こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
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又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

344話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 昼と夜②
王妃が帰還した夏が過ぎ、再び夏が訪れた。
燦然たる陽光が木々の間から差し込み、様々な緑の光を放つ草木が宮殿の庭園を鮮やかに彩っていた。
建国祭が近づいていた。
ネルゲンの王宮には、夏の躍動感が満ち溢れていた。
建国祭のたびに国中が盛り上がるが、今年はさらにそうだった。
宮殿のあちこちに青い麦で作ったリースが飾られ、それ以外にも数多くの花やリボンで飾られた装飾が目に飛び込んでくる。
宮殿の回廊や庭園の新しい装飾が目を引き、心が浮き立つようだった。
私は執務室の窓から外を眺めるよりも、微笑んでいるノマに視線を移した。
「ノマ、結婚式の準備は順調か? お客様の訪問は?」
私が戻って1年が過ぎた。
ブランシュはもう16歳になり、結婚式を控えていた!
1年は慌ただしく過ぎていった。
一般人の結婚式でさえ準備には時間がかかるが、王族の結婚式はなおさらだった。
何年もかかることもあるが、1年間の懸命な準備で建国祭までに間に合わせることができた。
ノマは手にしていた書類を私に差し出しす
「お客様が滞在する場所はすべて確認済みです。不便がないよう、種族ごとの特徴に合わせて準備しております。」
「ありがとう。やっぱり、私が選んだ執事は優秀だね。」
「過分なお言葉です。」
結婚式の準備をする1年間、数多くのことがあった。
まずノマが私の執事となった。
彼女は今、パンツスーツを着て、厚底の靴を履いていた。
そのせいで背がさらに高く見えた。
本当に素晴らしい男性陣が並んでも引けを取らないだろう。
以前、誰かが彼女の身長について言及すると、ノマはこう答えた。
『どういう問題ですか?エルフたちは私よりずっと背が高いですが、何も気にせず歩いているではありませんか。グンヒルド様だって、自分の身長なんて気にしていないでしょう。』
異種族との交流もまた順調に進んでいた。
現在、宮殿には各種族の使節団が集まっていた。
お互いの文化を学びながら滞在しているのだ。
「クララとも久しぶりに会うね。元気にしてるかしら?」
「ええ。衣装室が繁盛しているみたいです。」
クララに頻繁に会えないのは少し寂しかったが、彼女が夢を叶えたことは祝福するべきことだった。
彼女は侍女の仕事から引退した後、自身の技術を活かして、自分だけの衣装室を開業した。
ランジェリー専門店として。
当時、その決断は非常に波紋を呼んだ。
他人ではなく貴族の令嬢が下着を作り売るというのだから。
家中からも激しい反対を受け、結婚の申し出もすべて白紙になったと聞いている。
一人の婚約者候補と争った出来事は、数ヶ月が経った今でも人々の間で話題になっている。
【社交界にも出ない貴族のお嬢様が下着屋ですって、恥ずかしくないんですか?】
【恥ずかしいですか?本当に?では、下着をつけていないことを認めるということでしょうか?】
その件で話題となり、クララの評判は落ちたが、一方で宣伝効果は絶大だったようだ。
商売はむしろ順調に伸びているという。
クララ自身も満足している様子だった。
「クララから贈り物が届いておりますが、ご確認なさいますか?」
「ランジェリー?」
「はい、ランジェリーです。」
時折、クララは自作の下着を贈ってきた。
華やかなデザインのものもあれば、実用的なものもある。
彼女は多方面で研究を進めているようだった。
私はどちらも気に入っている。
「いいわ。では、ちょっと確認してみましょう・・・え?」
そのとき、外から急な足音が聞こえた。
まるでメスの猪が突進してくるような勢いのある足音だ。
駆け込んでくる音とともに扉が大きく開かれた。
「アビゲイル!」
「ナディア!」
ナディアが勢いよく扉を開けて駆け込んできた。
思わぬ侵入者の登場に、私も驚いて席を立つ。
彼女は再会の喜びで混乱し、私をがっしりと抱き上げた。
「アビゲイル!アビゲイル!会いたかった!こんなに久しぶりだなんて!仕事が忙しすぎて・・・」
「えっ、重くないですか?この姿だと体重が増えているはずですが!」
私は今、百合の姿をしている。
明らかに重たいはずだ。
しかし、ナディアは気にも留めずに、私を軽々と持ち上げてくるくると回った。
「大丈夫、全然重たくないわ。それに、アビゲイルが聞こえないほど重たいなんてことがあるわけないでしょう?それは私が弱いからで、もっと鍛えればいいだけ!」
ナディアは本当に何も気にせず、私を持ち上げていた。
それにしても、しばらく見ないうちに彼女の筋肉はさらに発達したようだ。
まあ、彼女が軍訓練を乗り越えてきたのだから、それなりの結果は想像できたことだ。
そうは言っても、彼女は軽々と私を持ち上げ、宙返りのような動きをして床に優しく下ろしてくれた。
「いやぁ、こんなに頻繁に会えないとわかってたら、王宮から出ないようにしてたわ。やることが多すぎるのよ。」
ナディアは少し不満げな表情を見せながら、私をぎゅっと抱きしめた。
その時、扉の方から控えめな声が聞こえた。
「ナディア様、どうか節度を守ってください。見るに耐えないほど恥ずかしいので、早く彼女を下ろしてください。」
そこにはカリンが立っていた。
彼女は以前会ったときとはまったく異なる雰囲気を醸し出していた。
煌びやかなアクセサリーを身に着けてはいたものの、インナーのような軽装を纏い、髪は短くカットされていた。
それは髪を乾かすのが面倒だからという理由だ。
「カリン、お久しぶりです。元気にしてましたか?会いたかったんですよ。」
そう言いながら、私は片腕を軽く振った。
すると、遠慮がちなカリンが突然駆け寄ってきて抱きついてきた。
「王妃様、私も会いたかったです。」
「あら、まだ子供なんだから。」
猫のように甘えた声を出すカリンが可愛らしかった。
私は笑顔でカリンをしっかり抱きしめる。
彼女からはナディアと同じような海の香りが漂っていた。
「中立地帯での生活はどう?外交官の仕事は大変じゃない?」
「ええ、何とか頑張っています。」
カリンもまた宮殿を去っていた。
アトランシアとの交流が始まると、人間と人魚が共に暮らせる中立地帯の設立が進められていた。
その過程で必要となったのが外交官だった。
アトランシア方面に派遣する人材を探していたところ、カリンが自ら志願してきたのだ。
『私はナディア様や殿下と長く過ごしてきたので、比較的彼らの文化をよく理解しています。それに、この国の代表としてふさわしい礼儀も身につけています。』
人々はカリンが若いことや、外交官としての経験がほとんどないことを理由に反対した。
しかし、カリンの性格上、彼女が一度決めたことに反対する人はいなかったし、ナディアもまた彼女を歓迎した。
こうしてカリンは海の国へと旅立った。
そして驚くべきことに、彼女は外交官としての仕事を見事にこなしている。
それでも私は心配だった。
カリンの顔色を注意深く見ながら問いかけた。
「それでも大変だと思うけど、本当に大丈夫?外国で生活するのは普通のことじゃないし、しかもそこは異種族の国なのに。」
カリンは泳ぐことを習ったこともなく、海の国で困難に直面していたと聞いていた。
まだ異種族間の差別が完全に消えたわけではない。
力がなく、体力的にも弱いカリンがその中で苦労しているという話もあった。
人魚族の目にどのように映るか想像しながらも、カリンは泰然としていた。
彼女は堂々とした顔で自分の立場を守った。
「私はカリンですからね。少しくらい大変でも問題ないですよ。それに、帰る家もないんですし。」
彼女は軽く冗談を交えたが、私は口を閉ざしたままじっと彼女を見つめた。
「カリンには帰る場所があるじゃないですか?」
カリンは戸惑いの表情を浮かべた。
そんな彼女を私は力強く抱きしめ、こう言った。
「このネルゲン王宮がカリンの家で、私はカリンの家族です。辛くなったら、いつでも戻ってきてください。」
私の友人であり、妹のような存在でもあるカリン。
彼女が家族から拒絶されるのなら、私は彼女の家族になりたいと思った。
カリンは何も言わず、ただ私の背中にしがみついた。
そして肩に顔を埋め、小さな声でこうつぶやいた。
「王妃様。本当に私を最後まで苦しめますね・・・。」
「えっ?何のこと?」
「はぁ・・・いえ、大丈夫です。もう慣れましたから。」
一体どういう意味だろう?
私はカリンを軽く抱いてから放してやった。
だが、場の空気が少し気まずくなった。
ナディアとカリンは口を閉ざしたまま視線だけを交わしていた。
どちらもなんとなく困惑した表情をしている。
そんな中、カリンが隣のナディアの脇腹を軽く突くと、ナディアが「コホン」とわざとらしく咳払いをした。
「えっと、アビゲイル?実は話があるんだ。」
「何の話?」
「私、カリンと付き合ってる。」








