こんにちは、ちゃむです。
「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。
今回は106話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
106話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 第二皇子
コロシアムの中はあっという間に静まり返った。
観衆は呆然とした目で、あるいは驚愕の視線でこの事態を作り出したクリードを見た。
まるで神に匹敵するような圧倒感が広がっていく。
クリードはかすかな沈黙の中で彼に優しく話しかけた。
「棄権したほうがいいんだけど」
魔力がうねり、まるで電撃が飛んでいるように見える塊から、ぞっとする共鳴音が響く。
「そうでなければ、死ね」
クリードが手を後ろにさっと動かすと、槍が相手を下ろすためにデモが引っ張られた矢のように後ろに退いた。
「えっと・・・あ、ちょっと・・・!」
バミロは震えながらすぐに床にひざまずく。
「降伏!降伏します!あ、いや、棄権します!棄権!」
半透明の防御幕の中で、この事態を口を大きく開けてほんやりと眺めていた審判が、バミロの悲鳴にばっと気がついた。
あの塊が競技場に突き刺さると、バミロが死ぬ問題は別として、ここが全部壊れるんじゃないだろうか?
彼の心配が無用の長物であるかのように、一帯を守っていたすべての魔法使いが同時に魔力を引き上げてクリードを狙っていた。
このままだと競技場があっという間に血で覆われるぞ!
「5、512番の勝ち!」
審判が悲鳴のようにクリードの勝利を宣言する。
クリードが手を下ろすと、塊は青い粒子をなびかせて消えた。
その光景は、まるで青い花びらが四方に広がるように美しかった。
ウワアアアアー!
すぐに観客席から先ほどまでの沈黙は嘘だったように、大きな歓声が沸き起こる。
「大法師・・・!あんなことができる存在は大法師しかいない!」
そして、誰かがうめき声のように流した言葉が周囲に広がった。
コロシアムは「大法師!」を連呼する声で完璧に埋め尽くされていく。
クリードは騎士たちの案内に従って皇帝がいる場所に向かった。
トーナメントの優勝者は、皇帝が直接勝利を称え、赤いマントを巻いてくれるためだ。
クリードは破れたマントを脱いで皇帝の前に立つ。
皇帝は何とも形容できない複雑な表情をしていた。
クリードは床に片膝をつき、これまでエドワードから学んだとおり、きちんと礼を述べる。
「第2皇子クリード、父皇陛下にお目にかかります」
周囲はまたもや驚愕し、ひそひそと話した。
「でも、第2皇子は死んだんじゃないか・・・?じゃあ、あの時に葬式を行ったのは何だった?」
ダイアナは目を見開いてドレスをぎゅっと握りしめたままクリードをにらみつけていた。
(どうしてあれが今になって現れたんだ?それに何ともないじゃない!)
獣のように育て上げた自分の武器が人の話をしながら現れた。
ダイアナの顔色は青ざめた。
(もし自分のことを知ったらとうする?)
彼女は目を見開いて近くにいた魔法使いを見る。
クリードを攻撃する準備をしろという意味だ。
出鱈目を言う瞬間、あの子を即死させるつもりだった。
ユリッヒは手に赤いマントを持ったまま戦慄するように釘付けになっていた。
ダイアナは心配そうなふりをしてユリッヒに尋ねる。
「陛下・・・どうしてあの少年をクリード皇子だと確信されますか?確かにあの子は葬式をしたんですよ?」
「魔力の香りは血族だけが感じられる。また血族同士はお互いに同じ香りを持っていることもある。この子は兄と同じ香りを持っている」
「そうですか。死んだと思っていた皇子がどうして今になって現れることができたのか、混乱しますね・・・。あの時確かに葬儀も行ったのに」
ユリッヒは彼女のつぶやきにあからさまに答えた。
「赤ん坊が自ら逃げたはずがなく、誰かが盗んだのだろう」
(おそらくエステル皇妃が息子を生かすために何か按配したのだろう。ダイアナの手に死なないようにしようと)
皇位継承権をめぐってこのようなことが起きるのはそれほど驚くべきことでもない。
だから彼は大したことではないと思ってしまった。
いずれにせよ、皇妃を追い払い、アイルツ公爵家を滅ぼしたことは、多分に政治的な利盆のための決定だったのだから。
クリードは淡々とした表情で皇后をちらりと見る。
『この不良品め!』
アイルツ家の予知力は娘にだけ降りかかることを、自分に無理やりその能力を植え付け開化しようとして事態をこのようにさせたのだから心境がどれほど複雑だろうか?
クリードはにっこりと笑うと、ダイアナの表情が硬くなった時だった。
ざわざわ!
観客席は何か尋常じゃない気配に気づいて、それぞれ一言ずつ吐き出す。
「早く優勝者を祝わないで、何をしてるの?」
「ちょっと待って、あの大法師が第2皇子だって?」
「え?それは誰?」
「なぜ、以前死んだ皇妃の・・・」
ユリッヒは観客席までクリードの正体が広がると、ひとまずこの混乱を整理しなければならないと考えた。
(大会を整理してここを抜け出さなければならない)
彼はクリードに赤いマントを手でかけ、観客に手を伸ばす。
空に花火が打ち上げられ、軍楽隊が華麗な演奏で観衆の耳目を集めた。
「大法師!大法師!」
観衆は赤いマントを羽織った少年に向かって熱狂的に叫んだ。
ユリッヒはこのような熱い歓呼にもかかわらず、落ち着いた表情で淡々と立っているクリードを満足に思う。
この10年間、何があったのかは分からないが、突然現れた息子は、皇族であることが恥ずかしくないように強く上品だった。
(さっきの武力は彼らが叫ぶように、本当に大魔法使いのようだった)
宮廷魔法使い、いや魔法協会長を呼んで、クリードの水準を把握しなければならない。
この程度なら、ひょっとしてエセルレッド公爵を牽制できるんじゃないかな?
ちょうどエステルヘの懐かしさを感じた瞬間、死んだ兄と同じ魔力の香りを漂わせて現れた。
彼はクリードの肩をたたいた。
「よく来たね、クリード」
そばでその姿を見守っていたアレスの目が不気味に光ル。
(ライバルはありがたくないのに)
ただでさえエセルレッドと摩擦があった日以後、皇帝はアレスが集めたあらゆる動物を全て皇室から追い出すなど冷厳に接した。
そんな状況で他の皇位継承権者の登場?
(しかし、あの子は母后も死んで、支えてくれる外戚もいないじゃないか。だから殺してなくすことが難しくないだろう)
アレスがある種の計画を立てていた時、いつの間にかトーナメント大会は正式に終わった。
「これでトーナメント大会の幕を下ろす!」
ワアアアア!
優勝はクリードの圧倒的勝利で終わりました。
皇帝はこの状況を好ましく思っているようですが、ダイアナとアレスの心境は複雑ですね。