎた。

 



 

ギデオンはブランシュの沈黙をただ静かに見守りながら微笑んでいた。

まるで少女を励ますかのように。

「衝撃が大きいのは理解します。これまでの出来事を受け入れるのは簡単ではありません。でも、どうか私を信じてください。王妃は公主様を・・・」

「ギデオン宮廷楽師」

ブランシュは冷静に彼の話を遮り、静かな声で名前を呼んだ。

その青い瞳は燃え上がる炎のような怒りを湛え、激しく揺れていた。

「母上を侮辱しないでください」

予想外の言葉に、ギデオンは狼狽した様子で目を見開く。

ブランシュはその鮮やかな青い目で彼を鋭く見据えた。

「私を本宮に連れて行きなさい。」

「ブランシュ公主様、今は少し困難で・・・」

「ネルゲンの王位継承者であるブランシュ・フリードキンは明確です。今すぐ私を本宮に連れて行きなさい。直ちに!」

まるで小さなウサギのようだった少女が小さな体で毅然とした態度を見せていた。

その威圧感にギドオンですら身震いするほどだった。

しかし、彼は大人の男性であり、目の前にいるのは幼い少女にすぎない。

彼はブランシュの手首を素早く掴んだ。

そして、彼女を暗がりの奥へと無理やり引っ張ろうとした。

「公主様、まだお若くて何も分かっておられません。私が公主様をお守りいたします」

「私はあなたの保護など必要ないわ!離して!」

「本当に慎みが・・・ぐっ!」

ブランシュは、全力でギデオンの力強い手を振りほどいた。

彼が驚いてブランシュを振り払うと、彼女は逃げ始めた。

「待て、そこに止まれ!」

追いかけようとしたが、部屋の中の家具に足を引っ掛けてしまう。

その間にブランシュは力を振り絞り逃げて行く。

彼女は一心不乱に走り続けた。

ようやく緑の野原にたどり着き、膝をつき倒れ込んだ。

胸が破裂しそうなほど鼓動が早く、口の中は乾ききっていた。

『逃げ切れたの?ここはどこ・・・?』

ギデオンの声は聞こえなかった。

幸運にも、スレヴィエンの服を着ていたおかげで走るのがうまくいったのだ。

脱出したのはよかったが、いつの間にか深い森の中に入り込んでいた。

風が木々をかすめる音がまるで蜂の羽ばたきのように聞こえた。

森は恐怖と闇で満たされていた。

ギデオンが消えたことでまた別の恐怖がブランシュを襲う。

ブランシュの体が震え、ガタガタと震え始めた。

恐怖に満ちた目で周囲を見回していると、暗闇の中にギラギラと光る一対の目が見えた。

いつの間にか、燃えるような目を持つ数十匹もの狼がブランシュを取り囲んでいたのだ。

威嚇するような遠吠えが空気を満たし始めると、ブランシュの顔色は真っ青になる。

 



 

アビゲールを誘う罠。

ギデオンの魔の手から逃げたブランシュもピンチです。

セイブリアンとヴェリテはまだなのでしょうか?

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