残された余命を楽しんでいただけなのに

残された余命を楽しんでいただけなのに【56話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「残された余命を楽しんでいただけなのに」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【残された余命を楽しんでいただけなのに】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「残された余命を楽しんでいただけなのに」を紹介させていただきます。 ネタバレ満...

 




 

56話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 皇女の誕生日

王合同会議。

ビロティアン帝国において「王」の地位を授かった7人の王が一堂に会して行う会議。

短ければ3日、長ければ1ヶ月近くに及ぶこの会議は3年に一度開かれ、皇帝と皇后を含めた計9人が出席する会議だった。

ロンが口を開く。

「会議はこれで終わりにする。」

7人の王たちはグラスを持ち上げた。

『もう?』

『なんか変だ。』

実際に王合同会議を主導していたのは、皇帝ではなく皇后だった。

皇帝は皇后が思う存分に自分の考えを展開できるように、しっかりとした後ろ盾を提供する人に近かった。

ところが今日は、皇帝自らが出てきて王合同会議を終結させた。

7人の王の視線がセレナに向けられた。

セレナはにっこり微笑んで言った。

「そうですね。今日はこれくらいにしておきましょう。」

7人の王は直感した。

『何か大きなことがあるようだな。』

『我々にも秘密で進めなければならない事があるということか?』

彼らの頭は一斉に素早く回転し始めた。

皇宮と7人の王は大陸で最も堅固な結束を誇る同盟だった。

彼らの間には秘密はなかった。

そうすべきだった。

7人の王のうちの一人、ラヘルラが慎重に手を挙げた。

「私たちも知っておくべきだと思います。」

皆も同じ考えだった。

セレナが答えた。

「もうすぐある日程は、陛下が指折り数えて待っている日なんです。」

「え?」

皇帝が指折り数えて待つ日? それって一体何だ?

剣術に関連する啓示を得るのに有利なマナの流れでもある日なのか。

「そして最も疲れを感じて休みたくなる日でもあります。」

「一体それは何なのですか?」

ロンが席を立った。

「やめろ。」

ビルロティアン帝国の力は非常に強大だったが、ロンが統治するビルロティアンはさらに強大だった。

そのため、ロンの言葉に異議を唱えられる者はいなかった。

ロンはまず神経質な態度で会議場を後にした。

セレナが後に続きながら言った。

「陛下が恥ずかしがっていらっしゃるんです。もうすぐ皇女様のお誕生日ですから。」

セレナが退出した後、7人の王はそれぞれの考えを交わした。

7人の王の一人、ラヘルラが口を開いた。

「皇女の誕生日。それが何を意味するのだろうか?」

「そうですね。もしかしたら陛下が下す詩的な啓示のようなものかもしれません。」

皇女の誕生日。

それがキーワードになるだろう。

大陸で最も優れた戦略家であり、知略家である外交官セレナが、何らかのメッセージを残したようだった。

ラヘルラが顎を撫でながら言った。

「その意味を解釈して真意を見極めよ。その程度の意味でしょうか。」

「その意味を見極めた者が、今後有利な立場を手に入れられるはずです。」

もちろん、それだけではなかった。

皇帝と皇后は、本当に皇女の誕生日を祝うために、今日の王合同会議を早々に終わらせたのだった。

「次の会議では詳しく話しましょう。」

「ええ、そうしましょう。」

ラヘルラは静かに歩きながら、深く考えに沈んだ。

皇后の真意を最初に見抜く者が、皇宮の目に留まることができるかもしれないと考えながら。

一方、皇帝と皇后は動きやすい普段着に着替えていた。

セレナが「ホホッ!」と笑い声をあげた。

「楽な服に着替えたけど、どう?」

「それが楽な服なんですか?」

さっきと色が違うだけで、今その服は国務会議の時に着る礼服だった。

「とても楽な服じゃない?」

「そうね。あなたが楽ならそれでいいわ。」

娘の誕生日だから、もっと格好よく見せたいのだろう。

その言葉を言うのがあまりに恥ずかしかったのか、口に出すことはなかった。

セレナは侍女たちの助けを借りて、より軽やかな素材のドレスに着替えた。

淡い空色のドレスは派手ではなく、控えめだった。

セレナが手を差し出した。

「では、私の手を取っていただけますか、陛下?」

指輪ひとつつけていないその手は、派手さはなかったが、無垢で繊細で美しかった。

少なくともロンの目にはそう見えた。

ロンはその手を取った。

そして今日もまた、熱いときめきを感じた。

妻と共に過ごす毎日は、常に心躍るものだった。

「行こう。」

二人は娘のいるアレナ宮へと向かう。

アレナ宮では、ビアトンとルルカ、そしてユリが先に到着して待っていた。

ビアトンは「遅いじゃないですか、陛下」とふくれていたが、ユリは手作りの生クリームと桃のケーキを持って立っていた。

ロンはビアトンの礼儀知らずさを咎めようとしたが、すでに事が終わった後だったため、はっきりとは言えなかった。

ルルカが小さく言った。

「ドアを開けます。」

ドアが開いた。

セレナがぱっと笑顔を見せながらイサベルの部屋に入ってきた。

「サプラーイズ!お誕生日おめでとう、うちの娘、寝てた?」

ほのかな常夜灯だけがついている状態。

ロンはその静かな印象にじんときた。

その目にキムボルクルが見えたからだった。

キムボルクルはイサベルの胸に抱かれているだけでなく、イサベルにキスをしている最中だった。

「お前、オスじゃなかったのか?」

キムボルクルは、ビロティアンの皇帝の前でも一切物怖じしなかった。

キムボルクルは今日も堂々としていて自信に満ちていた。

「[私が可愛いのって、何か問題?]」

実のところ、キムボルクルは規則正しい生活リズムを持った動物であり、夜10時になると自然と眠りに落ちる時間だった。

今日もキムボルクルは「ブンブン」という音を立てながら眠っていた。

イサベルは、そんなキムボルクルがあまりにも可愛くて「きゃー!可愛い!」と叫びながらキスをしようとしていたところだった。

でも、横から見れば、キムボルクルはキスをされるというよりも、いたずらされているようにしか見えなかった。

父親の目には、それがまるで無邪気な野生動物が不意にキスを奪おうとしているように見えたのだ。

【悔しいのか?】

堂々たるキムボルクルは両足でバランスを取りながら立ち上がり、深く息を吸って胸を大きく膨らませた。

小さいとはいえ、今この瞬間、キムボルクルは世界で最も偉大で堂々たるキムボルクルだった。

【悔しいなら、お前もかわいらしくなれば?】

イサベルは慌てて席から立ち上がった。

「キムボルクル、ダメ!陛下に向かってそんなことを言うなんて何なの?」

いくら金蜂蜜でも、皇帝にそんな言葉を浴びせるなんて…

セレナがにこっと笑って言った。

「大丈夫よ。今は皇帝と皇后があなたの部屋に来たってことじゃない?」

セレナの後ろで、小さな花火がパチパチと弾けた。

イサベルはその花火にまた胸が高鳴り始めた。

その花火はビアトンが打ち上げた花火だった。

北棟に隠れていたビアトンが魔法で花火を打ち上げ、そのあとを追ってユリが手作りの生クリーム桃ケーキを持ってきた。

「お誕生日おめでとう〜ございます。」

ビアトンが歌を歌い始めたが、イサベルはその姿にさえも見惚れて、思わずこう言った。

『なに、あの先生、なんで歌まで上手なの?』

ほんの一節を歌っただけなのに、その歌声は本当に甘くて優しかった。

ビアトンがあんなに歌が上手いなんて知らなかったし、「ハッピーバースデー」の歌がこんなにも感動的だなんて初めて知った。

バースデーソングが終わると、ユリが生クリーム桃ケーキを差し出した。

「口に合うか分かりませんけど。」

ろうそくの火に照らされたユリの顔がほんのりと赤らんだ。

イサベルがぱっと笑いながら尋ねた。

「でも、今日は王合同会議がある日じゃないんですか?」

「ひとまず終わったわ。」

セレナがとても小さな声で答えた。

「娘に会いたくて早く切り上げたの。娘にかっこよく見られたくて、かっこつけた礼服まで着てきたわよ。だからこのかっこつけたパパをちょっと見逃してあげて。」

「皇后!」

「はい?」

ロンの顔が少し赤くなった。

自分の気持ちをあまりにも正確に言い当てたセレナに、少し恥ずかしさを覚えたが、その気持ちを表に出すことはなかった。

「どうしたのですか?」

「いえ、なんでもありません。」

ロンはイサベルに向かって言った。

「願いごとをして、息を吹きかけなさい。」

「わかりました!」

手作りの桃の生クリームケーキの上には、薄いピンク色の魔法の炎がちらちらと輝いていた。

イサベルが「ふーっ」と息を吹きかけると、魔法の炎がまるでロウソクの火が消えるかのようにスーッと消えていった。

 



 

 

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