こんにちは、ちゃむです。
「継母だけど娘が可愛すぎる」を紹介させていただきます。
今回は307話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
307話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 私たちだけの時間
「う~ん、何だ。誰か私の話をしているのかな」
ベリテは耳をいじくり回して言った。
ぴんと立っていると尖った耳がぴくびくしている。
最近になってよく耳が痒いという。
私はにっこり笑って冗談を言った。
「誰かがあなたの悪口を言っているんじゃないの?」
「そうだね。誰かが私に嫉妬しているみたい」
こいつにはこの種の冗談が通じないんだって。
そ知らぬ顔に私はただ笑った。
このようにベリテといつものように話ができるという事実が改めて不慣れに感じられる。
魔女裁判が終わったのがわずか数日前のこと。
ノマ、カリン、そして多くの人々のおかげで私は無事だ。
あの時のことを思い出すと今も血が冷めるし、くらくらする。
広い法廷を埋め尽くした人々、覗線、声。
裁判は終わったが、ただすっきりしたわけではなかった。
まだ私を疑う人たちがいて、またギデオンの跡が残っている。
彼はブランシュに毒リンゴを食べさせようとし、今度は私を魔女にするために魔導具を用意しておいた。
彼は本当に死んだのだろうか?
ギデオンが黒幕だとしたら、かえってストークが彼に利用されていたということだ。
ここにいない人であるにもかかわらず、ギデオンの気配が鮮明に感じられるようだった。
部屋の中に幽霊でもいるかのように、首筋がひんやりしてきた。
う一ん。
気のせいじゃなくて、本当に寒いような気もするね。
暖炉をちらりと見ると薪がほとんど燃え、残り少ない状態だった。
私は横に置いていたショールをそっと身にまとう。
ベリテがその姿を見て首をかしげる。
「どうしたの?寒いの?」
「うん、ちょっと肌寒いね。暖房用の魔導具を使う時は、薪を気にしなくてもいいから良かったのに」
暖房の魔導具は一度魔力を注入しておけば、魔力が落ちるまで自分で温度を調節するので、特に気を使わなくてもよかった。
暖炉も趣があるが、実用性の面ではやはり魔導具が一番だ。
ああ、誰かボイラーを作ってくれないかな。
「王妃様、火災事件もあったので、少なくとも王妃様の部屋には暖炉の代わりに暖房の魔導具を置いたらどう?」
「大丈夫だよ。そうじゃなくても、魔法使いたちが魔導具の件で苦労しているんだから」
少し前までは自分の部屋は魔導具でいっぱいだったが、今はみんな使用を中止した状態だ。
妖精王国との魔導具の取引が途絶えた後。
魔法館の魔法使いたちが自力で魔導具を維持やろうと努力したが、結局限界が訪れた。
魔導具の中には周期的に魔力を供給しなければならないものがあるが、暖房や照明器具などがそれに属している。
私の部屋一ヵ所だけにあるのではなく、数十、数百ヵ所で魔導具を使っているので、これ以上人間の力では手に負えないと言った。
「アトランシアの方からはまだ返事がないの?」
「うん。ちょっと時間がかかるみたい」
先日、我々は魔力不足の問題を解決するためにアトランシアに取引を依頼した。
ナディアと話をしてみると、アトランシアはほとんど狩猟で食糧を確保しているため、食糧難に見舞われる場合があると聞いている。
そのため、我々は魔力を提供される見返りとして食糧を送ることを提案したのだ。
人魚たちが承諾するかどうかは分からないが、一応答えが来るまで待つしかない。
待っている間に他のことから処理しなければならない。
私はさっきまで描いていたデザイン画をベリテに見せた。
「とりあえず、これを見て。何がいいと思う?」
「ブランシュの服だね?」
私はうなずいた。
一つ一つがデザインされた服だ。
今回は更に力を入れた状態。
なぜなら、ブランシュの誕生日プレゼントにあげる服だから!
普段ならすでに製作まで終えておいたはずだが、魔女裁判に魔導具問題に夢中で、ようやくデザイン画を描き始めた。
まあ、誕生日までに合わせることはできるだろう。
ベリテは目を細めて絵をのぞき込んだ。
「う一ん・・・全部良さそうだけど。ところで誕生日プレゼントで妹を作ってあげようとしたんじゃなかったの?」
ベリテの純朴で致命的な質問に私は息が詰まった。
両目が純真無垢にきらきら輝いていたので、なおさらだ。
こ、これがまさに退魔される悪魔の心情なのか・・・!
私はあの透明な瞳に向き合う自信がなくて首をかしげる。
「それは・・・赤ちゃんはコウノトリたちが遅く来たらあげられないからだよ。だから、念のために服も作ってあげようと思って」
「ああ、そうなんだ」
ベリテは無邪気な顔でうなずいた。
くぅ、良心が少し痛む。
そんな中、ベリテは悩む顔になった。
「ううう、私は何をしてあげようかな?私もブランシュの誕生日プレゼントを準備しなければならないけど、何がいいか分からない」
「何をあげても、ブランシュは全部喜ぶと思うよ」
「でも、世界で一番素敵でいいものをあげたいんだ」
これをブランシュが直接聞かないといけなかったのに。
角砂糖を10個ぐらい食べたように気持ちが甘かった。
ますます私の心の中でベリテの婿ランキングが上がっていく。
二人は今どうなっているのかな?
私はそれとなく話しかけた。
「最近どう?うまくいってる?」
「何がうまくいってるの?」
「ブランシュとうまくいってるかって」
私の質問にベリテは驚いて立ち上がった。
驚いたハリネズミのように両目をばちばちさせて何も言えずにいる。
「告白はしたの?」
「あ、あ、う、そ、それは・・・!」
「まだやってないんだ。いつやるの?うん?私にだけ言ってくれない?」
「わあ、王妃様は知らなくてもいい!私は寝る!」
ベリテが席からばっと立ち上がった。
慌てた姿が可愛くて、思わず意地悪な声が出してしまう。
「そうだね、おやすみ、ベリテ。告白するの頑張ってね!」
「知らない!」
ベリテは怒った子猫のようにきゃっという音を立て、鏡の向こうに消えた。
人をからかうのがこんなに面白いとは。
ベリテが普段私をどうしてあんなにからかうのかと思ったら、やっと理由が分かった。
はあ、それにしても、二人でいちゃついているのがなゼこんなに可愛いのだろうか。
私も早くセーブルとイチャイチャしよう。
私は急いで寝室に向かった。
セーブルはもう着いたかな?
中をのぞき込むと、テーブルの前に座っているセーブルが見えた。
彼はある書類を注意深く見ている。
表情がとても真剣であることから、かなり重要な書類のようだ。
何だろう、忙しいのかな?
入るのが少し曖昧になったね。
後でまた来るつもりで後ずさりした瞬間、彼と目が合う。
「ビビ、いらっしゃいませ」
固まっていた彼の顔が綿菓子のようにあっという間に解けていく。
セーブルが大股で歩いてきて、私を抱きしめてキスした。
はあ、やっばり奥さんが最高だ。
以前はキスするたびに恥ずかしかったけど、今はないとぎこちない。
一日が終わらない気分だ。
それにしても何の書類を見ていたのだろうか。
仕事が忙しくても寝室には仕事を持ってこない人なのに。
「さっきはどうして入って来なかったんですか?」
「政務のためにお忙しいようですから」
「私にとって最も重要なことはあなたです。そんなことで出かける必要はありません。そして政務と関連した書類でもありませんでした」
彼は書類を手に取り、私に渡した。
そこにはぎっしりとした文字ではなく、華麗な絵がいっぱいだ。
すべてデザートが描かれたものだった。
あらゆる種類のケーキやお菓子。
セーブルが真剣な顔で書類を指差して言った。
「ブランシュのバースデーケーキを何にしたらいいか悩んでいました。このウサギの形をしたチョコレートの飾りが乗っているのもよさそうです。でもイチゴの生クリームケーキも悪くないですよね」
とても深刻な表情でケーキを説明する彼を見ていると、自然と笑いが出た。
初めて会った時は想像すらできなかったのに。
「ビビはどんなものが気に入りますか?」
「全部良さそうですが、イチゴケーキがいいと思います。ブランシュが好きだから」
「では、これで7段ケーキを作るよう命じます」
誰かの誕生日を準備することがこんなに幸せなことだとは。
こんなに毎日のように娘にあげるプレゼントを選んで、穏やかな時間を過ごせばいいのに、そうすることはできなかった。
ストーク公爵、いやもう公爵じゃない。
ストークが反逆罪で宮殿を出ると宮には一大騒動が起こった。
腐ってもこの宮ではかなり大きな派閥を作った人物だっただけに、ストークの陣営にいた貴族たちがどんな態度を取るかはまだ未知数だ。
ブランシュにもっと忠誠を尽くすか、さもなければレイブンに受かるかもしれない。
その流れもよく把握しておいて、備えておかないと。
その時、セーブルが私の額に口付けをした。
「何か心配事でもありますか、ビビ?」
チョコレートのように甘い視線に優しい憂慮が込められていた。
私も知らないうちに顔がばればれだったようだ。
「ブランシュの誕生日プレゼントのことで少し心配していました」
私は冗談交じりに彼の首を抱きしめる。
敢えて政治の話を持ち出したくはなかった。
夜は私たちだけの時間だから。
彼は少し照れくさそうな顔で何度かキスをする。
そう言いながらも、私の腰をぎゅっと抱きしめて、そっと私を後ろに押した。
いつの間にか足がベッドに引っかかった。
「ケーキは選んだので、あとはブランシュのプレゼントだけですね」
彼は私の首筋に頭をこすりつけながら言った。
まるで自分の体臭を埋めようとする動物のように。
私はくすくす笑って彼の髪をなでる。
「そうなんですよ。ブランシュの誕生日までにプレゼントを準備するには、ちょっと忙しいでしょう」
そんなに可愛がるのもつかの間。
セイブリアンは自分の唇をまた私の口に重ねた。
彼は歯ぎしりをする幼い動物のように私の唇を舐める。
その本能的な切実さに背筋がぞっとした。
「それではブランシュの誕生日プレゼントを準備してみましょうか?」
彼のささやきに私はうなずいた。
甘いバラの香りが漂う中、セーブルの指が私の体に目を通す。
今日も夜が長そうな予感がした。
人魚族との取引が上手くいくといいですね。
ブランシュとヴェリテの関係にも前進が?
アビゲイルとセイブリアンは心配する必要がないでしょう。