こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は303話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
303話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 魔女裁判②
セイブリアンは黙ってストーク公爵を睨みつけていた。
アビゲイルの伝言がなかったら、すぐに殺してしまったのに。
「私は王国の忠臣として、何かおかしいと感じていました。そんな中、下女が王妃様のドレスルームで呪われた靴を見つけたのです」
すると、隣にいた侍従がガラスケースを裁判官に提出する。
その中には血のように赤い靴が一足入っていた。
「このようなおぞましい物を王妃様がどうして持っていたのでしょうか?王妃様は如何にして死んで蘇り、どのように殿下を蘇らせたのでしょうか?」
彼はベテラン俳優のように話し続ける。
観客の雰囲気が一瞬彼に傾いているのが感じられた。
「どう見ても状況上、王妃様が魔女である可能性が濃厚で、裁判を要請することになりました。王妃様の奇行を証言するという人もいます」
その言葉に場内がざわめいた。
アビゲールは沈黙のままだ。
ストーク公爵は最高裁判事を見る。
「証人を要請してもよろしいですか?」
「許可します」
許可が下りると、すぐにある女中がよろめきながら発言台に上った。
彼女はとても焦っているようだった。
最高裁判事は冷たい声で彼女に話しかける。
「証人、証言しなさい」
「わ、私は王妃様のお世話をしている女中です。王妃様のアトリエと鏡部屋を掃除しています」
ストーク公爵は注意深く証言を聞いているように見えたが、実際にはそれほど関心を持っていなかった。
下女はずいぶん前からストーク公爵が取り込んでおいた女だからだ。
証言の内容も既に自分が伝えておいた状況にもかかわらず、公爵は見知らぬ人を眺めるような真似をした。
彼が怪認そうに尋ねる。
「鏡の部屋?そこは一体どんな場所なのか?」
「作業室の隣に貼ってある部屋なんですが、大きな鏡以外には特に何もありません。それでも王妃は掃除をする下女以外の誰かがそこに近づくととても怒りました」
アビゲイルはそのことで怒ったことはなかったが、それを証明することはできなかった。
女中が震えながらも淀みなく話を続ける。
「そして、誰もいないそこで誰かと話をしているように、王妃様の声が聞こえたりもしました。鏡の部屋で血痕を発見することもありました。時々壁を拳で叩きつけたりもしました」
ひっきりなしに言葉があふれ出た。
その一言一言が重く、アビゲイルは少し息が詰まる。
反論するならいくらでもできるが、まだ順番ではない。
アビゲイルがかろうじて動揺を治める間に、証言は終わった。
そして、安堵する間もなく最高裁判事の声が聞こえてくる。
「次の証人。発言台に上がってきてください」
その呼びかけで椅子に座っていたある女性が立ち上がった。
すらりと背の高い女性。
その女性を見た瞬間、アビゲイルの無表情がゆがんだ。
ひたすら当惑のためだった。
彼女がストーク公爵の証人だって?
裏切られたと感じるよりは、ただ戸惑っただけだった。
証人はそんなアビゲイルの視線を後にして証言台に立る。
「あなたは誰で、何を目撃しましたか?」
「私は王妃様の首席侍女であるノマと申します」
驚いたのはアビゲイルだけではなかった。
クララやブランシュ,ベリテも予想外の証人に途方に暮れていた。
「首席侍女・・・?」
「王妃様がネルゲンヘお嫁に来て以来、ずっと補筆していました」
ノマの声は平然としていたが、実際は心臓が張り裂けそうに動いていた。
自分を見つめる視線があまりにも鋭すぎて火を起こしそうだった。
特に公爵の視線が厳しい。
裁判前、ストーク公爵の邸宅に呼ばれた時も、あんな目つきをしていた。
『裁判で証言台に立ってくれ。そして王妃が怪しい儀式をするのを目撃したと証言することに』
『え?でも王妃様はそんなことは・・・』
『私の話を間いてくれれば、あなたのお父さんにもいいことが起こるだろう。そして君の結婚相手もいい所を探してやる』
公爵が提案した婚妻は公爵家の親戚で、ノマとしては二度とない婚事だった。
『そして君も王妃に積もったものが多いじゃないか?もらった分だけ返さないと』
『・・・』
その言葉にノマは簡単に否定できなかった。
アビゲイルの性格が良くなった後、かなり楽な生活をしてきたが、だからといって過去の苦痛が消えるわけではない。
アビゲイルにあらゆる迫害と無視を受けながら過ごした1年。
人々は王妃が変わったと言った。
彼女の優しさを誉めた。
多くの人が彼女を好きだった。
しかし、ノマは信じなかった。
彼女が変わっただろうか?
あんなに悪毒だった女が本当にお人好しになったのだろうか?
「証言しなさい、ノマさん。アビゲイル王妃は本当に魔女なのか?」
最高裁判事の質問に、ノマは正面を眺める。
この日を長い間準備してきた人のように震えることも、当惑することもなく。
固く閉ざされていたノマの口が徐々に開いた。
「いいえ。そんな姿はたった一度も見たことがありません」
断固たる証言だった。
ストーク公爵は真剣な顔で首を横に振り、後になってその意味を理解して慌てて頭を上げる。
「見たことないって?女中は彼女が鏡の部屋に閉じこもって独り言を言うのを聞いたと言った!」
「王妃様はしばしば声を出して本を読みます。それを聞き間違えたのでしょう」
ノマはアビゲイルが蘇り、自分に好意を与える時も彼女を信じなかった。
アビゲイルは変わらなかっただろう。
依然として腹黒い悪人であろう。
確かにそう信じていた。
しかし、手が焼けてもカリンを救おうとした時。
彼女の勇気が、彼女の味方になってくれると言ったとき。
その姿を見てもアビゲイルが悪女だとは言えなかった。
やっとアビゲイルが渡す全てのことが真実であることが分かったのだ。
過去に自分に残した傷が本物であるように、現在に彼女が渡す好意もやはり本物だった。
「アビゲイル王妃は一度も神を冒涜することをしませんでした」
「彼女の奇怪で放蕩な行動は何と説明する?王妃は男に女の服を着せ、女たちには足を出す服を着せた!」
「先駆的な慧眼を持ったことが問題ですか?王妃様はただ才能があるだけです」
ノマはストーク公爵をにらみつけながら言った。
ストーク公爵が偽証をそそのかしたと告白する勇気はない。
しかし、それに屈しないほどの自尊心はあった。
ストーク公爵の顔が怒りに染まって、何か叫ぽうとした瞬間。
「そうです!王妃様は魔女ではありません!」
上座から鋭い声が聞こえてきた。
ブランシュだった。
歪むことがなかった眉間がしわくちゃになったまま、ブランシュはとても怒って叫んだ。
「王妃様はむしろ人々を救いました!緑色の瓶を突き止めたのも王妃様です!」
「その毒がわかったのもやはり怪しい・・・!」
「ということは、お医者さんたちも魔女なのでしょうか?」
ブランシュが尋ねると、ストーク公爵はぎくりとして口をつぐんだ。
緑の瓶という話が聞こえると、人々がひそひそと話し始める。
傍聴客の中で緑色の病気にかかって治癒した人が数十、アビゲイルのおかげで家族の命を救った人だった。
すると、今度は傍聴席から誰かが立ち上がる。
クララだった。
彼女は目を見開き、大声で叫んだ。
「王妃様はいつも目下の人の安危を心配していました!王妃様のおかげで私の祖父が緑の瓶で快癒することができました!」
クララの叫びに、召使いの一人が席から立ち上がった。
彼は緑の病にかかって生死の境をさまよい、かろうじて一命を取り留めた者だ。
彼の家族も同じだった。
「そのとおりです。王妃様はいつも清廉で正直でした!呪われた物を扱ったことはありません!」
すると、反対側から別の侍女が立ち上がる。
彼女の娘はコルセットによる肺病を患っていたところ、アビゲイルがデザインした服を着た後、健康を取り戻した。
「王妃様には罪がありません!証言できます!」
一人が立ち上がると、もう一人が立ち上がった。
一人が声を出すと、二人が叫んだ。
「アビゲイル王妃は無罪です!」
「王妃様は魔女ではありません!」
「アビゲイル王妃に怪しい点はありませんでした!」
ノマがアビゲイルを信頼できることになって良かったです。
これまでの行動から味方が少しずつ増えてきました。
このままなら無罪ではないでしょうか?