家族ごっこはもうやめます

家族ごっこはもうやめます【150話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【家族ごっこはもうやめます】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

150話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 母の手紙

ナビアの動きについて話を聞いていた騎士たちは、ざわめきながらもその視線を彼女に向けた。

『大公に会いに来たのだろうか?』

だが、なぜわざわざこんな場所まで訪れる必要があるのか?

こんな隠された時間に、わざわざ一人で来るなんて、よほど特別な関係なのか?

彼らの疑念に満ちた視線を感じながらも、ナビアは全く動揺せず、毅然とした態度でそのうちの一人に向けて話した。

「大公に伝えてください。エセルレッド公女が拝謁を求めていると。」

騎士は最初、内部に入ることはできないと伝えようとしたが、クリードに許可を求めるように言われると、驚きながらも慌てて姿勢を正した。

「はい、分かりました。」

中に入っていった騎士がすぐに戻ってきて、先ほどよりも一層丁寧な態度でナビアに対応した。

「お入りくださいませ、お嬢様。」

ナビアは一度深呼吸をしてから中に入る。

扉が開くと、箱や装飾品が柔らかな光に照らされて見えた。内部は思ったより広かった。

『小さな宴会場のようだな?』

中に入るのは今回が初めてだった。

しかし、ナビアは以前アグニスの宝物庫を調べた経験があり、この空間についてもすぐに特徴を掴むことができた。

この部屋がこれほど柔らかい光に包まれている理由は、物品が光によって変色するのを防ぐためだ。

もちろん絵画のようなものも丁寧にカバーされ保管されていたが、このような空間は元々窓が取り除かれているか遮蔽されているのが常識であった。

そのため、内部は決して暗くはなかった。

特に少し離れた場所で明るい光を放っている魔力石ランプは、一つ一つが地上に降り注ぐ星のように美しく輝いていた。

クリードに照らされた光は透明だった。

ナビアはその光に向かって歩みを進めた。

宝庫の中には微かな埃の匂いが漂っており、この空間の歳月の流れを物語っているようで、妙な緊張感を醸し出していた。

『それにしても、エステル皇妃様の遺品が20年ぶりに姿を現すのだから・・・。』

帰還まで考えれば、20年以上の長い年月の間、彼女の遺品は主人を見つけることもなく、この場所で眠っていたということだ。

ナビアの足はぴたりと止まった。

高く積み上げられた箱の上に無造作に置かれたランプの光が、クリードの顔に優しく当たっていた。彼は手に一枚のメモを持っていた。

彼は壁に寄りかかって座っていた。

顔は少し下を向いていて、前髪で隠れていたため、その表情ははっきりと見えなかった。

しかし、ナビアには彼が泣いていることが分かった。

そのノートはもしかすると、エステル皇妃の日記のようなものなのだろうか?

「クリード。」

ナビアはとても静かな声で彼を呼んだ。

クリードは言葉を発さないまま、彼女が立っている反対側の手で、涙の痕を拭い取ろうと顔を撫でた。

それは涙を消そうとする仕草だった。

いや、むしろ彼は涙を隠すことに気を使うよりも、そっとナビアを見つめながら、慎重に言葉を紡いだ。

「・・・姉さん。」

もともと低めの声がさらにかすれ、掠れた音が混じった声で聞こえてきた。

一つの感情だけでは説明できない複雑な想いが、言葉の端々に鋭く表れていた。

ナビアは、彼を心配するように優しい笑顔を浮かべた。

クリードもまた、自分の声が震えていることに気付き、困惑したように手のひらで顔をそっと撫でた。

ナビアは彼のそばに座ろうとしたが、彼に制止された。

「地面に座らないで。冷えるから。」

そんな状況でも、クリードは自分の上着を脱ぎ、ナビアをその上に座らせた。

悲しいことは悲しいままに、それでもナビアはナビアとして振る舞った。

ナビアは、息が詰まるような表情で彼を見つめる。

そしてランプの光に照らされた涙で濡れた頬と赤く腫れた目元を発見した。

彼の顔はそのような状態でも美しく、見る者の胸をぎゅっと締め付けるような気持ちがこみ上げてきた。

その光景は、まるで心に大きな棘が一度に突き刺さっていくかのような痛みと辛さを伴っていた。

ナビアは無言でクリードを抱きしめた。

彼を抱きしめることを止めることができなかった。

透明で脆弱なこの少年に必要だったのは、まさに人の温もりだった。

クリードはしばらくの間じっとしていたが、ゆっくりとナビアの肩に頭を預けた。

「母の日記を見つけたよ。」

「そう。」

ナビアは優しい手つきで、彼の頭をそっと撫でた。

「痛まないで、クリード。」

どうすることもできず、心が痛むばかりなら、ほんの少しだけでもその痛みが和らいでくれればいいのに。

何度も心の中でそう願いながら、彼の声に耳を傾けた。

クリードの体はかすかに震えていた。

喉元が大きく動き、嗚咽をぐっと飲み込んでいた。

「日記が隠されていたんだ。」

彼は母の遺品を確認している間、狭い空間で動かしていた古びた木箱が下に崩れ落ちるのを見つけた。

その古びた木箱は、上質な木で作られたものではなく、年月が経ったまま朽ちて崩れてしまった。

その中には明らかに何も入っていないはずだったが、そこから日記が飛び出てきた。

日記を下に挟んでいたのだ。

「お母さんは私がどこをどれだけ探すか、すべてわかっていたのでしょう。全部知っていたんだ・・・。」

すべてを知っていた。

その言葉は単なる日記だけではなく、自分自身の運命と息子の運命をしっかりと見据えていたことを意味していた。

「そうだ。全部知っていたんだ。」

エステル・ファンビは、カミラとマチャンカを通して息子を救うために、何度も、そしてさらに何度も無数の未来を見ていたに違いない。

そして見つけ出した未来に自分が存在できないと知ったとき、どれほど恐ろしかっただろうか?

クリードが避けられない形で経験することになる幼少期の苦しい痛みを、彼女はどれほど胸を痛めていただろうか・・・。

クリードはいつの間にか目が涙で潤み、そのまま静かに目を伏せた。

彼はノートを手に持ち、ナビアに差し出した。

「一緒に見る?」

「それでも大丈夫?」

彼は当然だというようにほのかに笑った。

「もちろんだよ。一緒に見てくれたら嬉しい。」

彼らはお互いに体を寄せ合い、荒々しい壁に寄りかかった。

ナビアもまた、エステル・ファンビがカミラの献身的な保護者だったということ以外には、どのような人物かをよく知らなかった。

しかし、日記を一つ一つ読み進めるうちに、この人物の言葉遣いや性格が少しずつ見えてきた。

一日の出来事を簡潔で端的に書き留めた文面から、エステルが非常に感傷的な性格ではないことを察することができた。

「日記を読んでいると、なんだかファンビ様がどんな性格だったのか分かる気がする。特に、ここに番号まで丁寧に記載し、するべきことを簡潔にまとめておられたことからもね。」

その些細な特性に、クリードの視線がしばらく留まった。

まるでその文字に向かって話しかけるような眼差しだった。

『お母様、あなたはどのような方だったのですか?とても気になります。』

すると、日記にはこのように書かれていた。

 



 

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