継母だけど娘が可愛すぎる

継母だけど娘が可愛すぎる【359話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【継母だけど娘が可愛すぎる】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介とな...

 




 

359話 ネタバレ

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 正当な後継者②

大臣たちはようやく自分たちの命がブランシュに守られていたことを悟り、黙って頭を垂れた。

「……本当に申し訳ありません、殿下。」

「謝罪するのは私ではない。ブランシュにだ。」

「私たちは罪を犯しました、ブランシュ様。」

謝罪を受けて、ブランシュは戸惑った表情を浮かべた。

黒狸はまだ大臣たちを鋭く見つめていたが、次第にミラードに目を向けた。

「ミラード。」

「はい、殿下。」

小さな豚はどんな命令にも従うというように頭を垂れた。

セイブリアンが重々しく言った。

「この状況が収束した後、ブランシュの王位継承式を行おうと思う。準備を進めるように。」

その言葉に、すべての動物たちが驚き黒狸を見つめた。

ブランシュが慌てて口を開いた。

「お、お父様。継承式ですって?」

「その通りだ、ブランシュ。お前に王位を譲ろうと思う。」

「でも……あまりにも早すぎます。」

「早くはない。衝動的に決めたわけでもない。」

白いウサギがぷんぷんしながらブランシュの隣にやってきた。

その顔はいつの間にか穏やかに和らいでいた。

「実は、以前から2人で話し合っていたんです。ブランシュに王位をいつ譲るべきかって。」

ブランシュに王位を譲るとなると反発が大きいだろう。

まだセイブリアンは若い。

王座を退くには早いと誰もが言うだろう。

しかし、2人は知っていた。

ブランシュがどれだけ王になりたいと夢見てきたか、そしてその準備をどれだけ入念にしてきたか。

「私たちはブランシュの夢が叶うことを望んでいる。そして今がその適切な時だと考えている。」

「私はまだ勉強も足りませんし……」

「[私がそばでお前を支えるから心配するな。]」

2人がこうしてブランシュを王位に就かせようとしているのは、娘を守るためでもあった。

イベールが成長するにつれ、彼を王に推す者たちが増えるだろう。

それなら、ブランシュが王位に就き、自身の勢力を築いて基盤を固めるのが得策だった。

ブランシュは、良いとも嫌だとも言えず、ただ落ち着かない様子で小さな手をもじもじさせながら、ようやく口を開いた。

「……私は、お母さまとお父様がイベールに王位を譲るつもりだと思っていました。」

「[どうしてそう思ったのだ?]」

「私は……お母さまの実の娘ではありませんし、お父様も、私が生まれたときに喜んではいなかったから……。」

声が消え入るように小さくなった。

ブランシュは何とも言えない感情に襲われ、視線を合わせることができなかった。

その時、白いウサギがブランシュの膝を軽く叩いた。

まるで自分を見てほしいと言わんばかりに。

ブランシュは悲しい目でウサギを見下ろした。

「[ブランシュは私が母親ではないと思っていますか?]」

「いいえ!お母さまは間違いなく私の母親です!」

「[私も同じ気持ちだよ。一度もブランシュが私の実の娘でないと思ったことはない。]」

イベールを愛している。

しかし、それがブランシュを愛していないという意味にはならない。

ブランシュに出会った瞬間。

初めて会った時から、彼女を守りたいと思った。

彼女が幸せであってほしいと。

彼女が笑顔でいてほしいと願った。

「[ブランシュはいつだって私の愛おしい娘です。私の実の娘であり、イベールが生まれた後も、その事実は変わりません。]」

ブランシュの言葉に涙があふれそうになった。

白いウサギをしっかりと抱きしめると、暖かい体温が伝わってきた。

それは大きな慰めとなるぬくもりだった。

「[……君に初めて会ったとき、どうやって愛すればいいのか分からなかった。]」

隣で黒いカラスの声が聞こえてきた。

その声には深い後悔と悔恨の気持ちが込められているようだった。

「[ブランシュ、私は君に大きな過ちを犯した。君に罪を多く背負わせたのに、それでも私は君から多くのものをもらった。]」

「え?私が何かを差し上げたんですか……?」

「[そうだとも。私を父と呼んでくれて、そして君が私に愛を教えてくれた。]」

ブランシュ、そしてリリのおかげで、セイブリアンは長い孤独から抜け出すことができた。

誰も愛せないと思っていた。

そしてどんな幸福も感じることなく、冷たい玉座に座り続けることになると思っていたのだ。

「[ブランシュ、君を愛することで、私は愛し方を学んだんだ。もし君がいなければ、私はイベールを愛することができなかっただろう。]」

再びセイブリアンは罪を犯していたかもしれないことが明らかになった。

我が子を自分の子としてではなく、義務の結果としてしか見ていなかったに過ぎなかったのだ。

そんな悲劇を防いだのはブランシュだった。

黒いカラスが近寄り、ブランシュの手をしっかりと握った。

その手は柔らかく、温かかった。

「[すべては君のおかげだ。君を愛しているよ、ブランシュ。君が私たちの娘でいてくれて、本当に感謝しているし、幸せだ。]」

それまでブランシュを縛り付けていた重圧が、ようやく解けたように感じられた。

ブランシュはしばらく何も言わず、白いウサギと黒いカラスをしっかりと抱きしめた。

「[ああ、私の娘。私の娘は世界一可愛いんだ。]」

白いウサギがブランシュの頬にキスをすると、その温もりと感動にブランシュは涙をこぼした。

「えっと、もしイベールが王になりたいと言ったらどうするんですか?」

「[その時は、公正に王位を争うべきだな。果たして私の娘に勝てるかどうかは分からないけど。]」

その言葉に、ブランシュの顔が明るくなった。

腕の中で白いウサギと黒いカラスの体温がとても温かく感じられた。

隣でその様子を物悲しそうに見ていた高棘鳥が、棘を抜きながらちょこちょことその場に近寄ってきた。

ブランシュの小さな笑い声が周囲に柔らかく響いた。

イベールの魔法は、ブランシュの迅速な対処のおかげで、日が沈む前に跡形もなく消え去った。

数日後、魔法が完全に解けたホールは、以前のように戻っていた。

その日は、広々とした天井にまで陽の光が差し込むほど明るい日だった。

「荘厳な日にはぴったりの天気ですね。」

人間の姿に戻ったミラードが、隣にいたノマに小声で囁いた。

彼女は微笑みながら頷いた。

「ええ、本当にそうですね。」

ノマやミラードをはじめ、多くの人々がホールに集まっていた。

その間を長く伸びた赤いカーペットが通っていた。

その先には玉座があった。

セイブリアンは玉座に座りながら、何かを待っているようだった。

少しして、扉が開いた。

玉座の隣に座っていたリリィが中に入ってきた人を見て明るく微笑んだ。

ブランシュは長いマントを引きながら入場してきた。

その姿はセイブリアンが纏っていたマントとそっくりだった。

ブランシュはゆっくりと歩き、セイブリアンの前に立ち止まって彼をじっと見つめた。

青い瞳を持つ王が無言で視線を交わす。

セイブリアンが頷くと、ブランシュは片膝をつき跪いた。

セイブリアンは自らの頭に載せていた王冠を外し、ブランシュの頭に置いた。

白金で作られたその王冠は、漆黒の髪の上で星のように輝いた。

セイブリアンは威厳ある声で言った。

「私は、ネレゲン王国の国王セイブリアン・フリードキンである。ここに、ネレゲン統一王国を帝国と格上げし、その国号をネレゲン帝国とすることを宣言する。また、ネレゲン王国の第一王位継承者であるブランシュ・フリードキンを統一帝国の初代皇帝に推戴する。」

セイブリアンは白金で作られた王笏を差し出した。

それは予想以上に重厚であったが、ブランシュはしっかりとそれを受け取った。

彼女は王冠の重さも、王位の権威も、すべてを受け入れる準備ができていた。

セイブリアンはその姿を見てほほ笑み、腰を折り、丁寧に挨拶を捧げた。

「ネレゲンの初代皇帝、ブランシュ・フリードキン陛下に敬意を表します。」

「ブランシュ陛下に敬意を表します。陛下への忠誠を誓います!」

人々が一斉に新たな皇帝を称賛した。

イベールもまた姉の懐に抱かれながら幸せそうに笑っていた。

「ブランシュ陛下。」

あまりに親しげな声が聞こえた。

振り返ると、ベリテがさらに幸せそうな顔でブランシュのそばに立っていた。

「陛下の後ろを守り、陛下の進む道に栄光をもたらすお役目をいただけますか?」

恭しく頭を垂れるベリテを見つめながら、ブランシュも挨拶を返した。

その瞳は青い幸福感で満ちていた。

「もちろんです、オベロン。永遠に私のそばにいてください。」

その言葉に応じて、リリィも席を立ち、微笑みながら王冠を脱ぎ、ベリテの頭上にそっと置いた。

「ブランシュ皇帝陛下、万歳! オベロン皇后、万歳!」

人々は声を張り上げて、新たな皇帝と皇后を歓迎した。

大臣たちもまた、心からブランシュを称えていた。

ブランシュは感動に満ちた表情で周囲を見渡した。

セイブリアン、リリィ、ベリテ……。

そして、自分を支えてくれる多くの人々。

自分の力を疑うことなく、自分を信じてくれる人々。

後の世で、ブランシュ・フリードキンという名前が歴史において高く評価される未来を誰もが知らないながらも、すべての人々がその未来を確信しているかのようだった。

ブランシュは日差しの中で微笑んでいた。

 



 

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