こんにちは、ちゃむです。
「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

98 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 神の怒り
数日後、エリウムは永遠の神レイドの神格剥奪に関する公式発表と、彼の失脚を公に伝えた。
国全体が大騒ぎとなった。
特にレイドの信者が多い地域では暴動が発生した。
彼らの心情は理解できる。
生涯信じてきた神が魔王だったとは、信じられない知らせだったのだろう。
「エリオムに真実を求めます。」という叫び声を聞いたレイドの信者たちは、神殿の前でデモを起こした。
無理やり突入しようとする者を聖騎士たちが制止したが、混乱の中で負傷者が出る事態となった。
受け入れられず、国に混乱をもたらすならば、国法で厳しく処罰するという皇帝の命令により、騒動が一段落した頃、最初の公式発表が行われたのはそれから一週間後のことだ。
「邪悪な魔族カミーラと、魔王レト……すなわちレイドとの戦いの勝利を記念して、エリオムに『カミラの聖像』を展示することとします。」
聖会堂でレイハスが聖像展示について――エリウムは公式に発表を行った。
もともと、レイド神の退位に関する発表を行う予定だったが、反発があまりに強かったため延期された。
信仰を失い怒り狂ったレイドの信者たちが押し寄せ、火を放たれでもしたら困るからだ。
「八柱の神の加護を。」
「どうか我らを闇からお救いください。」
儀式が終わった後、信者たちはいつの間にか「八柱の神」という言葉を使うことに慣れていた。
「レイハス様に八柱の神のご加護がありますように。」
私は演壇を降りる彼に向かって、穏やかな微笑みを浮かべながら言葉をかけた。
彼は深い金色の瞳で私を見つめながら、共に微笑んだ。
[芸術の神モンドがレイハスの顔を称賛します。]
「罠を仕掛けたが、カミーラがそれにかかるまでどれくらいかかるだろうか。」
残された仕事は、ただ待つことだけ。
「今日は皇宮へ行かれる予定ですね。準備が整いました。」
レイハスは以前よりも明るい表情だった。
誰かに相談してきたようだが、無駄な考えを振り払うのに役立ったようだった。
彼の首元で揺れるロザリオが少し邪魔に感じたが、まあ今は戦略上仕方がない。
私は微笑んだ。
「ありがとうございます、レイハス様。」
「お気をつけて。」
しばらくして、私の馬車は神殿を出て、堂々と宮殿へと向かった。
皇帝が私に会いたいとのことだった。
レイド神の退位に関する件だろうか。
その話はただの確認に過ぎなかったが。
視界の前で、対話ウィンドウが点滅した。
[知識の神ヘセドは、あなたがカッシュとの面会を断った理由を知りたがっています。]
彼の家で……あの出来事が起こるまで、すでにしばらく時間が経っていた。
そして彼は何度か書簡を通じて会いたいという意思を伝えてきた。
『でも、会って何を話せばいいの?』
再びその瞬間を思い出すだけで、顔が熱くなった。
「申し訳ありません。体調が良くなくて、お会いできなさそうです。」
そして私は何度も同じ内容の返事を受け取った。
神殿の図書館で恋愛に関する書物をすべて借りて読んでみたが、結局こういう問題をどう解決すればいいのか分からなかった。
「うぅ……」
私は複雑な考えに頭を抱えた。
[知識の神ヘセドは、モテるならモテるらしく、誇らしく振る舞うべきだとあなたを批判しています。]
[愛の神オディセイは、曖昧な態度は誤解を招くだけだと忠告します。]
[慈愛の神オーマンは、今すぐ馬車を引き返してカッシュの寝室に飛び込めと提案します。]
(ただの雰囲気に流されただけかもしれない。カッシュもそう思っているのでは?)
あの日のことを思い返すと、一日に何度もため息をつかずにはいられなかった。
そのせいか、最近デイジーが何かを察しているような目で私を見て、にやにやしてくるのだった。
「そうだな……今は皇宮、皇宮へ向かう道だ。気を引き締めよう。」
[破壊の神シエルが尻尾を振る。]
再びカッシュへと飛んでいきそうになった意識を無理やり引き戻し、私は独り言をつぶやいた。
集中しよう、集中だ。
「でも、もともとこんな道だったっけ?」
ひとりでぶつぶつ呟いた後、窓の外の周りを見回しながら、私は眉をひそめた。
[知識の神ヘセドは、あなたの方向感覚に]
[破壊の神シエルがあなたを祝福します。]
やはり馬車は妙な方向へ進んでいた。
おそらく神殿がある方向とは逆の、薄暗い路地裏へと向かっているのだろう。
うーん、なんだか嫌な予感がする。
やっぱりそうだ。
待ち伏せか。
[慈愛の神オーマンは、なぜ鞭を持ってこなかったのかと軽く批判します。]
「鞭がなくても大丈夫です。」
私はシエルの力を手に宿したまま、ゆっくりと体を解放した。
そして、彼は馬車の前方部分をトントンとノックした。
奇妙な音が鳴り響き、前方の壁に穴が開くと、御者が驚いた表情で振り返るのが見えた。
[破壊の神シエルが肩をすくめる。]
「ひぃぃっ!やっぱり悪魔!!」
「いい加減に止まる?それとも殴られて止まる?」
[慈愛の神オーマンがあなたの言葉をとても気に入っています。]
[愛の神オディセイは「殴る」と「数える」のどちらの単語がより適切かを慈愛の神オーマンに尋ねます。]
[正義の神ヘトゥスはミカンを握りしめながら、二神の沈黙に悩みます。]
私がもう一度ノックすると、前の壁が完全に床へと崩れ落ち、馬が立ち止まった。
止まった場所は、迷路のように入り組んだ細い路地の奥だった。
馬車が止まるやいなや、待ち構えていたかのように、数十人の群れが集まってきた。
「はぁ……」
私は小さく息をついた。
「聖女は出てこい!」
「レイド神に不敬な罪は死をもって償え!」
「聖女を捕まえて、エリウム神殿で我々の要求を伝えよう!」
御者が慌てて彼らの隙間に立ち、私を守ろうとした。
『ふむ、これか。』
レイドの信徒の中には、まだレイド神の退場を受け入れられない者たちがいた。
彼らは集団でデモをしたり、騒ぎを起こしたりしていたが、最近は少し静かだったと思ったのに……。
私は手でドアを軽く叩いた。
ドン!
扉が床にバタンと落ちると、人々は後ろに飛び退いた。
私は冷たい目で彼らに尋ねた。
明らかに訓練を受けた兵士や、組織だった人々ではなかった。
ただの興奮した群衆に過ぎない。
「聖女を責めろ!」
「レイド神を再び立ち上がらせろ! この魔女め!」
「レイド神を返せ! エリウムが何の権限で我らの神を奪うのか!」
長年信じてきた神が消えたという事実に対し、彼らが絶望するのも理解はできる。
だが、この騒ぎはちょっと行き過ぎじゃないか?
群衆の叫び声が次々と響き渡った。
「レイド神を返せ!」
「レイド! レイド!」
私は声に力を込めた。
「死んだ神を返せというのですか?」
私の言葉に人々がざわめいた。
「誰が死んだって? 神は全知全能だ!」
「おお!レイド神よ!」
「やはり魔女だ!カミーラ様こそが真の聖女で、この女は魔女だ!」
私は彼らをじっと見つめた。
行くべき道を見失い、どこへ向かえばよいのかわからない者たちの混乱した叫びが耳に響いた。
この虚しさをどうすればよいのか……。
群衆は、混乱しながらも怒りをぶつけるように叫び続けた。
だが、こんな時にちょうどいい対処法がある。









