こんにちは、ちゃむです。
「家族ごっこはもうやめます」を紹介させていただきます。
今回は141話をまとめました。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
141話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- 化身
ラルクはルンルンと鼻歌を歌いながら、娘を探しに向かった。
「申し訳ございませんが、公女様は現在、皇女殿下との会議中でして、後ほど連絡を差し上げるとおっしゃっております。」
そして扉はしっかり閉ざされた。
「・・・はぁ。」
帰ってきてまだ一日しか経っていないのに、これはさすがにやりすぎじゃないか?
「うちの娘は一途すぎる。私がそんな風に育てた覚えはないのに、どうしてこうなったんだ?」
ラルクは険しい表情を浮かべながら後ろを振り返り、少し離れたところに立っているクリードを見つけた。
「ナビアに会いに来たのか?」
クリッドは視線をそらしながら答える。
「はい。でも、今は適切なタイミングではないようです。」
彼はちょうどラルクが扉で追い返される様子を見ており、ナビアを呼び出すことが難しそうだと判断して帰ろうとしていた。
「そうか。」
そう言って、肩を落として帰ろうとしたクリードが身を翻そうとしたとき、そっと忍び寄ったラルクに思わず肩を掴まれた。
「・・・なぜこんなことを?」
「久しぶりに師匠と弟子の間で有意義な時間を過ごそうと思ってね。」
クリードの目が鋭く細められる。
「暇だからって、僕をからかおうとしているだけでしょう? 忙しいんですよ。僕は。」
「まあまあ。私は君の大事な師匠だろう。師匠を無視するな。だから従え。」
「従えって・・・。」
クリードは言葉に詰まった。
ラルクを師匠として敬うことだけでも十分に頭が痛いのに、さらに弟子として言いなりになれと言われると、言い返す余地もなかった。
それでも従えだなんて。
「仲良くやろうな、な?」
「・・・。」
(ただのチンピラじゃないか。)
クリードはため息を深くついた。
すると、ラルクが指摘してきた。
「ちっぽけなお前のため息なんか。」
ラルクは酔っ払った人間のようにクリードに体を預け、ぐらぐらと揺れながら歩いてきた。
優雅さや威厳は微塵もなく、むしろ大きな建物のように周囲の者たちにわずかな衝撃を与えながら近づくその姿に、見ていた人々は微妙な表情を浮かべる。
クリードは、ナビアの品位を保つため、この頑固で迷惑な父親を遠くに送り出すのが一番だと考えた。
「それで、どこへ行かれるんですか?」
ラルクは、皇帝の葬儀を準備するために北に向かうと言った。
敵は印を振りかざしながら言った。
「監獄だ。」
それはすぐにアレスに会いに行くという意味だ。
クリードはその瞬間から妙に静かになった。
ラルクは何か分かっているような微笑みを浮かべながら、クリードの無表情な横顔を見る。
「お前、昨日プライドが傷ついたんじゃないか?」
クリードは「いいえ」と答えようとしたが、その言葉を飲み込んだ。この人の前で嘘をつく意味など何もない。
「はい、すごく傷つきました。」
その幼いような正直さに、ラルクはクスリと笑う。
「可愛い奴め。でっぷりしているが、どうせ育ち切るだろう。」
「いつもは小さなやつと言っていたくせに?」
クリードは少し不満そうにラルクのにやけた顔をじっと見つめた後、ため息をつきながら視線を正面に戻した。
監獄へと向かう道は目に見えて閑散としていた。
どうせ人通りの多い場所ではないからだ。
そんな中で、場がすっかり静まり返った頃、ラルクがぽつりと言った。
「お前、俺の化神(けしん)にならないか?」
「・・・え?」
化神?
・・・まさか、あの化神?
クリードは「それってどういうこと?」という表情を浮かべる。
しばらく考え込んだ後、急に動きを止めた。
ラルクは風に揺れる長い髪を耳の後ろにかけながら言った。
「俺の化神になれよ。そうすれば、アレスに対する信仰の威力なんて簡単に処理できるだろう。」
「ちょっと待ってください。それが問題じゃないんです。」
クリードは非常に常識的な質問を投げかけた。
「公爵様がどうやって化神を作るんですか? それって神との契約じゃないんですか?」
ラルクは拳を握りしめる。
すると、黄金色のオーラが微かに揺れ、周囲に広がり始めた。
「さあね?たぶんできるだろう。神格を持たなくても、一度神になればそのままいけるんじゃない?俺も詳しくは分からん。」
クリードはその無責任で無頓着な返答に、思わず黙り込んだ。
口を少し開け、驚きと困惑を交えた様子で言った。
ラルクは、それが何の大事かというような態度で手を振る。
「どうせ化神になれば強くなっていいことだろう。」
率直な言葉だ。
今回の件でクリードは、自分が人間の中では最も強い存在であっても、神聖な存在が関与する問題においては無力であることを痛感した。
ナビアを守れなかったその無力感を、二度と味わいたくはなかった。
「問題が起きるわけじゃないですよね?神界から制裁が下されるとか。」
「いいさ。全部俺が片付ける。」
ラルクは片方の唇をわずかに上げて笑い、クリードの前に近づいて、その鋭い目を見据えた。
ラルクはクリードの頬を軽くっつきながら言った。
「それで、やるのか、やらないのか?」
クリードは眉をひそめながら口を閉ざしたが、ラルクのいたずらに注意を向け続ける。
(本当にこの人はいつもこうなんだから・・・)
クリードは結局、無駄な抵抗をやめて心の中で諦めた。
「化神になります。」
「賢い選択だ。どうせお前には選択肢なんてなかったんだから。」
クリードは、自分がいかに無力であるかを既によく理解していたため、特に驚きもしなかった。
「でも、化神の契約ってどうやるんですか?」
ラルクは手を伸ばしてクリードの頭に軽く触れる。
「こうやって。」
すると、黄金の光をまとった力がクリードに一気に流れ込んできた。
「!」
クリードは驚き、息を呑んだ。
その瞬間、体中にスミが染み渡るような感覚が広がり、冷たく鋭い電流が走るような衝撃に襲われる。
それは神の力だった。
まるで自身の体を構成するすべてが一新されていくような感覚だった。
間もなく、黄金の光の気配がクリードの体全体に浸透する。
彼の青い瞳に金色のリングが一瞬現れ、また消え去った。
こうして、非常に簡単に化神の契約が完了した。
クリードは体内の力を動かしてみた。
それは普段なら毒が混ざった強い液体が体内で弾けるような感覚を伴った。
彼は拳を固く握り、内に湧き上がる力を感じた後、ふと呟いた。
「これが化神の力か・・・。」
これは、下位種族が比類なき上位種族へ進化したようなものだ。
命を懸けてでもこの力を手に入れたいという欲望が、彼には理解できた。
この力を手にしている者こそが無敵と呼ばれるにふさわしいのだ。
「どうだ? 自分の神の力、壮大だと思わないか?」
クリードはつい吹き出して笑ってしまった。
「ええ。否定のしようがありませんね。」
本当は認めたくない気持ちもあったが、ラルクは本当に堂々としていた。
ラルクは得意げな表情を浮かべながら、満足そうに微笑んでいた。
「これは持参金だ。」
「・・・え?」
「何驚いてるんだ? お前、うちの娘と結婚しないのか? 愛が戯れか?」
「あ・・・はい・・・やります、やらないと・・・。」
クリードは「結婚」という言葉に顔を真っ赤にして視線を落とす。
姉と結婚なんて、考えただけでも恥ずかしいけれど嬉しい気持ちでもある。
ラークはまるで意地悪な少年のようにクリッドを見ながら腰に手を当てた。
「すぐに結婚させるつもりはないから、先走って失敗するんじゃないぞ。」
「・・・それは分かっています。」
「ほんとか? お前に何が分かるんだ? せいぜい20年しか生きていないくせに。」
ラルクはクリードの首にヘッドロックをかけたまま、監獄へと連れて行く。
彼らは黄金の光に包まれ、監獄に囚われたアレスの前に立った。
アレスはまだ鋭い生存本能の瞳を保ちながら、身をよじっていた。
「もう気力もほとんど尽きたし、これから本格的な作業を始めるとしようか?」
ガシャン!
ラルクは監獄の扉を開け、中へと入りアレスの頭をしっかりと掴んだ。
「うっ!うぅっ!」
全身を満たしていた強烈な気力が次第に抜け、周囲に拡散していくのを感じた。
アレスはその耐え難い喪失感に襲われ、目に見える壁に体をぶつけながらのたうち回る。
『だめだ!だめだ、それをやめろ!私の力が消えていく!』
彼は自分の体内に神が直接入り込んでいることを知った。
それは一見して危険に思えたが、アレスは恐れることなくこの力を手にしていた。
この力を持つことで、他のすべてが自分の考えに同意するはずだ。
普通の虫けらのような人間とは本質的に異なる偉大な力を持つならば!
だが、その強大な気配が徐々にラルクに吸い取られていくのを感じた。
彼は次第に苦しみ、無力化されていった。
「やめろ!やめろと言っている!やめ・・・!やめてくれ・・・!」
ついに、アレスの両目が元の青い光に戻る。
ニアルラトテップは完全に消滅したのだ。
アレスはすべてが終わったという事実を悟り、呆然とした目つきでその場に崩れ落ちた。
ラルクは手のひらに奇妙なエネルギーを感じながら立っていた。
拳を軽く握りしめながら、少し晴れやかになった様子を見せた。
「やれやれ。」
これで、神殿へ行って直接持ち帰ったニャルラトホテプを完全に消し去れば、すべてが終わりだった。
ラルクはもうやるべきことはないと言わんばかりにくるりと振り返る。
「さあ、ナビアのところへ行こう。詳細に話さないといけないこともあるし。」
クリードが何か答える前に、彼は彼女の肩を手でぐいっと軽く押し、まるで親しい友人同士のように促した。
パチッ!
彼らが向かった場所は、ナビアが使う別荘。
ただし、それは建物の外であり、中ではなかった。