こんにちは、ちゃむです。
「乙女ゲームの最強キャラたちが私に執着する」を紹介させていただきます。
今回は135話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
135話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 回帰者
セドリックはダリアが書斎から出るのを待っていた。
彼はルウェインが出て行くのを見て眉をひそめる。
「・・・あなたが泣いたの?」
「はい・・・」
「なんで?」
「そうですね・・・」
ダリアはぼんやりと答えた。
セドリックは彼女がおかしいことにすぐ気づく。
彼はダリアの頬に手の甲を当てた。
「頬が熱いね。何かあったの?」
セドリックは心配そうな顔でダリアを見る。
いつもと変わらないその姿を見ると、ダリアの目元も早く燃え上がった。
ルウェインはダリアの言葉を否定しなかった。
つまり、セドリックは本当にすべてのルートの最後で死ぬという意味だ。
知ってはいたが、ずっと努めて無視してきた事実を、今の彼の反応で確認射殺された気分だった。
ダリアの胸が上下に揺れ始めると、セドリックは驚いて膝を曲げる。
彼は彼女のうつむいた頭を両手でつかんで見つめた。
そしてダリアの目元に涙がぽろぽろと結ばれるのを見て、この上なく当惑した表情をした。
ダリアは顔を隠し、セドリックの胸にもたれかかる。
「どうしよう・・・」
セドリックは驚いて彼女を抱きかかえて背中を軽くたたいた。
彼の前で泣くのはこれが初めてだ。
しかし、我慢できなかった。
残ったルートは一つだけ。
アセラスルートは最後までダリアが解決できなかった。
もしセドリックが死ぬ理由を突き止めなければ、今度も彼は・・・。
セドリックが死なないでほしい。
彼はすでにダリアにとって、とても重要な人だから。
重要で、とても重要で、大切で、どうしてもどんな言葉でこの感情を表現すべきかも分からない人。
「大丈夫、ダリア。大丈夫だよ」
セドリックがわけも分からずダリアをなだめている間、あまりにも長く舞踏会場から消えた2人を探しにヒーカンもアドリーシャも現れた。
みんなずっと泣き止まないダリアを見てどうしていいか分からなかった。
セドリックを最初に非難した2人は、状況説明を聞くやいなや矢の方向を変える。
「ルウェイン・ブルーポート、あなた何をしたの?」
「いったい何を言ったからダリアがこうなるんですか?」
ダリアはセドリックの腕の中で泣き続け、すべての言葉を首を横に振って否定した。
そう、これはルウェインの過ちではない。
ダリアが突然この世界に落ちた時から、いつか一度は直面すべき運命だった。
ダリアはセドリックが自分を持ち上げてソファーに運んでくれる時も、ハンカチで顔を拭いてくれる時も、泣きすぎて痛い頭を魔法で治してくれた時もずっと泣いて、やっとセドリックの胸で眠りについた。
翌朝、ダリアはむくんだ顔で朝食の席に出た。
ヒーカンはダリアの顔を見て額に手をつける。
格好が本当に話にならないようだ。
ダリアは鏡を見るのが怖かった。
「・・・それで、私がルウェイン・ブルーポートにどんな処置をすればいいのかな?」
「何もしなくてもいいです」
ダリアは静かな声ではっきりと言った。
「私が全部自分でやります」
「・・・」
「本当です」
「ダリア」
ヒーカンは彼女をこわばった声で呼んだ。
ダリアはためらいがちに答える。
「はい」
「昔から君はいつも強かった。だけど、いつも一つずつは私に隠していた。何の悩みがそんなに多いのか、みんな一人で何とかやり遂げようとして」
ダリアはまた、目元が赤くなりそうで無理に拳をぎゅっと握りながら我慢した。
ヒーカンが言い続けた。
「君の選択だから止めはしない。しかし、あなたも知っているだろうが、私はいつもあなたの味方だ。君を苦しめる人がいれば、どんなことがあっても解決する」
「・・・」
「分かった?」
「・・・はい」
ダリアがうなずくと、ヒーカンはやっと満足したように見えた。
「外に皇子殿下がいらっしゃる。二人で話があればしてきなさい」
そう、この邸宅にはまだセドリックがいた。
彼は結局、昨日皇居に戻ることを諦めて客間の部屋に泊まったのだ。
玄関を出るとセドリックは宮殿に戻る準備をしていた。
昨日、皇帝が急いで彼を訪ねたという。
彼はダリアを見て微笑んだ。
「おはよう、ダリア」
セドリックはにっこり笑いながらダリアに近づく。
「悲しいことは全部終わったの?」
「・・・」
「君があんなに泣くのは初めて見た」
セドリックが彼女の頬を何度かなでた。
そして、いつものように優しい口調で話した。
「君が必要なら、彼を殺すこともできる。そうしようか?」
ダリアは驚いて顔を上げる。
そして、セドリックの平和そうな微笑に宿る青白い冷気を読んだ。
彼女は首を横に振った。
セドリックの目は妙に変わった。
しかし、彼が目を一度閉じてから覚めると、ただ優しさだけが残った。
彼は親切にダリアを見る。
「そうだね、それでは次に話す気がしたら教えてね」
彼はダリアの手の甲にキスをして馬車に乗る。
ダリアは彼の馬車を見送った後、心の決断を下した。
(ルウェインさんに会わないと)
きちんとした説明を聞かなければならなかった。
この世界が一体どのように行われたのか、ダリアを呼び入れたというのはどういう意味なのか、ルウェインはどうやって全てのことを知っているのか。
ダリアは馬車を呼ぶ。
次の行き先は決まっていた。
馬車は走り走り、ブルーポート公爵邸に到着する。
ダリアは馬車から降りるやいなや、何かおかしいことに気づいた。
つい数日前に見た邸宅だが、その間に何かが変わったようだ。
何だか中が空いているというか?
以前来た時に目についた装飾品のいくつかが消え、窓も臨時に木の板で塞いだところが所々に見えた。
それに突然の訪問にも素直にダリアを迎えに来たルウェインの顔もまともではなかった。
彼は額に包帯を巻いていた。
ダリアは慌てて尋ねる。
「これはどういうことですか?」
ルウェインはまだ淡々とした表情で話した。
「すみません、ダリアさん。努力しましたが、第2皇子殿下と仲良く過ごすのは間違っているようです」
「・・・」
セドリックの妙な目つきを思い出す。
「セドリック様がこうされたんですか?」
ルウェインは重々しくうなずいた。
「大丈夫です、私は。ダリアさんのことを考えながら我慢しました」
しかし、原作で彼の性格を知っているダリアは、彼が他人が殴ったからといって黙って迎えてくれる人ではないということが分かった。
(いくら時間が経っても、そんな根本が変わったはずがないのに)
ダリアは疑わしい目つきで彼を見る。
ルウェインはダリアと目を合わせずに地面だけを見ていたた。
「とにかく入りましょう!」
ダリアは慌てて彼を中に連れて行く。
本当に、ルウェインはすでにダリアが来ることを知っていた人のようにすべての準備をしていた。
ダリアは応接室に行くやいなやテーブルトレイの上に幾重にも積もったパンとお菓子の山その横に異国のあらゆる特産果物を見て驚いた。
「これは全部何ですか?」
「甘いものがお好きだということで。大したことない誠意です」
昨日の涙は嘘だったかのように淡々とした表情で、彼にふさわしいとても堂々とした口調だった。
額に包帯を巻いてもハンサムな顔にしっとりとした青い目は相変らずきれいだという気がしたが・・・呆れた。
当然、他の時なら目が回るほど美味しそうに見えるだろう。
しかし、このような状況で甘いものを食べたいほど暇な性格にはならなかった。
「ええ、大丈夫です。今それが重要なのではないじゃないですか」
「本当ですか?一つも?」
ダリアはうなずいた。
すると、ルウェインの広い肩が雨に降られた犬のように垂れ下がる。
「・・・じゃあ、全部片付けろと言わなければなりませんね」
ダリアは訳もなく罪悪感を感じた。
そんな理由が全くないのに!
「そ、それでは少しだけいただきます」
「そうしてください」
あっという間にルウェインの周りの空気が明るくなる。
周辺に音符のようなものが浮かんでいるような気もした。
・・・分かりやすい人だ。
ダリアが消えた彫像の席をちらりと見ながら、青ブドウに似た糖度の高い熱帯果物をフォークで刺して食べる間、ルウェインは話を始めた。
「今日、ダリアさんがいらしたのは、やはり私とあなたのことをもっと詳しい話を聞きたいからでしょう」
ダリアはうなずいた。
「私は、あなたも予想していたと思いますが、回帰者です、ダリア・ペステローズさん」
「・・・」
雰囲気があっという間に沈んだ。
ルウェインは静かに話し続ける。
「私は遠い先代から時間を戻す能力を受けました。ただ、いつも使えるわけではありません」
彼が力を入れて言った。
「死の後になって、私は選択することができました。また戻るのか、この人生に満足するのか」
ダリアは話に集中する。
「私は最初の人生でアドリーシャ・ベニテール、いや、ユースティアを手に入れましたが、彼女の魂を救うことはできませんでした。その時やっと私は悟りました。私が望むのはこんな結末ではなかったということを。ユースティアが本当の幸せを見つけるためには、誰も不幸になってはいけません。それで私は、あなたが見た原作『ウロボロスの迷宮』の終わりに来世を約束し、死を迎えました。完全に彼女が幸せになれる結末のために」
「・・・」
「しかし、来世でも、来世でも、四番目、五番目、十番目、二十番目の人生でも・・・私は失敗しました。時にはメルデンに、時にはヒーカンに、時にはアセラスに敗北し、時には自分自身に勝てませんでした」
ダリアとしては想像もできない長くてつらい人生だった。
しかし、その話をするルウェインの表情は淡々としている。
過ぎ去った昔話をするように。
「ウロボロス」とはヘビが自分の尻尾を噛んで飲み込んで作られる円形の形状だ。
始まりがすなわち終わりという意味。
永遠に終わらない人生、あるいは愛、続けて最初に戻って繰り返す。
ダリアはくウロボロスの.迷宮>というタイトル自体がルウェインを象徴するということを悟った。
やはりルウェインは回帰者でしたね。
じゃあ主人公を呼び寄せた理由は?