公爵邸の囚われ王女様

公爵邸の囚われ王女様【38話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。

今回は38をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【公爵邸の囚われ王女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

38話 ネタバレ

公爵邸の囚われ王女様【37話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 今回は37話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • バレンタイン王子⑥

「私は囚人です」

「・・・え?」

「18で死刑になることにしたグレゼカイアの王女です」

クラリスは3日前にバレンタインに言ったことを思い出す。

その直後に彼が作った表情を忘れることができなかった。

驚きに耐えられず凍り付いたように見えた・・・。

もし彼が何度もそうだったように、険しいことを言う反応を見せていたら、むしろ良かっただろう。

「王子・・・様?」

さらにクラリスが不安そうな様子で呼んでいた瞬間には、席から飛び起きて部屋を飛び出してしまった。

まるで悪いものから逃げるように。

「悪いもの・・・そうだね」

飾りの花がついたボンネットをすっぽりかぶって、クラリスは落ち込んで首を落とす。

「王子様は高貴な方だしね。何の理由もなく囚人と親しく過ごす不名誉を得たくはないだろう」

そうやって考えながらも、クラリスは何となく未練が残った。

「・・・それでも三番目の城壁の中には子供が一人もいないようだけど」

ここは子供はバレンタイン一人だけ。

「王子様は・・・寂しくないように過ごされているのかな?」

彼に対する考えが自然に心配に広がり始めた時。

口ザリーはクラリスのあごに帽子のリボンを綺麗に結んで話しかけた。

「一昨日、公爵様と出かけて買ってきた新しい帽子がとてもよく似合いますね」

「シェリデンの毛皮の帽子がここではとても窮屈だろうと新しく支給してくれました」

「本も買ってくれましたよね?」

「はい、そして熟睡を助けるキリンクッションも支給してくれました。すごく大きいです」

クラリスの話によると彼女のスーツケースには、どうしても入ることができず、頭を高く上げたキリンの人形があった。

「パズルも五つも買ってくれたし、歌声がする箱も買ってくれました」

クラリスはその他にも、公爵が自分のために使った消費明細を考えていたところ、軽く泣きそうになる。

「恩恵がもっと大きくなってどうすればいいですか?私はその金額だけ、立派な18歳になれるでしょうか?」

これはかなり真剣な悩みだ。

しかし、クラリスは質問相手が間違っていることに気づいた。

「クラリス、この世の全ての18歳は誰でもその額よりずっと立派よ」

称賛王ロザリーの目には明らかにすべての18歳が素敵に見えるようだった。

今や使用人たちが訪ねてきて、クラリスの部屋に整理されたカバンを一つずつ持って出て行く。

馬車に乗せるため。

シェリデンに戻る馬車のことだ。

 



 

クラリスはいつの間にかシェリデン邸の人々がとても懐かしくなる。

しかし、実際に今日になると、どうして心が重くなり、クラリスはその理由をはっきりと知った。

バレンタインのためだった。

「しかし、私の方から消息を伝えるのもおかしいじゃないか」

彼の迷惑になるだろうから。

クラリスはロザリーの手を握って離宮の庭に出る。

すでに準備を終えた馬車が彼らを待っていた。

「別に王室から見送りに来た人はいないようですね」

クラリスの後ろからある兵士たちが小さな囁き声が聞こえてきた。

「何を気にするの?どうせうちの公爵はシェリデンの人なんだから」

「でも家族なのに迎えにも来ないし、見送りさえ・・・」.

「ほっとけ。どうせ公爵が来ようが来まいが、神経も使わない人たちだから」

クラリスは少し離れた場所から指示を出すマクシミリアンをそっと見た。

(もしかして、公爵様も・・・王室では一人ぼっちだったのだろうか?)

ダラリスは昔の自分のことを思い出す。

一人ぼっちはよくなかった。

ちょうどマクシミリアンのそばに公爵夫人が近づき、ある紙を出して見せた。

おそらく持っていく荷物のリストを一緒に持っていくようだ。

「もしかすると・・・」

クラリスはなぜか優しく見える2人の横顔を眺めながら、一つ悟ったことがあった。

(公爵夫人が公爵を寂しくないようにしてくれたんだ)

それはなんだかつるつるした砂利のように綺麗な言葉に感じられて、クラリスは心臓の片隅がくすぐったいようになった。

「いいな」

一瞬、自分でも知らないうちにこぼれた言葉にクラリスはびっくりしながら首を横に振る。

「私が何を考えているのか」

昔ならともかく、今はクラリスも寂しくないということでは優しかった。

馬車に全部入ることができず、首を外に出したキリンの人形だけを見ても確実ではないだろうか。

「私は一つも寂しくない」

クラリスはキリンが頭を突き出した馬車に先に入る。

ちょうど彼女には用事があった。

出発する前にキリンの首を馬車の中に引き入れることだ。

このまま馬車旅行をするなら、ずっと窓を開けておかなければならないだろうから。

綿がパンパンなキリンはベッドでは本当に暖かくて良かったが、このように持って動くと思うと手に負えなかった。

「うう・・・」

クラリスはキリンの胴体を抱きしめてくよくよしたが、頭がどこかに引っかかったように、なかなか馬車の中に入ってこない。

「まったく」

クラリスはもう少し力を入れて引っ張る。

すると、一瞬驚くほとど優しくキリンの頭が馬車の中にすっぽり入ってきた。

「あれ?」

びっくりしながら窓の外を見ると、紳士用の杖を高く持ったバレンタインが顔を丸めたままクラリスを眺めていた。

その杖の先にキリンの頭を押し込んだようだ。

「王子様!」

クラリスはびっくりして開いた窓から首を突き出す。

「あのおぞましいキリンを入れておいて、お前が飛び出してきたらどうするんだい?」

彼は斜めに立ったまま、少し笑う。

「私は・・・もう王子様に会えないと思いました」

「なんで?お前が罪人だから?」

クラリスは小さくうなずいた。

「笑わせるな。あなたは存在だけでもグレゼカイア王室の再建を主張できる。ところで、うちのサッパーズ王室があなたに対する監視を怠ると思う?」

「私を直接監視しに来たんですか?」

「まあ、そういうのもあるし」

彼は優しい金髪をかき回して笑った。

「考えてみたら君の言うことが正しいような気もして」

「え?」

クラリスが聞き返すと、彼は久しぶりに作った素敵な笑顔を再び普段の歪んだものに変えた。

「もう忘れたの?あなたは馬鹿なの?」

「私は馬鹿ではありません。強いて言えば立派な18歳になる材木です」

「立派な18歳がどうなるかは知っている?」

 



 

それはクラリスが色々悩んでいたテーマの一つ。

一体「誰が見ても立派な18歳」はどうすればできるんだろうと。

彼女が悩んでいることが分かったのか、バレンタインは気前よく答えてくれた。

「公務告示という試験がある」

「公務告示?」

「そうだね。そこで1位になれば、新聞に名前が出て、どこでも立派な人だと褒め称えてくれるよ」

「素敵ですね!」

「当然のことだよ。各種学問と芸術、そして歴史まですべて試験の対象になるからだ」

「とても賢くなければなりませんね・・・」

「そうだよ。とても明晰な人だけが・・・」

彼はしばらく何かを悩んでいるかのように自分の唇をかんだ。

なゼか苦しんでいるように見えたりもする。

「だから、私は勉強する。一人でも・・・そしてその後は・・・」

彼は何かを固く決心した顔で頭を上げ、そばを振り向いた。

いつの間にか近づいてきたマクシミリアンがそこにいた。

「私の目であなたがどんな人なのか判断してあげる!」

王子の突然の宣言にもかかわらず、マクシミリアンはただ落ち着いた視線を送るだけだった。

「そして、もしあなたが本当に酷い人間だったら、そっとしておかない。私は・・・王室の安定のために生まれたから」

マクシミリアンの話を終えた後、彼はクラリスを振り返った。

「あなたも同じだよ!」

「は、はい?」

「覚えておけよ。君がおとなしくしているのか、私が必ず両目を開けて監視してやるから」

「それは・・・」

クラリスは馬車の窓から身をかがめたまま澄んだ声で答える。

「王子様がシェリデンに遊びに来るということですか!?」

「遊びに行くなんて!」

彼は大声を出してすぐにクラリスの言葉を訂正した。

「あくまでも監覗だ!それに・・・あ、あなたは他に友逹もいないから仕方ないね。同年代との交流は人格形成にすごい影響が・・・」

「私、友逹がいます」

「え?囚人に友逹がいるって?誰だ!?」

「ノアだよ」

クラリスがその名前を話した瞬間、なぜかバレンタインは眉間をひそめる。

「・・・何だよ、すごく気持ち悪い名前じゃないか」

「今度シェリデンにいらしたら、ぜひご紹介します。きっと王子様もノアが好きになると思います」

「どうして生理的なレベルで不快感を感じるんだろう?」

彼は素早く首を横に振る。

冬の寒さを突き抜ける強い日差しが鮮やかなブロンドの上に落ち、彼が持つ美しさをより一層引き立たせた。

ここに優しい微笑が加わる瞬間に、クラリスは彼が持つ身分が「王子様」という事実を改めて思い出す。

「あなたに会えてよかった、クラリス」

「王子様・・・」

「まぁ、お母さまは、私の意見に、今度も賛成されないだろうけど」

彼はしばらく目を別の場所に向けたが、すぐに再びクラリスに向かってにっこりと笑った。

「少なくとも『私』はそう思う」

そう話すバレンタインは、なんだかとてもリラックスしているように見えた。

 



 

バレンタイン王子も何か吹っ切れたような様子ですね。

クラリスもシェリデンに戻りますが、いずれは王子と再会できるのでしょうか?

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