こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

109話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 日常③
雪は美しいが、厳しいものだった。
デビナはその冷たさを最も強く感じたのは、最初の城壁の収容所に通ったときだった。
王妃の慈悲深さに感激する人々を前にして、一時的に罪悪感と後ろめたさを覚えた。
収容所に来るときに使用する、質素な馬車に乗って帰る途中、彼女はぼんやりと窓の外を眺めながら、父親の手紙を思い出した。
その手紙はすでに焚き火で燃やして消えてしまったが、そこに書かれていた内容の衝撃は彼女の心に深く刻まれていた。
「クノー侯爵家で失われた娘……あの子が本当にそうだというの?」
手紙には明確にそう記されていた。
燃やす前に何度も読み返したので間違いない。
また、父親はこう伝えていた。
「今のところは魔法使いの城に最上級の宝石が渡ることを防いでいるが、永遠に秘密が守られることはないだろう。デビナ、これはお前の地位を守るための戦いになる。その地位を失ったら、お前にどんなことが起こるのか……言わなくてもわかるだろう。】
他の人々には理解できないことだろう。
ブリエル・セリデンが高貴な地位に就くことが、どうしてデビナにとって危険なことになるのか。
これを理解するためには、王妃の過去の行動を調べる必要があった。
彼女は馬車に乗るたびに、マキシミリアンとライサンダーを比較してきた。
そして、もしマキシミリアンが少しでも優れたものを持っていれば、必ずそれをライサンダーに渡していた。
衣装一つ、宝石の飾り、身分、そして婦人に至るまで。
もしマキシミリアンの夫人が実際の権力を受け継いだ「クノー候爵」であるという事実が明らかになった場合――
『……私は。』
もはや何も見ることはできなかった。
すぐに押し流されてしまうだろう。
大王妃は国を、いや大陸を探してでも、ブリエルよりも優れた新婦を見つけ、王妃の座に据えるだろう。
それができなければ、あえてブリエルを引きずり下ろしてでも、自分の息子にさらに良いものを与えるに違いない。
これまで常にそうしてきたように。
ところが、デビナはこのような場合、自分を守る手段として夫の愛情も、ましてや子供も持っていなかった。
ただ寵臣の庇護を好むライサンダーは、どういうわけか今まであえてブリエルと関係を結んでいなかったと公言しており、婚姻そのものを無効にする可能性もあった。
『それだけは……絶対にダメ。』
それは、この国の歴史においてデビナが王妃になる上で絶対的に避けられない課題だった。
突然、身分が明らかになりデビナを危険にさらすようなことは起こらないはずだ。
『待って、それは……まだ起きていないことだよね? 誰も知らない、アの女が侯爵家の娘だなんて誰も知らないんだ! ましてや……』
デビナはこめかみを軽く押さえた。
『しかも、アの女は自己喪失状態……!』
現在その情報を知っているのは、領地にいる継母と彼女自身だけ。
父親と通信を取る魔法使いもこの事実を知っているかもしれないが、あの宝石好きや噂好きの連中が、これを話のネタにすることはないだろう。
そして仮に話したとしても、それは意味のないことだ。
『……ブリエル・セリデンが死んだ後なら、何の騒ぎにもならないことよ。』
死者には力はない。
爵位を継ぐことも、子供を産むこともできないのだから。
『子供。』
ブリエルは軽く額に手を当てた。少し前に聞いた知らせが再び彼女の心を乱したのだ。
『ブリエル・セリデンが王室の子孫を得た。』
この知らせが伝わった後、デビナはまだ大王妃に会えていなかった。
いや、実際には、わざと忙しいふりをして避けてきたのだ。
大王妃は明らかに、自分の最愛の息子であるマクシミリアンよりも『遅れて』子供を得たという事実に激怒しているだろうから。
『この問題も馬鹿げている。まだ子供が生まれたわけじゃないのに……?』
何よりも、ブリエルの本当の血筋が何であれ、彼女が庶子だというのは明らかだった。
その事実を考えれば、子供の父親が必ずしもマクシミリアンであるとは限らないのでは?
「アあ?」
こういうのを、運命というのだろうか?
ちょうど窓越しにブリエルが見えた。
最初の城壁に一人の母親がいるという話だったので、妊娠の知らせを伝えに来たのだろう。
もしかしてマクシミリアンも一緒かと思ったが……
しかし彼女の前に駆け寄った男性は、驚くことにマクシミリアンではなかった。
きちんとした服装をした若い男性は、腕の中に赤ん坊を抱いていた。
その後、ブリエルがその赤ん坊を受け取り、慣れた様子であやしながら、その男性と向き合い微笑んだ。
とても幸せそうだった。
通り過ぎる人々も思わず振り返るほどの光景だった。
「……」
デビナは馬車が完全に彼らを通り過ぎるまで、その姿を目で追っていた。
今このような場面を目撃したのは、本当に偶然と言えるのだろうか?
しかし、デビナは頭を横に振った。
これは神が授けてくださった「答え」。
デビナは自分の服をしっかりと握りしめた。
過去に戻ることはできないが、未来はまだ守ることができた。
そのための理由さえも得た今、もう迷う理由はなかった。
「本当に、ハリー!」
ブリエルは赤ん坊を抱き、親しい友人と何度も顔を見合わせながら言った。
「あなたの赤ん坊がどうしてこんなに可愛いの?いつも言うけど、ノラは女神のように輝いているからね。」
ノラは、かつてダリントン伯爵家で働いていた一人の侍女で、ブリエルと特に親しい友人だった。
ハリーとノラは伯爵家を離れた後、自然にお互いを頼るようになり、今では深く愛し合う夫婦となっていた。
「わかるかい、うちの娘は私の妻に似てとても可愛いだろう。はぁ……誰であれ私の娘と結婚しようなんて奴は全員殺してやる。」
「まぁ、それはちょっと過激すぎない?」
「父親ってのはみんな同じさ!うちの姫様は永遠にパパと一緒に暮らすんだ、いいね?」
ハリーはブリエルの手から可愛い娘を受け取ると、大事そうに抱きかかえて優しく揺らした。
「うーん……お父さんたちってみんなそんな感じなの?」
ブリエルは母親の家の玄関の扉を開けながら問いかけた。
今日はハリーがウッズ夫人に初めて娘を自慢しに行く予定の日であり、ブリエルは先に到着して彼を出迎えていた。
「どんな奴でも私の娘の手を握ろうとする奴がいたら、その手をすぐに叩き落として喰ってやる!」
「侯爵様も……そんなことをなさるんですか?」
「もちろんだとも。どうして? 小さな嬢ちゃんにボーイフレンドでもいるっていうのかい?」
物語の主人公がクラリスだという点をハリーは理解したようだ。
「うーん、それは違うけど。クラリスの親しい友人の話をするとき、時々表情が変わる気がするから。」
「世紀の美人を娘に持つ父親として、私は確信を持って言えるんだ。」
ハリーはくすぐるように笑う子どもをあやしながら答えた。
「正直言って、10代の男たち……いや、何歳だろうと信じられない!みんなろくでもない奴らさ!」
「え?」
「だから、君の侯爵様はきっとこう思ってるはずだよ。」
ハリーはしれっと肩をすくめ、やや声を張り上げた。
「むしろ、この父親と永遠に楽しく暮らそうじゃないか……!」
永遠に、長い間。
それがハリーの選んだ言葉だが、それが彼らの事情と噛み合っていないことは、ブリエルも感じ取っていた。
子どもがまた何かを口ずさんだ。
「私たちの姫様も一生お父様と一緒に暮らしますよね?そうですよね?ああ、本当に!こんなに可愛らしいお嬢さんが、この険しい世界でどうやって生きていくのか……?」
しかし、娘にすっかり心を奪われたハリーの瞳は……。
クラリスを心配するマクシミリアンの瞳と少しも違わなかった。
「……ああ、それから。」
ブリエルは何か思い出したかのように話題を変えた。
「また質問?何でも聞いてみて。」
「子どもが高価な贈り物を受け取ったら、一度くらい訪問して挨拶するのが……礼儀ですよね?」
クラリスはついに堪えきれず声を荒げた。
「煩わしいことはやめてください!本当に嫌です!」
すると、小さく震えていたエイビントンは「……嫌なの?」とつぶやいた後、突然その場を逃げ出してしまった。
後で聞いた話では、彼はホールを通り過ぎ、自分の部屋に戻ったということだ。
その後、少しの間静かに過ごし、ふとクラリスが座っていた席を見ると、そこに石が一つ置かれていた。
特別な石ではなく、ただの普通の小石のようだったが、手で触れてみると暖かさが感じられた。
「少し前にアビントンが置いていったんです。」
向かいに座っていた試験生の一人が「私も同じものをもらいました。」と言いながら硬い小石を見せてくれた。
「冬場にペンを長時間持っていると指先が冷たくなるので、司祭様にお願いして準備していただいたものだそうです。」
「本当に受験生代表みたいなことをしてるんですよ。」
周りを見渡すと、他の受験生たちもそれぞれ一つずつ石を手にしていた。
「ああ。」
クラリスはその石を触ってみながら、少し前にエビントンと交わした会話を思い出す
「グレジェカイアの羊だよ!自習室の席に……」
その後はもう何も聞かず、怒りを爆発させてしまった。
おそらく彼は石を置いていく話をしようとしていたのだろう。
「うーん。」
クラリスはため息をつく。
少し時間が経ってから、クラリスはエビントンに謝ることにした。
怠惰だったのは事実だが、だからといって話も聞かずに怒鳴り声をあげるのは公平ではなかった気がしたのだ。
「少女が石に弱い点を利用するなんて。」
「はい、やっぱり意地悪なやつですね。」
「無駄に謝罪したら、もっと記憶に残るだけですよ。そんな時はどうしたらいいんですか?」
ノアとバレンタインはぶつぶつ言いながらもクラリスについてきた。
そして彼ら以外にも同行者がいた。
「とにかく、今日のエビントンに悪意がなかったのは事実です。」
ユジンだった。
クラリスがエビントンに謝りに行くと言うと、彼女も一緒に行くと言って先に進んだ。
「マクレッドさんは何のためについて来るんですか?」
「借りを作るのが嫌いなだけです。」
そう言う彼女の手には温かそうな包みが一つあった。
感謝の気持ちを伝えるためのもののようだ。
エビントンの部屋の前に到着した彼らはドアをノックした。
しかし、いくら待っても返事はなかった。
「どこに行ったんだ?」
クラリスが小声で言うと、後ろから誰かの手が突然飛び出してドアノブを掴んだ。
「確認すればいいだけだ。」
それはバレンタインだった。
「ちょっと待ってください、王子様!」
クラリスが止める間もなく、バレンタインはドアを開けた。
「部屋にいなければ鍵がかかっているはず…あれ、開いてる?」
彼はためらいもなくドアを開けてしまった。
「え、ほんとに?すみません、ベルビル…えっと?」
ドアを無造作に開けたことを謝ろうとしたクラリスは、その場で固まってしまった。
なぜなら…。
エビントンが床の真ん中で倒れて微動だにしなかったからだ。
驚いてそれを見つめることしかできなかったその瞬間。
バレンタインが慎重にクラリスに問いかけた。
「まさか……君、彼を蹴ったの?」
「蹴ってません!」
そう答えたクラリスはすぐに彼のもとへ駆け寄り、状態を確認した。
「熱がすごく高いです。」
「震えていたのは風邪が原因だったのか。」
ユジンも近づき、彼の額に手を当てて深く息をついた。
「とりあえずベッドに移動させましょう。」
クラリスが彼を抱き起こそうとしたその瞬間、ノアが魔法を使ってエビントンを宙に浮かせ、ベッドへと無事に移動させた。
その間にユジンは医療担当者を呼びに外へ行き、ノアは手早く彼の額に冷たい手を当ててあげた。
熱い頭に当たる冷気が心地よかったのか、少し意識を取り戻したエビントンは、薄く笑いながらノアの手をしきりに掴もうとした。
「掴んだら本当に殺しますよ。」
ノアが冷たい声で警告するその瞬間、エビントンは全身を震わせながら力なく横たわっていた。
ノアは彼の眼鏡を外して、近くの机にそっと置いた。
間もなく医師が到着し、彼らは一旦その場を下がった。
「どうやら最近、司祭たちの間で流行していた風邪のようですね。皆さんも感染する可能性があるので、気を付けた方が良いでしょう。」
最近突然降った雪を処理する中で、風邪にかかった人が続出していたようだった。
エビントンは試験生代表として司祭たちに会いに行っていたため、そこで感染したらしい。
「完治するまでどのくらいかかりますか?」
「おそらく1週間程度です。ともかく、皆さんもここに長く留まらないようにしてください。」
医師は他の司祭たちの診察に向かう必要があると言い、慌ただしく去って行った。
「体調が悪いなら、助けを求めれば良かったのに。なぜ一人で部屋でじっとしていたんだろう。」
クラリスはなぜか申し訳ない気持ちで、そわそわと落ち着かない様子だった。
「弱音を吐いたらいけないと考えていたのでしょうか。いずれにせよ、試験生代表という立場に異常なほど執着しているようですね。」
「執着もほどほどにしないと。」
ユジンの話にバレンタインが肩をすくめながら軽くため息をついた。
「目が覚めたみたいですね。」
ノアの言葉に、全員がベッドの近くへ急いだ。
ゆっくりと体を起こしたエビントンは、少し困惑した顔で周囲を見回すだけだった。
クラリスは、エビントンが少し感動しているのではないかと考えた。
これほど具合が悪く、体調が優れないときに、誰かがそばで見守ってくれると感動するものだからだ。
クラリス自身も幼いころ、公爵夫人が手厚く看病してくれたことを知ったとき、非常に感動したのだから。
だから彼が今までの過剰な行動を反省して誠実な友達になろうとするのか…。
「やっぱり自分はダメなんだな…。はぁ。」
「とりあえず寝てください。」
クラリスは深く息を吐きながら、彼の肩を軽く押して再びベッドに横たえさせた。
「こんなに具合が悪いなら、少し前に相談してくれればよかったのに。」
彼女が毛布を喉元までかけてあげながら言うと、彼は目を潤ませながら慎重に答えた。
「……嫌われてるからですよね?」
「もちろんです。ベルビルさんも私のこと嫌いじゃないですか。」
彼は少し驚いた様子で慎重に聞き返した。
「えっ、どうして……?本当に突き放そうと思ったのに……。」
なんだ、これは本気で喧嘩を売っているのか?
だが、熱に浮かされて意味不明なことを口走る彼を見て、クラリスが得たのはただの呆れだった。
「そんなに嫌いなら、なんでいつも友達になりたがるんですか?」
「それは……。」
彼は熱でぼんやりした顔で答えた。
「王室に良く見られるために。」
「……私が王室の支援を受けているからですか?」
「ええ。」
「はい、わかりました。全部治してしまいましょうね。」
クラリスは彼が完全に回復したら、重要な事実を教えてあげようと思った。
彼と友達になるからといって、王室が特別にベルビルをよく見てくれるわけではないということを。
つまり、彼の努力は無駄だということだ。
「いつか本当に……後悔する……。」
「……言うのはやめよう。ああ、わかったよ。」
クラリスは無意識に力が入った拳を背中で握りしめながら微笑んだ。
いずれにせよ、彼が友達として接してきたときよりも、今の方がはるかに扱いやすくて良かった。
「……倒れるでしょう。」
最後にそんなことを呟いたエビントンは、すぐに眠りについた。
「一体何が問題なんだ?」
バレンタインの問いかけに、クラリスは肩をすくめることしかできなかった。
「とにかく、当分の間はちゃんとした食事を届けて、薬を飲ませる必要がありそうですね。」
皆、面倒くさそうな顔をしていたが、だからといって伝染病の患者を食堂へ行かせるわけにもいかず、仕方なく頷いた。
クラリスが先に手を挙げて言った。
「私とノアは週末に予定があるので、普段は届ける役目を引き受けるのが良さそうですね。」
「は?」
するとバレンタインが驚いて二人を交互に見つめた。
「じゃあ、俺には週末の予定がないと思ってるのか?」
「予定があるの?」
「いや、ない。」
「……。」
「でも、まずはどこへ行くのか聞くぐらいの礼儀は持つべきだろう。お前たち、一体どこへ行くつもりなんだ?」
「大したことではありません。ただクノー夫人に一度会いに行こうと思っているだけです。」
「もし必要なら、その日?」
それは、どうやら侯爵位の主が交代する記念の日に、その場所へ行くという意味のようだ。
しかし、幸いクラリスにはここで答えるための良い言い訳があった。
「夫人から呼ばれたんです。そして、今回は公爵夫人も一緒に参加される予定だと。」
ちょうど昨日届いた手紙には、ブリエルもまた侯爵夫人に感謝の意を伝えたいという話が書かれていた。
どのみち、どうせ二人が同じ席に出ることを回避しようとしていたクラリスには、これ以上ない好都合な出来事だった。
「公爵夫人がその日にそこに行かれるんですか?未来の新しい侯爵がとても喜びそうですね?」
新しい侯爵になる人が誰かは分からないが、『セシリアの第三の誕生日』に夫人を迎えるという公爵夫人の行動が軽率ではないだろう。
その部分については、ブリエルも悩んだのは明らかだった。
手紙には次のような言葉が添えられていたからだ。
「政治的な意図はないとおっしゃいました。何より夫人は三番目の城壁で『静かに』お過ごしになる予定だと。」
「ふん、まあ、それならいいだろう。」
バレンタインは素晴らしい髪を乱暴にかき回しながら言った。
「週末には俺がこの子たちと一緒に教会で食事を届けてやるさ。」
するとユジンが彼を静かに見つめながら尋ねた。
「王子様はなぜ私が週末に特別な予定がないと思うのですか?」
「予定があるとでも思っているのですか?」
「なんだ?君も予定があるのか?」
「いいえ、ありません。」
「……。」
「でも、まず相手に尋ねるという礼儀を守るのは重要なことです。」
そう答えながら、にっこりと微笑むユジンの顔は、なぜかバレンタインに似ているように見えた。
それにしても、二人とも背が高く、すっきりとしていて細長い体型も似ていて、どう見ても無関係ではないように感じられた。
『あれ?私、一体何を考えているんだろう。』
二人が似ているなんて、どう考えてもおかしい話だ。
そう考えると、ノアもまた彼らに似ていた。
三人とも、他の人たちよりも手足が長く、こうして並んでいると、とても堂々としていて格好良かった。
唯一、クラリスだけが平凡な人間であり、
『それは少し悲しいな。』
ちょうどエビントンが「話し声のせいで頭が痛い……」と呟いたため、彼らは静かにエビントンの部屋を出て、食事を届ける順番を決めた。







