こんにちは、ちゃむです。
「夫の言うとおりに愛人を作った」を紹介させていただきます。
今回は66話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
66話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 幼馴染との別れ
ある日からレンシアの動きが鈍くなった後、ルイーゼは母親がしていた仕事を代わりにし始めた。
「元々あった病気だよ。心配することはないわ」
「私が治します」
「治せない。あなたのお父さんがやっと病気の進行を遅らせることに成功した。心配しないで、私はそんなに簡単に去らない。お願いだから離れてほしいとうんざりするまで、うちの娘のそばに必ずくっついて暮らすんだから」
レンシアは不安そうな顔をしているルイーゼを安心させる。
アレンがこの世を去った後、数多くの季節が過ぎた。
ルイーゼは彼が残した痕跡を発見する時毎に静かに涙をぬぐった。
その日以来、彼女は少し落ち着いてきた。
そんなルイーゼはマクシオンの目には物心ついたというよりは、別れに諦めていくように見えた。
彼らが別れに適応している間、カリオド伯爵はしつこくマクシオンの跡を追いかけた。
伯爵はマクシオンの母親の行跡を探して2人が暮らしていた旅館を発見し、そこに泊まっていたマクシオンがある傭兵団について南部に向かったが、ペリルスで足跡が途絶えたという便りを入手した。
そこまで数年かかった。
彼は、やっと見つけた息子がそんなにむなしく死んだはずがないと思った。
伯爵はペリルスの周りを見渡すために人を送る。
南部で北部人は珍しかったので、そこのどこかで定着していたら、間違いなく目につくだろう。
とうとう彼はマクシオンの尻尾を掴んだ
ペリルス周辺の村に断続的に訪れる灰色の髪に暗い肌の男の子。
同年代より発育が良いということまで完璧に北部の特徴を抜き打ちした外見だった。
14歳のある日。
マクシオンは久しぶりにレンシアと一緒に買い物に町に出た。
「マクシオン」
自分を呼ぶ声に彼が首を回して声の根源を確認する。
そこには見たことのない人が立っていた。
南部人に比べて特に大きな体と濃い色の肌をした男性は、ぱっと見てもそのような北部人のようだった。
「名前はマクシオンですか?」
「はい」
「父親の面影が見えますね」
「・・・」
彼の母親は、マクシオンが生まれる前に父親が亡くなったと言った。
「お父さんとお知り合いですか?」
「はい。その方が坊ちゃんを探せと命令を下した後、南部を何年も探しました」
「・・・母は父が私が生まれる前に亡くなったと言いました」
「事情がありました。母は今、父であるカリオド伯爵と一緒に邸宅で待っています。詳しい話は行って聞きましょう」
「・・・カリオド」
「はい。御曹司はカリオド伯爵の後継者です。今やっとお伺いすることになりましたね。今は戸惑っていると思いますが、すぐ慣れると思います」
「・・・」
マクシオンは目を見張るような目で彼を見る。
男が懐から鷲の印章が押された紙を取り出し、彼に差し出した。
「北部の帝王」と呼ばれる鷲は、カリオドを象徴する鳥だ。
「お坊ちゃまと一緒に過ごした人がいたら謝ります。伯爵様は寛大な方なので、大きな賞を下した後、お坊ちゃまを連れてくるように指示されました」
しかし、マクシオンは動かなかった。
カリオドや父親、母親、すべてが浮雲を掴む話のようだ。
それに、誰が見ても怪しいあなたをどうやって信じて家に連れて帰るのか。
ガラガラ。
その時、すぐそばで店のドアが開き、銀髪の女性が外に出てきた。
レンシアだ。
「何だ?この険悪なおじさんは」
「おじさん?姿を見るとつまらない男の人のようだが、話が荒いね」
「言葉はそっちの方が通るし。うちの息子には何の用事?」
彼女は自然にマクシオンのそばに立つ。
男が呆れたように息を吐き出し、鋭い覗線でレンシアを見つめた。
「言葉には気をつけてね。この方はカリオド家がなくしたお坊ちゃまだ」
「出生の秘密ってこと?」
レンシアの片方の眉が斜めにつり上げられる。
「そうだ」
「それでどうしろっていうんだ。素直に奪われろと?」
「補償するよ。厚いものを用意してあげる」
「いやだよ、マクシオン、あの険悪なおじさんが、あなたを手厚い値段で売っているそうだが、私はそのつもりはないんだ。家に帰ろう、これでも持って」
レンシアはマクシオンの腕にパン袋を差し込んだ。
男はレンシアをにらみつけた。
「今まで何を言われたのか!坊ちゃんにこんなお使いをさせるなんて、どうかしてるね。見たところ暮らし向きがよくないようだがお金をあげるんだって」
「気が狂ったのはそっちでしょ。今までよく育てておいた他人の家の息子に何を言っているんだか」
レンシアが険悪にしかめっ面をして堂々と出てくると、男の肩が震えた。
「息子だなんて。そちらと似ているところは一つもないじゃないか」
「夫に似ているからだよ。私たちだけで家に帰ってしなければならないことが山ほどあるので、申し訳ないが、この辺で行くよ。ずっとそうやって立っていたら、警備隊に児童誘拐罪で通報するよ」
レンシアはマクシオンの腕を家に帰ろうとした。
しかし、マクシオンは体を動かさなかった。
「・・・どうしたの?」
「母が生きているそうです。お父さんも」
「そう、今ここに生きているじゃないか」
「・・・」
二人の微妙な空気に気づいた男が彼らを交互に見て口角を曲げる。
どうやらマクシオンはすでに彼の話に耳を傾けているようだ。
「整理する時間が必要なようなので、明日の同じ時間にまたこちらに来ます。今後は人を解放して捜索するので、逃げることは考えないほうがいいでしょう」
男は不機嫌そうに笑い、黒いマントをなびかせて振り向いた。
そんな彼の後ろ姿を眺めていたレンシアが、マクシオンと一緒に小屋と反対の道に入った。
「すみません」
「もういいよ」
「ところで、なぜここに行くのですか?」
「尻尾は全部取っていかないと。実力も悪くないのが7もついたのを見ると、本当にあなたがすごい家門の子息であるようだ」
レンシアが面倒だという顔でマクシオンを率いて路地を歩き回った。
二人は追跡者を全員引き離し、小屋に戻った。
ルイーゼが嬉しそうな顔をして迎えに来た。
「みんな表情どうしたんですか?」
マクシオンの顔は限りなく真剣で、レンシアの表情はぱっと見ても不満がいっぱいに見える。
マクシオンがさっき会った男について説明した。
彼と交わした会話と、男が差し出した紙に身元を証明できるような内容が書かれていたこと、そして男が付け加えた言葉まで。
ただ、その家門がカリオドだという事実だけは抜いておいた。
レンシアの反対のためだ。
外の世界でも指折り数えられるほど大きな家門とルイーゼが絡むのは彼女としてさらに遠慮したいことだから。
「明日?危なすぎるじゃん。マキシオン、あなたのように弱い子を一人で世の中に送ることはできないわ」
ルイーゼは心配そうな声で言った。
「・・・ルイーゼ。世の中の基準をあなたにしてはいけない」
すでに彼女より彼のほうがずっと大きかった。
北部人は体が大きく力が強い方だというが、その中でもマキシオンは非凡な水準だ。
特にカリオド地域の人々は北部の海を開拓した船乗りの血筋で、剣をよく扱い身体能力が優れていることで有名だった。
「マキシオンもかなり使えそうな程度では教えたから、自分の体一つくらいは健康でいられるだろう。少なくともあの護衛をくぐって逃げることは可能だろう。さっき尻尾がついたことにすぐ気づかなかったのは失格ではあるが、すぐに位置把握も成功したから。だけど」
レンシアは声を低くする。
「私は私の子供を素直に奪われる性格ではない。君が望むなら私が処理してあげることもできる」
レンシアはゆったりとした顔で肩をすくめた。
マクシオンは悩みに陥った。
彼がここに残ると、罪のないレンシアとルイーゼが北部の大家門であるカリオドに一生追われることになるだろう。
ややもすると、この小屋を捨てて他の所を転々としながら、引き続き引越しすることになることもありうる。
この小屋は二人にとってとても大きな意味がある場所だ。
ルイーゼが生まれ育った場所であり、アレンが埋められた場所。
こんな家を置いて逃げさせたくなかった。
何よりも彼を捨てたと思っていた母親の安否が気になった。
彼女はなぜ彼に父親のことを何も言わなかったのだろう。
去った後にすぐに探さずに、なぜ今になって彼を探そうとするのだろうか。
彼を愛したのだろうか。
「行きます」
「え?」
ルイーゼが尋ねた。
レンシアはなぜか静かな顔でマクシオンを眺めているだけだ。
「お母さんとお父さんが一緒にいらっしゃるんだって。お父さんという言葉が慣れないけど、一度は会ってみたい」
「・・・じゃあ永遠に去るの?」
「また来るよ。何年かかってもまた立ち寄るよ」
「何年?そんなに長い時間がかかるの?」
「北部は遠いんだ。行ってどんなことが起こるかも分からないし」
世の中をちょっと見て回りたかった。
彼を見守っていたレンシアがため息をつく。
「親になった立場からして、お前の生父、生母と一生会わせないようにするのは、できないことをするのだろう。そうだね、行ってみて。ただ、不幸になりそうだったらすぐにこっちに飛び出してきて。一生一緒に逃げても大丈夫だから」
本音がばれたマクシオンが驚いた顔でレンシアを眺める。
「あなたは一番先にうちの家族のことを考えたでしょう?」
レンシアは明快に唇を曲げた。
カリオド家に居場所がバレたマクシオン。
彼はルイーゼとレンシアのために去ることを選んだのですね・・・。