こんにちは、ちゃむです。
「偽の聖女なのに神々が執着してきます」を紹介させていただきます。
ネタバレ満載の紹介となっております。
漫画のネタバレを読みたくない方は、ブラウザバックを推奨しております。
又、登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。

6話 ネタバレ
登場人物に違いが生じる場合がございますので、あらかじめお詫びさせていただきます。
- プロローグ⑥
私は高鳴る心臓を落ち着けるため、意味もなく図書館をもう少し歩き回った後、自分の部屋へ戻った。
机の上には皇室の宴会に関する本だけでなく、「聖女」や「信託」に関連した本が山ほど積まれていた。
そして……。
やはり視界の片隅には「対話窓」が消えずに残っていた。
不思議なことに、自分が意識しなければ見えないのに、意識した瞬間にその存在がくっきりと浮かび上がった。
『信託は聖女固有の能力で……。』
目の前の本に書かれた一節を見つめながら、私は眉をひそめた。
どうやら、今この「対話窓」が「信託」そのもののようだ。
まるでエネルギーのないゲームの画面のようだ。
こんなふうに現れた信託の姿は、どう見ても私が聖女であるとは言えないだろう!
神々が現れたという文もなく、ただ「太初の意思」だけが繰り返されていたなら、この目の前のゲームのようなウィンドウが信託であるとは到底断定できなかっただろう。
それにレベル1と庭園とは一体何の意味なのか。
しかも、口を閉ざした神々がなぜ怒りを爆発させたり火を吹いているのか。
「まさか?」
浮かび上がる考えに戸惑いながら、私は独り言を呟いた。
「神々が暇つぶしでノタクタしていて、この世界に来た私が珍しいという理由でふざけているのではないだろうな。クラブの開幕でもないのに。」
その瞬間、ウィンドウの青い光がさらに強く輝いた。
[知識の神ヘセドが「クラブ」に興味を示しています。]
[愛の神オディセイが目を輝かせています。]
[芸術の神モンドがあなたの肖像画を描いています。]
読むだけでも曖昧なメッセージに、私は疑念を抱いた。
「つまり、本当に神々が私を見ているってことなの?」
今まで読んだ本をもとに推測してみると、信託とは聖女が持つ特別な能力で、非常に特異な神聖力の波長が一致しなければ信託を受けることはできないようだ。
だが、今の私の信託は明らかにそうではない。
途切れることなく、ぴかぴかと会話を更新していた。
まるで新しいインターネット放送チャンネルに入った視聴者のように、彼らはとても興奮しているようだった。
「これ、オフにできないの?」
私は苛立ちを感じながら会話ウィンドウを見ていた。
その瞬間、ポップアップウィンドウが現れた。
[<信託> 機能を一時的に無効にしますか?
(はい/いいえ)]
おお、オフにすることもできるようだ。
しかし、会話ウィンドウは依然として混乱の坩堝だった。
[芸術の神モンドが、あなたの肖像画を描くことを交渉しています。]
[愛の神オディセイが跳ね回っています。]
[知識の神ヘセドが、愛おしそうな目であなたを見つめています。]
「はい」を押そうとしたところで、私は一度手を止め、会話ウィンドウを見つめた。
すると、会話ウィンドウが少しずつ静まる。
[知識の神ヘセドが、あなたに対して信頼を示しています。]
『これはまるで……』
数年ぶりにインターネットに接続され、首に赤いスカーフを巻いた人々のようだった。
『あるいは、無人島で無線機ひとつにすがりついている人々みたいなものか?』
どこかから奇妙な視線が感じられるような妙な気分だった。
結局、悩んだ末に、私は「信託」機能の非活性化に対する「いいえ」ボタンを押した。
「それで、信託……」
青い会話ウィンドウを見つめながら、私はひとりごとをつぶやいた。
「これで何をしろっていうんだ?」
どうせ私は聖女ではない。
私の行動をまるで登録者たちが逐一見ているような気分になるだけで、何も変わらないだろう。
彼らが支援者にならない限り。
「機能として10万フランくらいのお金を払ってくれるなら、喜んで歌でも何でもするけど。」
しばらくして、会話ウィンドウに新しい文章が浮かび上がった。
[知識の神ヘセドがあなたに「感応」を使用します。]
その瞬間、頭の中に数百冊分の書籍や大量の知識が流れ込んできた。
それには、まだ読んでいない『皇室連会礼法』や『皇室連会祝祭集』も含まれていた。
しかし、特に区別なく順序立てて流れてきた知識の流れが突然途切れ、メッセージが浮かび上がった。
そしてその瞬間、複雑な頭が何となく明るくなったような気がした。
積み重なった本の表紙を見ると、文字が頭の中にスラスラと入ってくる感覚。
この状態なら現代のどんな勉強でも合格できるのではないかという自信さえ湧いてきた。
窓の外を見ると、夜も更けていた。
私は祝詞の作成のために本を開いた。
明るく光っていた会話ウィンドウは、私が意識しないうちに透明になり、消えていった。
私は手を動かし始めた。
サクサク、ペンが紙を走る音が聞こえてきた。
突然の信託機能の登場にはまだ戸惑いを感じていたが、これ……意外にも便利な機能かもしれないと思った。
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次の日の朝。
入浴を終えて戻り、器具を使い始めていた時、ノックの音が聞こえた。
「入れ」と言うと扉が開き、レイハスが現れた。
朝からどうしてこんなにカッコいいのかと感じるほど、彼の外見は美しい。
[芸術の神モンドがレイハスから目を離せない。]
華やかな金色の瞳が明るく微笑んだ。
「昨夜は快適にお休みいただけましたか、アリエル。」
私は軽く微笑みながら、頷いて答えた。
「ええ。代わりに、九柱神の加護がありましたから。」
彼は微笑みを浮かべながら私に近づいてきた。
そして視線を移し、私の机にぎっしりと並べられた本をちらりと見た。
「昨日、私が去った後、ずいぶん勉強されたようですね。」
私は静かに頷きながら微笑んだ。
本はたくさん読んでいた。
昨日、何度かの経験を通じて気づいたことがある。
ヘセドの『祝福』を受けると、約3時間ほど特別な力が得られる。
その間、理解力や吸収力が著しく向上するが、ある程度時間が経つと元の状態に戻るようだ。
『このくらいなら試験で満点を取るのも難しくないだろう。』
私は心の中でそう考えながら言葉を続けた。
「聖女の祝詞には、神殿の威厳と名誉も込められていますからね。」
宗教界の愚か者も同然の聖女が、自分で書いた祝詞を朗読すれば、人々は私の信念を嘲笑するだろう。
どうせ偽りの聖女として過ごす間、私は自分の発言に最小限の誠実さを込めることにした。
男性主人公たちとの関係も無理に深めるのではなく、「良い人だな」と思わせる程度で維持すれば十分だ。
『全部、生存戦略だ。』
そして、少し奇妙に思えたが、この場の知識を吸収し状況に対処するために、「信託」というものもまずは受け入れることにした。
「……。」
一方、私の言葉にレイハスは一瞬口を閉じたまま私を見つめた。
彼の目の輝きが曖昧で、私は少し不安になった。アリエルのキャラクターとしてはあまりに突拍子もない行動を取ってしまった。
「これまで、私があまりにも軽率に行動していたと思います。」
それで私は、この変化の理由を「反省」にすることにした。
「本物の聖女様を見つけるまで、これから何年かかるか分かりませんが、迷惑をかけない聖女になろうと思います。」
私は自分を前向きで冷静な表情に整えながら、彼にそう伝えた。
その瞬間、レイハスの金色の瞳が少し柔らかくなったように感じた。
「うん、アリエル……。」
彼は私の名前を静かに口にしながら、私を応援するような態度を見せた。
「言ったじゃないですか。ここはもうあなたの家だと。」
なんとなく背筋が寒くなるような彼の言葉に、私は少し曖昧に微笑んでみせた。
「偽りの聖女」という秘密を知っている者が命を落とした話のように、私もそんな運命を免れないということだろうか。
本来のアリエルなら深く考えないだろうが、今回ばかりは死亡フラグを無視するのは難しい。
私たちの間に一瞬の静寂が流れる中、彼は手を差し出した。
「だから、そんなこと言わないでください。」
少し揺れる私の瞳を見つめながら、彼が口を開いた。
その唇に浮かんだ笑みは、何か不思議な意味が込められているようだった。
「さあ、それでは新しく書いた祝詞を一緒に確認してみましょうか?」










