こんにちは、ちゃむです。
「捨てたゴミは二度と拾いません」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
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1話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- プロローグ
帝国の剣と称されるウィリオット公爵家。
私がウィリオット公爵家の唯一の後継者、フィレン・ウィリオットと婚約し、公爵家に入ったのは14歳の夏だ。
ありがたいことに、ウィリオット公爵夫妻は何も持たない上、出身の家柄も良くない私をまるで実の娘のように接してくれた。
おいしいものや良いものがあれば、フィレンよりも私に先に与えてくれるほどだ。
おいしいものをまず私にくれたり、ティーパーティーや社交パーティーに参加しても、フィレンではなく私を褒めることが多かった。
フィレンはそれにいつも不満を感じ、私を見るたびにこの件について文句を言ってきた。
「本当に変なことだよな。」
その日も同じだった。
剣術の訓練を終えて戻ってきたフィレンは、私を見るなり額の汗を拭きながら、呆れたように言った。
「もしかして、君と僕の両親が入れ替わったんじゃないか?」
「そんなわけないでしょう、フィレン。」
私は読んでいた本を閉じて、にっこり笑う。
「あなたは誰が見ても公爵閣下にそっくりよ。」
「君だけがそう思っているんじゃないの?」
「いや、誰もがそう思っているわ。」
それは事実だった。
フィレンはこれからどう成長するのか予測できるほど、ウィリオット公爵とそっくりな外見をしていた。
剣術の実力と性格までそっくりで、誰もがフィレンがウィリオット公爵の血縁者であることを疑わなかった。
しかし、残念ながら頭脳だけは似ていなかった。
ウィリオット公爵閣下のような天才とは言えなくても、普通の知性は持ち合わせていたが、フィレンは剣術以外のことは全く知らない愚か者だった。
「レイラ、君がフィレンの頭脳にならなければならないんだ。」
そのせいだろうか。
彼女は私がフィレンと正式に婚約する前から、何度も私の手を握り、真剣に言っていた。
「未熟な私の息子ができないことを、あなたが妻として、公爵夫人として補ってくれるようにお願いするわ。フィレン、そしてウィリオット公爵家をよろしく頼むわね、レイラ。」
当時の私は、その申し出を断る理由がなかった。
むしろ感謝すべきことだったので、私は「喜んでそうします」と答えた。
その後、私はウィリオット公爵夫人について学び、これから自分が何をすべきかを学んだ。
それだけでも忙しかったが、公爵としてフィレンが果たすべき役割を教えることまで含めると、思った以上に忙しい日々を過ごさなければならなかった。
一方、フィレンは剣術の訓練に忙しくしていた。
お互い忙しかったため、婚約をしても顔を合わせて話をする機会はほとんどなかった。
だからといって、私たちの関係が悪かったわけではない。
まるで恋人のように非常に親密だったり、親友のように打ち解けたわけではなかったが、かなり良好な関係を保っていた。
たまに偶然話をする機会があれば、その年齢にふさわしい冗談を言い合い、よくふざけたりもしていた。
「この婚約って本当に婚約ですか?」
「まあね。若い年齢にしては妙にしっかりしているけど……。」
周りの人々は結婚前から私が姑に気に入られていると思っていたが、それは大したことではない。
私はウィリオット公爵家での生活に非常に満足していたのだから。
ようやく自分に合った服を着たような気分と言えるだろうか。
毎日が夢のように幸せだった。
そんな私をあざ笑うかのように、不幸は容赦なく訪れる。
・
・
・
私がフィレンと婚約してから2年が経った頃だった。
私は皇命を受け、一時的に席を空けたウィリオット公爵夫妻の代わりに領地を管理していた。
本来ならフィレンがすべき仕事だったが、公爵家の事情を知らない彼には任せられなかったため、私がその役を引き受けていたのだ。
公爵夫妻の強い意向により、私は領地管理を任されることになった。
—ゴロゴロ、ドーン!
しばらく書類を見ていると、突然の雷鳴が響き、私は窓の外を見る。
まるで世界を洗い流そうとしているかのような激しい雨が降り注いでいた。
「領地の人々に被害が出ていなければいいのだけど。」
私が心配そうに言うと、屋敷の侍女であるミサが私の前にお茶を置き、微笑みながら言った。
「お嬢様は今や立派な公爵夫人になられるでしょう。」
「そう思う、ミサ?」
「もちろんです。私だけでなく、すべての人がそう思うでしょう。」
公爵夫人は私の憧れだった。
しかし、彼女のようになれると言われると気分が良くなり、私は大きく笑った。
その期待に応えるために、もっと頑張らなければ。
後で公爵夫妻が戻ってきたときに驚かせようという気持ちで、再び書類に集中しようとしていた。
—ガチャッ、ドン!
鍵もかけずに扉が大きな音を立てて開いた。
扉を開けて入ってきたのは荒い息をついている屋敷の使用人だった。
「これは一体どういう無礼な……。」
「お嬢様!大変なことが起きました!」
ミサが使用人の無礼な行動を指摘する前に、使用人が叫び声を上げる。
私が何事かと聞く前に、使用人が先に話し始めたのだ。
それに、あんな大声を出すのも非常に珍しいことだった。
その時、ミサが挨拶を急いで済ませ、使用人に近づこうとしたが、私はミサの腕を掴んで、使用人に尋ねた。
「何があったの?」
これほど急いで駆け込んできて大声を上げるほどのことなら、明らかに重大な出来事だと思い、話を聞く方が優先だと判断した。
「ご主人様と奥様が乗った馬車が崖に滑り落ちて、絶壁の下に転落したそうです!」
「え……?」
私の判断は正しかった。
使用人が伝えた知らせは衝撃的だった。
ミサも驚愕して目を大きく見開いていた。
「そ、それでどうなったの?公爵閣下と公爵夫人はご無事なの?それとも……。」
「そ、それが……。」
そこまでは分からないのか、使用人はしどろもどろだった。
「直接確認しに行くわ。」
私は迷わず立ち上がり、外へ向かう。
あまりに衝撃的な知らせに、完璧な貴族令嬢としての振る舞いが求められるにもかかわらず、公爵夫人の教えも忘れ、ローブを掴んで駆け出した。
「レイラ!」
邸宅のホールにほぼ到着したところで、反対側から走ってくるフィレンの姿が見えた。
「フィレン!」
私はフィレンに駆け寄り、彼の服を掴んで叫んだ。
「公爵夫妻が……!」
「ご無事だ。」
フィレンが震える腕で私をしっかりと抱きしめながら答える。
彼に会って、こんなに動揺した姿を見るのは初めてだった。
「きっとご無事だよ。お二人がそんなに簡単に戻ってこられない方々じゃないことはわかっているだろ?」
「……うん。」
信じたかった。
お二人が本当にご無事であることを。
再びあの扉を力強く開けて入ってきて、「愛する娘、レイラ」と私の名前を呼びながら、私を抱きしめてくださることを切に願い、さらに願った。
しかし、神は無情にも私の願いを聞き届けてはくれなかった。
・
・
・
ウィリオット公爵夫妻が突然亡くなったことで、フィレンはわずか16歳という若さで公爵位を継ぎ、ウィリオット公爵家の家長となった。
しかし、突然の両親の死に心を閉ざした彼は、公爵家や領地の管理を顧みることなく、空っぽの目をしたまま訓練場に通い詰め、剣を振るう日々を送る。
そんな彼に代わって、ウィリオット公爵家と領地の責任を負ったのは私だった。
婚約者という立場から、公爵夫人としての役割はもちろん、公爵の代理としての役割も果たさなければならなかった。
この状況では、早く結婚式を挙げて正式にウィリオット公爵夫人になるよう周囲から勧められたが、私は聞き入れなかった。
両親が亡くなった場合、直系の子供たちは3年間喪に服し、酒や派手な娯楽を控え、親を偲ぶのがしきたりだったからだ。
そのしきたりに従い、私とフィレンも3年間は結婚式を行わないことにした。
18歳の時に行われる成人式や社交界デビューも見送った。
こうして時間がどんどん過ぎていったが、フィレンは依然として訓練場にこもりきりだった。
私は一人で大邸宅に残り、彼を待ち続けていた。
忙しい日々を過ごすうちに、私はフィレンに気を配る余裕を失っていた。
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