こんにちは、ちゃむです。
「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。
今回は69話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
69話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- ノアの決心
同じ時間。
なかなか眠れないのはエスターだけではなかった。
家に帰ってきたノアの顔からは笑いが消えることを知らなかった。
「今日はとてもきれいだった。行ってよかった」
バルコニーで見たエスターのきれいな姿、そして人々の間で楽しそうだったことを思い出すだけでも全く退屈ではなかった。
「そんなにいいんですか?」
家が広くなくて、パレンとノアは一緒に生活している。
パレンは眠れぬノアの向かいに座り、暖めた牛乳を渡した。
「そう見える?」
「はい、微笑みが消えないからです。私は殿下がこんなによく笑うとは思いませんでした」
「そうだよ。皇太子は何でも、ここでずっと暮らしたいと思うほどいい」
ノアはにっこり笑って温かい牛乳に口をつける。
冗談のふりをしたが、目つきが落ち着いていた。
パレンはそんなノアを気の毒そうに見た。
世話をする主人だが、ファレンにノアは病気の指だった。
「今がもっと幸せなら・・・このまま酸っぱくても私は嬉しいです」
ファレンは心を込めて言った。
彼が仕えるノアが以前のように皆を圧倒して認められる姿を見たいという欲もある。
しかし、その時より今のノアがはるかに幸せそうに見えて、このままにしておきたいとも思った。
「私ね」
コップを置いたノアが真剣になった目でパレンを眺めた。
「皇子でいるのは実はちょっと大変だった。皇太子にならなければならないと言って、あまりにも多くの期待を受けるのが大変だったから」
ゆっくりと始まったノアの話にパレンがじっと耳を傾ける。
「もっと平凡に生まれてたらどうだったかな、そんなこともたくさん考えたよ」
期待を一身に受ける皇子として生まれたノアは、幼い頃からすべての感情を抑えなければならなかった。
駄々をこねることもできず、ミスをしてもいけない環境。
いつも完璧であるために自らを検閲した。
物質的にはすべてを持っていたが、いざ必要な両親と共にする時間、愛情のこもった対話、このようなことは受け取れず、いつも寂しかった。
「私は皇太子になりたくなかったのに。それでも周りでは私が皇太子にならなければならないんだから。そうだと思って我慢したんだよ」
ノアの表情がもっと寂しくなる。
「でも、私が捨てられてからは、みんな私にそっぽを向いていた」
皇子から除名された後は、誰もノアを見ていなかった。
支えていた皆がノアを無視した。
突き放されてから分かった。
自分の存在理由は生まれた時に得た地位、それ以上でも以下でもなかったということを。
「一日も早く死にたかった」
聖域で死ぬ日を待っていたノアはひどく壊れていた。
人生の方向と目的を失ったまま毎日を希望なしに生きてきた。
生まれて経験したすべての瞬間を恨んだ。
夢でエスターを見るまでは。
「皇子さま」
パレンは苦しみながらうつむいた。
いつもノアのそばにいた一人として、すまなく哀れだった。
「でも、もう違う。生きたい理由ができたんだ」
話をしている間ずっとロックされていたノアの声が明るくなる。
それを間いて、ファーレンは再び顔を上げた。
「以前のように背中を押されたからではなく、私が皇太子になりたくなった」
皇居に戻れば、また虚飾に囲まれ、寂しくなることを知りながらも帰らなければならないという理由。
「このままでは私がエスターのそばにいるわけにはいかないじゃないか。助けることもできないし」
ノアがにっこりと笑う。
目が折れて、エスターがそのようにきれいだと言った笑みがぱっと現れる。
エスターはノアが失った人生の目的であり方向になった。
「だから私は皇太子になる」
ノアの言葉のようにいつも周辺で皇太子になれと言ったが、ノアが先にこのような話をしたことはなかった。
自分の意志を明らかにするノアがまぶしすぎて、パレンは目頭を赤くしながら袖で目元に目を通す。
「ずいぶん大きくなりましたね」
「もっと育たないと。ファーレンはずっと私のそばにいてくれ」
「当然のことを」
二人は向かい合って視線を交わす。
長く言わなくてもお互いの気持ちが感じられた。
「私、お父さんに会わなきゃ」
「決心がついたのですか?」
パレンは驚いて聞き返した。
「うん。もうやることがないんだ」
本来は皇帝に会うのはもう少し後にしておくつもりだった。
エスターが新しい人生に適応するのを助けるため。
少なくとも1年は時間がかかると思っていた。
しかし、エスターは彼が思っていたよりもはるかに強かった。
助けがなくても自ら自分の居場所を探して成長する人だ。
すでに前を向いて歩いている。
「こうやって遊んでいると、エスターが遠ざかりそうだから。私も成長しようと思って」
いつでもエスターが助けを望む時に助けるためには、自分も急がなければならないという気がした。
いつでも成長したエスターのそばに並んで立つことができるように。
「とりあえず父に会って接近禁止から解いて段階を踏まないと」
ノアの決心はしっかりしていた。
皇居に戻れば、今のように平和に過ごせないのが残念だが、決定に後悔はない。
ノアはこれから皇太子になるための基盤を固めるつもりだった。
「私はそれでは夜が明けてすぐ皇居に行ってきます」
ファーレンもうなずいて、そのようなノアの決定を快く受け入れた。
彼はノアが望むなら茨の道であっても一緒に歩く人だから。
「ありがとう」
ノアとパレンの温かい視線が再びテーブルの上で交差する。
ノアが決心を固めたようです。
次に再会するのは、しばらく後のことでしょう。