大公家に転がり込んできた聖女様

大公家に転がり込んできた聖女様【63話】ネタバレ




 

こんにちは、ちゃむです。

「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。

今回は63をまとめました。

ネタバレ満載の紹介となっております。

漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。

又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

【大公家に転がり込んできた聖女様】まとめ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 ネタバレ満載の紹...

 




 

63話 ネタバレ

大公家に転がり込んできた聖女様【62話】ネタバレ こんにちは、ちゃむです。 「大公家に転がり込んできた聖女様」を紹介させていただきます。 今回は62話をまとめ...

登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

  • 双子の誕生日会

いよいよ双子の誕生日だった。

皆一緒に長く準備して待った日であるだけに、大公家が全体的に浮き立った雰囲気だ。

誕生日パーティーは午後に開かれ、午前には行進する日程。

城の近くの村を一周しながら人々と挨拶を交わす日程で、ドフィンがあえて入れたまさにそれだった。

朝早くから装いを終えたエスターは行進に出る前、少し早く出て展示会場を訪れる。

広い空間にエスターの絵がいっぱい飾られていた。

パーティーが始まれば、ここもオープンする予定だった。

エスターは歩き方がはっきりしていて,全ての絵を描くことができる中でも最大の大きさを誇る絵の前に立つ。

他の絵は全部かかっているが、この絵だけが見分けがつかないように布で隠されていた。

「お嬢様」

展示場を確認しに来た執事デルバートがエスターを発見し、横に近づいてきた。

「いらっしゃいましたか?」

「はい、絵を見ていました」

徹底的に非公開で描いた絵だが、すべてのことを主管するデルバートにだけは見せなければならなかった。

「お父さんには言わなかったでしょう?」

「勿論です。絶対秘密にしています」

不安そうに目をきょろきょろさせるエスターを見て、デルバートは笑う。

「殿下は単にお嬢さんの絵を集めた展示会としてのみ知っています」

エスターを見つめるデルバートの目はすべて情が深くてとても暖かかった。

「私があえてあの絵を見た感想を話してもいいですか?」

「もちろんです」

エスターはもしかしたらイマイチだと言うのではないかと心配しながら、続く言葉を待った。

「とても立派でした。絵を見て泣いたのは、私人生の中で54年間、生まれて初めてです」

昨夜、絵を展示し、状態を確認したところ、彼は大きなショックを受けた。

どんな絵なのかエスターにあらかじめ聞いていたが、実際に確認すると雷に打たれたように動くことができなかった。

テルシアに身を置いた人として家族の絵に手一杯でもあったが、それよりさらに根本的な感情が上がってきた。

眺めるだけでも神聖な気分になり、家族という意味を再確認させてくれる絵だ。

「こんな絵を見られるようにしてくださってありがとうございます。お嬢さんに感謝を伝えたかったです」

デルバートの挨拶に恥ずかしくなったエスターは、舌を突き出して恥ずかしがる。

「褒めすぎです」

それでもデルバートの褒め言葉が嫌いではなく、にやにや笑いながら指をもぞもぞと動かした。

「あの・・・お兄さんとお父さんは喜ぶでしょうか?」

「私が保障します」

「よかった」

それでも心配になってもう一度絵を見上げていると、ビクターがエスターを迎えに入ってきた。

「お嬢さん、そろそろ行かなければなりません」

「分かった」

まもなく行進を始める時間だった。

エスターは展示場を出るために振り向いてデルバートに挨拶をする。

「後でお会いしましょう」

「はい。行進お気をつけてください」

 



 

馬車がある正門に向かって歩いている間、ビクターはエスターに綺麗だと称賛を惜しまなかった。

しかし、行進の心配に余念がないエスターには心が届かない。

それに気づいてビクターが尋ねた。

「緊張してますか?」

「・・・少し」

「心配しないでください。今のお嬢さんなら誰でも武装解除させますから。肩だけ堂々と伸ばしてください」

その助言を聞きながらエスターは自分でも知らないうちにこわばった肩を伸ばす。

「ありがとう」

ビクターは微笑んで目をしかめた。

「馬車はあそこにありますね」

ドアの前に用意された馬車は、普段乗っていたものよりはるかに華やかで雄大だった。

行進用の馬車だからそのようだ。

しかも、四方が開けていて、すべての方向から馬車の中が見え、馬車からも人々を見ることができた。

エスターが不思議そうに馬車を見ていると、ちょうどデニスとジュディ、ドフィンまで同時に出てきた。

今日は皆気を這って着飾った日だからか、ゆっくり歩いてきたが、3人の後ろに後光が差している。

ドフィンと彼にそっくりな双子の息子は、誰でも振り返るほど素敵で、非の打ち所もなく完璧だった。

もうこれ以上あの間にいても違和感を感じないが、あそこに自分がいるということが改めて不思議だった。

「準備はいい?」

ドフィンはエスターを見るやいなや片手でさっと持ち上げて抱いた。

今やドフィンのこのような行動にも慣れて、エスターも慌てずにうなずく。

「はい。準備できました」

ドフィンが馬車にエスターを座らせようとするが、その間に乗ったジュディとデニスが同時に手を差し出した。

「私が捕まえてあげる」

「いや、デニスじゃなくて私の手を握って」

誰の手を握るか見てみようと言い争う双子を見て、ドフィンがため息をついた。

「違うと思うよ。当然、私の手を握るよ」

「見ればわかるだろう。ふん。エスター!私なの、デニス?早く選んで」

ジュディが自分を選ばなければならないという目つきを切なく送り、手を精一杯に伸ばした。

「選ばずに両方捕まえればいいのに」

エスターは笑いながら両手を分け、二人の手を公平に一つずつ握った。

「これは違うよ!」

「嫌なら手を放せ」

「それは嫌だ」

ジュディはデニスの打撲で口をとがらすその一方で、エスターの手を離さずに馬車に乗るのを手伝った。

早くも双子を調練するようなエスターを眺めるドフィンの目からは、優しさがぽたぽたとにじみ出ていた。

「賢明だな」

独り言で「もしかしたら天才ではないか・・・」とつぶやいたりして、隣にいたベンが恥ずかしがったりもしている。

馬車は4人が乗っても空間が十分に残るほど大きかった。

二人ずつ向かい合って座るとすぐ出発した。

行進中は危険かもしれないので、今日だけは馬車の周りに護衛もいっぱいだ。

エスターは四方が開いたまま動く馬車を不思議そうに見物する。

そして、ハンカチーフを思い浮かべて、かばんに手を入れてもじもじした。

「これ・・・」

数日間、エスターがハンカチに直接テルシアの文章を一つ一つ縫い合わせて作ったハンカチーフだった。

「お誕生日おめでとうございます」

「これは何?ここに差し込むのかな?」

ジュディは鼻の穴をばたばたさせながらハンカチーフを見回す。

「私はこういうのイマイチだけど」

「それじゃなかったことに・・・」

「いや、違うから!」

訳もなく一度弾いてみて、エスターが再び持って行こうとするふりをすると、びっくりしてそれを胸に抱いた。

エスターは笑いながら体を傾けて、ジュディの上着の前ポケットに直接ハンカーチーフを差し込んだ。

「これはデニス様の」

そしてデニスに視線を向けると、デニスが待っていたかのようにすぐにプレゼントをもらった。

「最近、一人で何をしているのかと思ったら、これを作っていたんだね。ありがとう」

ジュディとは違って、「ありがとう」という挨拶も欠かさず、ハンカチーフを剌した。

形がとても綺麗にできた。

 



 

双子を嬉しそうに見ていたエスターは、ふと感じる熱い覗線に横に首を向ける。

「うん?」

ドフィンは自分のものはないかという表情でじっと見つめていた。

エスターは笑いをこらえながらかばんからもう一つ取り出した。

「お父様のもあります」

「ふむ、なんでわざわざ私のものまで作るの。大変だったろうに」

何気ないふりをする話し方と違って、口元はするすると巻き上がっていた。

ドフィンは元々していたハンカチーフを投げ捨ててから、エスターがくれたものに変える。

(もう一つ作っておいてよかった)

あまりにも大したことではなく、反応が良くなかったらどうしよう、と心配していたが、ドフィンまで気に入ったのを見ると杞憂だった。

「でも、どう見てもデニスの方が大きいと思う」

「元々人のものが大きく見えるんだよ」

「そうかな?とにかく私のと変えろ。お前のものにエスターの心がもっと入っているようでいらいらする」

刺繍が大きいだけにエスターの真心ももっと入っただろうとし、ジュディはデニスのハンカーチーフを欲しがった。

エスターは困惑した表情で「喧嘩しないで」と二人を止める。

「賑やかでいいね。

ドフィンはそっと、そのようなエスターと双子を眺めていた。

前まではこんな雰囲気ではなかった。

昨年の誕生日にはパーティーの前に別に集まることもなかった。

誕生日はただ毎年開かれる行事に過ぎなかったから。

しかし、エスターが来た後、多くのことが変わった。

双子も今回の誕生日を特に期待する姿が見えた。

(エスターも、よく笑うと思うし)

終始笑顔が綺麗だ。

初めのような人とは信じられないほど明るくなっている。

ドフィンは手を伸ばして風に舞い散るエスターの髪の毛を渡した。

「気分が良さそうだね」

「お兄様たちの誕生日ですから」

エスターが何を言っても3人の顔には笑みが浮かんだ。

後は息をするだけでも笑いそうだった。

絵を思い浮かべると、なんだか照れくさくてくすぐったい気持ちになる。

「プレゼントを?」

「何をかけておくの?絵なの?うん?」

「うん・・・私も初めて聞いたね」

デニスとジュディ、ドフィンが相次いで疑問を示したが、エスターは舌を突き出して笑うだけだ。

「後で直接確認してください。お父様も必ず見なければなりません」

「わかった」

4人の覗線が互いに行き来しながら暖かい雰囲気を作る。

エスターも今日だけは笑い続けた。

 



 

いよいよ双子の誕生日。

今年はエスターがいるから家族の雰囲気も明るいですね。

絵を見たときの3人の反応が楽しみです。

 

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