こんにちは、ちゃむです。
「公爵邸の囚われ王女様」を紹介させていただきます。
今回は64話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
64話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 目覚め④
兵士が派遣されてからは驚くほど天気が晴れてきた。
北側の城壁に無事到着した騎士たちは、公爵の歓待を受け、彼らは誰一人大きな怪我をせず、魔物を討伐することに成功した。
この過程で外壁は「シェリデンの守護鐘」という名誉を完璧に取り戻した。
このような事実に浮かれた首都の文化財担当者は、「偉大な鐘をすぐにでも王都の博物館に連れてきてほしい」という懇切な要請を送ってきた。
「予定より烙火の設置を前倒しすることはできませんか?その特別な鐘のために歴史博物館に最適な場所を用意します。博物館で一番最初に指折り数えられる一番素敵な文化財になるでしょう・・・このように読めば良いのか?」
クエンティンは鐘塔の上でその手紙を朗読する。
クラリスの頼みだったから。
『その手紙を必ず鐘に聞かせてください。きっと喜ぶでしょうから』
「紙が喜ぶなんて」
クエンティンは変だと思いながらもすべすべした鐘を手のひらで撫でた。
「本当にうれしいの?うん、そうだね。しかし、博物館があなたをいくら特別扱いしたとしても、そのようなところに送ることはできない」
いつの間にか鐘を撫でる彼の手には妙な愛情まで宿っていた。
「君がいないとシェリデンの危機が分からないから。うん・・・そうだね、ありがたかった。全部君のおかげだよ。あの、これまで気づかなくてすまなかった」
当然だが、返ってくる答えはない。
「・・・私が何をしているのか」
彼は気まずくなって,文化財の担当者からの手紙を胸に押し込み、急いで鐘塔の下に降りた。
カチッ。
どういうわけか、自然に直った時計がちょうど食事の時間を指していた。
「ああ、お昼の時間!」
一日の唯一の希望に出会ったクエンティンは、ふわふわと踊りながら階段を降りた。
一方、クラリスは自分の部屋でおとなしく横たわっている。
鐘の鳴った夜。
鐘塔の下で血まみれのまま見つかった子供は、今日まで自分の部屋で風邪との戦いをしていた。
服もきちんと揃えて着られずに倒れた子供を屋敷の外で発見した時。
シェリデンの人々は、悪い心を持った誰かがクラリスを拉致しようとして失敗したと思った。
子供が靴も履いていない上に血まみれになっていたので、そう思うのも当然だ。
その犯人が誰なのか捜索しようとする命令が下された頃、目覚めたクラリスが「拉致されたのではありません!」と証言し、事が大きくなることはなかったが。
子供はこう状況を説明した。
「水を飲みに行ったところ、鐘の音が聞こえました。何か悪いことが起こったのかと思い、確認に駆けつけて転びました」
そして、「申し訳ありませんでした」と言って頭を下げる子供に腹を立てる大人はいなかった。
何より風邪で熱が沸く子供を追及して、是非をあえて選り分けることもできなかっただろう。
代わりに公爵夫人はクラリスを保護する義務がある人として、一番最後までとても恐ろしい表情をしたまま次のように警告した。
「夜に外に出るのは絶対にダメです、クラリス」
少女はすぐにうなずいた。
囚人が勝手に決められた区域から出るなんて、本当に馬鹿げていることだから。
「遅い時間に大人の保護なしで、子ともが一人で通うのは危険ですからね」
しかし、ブリエルが付け加えた理由はクラリスが思ったのとは少し・・・違った。
今までブリエルはクラリスを普通の子供のように扱っていた。
しかし、このような状況でもそのように話してくれることにあまりにも驚いた。
ほんの少しは・・・嬉しかったりもしたし。
(そして何より)
ブリエルはクラリスのベッドに横たわっている額を優しく拭いた。
「薄着で雨の中に飛び込むなんて、無謀です!」
「・・・はい」
「それにこんなにたくさん怪我までして・・・私がクラリスを発見してどんなに驚いたか知っていますか?」
「・・・」
クラリスはその夜の出来事にそれなりに「正当性」を持っていた。
公爵様を守るためには仕方なかったから。
しかし、このように熱烈に心配してくれるブリエルをじっと見ていると、あまりにも申し訳ないという気だけがした。
「すみません・・・」
「二度とそんなことしないで。分かりましたか?」
「・・・はい」
「そして、私もごめんなさい」
公爵夫人の謝罪にクラリスは驚いて「え?」と聞き返した。
彼女が悪いことをしたことは何もなかったから。
「少しでも一人にしておくのではなかったのに・・・私がずっとそばにいなければならなかったのに」
クラリスは心臓の鼓動が妙に激しくなってきた。
あの夜、病気のクラリスのそばにいたのが公爵夫人だったと?
「目が覚めた時、誰もそばにいなくて驚いたのでしょう?ごめんなさい」
「そ、そんなことないです!」
クラリスは素早く首を横に振った。
「夫人が私を看病してくださるとは知りませんでした。えっと・・・それは、とても・・・おかしいです」
「少しもおかしくありません」
そう言って、ブリエルはクラリスの頬を軽くこすった。
まるで愛情のこもった手だ。
たかが罪人のために公爵夫人がそんな感情まで出してくれないのに・・・。
「やっばり・・・おかしいです」
「そんなことないですよ。もうまた寝てください。お医者さんがおっしゃっているので、ぐっすり寝ないと病気が治らないそうです」
「・・・はい、公爵夫人」
クラリスはやっと自分が約束を守らなかったことに対して別に謝らなかったという事実に気づいた。
シェリデンで過ごす間は元気な子として過ごすことにしたのに。
「私たち、残った話は全部治ってからしましょうか?」
「え?」
「私もクラリスと会話すると楽しいですが、今は我慢してみます。まずは目をしっかり閉じてみてください」
楽しい会話をしようとしたんじゃなかったが・・・クラリスは夫人の言葉に従って一旦は両目を閉じた。
「おやすみなさい。もう全部・・・うまくいったから」
晴天のおかげで、すぐに伝えられた焙火によると、北側では本当に支援軍を要請していた。
兵士たちが出発して翌日午後になって到着した公爵の伝令が詳しい状況を説明してくれたが、邸宅の鐘が鳴らなかったら北側に支援軍を送るのが遅くなり、ややもすると大変なことになったと話した。
「・・・どうしたんでしょうか?以前鐘が鳴ったのは偶然ではないかと思ったのですが、違ったようです」
ブリエルはクラリスを寝かしつけながら、小さな声で疑問を示す。
「本当に危機を知らせてくれるなんて。きっと誰かが・・・長い間眠っていた鐘を起こしたりしたようです」
すでに眠り込んでいるクラリスの唇から楽な呼吸の音が出るだけだった。
鐘が撤去されなくて本当に良かったです!
ブリエルも今回の出来事で何かに気づいたかもしれませんね。