こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は35話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
35話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- バレンタイン王子③
翌日。
クラリスはおやつを食べるやいなや、すぐに探検カバンを持って両手に手袋をはめる。
その後は、ドアを開けて片手をさっと上げた。
「外の活動か?」
気が利いてきたベンソンは、クラリスがトイレに行きたいのか、外に行きたいのか完璧に当てたりした。
「はい!」
「分かったけど、離宮の庭の外に出ないように」
「はい、ベンソン卿。そうします」
クラリスは拳を握りしめてうなずく。
「騎士たちが交代で庭を見ているはずだから、危険な探検はしないこと!緊急時にはどうする?
「「助けてください!」と大声で叫びます」
「よし、探検を許可する!」
「行ってきます!」
クラリスは少し急いで庭の外に出た。
ちょうど庭には誰もいなかったので、少女はすぐに待ち合わせ場所の水路に向かう。
「なんで今来るんだよ!死にたいの!?」
クラリスが水路の暗い木のトンネルの中にすっぽり入ると、すぐに鋭い叫び声が聞こえてきた。
「あの、私は死んではいけません。法律が・・・」
驚いたクラリスはすぐに自分の生存の正当性を説明しようとしたが、バレンタインの言葉に遮られてしまった。
「私がどれだけ長く待ったか知ってる?私を凍らせて死なせるつもり!?」
「すみません」
「いいよ。君は約束を守らない子だ!」
「いいえ、私は!」
「あなたみたいなやつに助けてもらおうと思った私がバカだよ!」
頭のてっぺんまで怒ったバレンタインは、クラリスがどうしても気分がほぐれそうになかった。
「しかし、約束の時刻を決めたわけではないじゃないですか」
どうせ怒り続ける人の気持ちを晴らそうとしても無駄なので、クラリスは自分の無念な部分を確実に明らかにしておくことにした。
「な、なに!?」
「だから私は約束を守りました」
「あなたは、まったく!」
「それで何の助けが必要なんですか?」
「誰があなたみたいなやつに助けられると!?」
「王子様です」
クラリスは顔を前に出してはつらつと答えた。
その瞬間、理由は分からないが、バレンタインが驚いてすぐ後ろに下がって座る。
「王子様?」
彼を驚かせるつもりはなかったので、クラリスはやや怪認そうに再び彼を呼んだ。
「あ、いや、私は・・・」
彼は急にどもり始めた。
その上、なぜか片方の腕で口元を隠すことさえしている。
「うん、君の言う通りだよ。約束の時刻を決めたわけではなかった」
「そうですよね?」
「君は約束を守った。ふう・・・。君に不当な言ったことを謝る」
彼は狭いトンネルでそれなりに腰を上げ、軽く頭を下げて真実の礼を示した。
「お詫びをいただきます、王子様。でも・・・」
クラリスは今日もスーツのコートのような、彼の服装を上下に見る。
素敵ではあるが、これではどんなに暖かい首都の冬でも耐えられそうにないだろう。
「寒そうですね」
「ぜんぜん寒く・・・ふえっちい!」
「ああ、そうだと思いました。王子様は外の活動もしてこなかったんですか?」
クラリスはすぐに自分の毛皮の帽子を脱いで、バレンタインの頭に押し付けた。
「・・・」
しばらく断るように首を振っていた彼だったが、すぐに青い瞳を丸くしてクラリスを眺めた。
保温性に驚いたに違いない。
この帽子といえば、シェリデンの寒さに立ち向かう勇猛な囚人帽子なのだから・・・。
「あ・・・」
クラリスは一瞬で自分の間違いに気づいた。
一国の王子に囚人帽子をかぶせるなんて。
(もう一度くれと言えばいいのかな?)
いや、そうするにはすでにバレンタインはこの帽子がとても気に入った様子だ。
「すごいな!この帽子はどうしたら手に入るの?」
「国が滅びればいいです」と答えられるはずがないので、クラリスはただ笑ってばかりいた。
「ところで私がこれを使っちゃったら・・・あなたは大丈夫?」
「はい、一番大事にしている帽子ですが、大丈夫です。私はシェリデンの子供ですから」
クラリスはあごを少し上げて偉そうに話した。
「シェリデンの子供?」
「はい、シェリデンの子供は首都の冬が少しも寒くありません。知ってますか?シェリデンに雪がたくさん降るときは、大人の背丈ほど雪が積みます」
もちろん、クラリスはそのような光景を見たことがない。
しかし、実際にそのようなことがあるという事実を学んで知っていた。
「嘘つくな。どうやって雪が人の背より高く積もるの?」
「本当です!北の城壁に行くと、雪がたくさん降った時の高さが描かれているんですよ」
「あなたは北の城壁も行ってみたのか?」
すぐにバレンタインが目を輝かせる。
クラリスはなんだかうぬぼれているような気がした。
「行ってみました」
「本当に果てしなく壁が続いているの?ずっと?」
「はい、長く続いています」
「最高だ!」
そう、クラリスも北側の城壁がすごいという点は認めた。
しかしこんなに素敵な王宮の中に住む王子様がそんな場所に憧れるのが不思議だった。
「王子様は私よりももっと不思議なものをよく見るじゃないですか」
例えば、クラリスのお兄さんもそうだ。
彼はグレゼカイアの名所は全部見て回ってきたものだ。
それだけではない。
外国に行ってきた臣下たちは、お互いに先を争って兄に神秘的な物をプレゼントしたりした。
「えっと・・・いや、私は」
クラリスの話にバレンタインはなぜか両頬を赤くし、膝の間から頭を埋めてしまった。
「城壁の外に出ないから・・・」
「それは王もハイドンの中だけで生活するという意味ですか?」
「あ、いや」
彼はひょっこりと頭を上げる。
「私は三番目の城壁の中でだけ過ごす。はあ、でもそれはお母様が私をとても愛しているからだよ!私のことを心配されて・・・」
クラリスは両手を心臓の上に集めて握った。
まるで美しい話を聞いた人のように。
「それは。とても羨ましいです!」
「当然だよ。うちの母はこの地で一番高貴な方なんだから」
「ええと、でも私も公爵夫妻が信頼してくだっています!」
囚人である自分がこのように一人で勝手に庭を歩き回ることができるのも、すべて彼らの信頼のおかげだ。
「公爵?」
「はい、ご存じですか?公爵様は本当に・・・!」
クラリスはマクシミリアンの素晴らしさについて大いに語ろうとしてやめた。
(そういえば王子様は公爵様の弟様だ)
家族の前で当たり前の事実を説明しようとしたのが少し恥ずかしかった。
「まあ・・・聞いてあげるよ。民の話に耳を傾けるのも王子の素養だ。どうせ・・・追い出された王子の話は大したこともないだろう」
「そんなことないです!」
クラリスはすぐにマクシミリアンを自慢した。
彼がシェリデンをどれほど立派に育てたのか、人々の声にどれほど真剣に耳を傾けるのか。
それはすべて誇りに思うに値する話だ。
おそらくクラリスがバレンタインだったら、そのような立派なお兄さんが存在するという事実を心の中の光として大切にしていただろう。
しかし、どうして状況は彼女が思ったのとは少し違った。
バレンタインの表情はだんだん固まってきて、目つきは怒っているかのように鋭くなってしまった。
「ああ、公爵様は・・・本当に素敵な大人です。私もいつかは必ず・・・そんな人に・・・」
彼の顔色をうかがうためにクラリスの声が次第に静まった。
「なんで・・・怒るんですか、王子様?」
「あなた」
戻ってきたバレンタインの声は冷ややかだった。
「は、はい!?」
「正直に言って。あの滅びる公爵がこう言えって命令したんだよね?」
「・・・はい?」
「ふざけるな!」
彼は大声で叫び。クラリスの肩を押した。
「お前は嘘つきだ!私についても公爵が教えたんだろう?」
「お、王子様」
「お母様を裏切って幽閉された王子が皆から尊敬されるって?嘘つくな!」
「私は、本当に・・・」
「公爵は冷たいシェリデンで一生母親に犯した罪を反省し、とても苦痛に暮らさなければならない!」
ちょうど庭のどこかからクラリスを探す騎士たちの声が聞こえてきた。
バレンタインはクラリスを不審そうににらみつけ、すぐに向きを変えて水路の向こうに逃げた。
「あの!」
クラリスは後ろから大声で呼んだが、彼は反応しなかった。
「王子様!」
ただ、こう呼んだ瞬間には、しばらくぎくりとその場に立ち止まる。
「明日もいらっしゃるんですよね?」
彼は何と言えばいいのか分からず、思わず口をつぐんで返事を躊躇う。
「私は・・・待っていますから」
小さな声で付け加える時、再び庭でクラリスを探す声が聞こえてきた。
「知らない!勝手にしろ!」
すると、バレンタインはかっと声を張り上げ、遠くまであっという間に駆けつけてしまった。
「・・・」
クラリスは混乱した目で彼を見つめ、すぐに自分を探していた騎士たちのところに戻った。
少し近づけたと思ったのですが、マクシミリアン公爵の一件で衝突することに。
バレンタイン王子は再び訪れてくれるのでしょうか?