こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は62話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
62話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 目覚め②
クラリスが気がついたのは、周りが完全に暗くなってからだった。
がたがた。
窓を覆った雨戸が無我夢中に揺れるのを見て、雨とともに非常に強い風が吹くに違いない。
「あ」
そうするうちにふと気がついたクラリスは素早く体を起こした。
周りを見回すと、薬やタオルのようなものが並んでいた。
「私・・・寝込んでいたの?」
彼女は自分の顔をあちこち触ってみた。
特に熱が出たり問題があるようには見えない。
「いったいいつから眠っていたんだ?」
窓際で外壁の鏡のことを心配していたようだけど。
クラリスはベッドサイドに置いておいた砂利を取り出してキスをする。
すぐに一つに集まったモチは、すぐに大声を上げた。
「コー!」
「大変なことになったって!?」
瞬間、不安になったクラリスは、モチを高く持ち上げて聞いた。
「まさかもう鐘を持っていったの?」
「コー」
「よかった。うん?よかったって?」
「コー」
「・・・え?」
クラリスは静かにモチを見る。
もしかして自分が聞き間違えたんじゃないかと思って。
「コー」
「あ、ありえない」
クラリスはモチを肩の上に置き、すぐに内壁に向かって手を伸ばした。
「本当ですか!?」
急いで質問したにもかかわらず、内壁には答えがなかった。
クラリスは何の断りもなく壁にキスをする。
事情をわきまえる時ではなかった。
しかし、いくらキスをしても内壁からは返事がない。
深い眠りにすっかりはまったように。
クラリスは内壁に何度かキスをしたが、すぐにここでどんなに苦労しても無駄だということに気づく。
外壁に行かなければならなかった。
少し前に、モチは通りかかった風の話を伝えてくれた。
北側の城壁の向こうでは魔物が動き始め、公爵が支援軍を要請したまま待っていると言った。
それに天気のせいで烙火が本来の役割を果たせずにいると。
「すぐに鐘を嗚らさないと!公爵様を助けなければならない!」
クラリスは壁に掛けられたショールを屑にかけ、部屋を出た。
「ああ、こうやって出てはいけない!」
しかし、廊下を守っていたベンソンとすぐに出くわしてしまった。
「あの!」
クラリスは急いで北の魔物について彼に話そうとする。
(だけど、私がどうして分かったのかと聞かれたら・・・?)
答える言葉がなかった。
彼女がゴーレムマスターであるという事実は戦争の種だったから、口外しない方が良かった。
どんな瞬間だとしてもだ。
「辛いと言っていたのにずいぶんよくなったようだね。部屋で待ってて、すぐに女中を訪ねてくる。分かった?」
ベンソン卿はクラリスをさっと部屋に押し込み、中央の階段を下った。
(すみません)
クラリスは心の中で彼に謝罪し、初めて自分の部屋から出て行った。
彼女が囚人であることを考えると、これは脱獄に等しい重罪だ。
(大きな過ちだということは知っている。知っているけど・・・)
他でもなく、マクシミリアン公爵の件だった。
彼が北側の城壁で困っているというが、安楽な監獄の中で安らかに事態を観望することはできなかった。
後で罰を受けることがあっても、今は何でも努力してみたほうがましだった。
クラリスはベンソンとは反対方向に走り、使用人が使う階段を通って1階に降りる。
普段は邸宅の世話をする人たちでごった返す空間だったが、曖昧な夜明け時間なので誰もいなくて静かだった。
「コ一」
耳元でモチが小さな声で警告してくれて、クラリスはしばらく壁の陰の間にくっついて隠れた。
ちょうど水を汲みに来た女中の一人が階段の近くを通ってキッチンに入る。
「ふう」
小さくため息をついたクラリスは、すぐに階段とつながった裏口から抜け出した。
急いで出てきて何も履けない裸足だという事実に今になって気づいたが、再び部屋に行ってくる時間はなかった。
間もなくメイドがクラリスの部屋に到着するだろうし、そうなるとすぐにでも捜索命令が出るはず。
彼女は裸足でぬかるみと冷たい地面を走った。
依然として激しく降る土砂降りですぐに体全体が濡れてしまい、ひどい寒気が感じられた。
なんだかだんだん手足の感覚がなくなってきたような気がした。
しかし、感覚が鈍くなるほど、クラリスの頭の中はいつにも増してはっきりして鮮明だった。
(考え出さなければならない。私の宣言がどんなものだったのか)
クラリスはモチを初めて自分の友逹にした瞬間を何度も振り返った。
確かにその瞬間にある秘密が隠されているはずだ。
実際、今まではモチとクラリスの心が通じてそうなったに違いないと漠然と思っていた。
しかし、それだけでは十分ではないということが今では分かっている。
考えてみると、クラリスはすでに内壁に何度か魔力をかけていた。
内壁とはかなり心が通じた状態だったのに、内壁とクラリスは特別な関係、つまり主人とゴーレムの関係を成立させることができなかった。
だから明らかに「心」の他に何かがあるはず。
「こうなると分かっていたら、ノアが何と言ってもゴーレムマスターについて知っておけば・・・」
クラリスは何も知らない自分を恨んでついに外壁の前に到着した。
まだ屋敷は静かだった。
クラリスがいなくなったことに気づいていないようだ。
彼女は冷たい地面に両足をしっかりと踏みつけ、高い鐘楼を見上げたる。
今やこの巨大なものをクラリスの影響下に置かなければならなかった。
「どうすれば・・・」
そうするうちにふと思い出すことがあった。
『もちろん、あの雑種に似合う方法で返せという意味です』
あの少女から砂利を返してもらった時のことだ。
「もしかしたら」
クラリスは片手を高く上げた。
その後はほとんど感覚が感じられない手の甲を経た外壁に力いっぱい引く。
ちっ!
肌が裂ける音とともに、すぐ熱くなった手の甲から赤い血がたくさん流れ、外壁を赤黒く染めた。
苦痛を感じたが、今は痛がる暇がなかった。
「もう・・・他の方法はわかりません、外壁卿」
クラリスは自分の血が雨に混じって流れる石の上に唇を傾けた。
「間違ってたらごめんなさい。でも、これが私のベストです」
クラリスはこぶしを握り締めた手で外壁を軽くたたいた。
「どうか助けてください」
外壁は公爵を助けることができる唯一の解決策だ。
「外壁卿!」
返事がなかったため、クラリスの声は次第に高まった。
「公爵様とシェリデンを助けてください!それは卿が一番得意なことじゃないですか!」
切羽詰った気持ちで、涙と哀願まで一緒に流れた。
「必ずやらねばならないことじゃないですか、卿!」
しかし、反応はなかった。
まるで言葉を知らない平凡な石のように。
「・・・私を主人だと思わなくても大丈夫です。でも・・・」
クラリスは冷たい壁に額をもたせかけた。
「シェリデンの人々・・・彼らとはどうかまた・・・友達になってください」
吹きすさぶ風の中で、クラリスは再び彼を呼び、握りしめた拳で壁を作る。
ドンと軽くたたいた。
その時、クラリスは自分が寄りかかった壁全体が揺れるような感じを受けた。
「・・・?」
まさか崩れるんじゃないよね?と頭を上げた瞬間。
シェリデン全体が驚き、ひっくり返るような重厚で大きな鐘の音が響き始めた。
血を流すことが契約に必要だったのですね。
外壁卿は鐘を鳴らしたのでしょうか?