公爵邸の囚われ王女様

公爵邸の囚われ王女様【23話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。

今回は23をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【公爵邸の囚われ王女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹介となって...

 




 

23話 ネタバレ

公爵邸の囚われ王女様【22話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。 今回は22話をまとめました。 ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 初めての友達

新年の初日には雪が少し降ったので、クラリスは朝食を終えるとノアを庭に呼び出した。

「今日は必ず雪だるまを作らないと!」

「急に何を言ってるんだ?」

クラリスは彼の質問に堂々と顔を上げ、彼女もつい最近知ったことを知らせた。

「シェリデンの子供たちは雪だるまを作るの。そして、どの家の雪だるまがもっと素敵なのか競うんだって」

「そんなことを競うのに何の意味がある?」

「まず、雪だるまを建物の前に立てておくのは、すべての建物の誇りだと言ってたわ」

「実に意味がないね」

「それに完成した雪だるまはとても可愛い」

「他人に美的基準を強要するのはひどい習性だ」

「本当に嫌なの?」

「いやだ」

「それじゃあ仕方がない」

クラリスは非常に残念そうに振り向いた。

できれは新しく付き合った友逹と一緒に雪だるまを作りたかったが、嫌だということを無理にさせることはできないではないか。

「ところで」

玄関に出ていたクラリスは変な気分で振り返る。

雪だるまは絶対に作らないと言っていたノアが、5歩ほど離れたまま彼女の後ろについてきていた。

「なんでついてくるの?」

「・・・か、観覧くらいなら付き合ってあげようと思っただけだ」

見物だけするらしい。

しかし、いざ外に出てクラリスが大きな雪を転がし始めると、彼は魔法で少しずつ力を加えた。

それに完成した巨大な頭を上げる時も魔法を利用して安全に持ってくれた。

クラリスは、言葉だけで聞いていた魔法がこんなに有用だとは思わなくて、彼に何度も拍手をする。

楽しく雪だるまを作って部屋に戻ると、口ザリーが温かい牛乳を1杯くれた。

二人は暖炉の前に向かい合い、牛乳を飲む。

ノアはマスクを少し持ち上げてミルクを飲んだ。

「不便そうだけど?」

クラリスはこっそりと彼が仮面を脱いでほしいという意思を表わした。

「不便じゃない」

しかし、ノアがきっばりと切ってこのように話したため、他にこれ以上言うことはなかった。

確かに公爵もノアの仮面について他に言質がないのに、クラリスがあえて乗り出すのも不思議だ。

「不便じゃないならよかった。猫の顔が可愛くて好きだから」

クラリスは仮面を友人の一部として受け入れることにした。

「・・・可愛いための用途じゃない」

「そうなんだ」

クラリスは嬉しそうな笑顔でそう話して、何かが思い浮かんだように「あ!」と言った。

「ねえ、私、シェリデン邸に行ったら何をして遊ぶか考えてみたの。きれいな絵の具で絵を描いても楽しいだろうし。ノアは絵を描くのが好き?」

「そんなことを描くのに何の意味があるんだ?」

「またそう言う」

少し前のような反応が面白かったのか、クラリスはカップを置いて笑う。

「あの家にはすごく大きな鐘塔もあるし、食べ物もすごくおいしいし・・・とにかく面白いよ!」

クラリスはシェリデン邸のあらゆる場所にノアと自分を並べた。

なんだかドキドキした。

初めてできた同年代の友逹とやってみたいことがあまりにも多くて。

(モチがあまりにも寂しがると困るけど・・・)

今まで唯一の友逹だったモチの心を心配していたが、クラリスは良い考えを思い出した。

(ノアとモチも友逹になればいいんだ。クラリスがノアの赤い砂利と友逹になれたように)

「あ、そうだ」

クラリスは席から立ち上がり、小さな引き出しに入れた赤い砂利を持ち帰った。

「返すね。ノアの友逹なんだから」

ノアは赤い砂利を素直に持つ。

この前はあまり必要ないように振舞っていたのに。

 



 

「かばんにちゃんと入れておかないといけないよ?今日の午後にはシェリデンに出発すると聞いたから」

「誤解が・・・あるようだ」

「私たちが一緒に馬車に乗ることができたらいいのに。公爵様に聞いてみようか?」

「その必要はない。私はシェリデンに同行しない予定だから」

「え!?」

「私は行かない」

クラリスはなんだか頭の中が混乱した。

あまりにもおかしかった。

知り合いはいつも一緒でなければならない。

モチと自分がいつも一緒にいるように。

本でも友逹はいつも離れず、困難に共に立ち向かっていた。

「私とノアは友達なのに?」

「友逹ではあるが、それぞれの道があるじゃないか?」

「だけど・・・」

「私はここで崩れたゴーレムを研究しなければならない。その中には長い間明らかになっていない真実が含まれているはずだから」

「それでも!」

クラリスは何か抗弁しようとしたが、うまく話せなかった。

しばらくぐずぐずしていて、やっと出てきた言葉はこれだけ。

「私は一緒に遊びたいのに・・・」

少女はノアのように素敵な言葉が出てこない自分の口が少し憎くなる。

「私は忙しいんだ」

クラリスは今にも泣き出しそうな顔になった。

「忙しいけど、うん・・・月に一度はシェリデンに行くから・・・」

彼が仮面をいじくり回して渡した話にクラリスは頭をもたげた。

「本当?」

琥珀色の瞳を丸くして聞く言葉に、彼は少し面食らった声で「そうだ」と答える。

「公爵に定期報告をする契約が結ばれている」

クラリスは「やっばり公爵様は最高だ!」と思い、両手を胸の前にぎゅっと抱きしめた。

「じゃあ、私たちはシェリデンで会って遊べるんだよね?だよね?」

「・・・報告をしに行くと言ったじゃないか」

「でも、また会ったら私に挨拶してくれるよね?元気だったか聞いてくれるよね?」

「聞かないつもりだ」

「なんで?」

泣きべそをかくと、仮面の向こうからなぜか小さな笑い声が聞こえるようだった。

「その前に君は私に安否の手紙を送ってくれるだろ?」

「それは・・・」

「そうしてくれれば、私も返事を書くから」

「・・・」

クラリスの心臓はドキドキした。

他人の手紙を、それも友逹の手紙を受け取るのは生まれて初めてだった。

「あの、本当に私に手紙を書いてくれるの?」

クラリスは彼の仮面のすぐ前まで近寄りながら尋ねる。

「あ、ああ・・・」

「どうしよう、すごく嬉しい」

クラリスは素早く彼の手を握り締めた。

許しも求めずにだ。

「私、ノアの返事を毎日待ってるね」

 



 

ノアは慌てて両手を抜いて、困ったようにあたりを見回した。

「そ、それよりも」

「うん?」

彼はポケットから赤い砂利を取り出しクラリスの手に握らせた。

「これは・・・」

[おお、少女。ノアと友逹になってくれてありがとう。]

「うん?いいえ、私こそ嬉しいよ」

自然に答えたクラリスは、こっそりノアの表情を見る。

一体なゼこれを突然渡したのだろうか。

「本当に会話をしているね」

「うん・・・?ノアは聞こえないの?」

クラリスは不思議そうに尋ねた。

なぜなら、この砂利とノアはとても近い存在に感じられたから。

あえて例えるなら、モチを成す4つの石が緊密な関係を成すのと似た感じというか。

もちろんノアは人間だから石と一つになるはずはないが。

「私は何も聞こえない。この中に魔力があることを感じるだけで」

彼は肩をすくめて石を握ったクラリスの手をそっと押し出した。

「だから持って行って」

「うん・・・?私が?」

クラリスは石とノアを交互に見る。

どう見ても彼らは一緒にいなければならないようだが。

「ノアにとって大切なものなのに?」

「それは・・・」

ノアは何かを解明しようとしているようだったが、すぐにやめて首を横に振った。

「とにかく、あなたが持っていって」

クラリスはノアが渡した石を両手で握る。

もう赤い砂利は眠っているのか、特別な話はなかった。

「ありがとう」

「それから」

ノアはしばらくあたりを見回す。

彼らにミルクを持ってきたロザリーは、濡れたブーツを乾かすためにしばらく席を外していた。

「石と対話を交わすという事実を誰に話したことがある?」

クラリスは首を横に振る。

ノアは赤い砂利があり、友逹だから特別に隠さなかっただけ。

普段のクラリスはこのことを誰にも言わなかった。

「実は秘密にしているの」

仮面の間から小さな安堵のため息が流れ出た。

「どうして聞くの?」

「君は人生が平穏であることを願うか?」

「それよりは立派な十八歳になりたい」

「そうなるためには、必ず平穏でなければならない。だけど、力を現わす者にそんな人生は訪れないものだ」

「力・・・?私はただ話を聞こえるだけよ」

クラリスの話にも彼は首を横に振った。

「ずっとそのまま過ごして。その力の名を知ろうともせず、ただ困った日に近い石に道を尋ねる程度で、そのように静かに過ごした方がましだ」

「うん・・・分かった」

「よかった」

なゼかノアの声からは深い心配がにじみ出ていた。

「ノアが私のことを心配しているみたい」

「知恵を貸すだけだ。君は残酷な魔法使いの城で・・・持ちこたえられそうにないから」

「魔法使いの城?私が?」

「深く知る必要はない」

クラリスは彼が嫌がって首を横に振ったので,魔法使いたちの城についてはこれ以上聞かないことにした。

もしかしてその場所でつらいことを経験したのではないだろうか?

そんなことなら理解できた。

クラリスもグレゼカイアのことを話すと、なんだか両肩が縮こまるから。

(ところで、私は何をあげようかな?)

ノアは貴重な赤い砂利をプレゼントしてくれた。

これにふさわしいお礼を与えたかったが、クラリスは何も持っていない。

「うーん」

頭をあちこち傾けながら悩んでいたクラリスは、自分のピンク色の髪の毛と一緒に揺れる白いリボンを発見する。

「あ!」

クラリスは右のリボンをさっと引いてほどいた。

片方の髪だけ結んだ形になったが、今は気にならなかった。

「私が髪を結んであげる」

「何をするんだ!?」

当惑したノアが首を左右に動かしている間、クラリスは彼の後ろに座る。

「じっとしてないと、変に結んじゃうよ」

「・・・」

クラリスが脅すと、少年は諦めたように膝の間から顔を落とした。

「・・・勝手にして」

クラリスは腰まで届く長い髪を指で掃いて一つにまとめた。

「すごく綺麗」

夏空のような髪からは、なんだかいい匂いもするようだった。

「美的基準を強要するな」

「本当なのに」

「・・・」

リボンを結ぶのが少し難しくて迷っていた時、ちょうとロザリーが戻ってきた。

リボンの逹人であるロザリーは、きれいな蝶の形でノアの髪を結んだ。

そして、片方だけ緩んだクラリスの頭も彼のような形にして、同じ結び目に仕上げてくれる。

同じヘアスタイルをして鏡の前に立つと、クラリスは大喜びした。

「・・・この有様では到底人前に出ることができません」

ノアは座り込んで、ひざの間に仮面を完全に埋めた。

 



 

初めての友達に大興奮のクラリス。

ノアも困惑していますが、心から嫌がっているようではないですね。

帰国後も二人の交流が続くといいのですが。

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