こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は43話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
43話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 家庭教師ロックハート④
翌日の授業。
クラリスは今日も自分の部屋でロックハート先生と向かい合った。
彼は「君のために昨日一日中調査したんだ」とグレゼカイアの実態調査というファイルを取り出す。
「ここにこの金額が見える?グレゼカイア王室が各地方から集めたものを金貨に換算したものだそうだ。現金はもちろん、作物、原石そして原料などがすべてここに含まれている」
クラリスは彼が指差す部分を素早く自分のノートに書き写した。
「そうだ、そしてこちらが各地域の総生産量を金貨に換算した表紙」
今回も熱心に書いていたクラリスはしばらくペンを止めて疑問を提起する。
「おかしいです。最初に見せてくださった金額の方が大きいです、先生」
「そうでしょ?では、ここで何がわかるかな?」
「あ、あ・・・」
熱心に悩んだ少女は、自分なりに考えた結果を慎重に話してみた。
「記録が間違っている?」
「ははは、そうかもしれないね。しかし、私はグレゼカイアの実態からみて、別に間違ってはいないと思う」
「しかし、生産したものよりも多くのお金を王室が持っていくことはできません、ロックハート先生」
「だよね?それで人々は王室に払う過度な税金のために個人の財産を全て出さなければならなかったんだ。普段使う食器までね」
クラリスはどう反応すればいいのか分からず、口を開けたままその衝撃的な話をじっと聞いてばかりいた。
「お金をまかなうことができず、子どもを産んで貴族の家に奴隷として売る人もいたという。そうしてこそ税金を払うことができるから」
「そ、それは・・・」
ひどいです。本当に残酷です。
クラリスはそう答えようとしたが、すぐに唇を噛んだ。
彼女自身が誰なのか思い出したのだ。
彼女は離宮にほとんど閉じこめられた生活をしていたとしても王女だった。
それは、民の苦しいことについて、「酷い」と言う資格がないという意味でもある。
「一部の貴族が主導したとはいえ、結局貪欲な王族のために起きたことだ。まさに「あなた」のことだ」
ロックハート先生が彼女の考えをそのまま口に出す。
クラリスは力なくうなずいた。
「私が・・・彼らに謝罪する道があるでしょうか?」
クラリスは残酷な顔を見つめながら注意深く尋ねる。
本心から出た質問だった。
「もちろんあるよ」
幸い返ってきた希望的な答えにクラリスは両瞳を輝かせ、ロックハート先生を見上げる。
「どうか私に知らせてください。ぜひ知りたいです!」
「そう、それはね。君が・・・」
ロックハートがにっこりと微笑んで話をしようとしたとき。
ロックハート先生の後頭部が「パチン!」という硬い音とともに飛んできた何かがロックハート先生の後頭部に突き剌さった。
「あっ!」
彼は頭を抱えたまま苦しみ、すぐに自分の頭を殴ったのを発見する。
赤みを帯びた小さな砂利だった。
「何が・・・」
ロックハートはこれを拾い上げたまま、ゆっくりと席を立ちながら周りを見回す。
すると、明らかに誰もいないと思っていた窓枠に、斜めに座っている少年を見つけた。
「何だ、あの変な仮面は?」
初めて見る奇怪な少年の姿に、ロックハートがしばらく立ち止まっている間。
「ノア、おとなしくしていると約束したじゃないか!」
彼の後ろからクラリスが飛び出してロックハートの腕をつかんだ。
「先生、大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
「あれは君の友逹なんだな。クラリス、そうだろう?」
「と、友逹です。でも、おとなしくしていると言ったのに・・・」
「おとなしくしていた」
ノアは窓枠から降りてくる時、図々しいほど堂々とした声で答える。
「先生が公務の告示に出題されない事項で、時間を引きずる時も十分我慢して聞いてくれる忍耐を発揮したではないか?」
「な、なんだと!?」
ノアの指摘にドキッとしたロックハートはかっと声を上げた。
「しかし、先生としての本分を忘れたことに対しては、恥を知れ」
「な、何を言っているんだ!?」
彼は怒りで赤くなった顔でノアを鋭くにらみつけ、すぐに自分を握っていたクラリスを荒々しく振り払う。
少女が床に押し出される間、ロックハートはノアの前に走って胸ぐらをつかんだ。
「この真っ青なやつが!?」
「私は幼いが、あなたが教師としてふさわしくないということは、ああ。それは個人の感情を爆発させることは難しいことだから理解できないことではないが」
「あなた今、何を言ってるんだ・・・こんな仮面でもかぶって!」
ロックハートはノアの胸ぐらをつかんで激しく振りながら叫んだ。
しかし、それもつかの間。
すぐにでも彼を殴りそうだったロックハートは無慈悲な行動を止め、その場に凍りつく。
「な、なに?」
クラリスはまだ地面に倒れたまま頭を上げて彼らを見た。
しかし、見えるのはロックハートの後ろ姿だけ。
「か、怪物・・・!」
震える声でそう言ったロックハートは、ノアの胸ぐらをめぐってさらに数歩後ろに下がった。
なゼか彼の指先が妙に震えているようだった。
「先生、大丈夫ですか!?」
クラリスがそのように尋ねた瞬間になって、彼はぱっと気がついたのか彼女の前に戻ってきてかっと声を上げる。
「あ、あなたなんて一生不幸に暮らすことになるだろう!殺人者の家族を教える教師なんていると思う!?」
彼は持ってきた教材やファイルも取らずに急いでクラリスの部屋を出てしまった。
「・・・先生」
彼が去ったドアを振り返る間、ノアはクラリスのすぐ前に近づいて手を差し出す。
クラリスは彼を見上げた。
「少女」
いつもと変わらない猫の仮面が彼の顔を覆っていた。
ノアが素早く止めてくれて良かったです。
ロックハートはこのまま出ていくのでしょうか?